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第26話
しおりを挟むカエルの体にも慣れてきた、とはあまり言いたくはなかったが基本的には人間としての生活とはそう大きくは変わっていなかった。
だが、時々感じるオレを見て馬鹿にするような視線が気に食わなかった。
明確に犯人が分からないため、そいつらを処罰することもできない。
苛立たしく思いながら、オレは騎士からの話を聞いていた。
「ま、まだ……聖女は見つかっていません」
「……くそっ! なぜ一向にみつからないんだ! もっと幅広く探し出せ!」
「そ、そうは言いましても……聖女だけにかかりきりになるわけにもいきません! 現在、この国のあちこちに魔物が出現してしまっているのは王子もご理解しているでしょう? 市民たちからも強く対応するように半ば暴動寸前なほどに伝えられているため、中々聖女探しに騎士を割くことができずにいるんです」
「ああ、そうだな。だが、それがどうした? オレが伝えたとおり、おまえたちは『聖女が職務放棄を行っている』と噂を流してくれたのだろう?」
「は、はい……ですが、そのすでに『王子と聖女候補たちが原因で聖女が王城から逃亡した』という噂が流れてしまっていて、市民たちは皆そちらを信じてしまっているので、どうしても噂を払拭することができないんです」
「……なぜそんな噂が流れているんだ?」
「そ、それは……わかりません」
……オレは市民から不満の声があがっていると聞いて、騎士たちに先ほどの噂で消すように伝えたのに。
まさか、レべッカの奴が流したのか? この噂は明らかに聖女に対してメリットが大きすぎる。
絶対あいつだ! ずる賢く、いやらしい女だ!
「まあいい。もしも今後、王子を批判し、聖女を肯定するような噂を流している連中を見かけたら、そいつらは牢獄にぶち込んでしまって構わない。嘘の噂に踊らされている愚民、としてな」
「お、王子。しかし、それを行ってしまうと噂を認めることになりかねません、かね?」
「噂を認める? そもそも、だ。レベッカが聖女としての職務放棄を行っているのは事実だ。あんな、スラムの猿が国に仕えられるだけでも本来は喜ぶべきなのに、こんなことをしでかしているのだからな」
「……は、はぁ」
なんだ? 騎士の歯切れの悪い返事に苛立つ。
「まさか……貴様もオレに非があると言っているのか?」
「……そ、そんなことはありません。すぐに騎士たちに指示を出し、噂を消すように伝えていきます」
「ああ、早急にな」
「はい。それで、国内で増加している魔物への対応になりますが――」
「主要な都市だけを守ればいい。貴族だけ生き残れば国を立て直すのは簡単だからな。むしろ、汚い血が淘汰されるのだから国にとっても利益があるさ」
「か、かしこまり、ました」
騎士はすっと一礼をしてから、部屋を出る。
……レベッカ。
おまえがどこまで逃げようとも、必ず捕らえ、謝罪をさせてやる!
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