捨てられた私が聖女だったようですね 今さら婚約を申し込まれても、お断りです

木嶋隆太

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第29話

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 一ヶ月が経過した。
 アシュート様は国の状況を確認しながら、体を鍛え直していた。
 そのおかげもあって、私がよく助けてもらっていた筋肉質なアシュート様が戻っていた。
 アシュート様の筋肉って程よく整っていて、綺麗なんだよね。
 私はそんな彼の二の腕に見とれていたけど、アシュート様がすっと一枚の資料を見て声をいった。

「キミも言っていたが酷い、状況だな。少し確認したが、税が明らかに増えている。それでいて何か国が豊かになるためにした功績はないな」

 そういった面から、アシュート様は国の状況を見ていた。
 ……確かにここ数年で、税は一気に増えている。なのに、そのお金がどこかに使われた形跡はない。
 ってことは、たぶん各貴族たちが懐を肥やすために使っているってことになる。

「……これ、貴族の半分くらいはこんな状況ですよね」
「そうだな。だから、国を立て直すには、比較的マシな貴族たちに頑張ってもらうしかない。……周りがこんな状況だ。これ以上続けば、他の貴族たちも同じように腐っていってしまうかもしれない」

 ……私以上に、国の状況をよく理解している。
 確かに、アシュート様の言葉はわかる部分があるかもしれない。
 私は、聖女候補の三人に凄い馬鹿にされていた。はじめはそれをかばってくれる人たちもいたのに、気づけばみんなして私を馬鹿にするようになっていた。
 
 周りがやっていて、感覚がマヒしてきちゃうんだ。
 それも、貴族たちがやっているのは生活に関わるお金の管理だ。……周りが市民から巻き上げた金を用いて、私腹を肥やしているのを見て、それを誰も咎めなければ――自分だってやろうと思ってくる人は絶対に出てくる。

「そうですね。すぐにでも何かしらの対応をする必要がありますね」
「……まあ、すでに色々と手はうっている」
「え、そうなんですか?」
「ああ。キミだって、市民に聖女と王子の立場についての説明をしていただろう?」「はい」

 私はあちこちで『王子と聖女候補が原因で聖女が国から去った』という噂を流している。
 その噂を先に出していたおかげか、市民たちは『王子や国が悪い』と正しく理解してくれた。

「キミの流してくれた噂と、このおかしいほどの税だ。おかげで市民たちはかなり今の王政に不満を抱いている。……そして、それは貴族たちだって例外ではない」
「そう、ですね」

 王城を歩いていれば、今の王子への不満があちこちで聞こえてくる。

「もうすぐだ。……その時が来たら、オレがケルズ王子と直接話をするつもりだ」
「……え? 大丈夫、でしょうか?」
「ああ。そこにはキミも同席してほしい。そして、全員で『話し合い』を行い、すべてにケリをつけるつもりだ」

 ……話し合い。
 言葉はそうだったけど、かなり強い口調だった。
 たぶん、アシュート様の話し合いは……そんな穏便なものじゃないのかなぁ、って思う。

「わかりました。……私もみんなときちんと、お話し、をしたいと考えていました」
「そうか……それなら、良かった」

 アシュート様が微笑み、私も笑みを返した。


____________________________________________________

あとがき



新作書きました! 気になる方は作者名をクリックして読んでくれたら嬉しいです!

内容としましては、ショタな少年がいじめられているところを青年冒険者に拾ってもらうような感じです!
ジャンルはファンタジーです! 視点は男主人公になっていますので、そこだけ気を付けてください!

『パーティーを追放された雑用係の少年、実は滅茶苦茶有能だった』

https://www.alphapolis.co.jp/novel/468674289/823387361

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