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しおりを挟む「大丈夫か?」
「ひょ、ひょっとこ兄貴ですよね!?」
いやユートだが?
当たり前のように皆がひょっとこ兄貴と呼ぶせいで、完全にそれで定着してしまっている。
まあ、俺もチャンネル名にそれをつけているので、おあいこか。
「まあそうだけど」
ポケットに隠れていたルルラが姿を見せると、男だけではなく女たちも目を輝かせる。
「わっ、人形みたい!」
「すごい、かわいい!」
ルルラに顔を近づけた二人が目をキラキラと輝かせている。
ルルラは慣れないながらも、体を少し隠しつつひょこりと顔だけを出して笑顔を浮かべている。
それがまた、二人の女性の心をくすぐるようで歓喜の声をあげている。
「仲間はやられていないのか?」
「はい……大丈夫でした。本当に助かりましたよ……」
「今はPKやってるやつが多いからな。目の赤いやつには気をつけてくれ」
「そうですね。そういえば、PKの人を倒しちゃったら、ひょっとこ兄貴もPKになっちゃうんじゃないですか?」
「PKしたやつを倒す分には問題ないから、気にしなくていいぞ」
俺は仮面の奥を見せるように彼に顔を近づける。
赤目は仮面越しでも覗き込めばわかる程度に光を放っているからな。
俺の目を見て、安心したようで男はほっと息を吐いている。
「それじゃあ、今俺は新人狩り狩りをしているんで、またな」
「はい! ありがとうございました!」
本当はチャンネルの宣伝でもしようかと思ったが、こうやって立ち去ったほうが彼らも気になってくれるかもしれないからな。
『リトル・ブレイブ・オンライン』について語るスレ201
309:名無しの異邦人
ひょっとこ兄貴ー!
310:名無しの異邦人
なんだ突然
311:名無しの異邦人
ひょっとこ兄貴が、『アサシンブレイク』に襲われてるところを助けてくれたんだよ!
312:名無しの異邦人
おっ、またか?
さっきもそういう報告あったな
313:名無しの異邦人
俺も助けられたわ……ちょうどいいアイテムドロップしたからラッキーだったわ
314:名無しの異邦人
今ひょっとこ兄貴はアンタレスにいるのかね? そのわりにアンタレスでの目撃情報は皆無だけど
315:名無しの異邦人
たまたまフィールドにいたんじゃないか?
ワールドクエスト関係を探ってるみたいだし
316:名無しの異邦人
いや、偶然じゃないと思うぞ。
あちこちで救助してるのは確かだな
317:名無しの異邦人
『アサシンブレイク』を狩りまくってるみたいだな
やられた奴の装備で、名前がついていたものはすべて返却もしてくれているらしい
318:名無しの異邦人
装備に名前つける機能あったの知らんかったわw
319:名無しの異邦人
もともとは鍛治師とかのために用意されたやつみたいだけどなw
製作者って書いてあるだろ? そこに入力できるが、二度と変更はできないみたいだな
320:名無しの異邦人
先に言ってくれ……う◯んちって書いちゃったよ
321:名無しの異邦人
ガキすぎるだろw
322:名無しの異邦人
ひょっとこ兄貴の殲滅力がやばすぎるだろw
一人で複数相手にボコボコにしてるみたいじゃねぇかw
323:名無しの異邦人
まあ、レベル高いから複数相手でもどうにかなるんじゃないか?
324:名無しの異邦人
いや、レベルも多少は関係するけど、複数相手だと結構厳しいって意見は多いぞ?
325:名無しの異邦人
対人戦だと、首とか心臓とか急所に攻撃当たるとかなりダメージ入っちゃうみたいだからな……
それで、『マッスルーズ』とかは苦戦してるみたいだし
326:名無しの異邦人
あいつらは防具を着けろ定期
327:名無しの異邦人
ひょっとこ兄貴に助けられたんだが、なんだよあの無駄のない戦闘は……マジで今もどこかで傭兵とかしてんじゃないか?
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