10 / 56
10
しおりを挟む
ゴブリンを三体ほど倒したところで、レベルが上がった。
魔物を倒すと経験値が入るのだが、一人で狩った方がレベルは上がりやすいそうだ。
レベルが2になったことで、各ステータスが上がり、スキルポイントが1ポイントもらえた。
これを職業スキルに割り振ることで、一定レベルに到達したときに職業に関連したスキルが獲得できる。
このスキルポイントは振りなおしができない。
どれに振るかどうかで今後にかなりの影響が出てくるのだ。
俺が持っているスキルは三つ。
【暗黒騎士】【暗黒魔法】【暗黒騎士強化】だ。
俺は前世に目に穴が空くほどに読んだ暗黒騎士に関するいくつもの本を思い出す。
外れ職業と言われても、いつか芽が出るようにとそういった不人気職業を獲得してしまった人はわりと
まあ、本自体はそれなりに貴重なものだ。そんな外れ職業を手に入れてしまった人がわざわざ本を購入して読めるほどの余裕はないというのが残念な話なんだけど。
本などの知識から俺は自分のスキル振りについてはある程度考えていた。
基本は【暗黒騎士】を上げていくのがいいだろう。
【暗黒騎士】はソロで活動するなら、必須ともいえるスキルが多く手に入る。
暗黒騎士は攻撃が得意なタンクというのが特徴なため、タンクとして立ち回りたい場合は【暗黒騎士強化】を上げる必要がある。
ただ、【暗黒騎士強化】はもちろん良いスキルもあるのだが、そればかりを上げても駄目なので難しい。
【暗黒騎士強化】は、レベル5で一応【誘い】という挑発スキルを獲得できるため、仲間と活動するようになってから上げていけばいいだろう。
【暗黒魔法】はネクロマンサーのようなスキルを獲得できる。一時的に死霊を召喚し、自分とともに戦ってもらうとかだ。
こちらも便利なスキルは多いのだが、召喚した死霊はスキルレベルと自身のステータスに比例しての能力になる。最優先で上げるべきスキルではない。
ひとまずは、すぐに攻撃スキルが手に入る【暗黒騎士】をレベル1にして、新たな攻撃スキル【ブラッドスイング】を獲得した。
これは、HPを消費して強力な一撃を放つことができるスキルだ。
早速、ゴブリンに使用してみようか。
現れたゴブリンと向かい合い、攻撃を誘ってから距離を詰める。
そして、【ブラッドスイング】を放つ。
振りぬいた一撃が黒い光を放ち、ゴブリンの体に直撃した。
ゴブリンは吹き飛び、そのまま霧のように消滅した。
……さすがに素晴らしい威力だな。
このスキルが強いことは前世でも知っていた。この時は俺もやれるんじゃないかと思っていたものだ。
まあ、【根性】がないと敵の攻撃が激しくなるランクの高い迷宮では無理だったけど。
【ブラッドスイング】はHPを消費するスキルなので、俺は自分のステータスを確認する。
HPは2から1に減っている。ちなみに、HPを1の時に使ってもスキルは不発に終わる。
ただ、HPを1でも消費すればスキルとして機能してくれるので、ぶっちゃけかなり効率の良い攻撃スキルだ。
HP自体は自然回復もしてくれるしな。だいたい一分ほどかかるけど。
多少効率が良くなったところで、再びゴブリン狩りを行っていった。
それから休みを挟みながら夕方近くまでゴブリンを狩り続けた俺は、レベル6まで上がった。
帰り道。ゴブリンが二体現れ、俺の行く手を阻んだ。
もうさっさとギルドに帰りたかったというのに。
多少の不満があったせいか、多少動きが雑になっていた。
俺は左腕にゴブリンの棍棒を受けた。
「いってぇ……っ!」
痛みが左腕に広がる。
慌てて俺は自分のステータス画面を開いた。
攻撃をくらったのは初めてだ。そして、先ほどの攻撃ならばまず間違いなくHPは0になるはずだ。
しかし、しかしだ!
HPは1になっていた。
【根性】が、発動した。
俺の机上の空論は実現した。
嬉しさがこみ上げてくるが、今は気持ちに身を任せている場合ではない。
目の前のゴブリンに集中しないとな。
疲れが出てきたからって、そんなの言い訳にはできない。
改めてゴブリンへと視線を向け、剣を構える。
HPが0になっても死ぬということはないが、ステータスの恩恵を受けられなくなってしまうのだ。
スキルは使えないし、高い身体能力もなくなる。
Gランク迷宮ならばなんとかなるかもしれないが、高ランクの迷宮でステータスがなければだいたいの人は死んでしまう。
ゴブリンの攻撃をかわし、まずは一体を確実に仕留めた。
その間にHPも回復し、スキルが使用できるようになった。
【ブラッドスイング】を放ち、ゴブリンの頭をかちわってやった。
「よし、こんなところか」
魔石を回収しながら、俺は額に浮かんだ汗を拭った。
魔物を倒すと経験値が入るのだが、一人で狩った方がレベルは上がりやすいそうだ。
レベルが2になったことで、各ステータスが上がり、スキルポイントが1ポイントもらえた。
これを職業スキルに割り振ることで、一定レベルに到達したときに職業に関連したスキルが獲得できる。
このスキルポイントは振りなおしができない。
どれに振るかどうかで今後にかなりの影響が出てくるのだ。
俺が持っているスキルは三つ。
【暗黒騎士】【暗黒魔法】【暗黒騎士強化】だ。
俺は前世に目に穴が空くほどに読んだ暗黒騎士に関するいくつもの本を思い出す。
外れ職業と言われても、いつか芽が出るようにとそういった不人気職業を獲得してしまった人はわりと
まあ、本自体はそれなりに貴重なものだ。そんな外れ職業を手に入れてしまった人がわざわざ本を購入して読めるほどの余裕はないというのが残念な話なんだけど。
本などの知識から俺は自分のスキル振りについてはある程度考えていた。
基本は【暗黒騎士】を上げていくのがいいだろう。
【暗黒騎士】はソロで活動するなら、必須ともいえるスキルが多く手に入る。
暗黒騎士は攻撃が得意なタンクというのが特徴なため、タンクとして立ち回りたい場合は【暗黒騎士強化】を上げる必要がある。
ただ、【暗黒騎士強化】はもちろん良いスキルもあるのだが、そればかりを上げても駄目なので難しい。
【暗黒騎士強化】は、レベル5で一応【誘い】という挑発スキルを獲得できるため、仲間と活動するようになってから上げていけばいいだろう。
【暗黒魔法】はネクロマンサーのようなスキルを獲得できる。一時的に死霊を召喚し、自分とともに戦ってもらうとかだ。
こちらも便利なスキルは多いのだが、召喚した死霊はスキルレベルと自身のステータスに比例しての能力になる。最優先で上げるべきスキルではない。
ひとまずは、すぐに攻撃スキルが手に入る【暗黒騎士】をレベル1にして、新たな攻撃スキル【ブラッドスイング】を獲得した。
これは、HPを消費して強力な一撃を放つことができるスキルだ。
早速、ゴブリンに使用してみようか。
現れたゴブリンと向かい合い、攻撃を誘ってから距離を詰める。
そして、【ブラッドスイング】を放つ。
振りぬいた一撃が黒い光を放ち、ゴブリンの体に直撃した。
ゴブリンは吹き飛び、そのまま霧のように消滅した。
……さすがに素晴らしい威力だな。
このスキルが強いことは前世でも知っていた。この時は俺もやれるんじゃないかと思っていたものだ。
まあ、【根性】がないと敵の攻撃が激しくなるランクの高い迷宮では無理だったけど。
【ブラッドスイング】はHPを消費するスキルなので、俺は自分のステータスを確認する。
HPは2から1に減っている。ちなみに、HPを1の時に使ってもスキルは不発に終わる。
ただ、HPを1でも消費すればスキルとして機能してくれるので、ぶっちゃけかなり効率の良い攻撃スキルだ。
HP自体は自然回復もしてくれるしな。だいたい一分ほどかかるけど。
多少効率が良くなったところで、再びゴブリン狩りを行っていった。
それから休みを挟みながら夕方近くまでゴブリンを狩り続けた俺は、レベル6まで上がった。
帰り道。ゴブリンが二体現れ、俺の行く手を阻んだ。
もうさっさとギルドに帰りたかったというのに。
多少の不満があったせいか、多少動きが雑になっていた。
俺は左腕にゴブリンの棍棒を受けた。
「いってぇ……っ!」
痛みが左腕に広がる。
慌てて俺は自分のステータス画面を開いた。
攻撃をくらったのは初めてだ。そして、先ほどの攻撃ならばまず間違いなくHPは0になるはずだ。
しかし、しかしだ!
HPは1になっていた。
【根性】が、発動した。
俺の机上の空論は実現した。
嬉しさがこみ上げてくるが、今は気持ちに身を任せている場合ではない。
目の前のゴブリンに集中しないとな。
疲れが出てきたからって、そんなの言い訳にはできない。
改めてゴブリンへと視線を向け、剣を構える。
HPが0になっても死ぬということはないが、ステータスの恩恵を受けられなくなってしまうのだ。
スキルは使えないし、高い身体能力もなくなる。
Gランク迷宮ならばなんとかなるかもしれないが、高ランクの迷宮でステータスがなければだいたいの人は死んでしまう。
ゴブリンの攻撃をかわし、まずは一体を確実に仕留めた。
その間にHPも回復し、スキルが使用できるようになった。
【ブラッドスイング】を放ち、ゴブリンの頭をかちわってやった。
「よし、こんなところか」
魔石を回収しながら、俺は額に浮かんだ汗を拭った。
0
あなたにおすすめの小説
魔力ゼロで出来損ないと追放された俺、前世の物理学知識を魔法代わりに使ったら、天才ドワーフや魔王に懐かれて最強になっていた
黒崎隼人
ファンタジー
「お前は我が家の恥だ」――。
名門貴族の三男アレンは、魔力を持たずに生まれたというだけで家族に虐げられ、18歳の誕生日にすべてを奪われ追放された。
絶望の中、彼が死の淵で思い出したのは、物理学者として生きた前世の記憶。そして覚醒したのは、魔法とは全く異なる、世界の理そのものを操る力――【概念置換(コンセプト・シフト)】。
運動エネルギーの法則【E = 1/2mv²】で、小石は音速の弾丸と化す。
熱力学第二法則で、敵軍は絶対零度の世界に沈む。
そして、相対性理論【E = mc²】は、神をも打ち砕く一撃となる。
これは、魔力ゼロの少年が、科学という名の「本当の魔法」で理不尽な運命を覆し、心優しき仲間たちと共に、偽りの正義に支配された世界の真実を解き明かす物語。
「君の信じる常識は、本当に正しいのか?」
知的好奇心が、あなたの胸を熱くする。新時代のサイエンス・ファンタジーが、今、幕を開ける。
防御力を下げる魔法しか使えなかった俺は勇者パーティから追放されたけど俺の魔法に強制脱衣の追加効果が発現したので世界中で畏怖の対象になりました
かにくくり
ファンタジー
魔法使いクサナギは国王の命により勇者パーティの一員として魔獣討伐の任務を続けていた。
しかし相手の防御力を下げる魔法しか使う事ができないクサナギは仲間達からお荷物扱いをされてパーティから追放されてしまう。
しかし勇者達は今までクサナギの魔法で魔物の防御力が下がっていたおかげで楽に戦えていたという事実に全く気付いていなかった。
勇者パーティが没落していく中、クサナギは追放された地で彼の本当の力を知る新たな仲間を加えて一大勢力を築いていく。
そして防御力を下げるだけだったクサナギの魔法はいつしか次のステップに進化していた。
相手の身に着けている物を強制的に剥ぎ取るという究極の魔法を習得したクサナギの前に立ち向かえる者は誰ひとりいなかった。
※小説家になろうにも掲載しています。
チートスキル【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得&スローライフ!?
桜井正宗
ファンタジー
「アウルム・キルクルスお前は勇者ではない、追放だ!!」
その後、第二勇者・セクンドスが召喚され、彼が魔王を倒した。俺はその日に聖女フルクと出会い、レベル0ながらも【レベル投げ】を習得した。レベル0だから投げても魔力(MP)が減らないし、無限なのだ。
影響するステータスは『運』。
聖女フルクさえいれば運が向上され、俺は幸運に恵まれ、スキルの威力も倍増した。
第二勇者が魔王を倒すとエンディングと共に『EXダンジョン』が出現する。その隙を狙い、フルクと共にダンジョンの所有権をゲット、独占する。ダンジョンのレアアイテムを入手しまくり売却、やがて莫大な富を手に入れ、最強にもなる。
すると、第二勇者がEXダンジョンを返せとやって来る。しかし、先に侵入した者が所有権を持つため譲渡は不可能。第二勇者を拒絶する。
より強くなった俺は元ギルドメンバーや世界の国中から戻ってこいとせがまれるが、もう遅い!!
真の仲間と共にダンジョン攻略スローライフを送る。
【簡単な流れ】
勇者がボコボコにされます→元勇者として活動→聖女と出会います→レベル投げを習得→EXダンジョンゲット→レア装備ゲットしまくり→元パーティざまぁ
【原題】
『お前は勇者ではないとギルドを追放され、第二勇者が魔王を倒しエンディングの最中レベル0の俺は出現したEXダンジョンを独占~【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得~戻って来いと言われても、もう遅いんだが』
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?
木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。
追放される理由はよく分からなかった。
彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。
結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。
しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。
たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。
ケイトは彼らを失いたくなかった。
勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。
しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。
「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」
これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。
無能と追放された俺の【システム解析】スキル、実は神々すら知らない世界のバグを修正できる唯一のチートでした
夏見ナイ
ファンタジー
ブラック企業SEの相馬海斗は、勇者として異世界に召喚された。だが、授かったのは地味な【システム解析】スキル。役立たずと罵られ、無一文でパーティーから追放されてしまう。
死の淵で覚醒したその能力は、世界の法則(システム)の欠陥(バグ)を読み解き、修正(デバッグ)できる唯一無二の神技だった!
呪われたエルフを救い、不遇な獣人剣士の才能を開花させ、心強い仲間と成り上がるカイト。そんな彼の元に、今さら「戻ってこい」と元パーティーが現れるが――。
「もう手遅れだ」
これは、理不尽に追放された男が、神の領域の力で全てを覆す、痛快無双の逆転譚!
どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜
サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。
〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。
だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。
〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。
危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。
『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』
いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。
すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。
これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる