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しおりを挟むGランク迷宮攻略から一週間が経過した。
俺がこの期間に行ったことは、いくつかある。
まずは、次の迷宮の調査だ。
近場でFランク迷宮で俺に合った部分はないかと調べたのだが、いい場所は見つからなかった。
ただ、Eランク迷宮で一体ずつくらいなら十分戦えるかもしれないと思い、Eランク迷宮をいくつか見繕った。
俺は暗黒騎士のスキルのおかげで、瞬間火力だけでみればランク一つ上くらいはあるしな。
ちょうど、ここから東の街で三週間後くらいに迷宮の寿命が尽きる迷宮があったので、そこに向かう予定だ。
次に行ったことは、スキルストーンショップでのスキル探しだ。
日々の迷宮での稼ぎと、迷宮攻略達成による報酬で今の俺の手持ちは十七万ゴールドほどあった。
より強くなるため、【リジェネ】、【劣勢強化】系スキルが欲しかったのだが、結局見つからなかったんだよな。
そんなこんなで、この街での目的も達成した。
次の街に向かうための馬車へと乗りこんだと、暇つぶしがてらに自分のステータスを確認した。
レウニス レベル16 職業:暗黒騎士
HP2/2(限界値) MP301/301 力309(+5) 体力312 魔力276 速度312
職業スキル【暗黒騎士:レベル5】【暗黒魔法:レベル5】【暗黒騎士強化:レベル0】【余りポイント:5ポイント】
スキル【根性】【】【】【】
装備【ホブゴブリンのネックレス】【】【】【】
ステータスは全体的にまだまだ伸びている。とりあえず、成長に陰りが見えていないのは良好だ。
そして、装備品としてホブゴブリンのネックレスもつけている。
といっても、小さな爪のようなものがついた普通のネックレスだ。ステータスカードによって装備することで、体に取り込まれ装備の効果を得られるのだが、こいつの効果は力を5強化するものだった。
+5された数値は、ステータスにも反映されているため、俺の力の実際の数値は304というわけだ。
ちなみに、装備品に関してはデメリットがある可能性もあるので、きちんと鑑定してもらってからつける必要がある。
馬車に揺られること数時間。俺は目的だった街、イストキンに到着した。
この街では、パンが有名であり、主食としてのパンはもちろん、甘い物などたくさんのものがあって、それら目当てで訪れる人もいるのだとか。
まあ、俺の場合は迷宮攻略なんだけど。
もちろん、そういったその土地の自慢のもの、というものに触れたいという気持ちもあるので、迷宮でのレベル上げが終わったご褒美にでも立ち寄ろうと思っている。
とりあえず、まずはギルドだ。
Eランク迷宮攻略の募集をしているかもしれないからな。
ギルドへと移動した俺は、早速依頼が張り出されている掲示板を確認する。
あったあった。
目的のEランク迷宮攻略の依頼だ。
受付の方を見ると、ちょうど人も少ない。
早速、依頼を受領しようか。
「依頼について確認したいんだけど、今大丈夫か?」
「はい。大丈夫ですよ。どうされましたか?」
「Eランク迷宮攻略なんだけど、荷物持ちでの参加は可能なのか?」
問いかけると、ギルド職員は少しだけ眉根を寄せた。
断る、というよりも心配するような表情だ。
恐らく、俺の容姿からおおよそ年齢を察しているんだろうな
「ええ、まあ。一応三名ほど想定していますね」
「……成人の儀を受けたばかりで、Gランク評価なんだけど参加可能か?」
そこが、少し心配だった。
基本的に荷物持ちに戦闘能力は求められない。
だが、自衛程度は求められることもある。特に、ランクの高い迷宮ではなおさらそうだ。
ランクの高い冒険者にはプライドもあるため荷物持ちとして参加しようとする冒険者は低ランクばかりになるのだ。
だから、案外高ランクの依頼であっても、荷物持ちとしては参加できるほうだ。
「……は、はい。可能ですが、命の保証は……できませんよ?」
「ああ、それは自己責任だから大丈夫だ。それじゃあ、参加したい」
「分かりました。それでは冒険者カードの提示をお願いします」
言われるままにカードを渡し、手続きを済ませる。
「それでは、また今後詳しい情報が入り次第、報告したいと思いますので……どこか宿などは決まっていますか?」
「いや、まだ決まってないが……とりあえず、しばらくは魔石の売買とかでギルドにも来るから何かあればその時に教えてもらうってことでいいか?」
「分かりました。それでは、他に何かありますか?」
特に他に聞きたいことはなかったので、俺はそこで別れた。
ギルドを離れた俺は、次にスキルストーンショップを巡る。
目的のスキルがあれば……そう思って回っていたのだが――。
「……おっ、マジか!」
俺が発見したのは、【劣勢強化・力】だった。
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