HP2のタンク ~最弱のハズレ職業【暗黒騎士】など不要と、追放された俺はタイムリープによって得た知識で無双する~

木嶋隆太

文字の大きさ
27 / 56

27

しおりを挟む

 Gランク迷宮攻略から一週間が経過した。

 俺がこの期間に行ったことは、いくつかある。
 まずは、次の迷宮の調査だ。
 近場でFランク迷宮で俺に合った部分はないかと調べたのだが、いい場所は見つからなかった。
 ただ、Eランク迷宮で一体ずつくらいなら十分戦えるかもしれないと思い、Eランク迷宮をいくつか見繕った。

 俺は暗黒騎士のスキルのおかげで、瞬間火力だけでみればランク一つ上くらいはあるしな。

 ちょうど、ここから東の街で三週間後くらいに迷宮の寿命が尽きる迷宮があったので、そこに向かう予定だ。

 次に行ったことは、スキルストーンショップでのスキル探しだ。
 日々の迷宮での稼ぎと、迷宮攻略達成による報酬で今の俺の手持ちは十七万ゴールドほどあった。

 より強くなるため、【リジェネ】、【劣勢強化】系スキルが欲しかったのだが、結局見つからなかったんだよな。

 そんなこんなで、この街での目的も達成した。
 次の街に向かうための馬車へと乗りこんだと、暇つぶしがてらに自分のステータスを確認した。

 レウニス レベル16 職業:暗黒騎士
 HP2/2(限界値) MP301/301 力309(+5) 体力312 魔力276 速度312 
 職業スキル【暗黒騎士:レベル5】【暗黒魔法:レベル5】【暗黒騎士強化:レベル0】【余りポイント:5ポイント】
 スキル【根性】【】【】【】
 装備【ホブゴブリンのネックレス】【】【】【】

 ステータスは全体的にまだまだ伸びている。とりあえず、成長に陰りが見えていないのは良好だ。
 そして、装備品としてホブゴブリンのネックレスもつけている。
 といっても、小さな爪のようなものがついた普通のネックレスだ。ステータスカードによって装備することで、体に取り込まれ装備の効果を得られるのだが、こいつの効果は力を5強化するものだった。
 
 +5された数値は、ステータスにも反映されているため、俺の力の実際の数値は304というわけだ。
 ちなみに、装備品に関してはデメリットがある可能性もあるので、きちんと鑑定してもらってからつける必要がある。

 馬車に揺られること数時間。俺は目的だった街、イストキンに到着した。
 この街では、パンが有名であり、主食としてのパンはもちろん、甘い物などたくさんのものがあって、それら目当てで訪れる人もいるのだとか。

 まあ、俺の場合は迷宮攻略なんだけど。
 もちろん、そういったその土地の自慢のもの、というものに触れたいという気持ちもあるので、迷宮でのレベル上げが終わったご褒美にでも立ち寄ろうと思っている。
 
 とりあえず、まずはギルドだ。
 Eランク迷宮攻略の募集をしているかもしれないからな。
 ギルドへと移動した俺は、早速依頼が張り出されている掲示板を確認する。

 あったあった。
 目的のEランク迷宮攻略の依頼だ。
 受付の方を見ると、ちょうど人も少ない。
 早速、依頼を受領しようか。

「依頼について確認したいんだけど、今大丈夫か?」
「はい。大丈夫ですよ。どうされましたか?」
「Eランク迷宮攻略なんだけど、荷物持ちでの参加は可能なのか?」
 
 問いかけると、ギルド職員は少しだけ眉根を寄せた。
 断る、というよりも心配するような表情だ。
 恐らく、俺の容姿からおおよそ年齢を察しているんだろうな

「ええ、まあ。一応三名ほど想定していますね」
「……成人の儀を受けたばかりで、Gランク評価なんだけど参加可能か?」

 そこが、少し心配だった。
 基本的に荷物持ちに戦闘能力は求められない。
 だが、自衛程度は求められることもある。特に、ランクの高い迷宮ではなおさらそうだ。
 ランクの高い冒険者にはプライドもあるため荷物持ちとして参加しようとする冒険者は低ランクばかりになるのだ。

 だから、案外高ランクの依頼であっても、荷物持ちとしては参加できるほうだ。

「……は、はい。可能ですが、命の保証は……できませんよ?」
「ああ、それは自己責任だから大丈夫だ。それじゃあ、参加したい」
「分かりました。それでは冒険者カードの提示をお願いします」

 言われるままにカードを渡し、手続きを済ませる。

「それでは、また今後詳しい情報が入り次第、報告したいと思いますので……どこか宿などは決まっていますか?」
「いや、まだ決まってないが……とりあえず、しばらくは魔石の売買とかでギルドにも来るから何かあればその時に教えてもらうってことでいいか?」
「分かりました。それでは、他に何かありますか?」

 特に他に聞きたいことはなかったので、俺はそこで別れた。
 ギルドを離れた俺は、次にスキルストーンショップを巡る。

 目的のスキルがあれば……そう思って回っていたのだが――。

「……おっ、マジか!」

 俺が発見したのは、【劣勢強化・力】だった。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

魔力ゼロで出来損ないと追放された俺、前世の物理学知識を魔法代わりに使ったら、天才ドワーフや魔王に懐かれて最強になっていた

黒崎隼人
ファンタジー
「お前は我が家の恥だ」――。 名門貴族の三男アレンは、魔力を持たずに生まれたというだけで家族に虐げられ、18歳の誕生日にすべてを奪われ追放された。 絶望の中、彼が死の淵で思い出したのは、物理学者として生きた前世の記憶。そして覚醒したのは、魔法とは全く異なる、世界の理そのものを操る力――【概念置換(コンセプト・シフト)】。 運動エネルギーの法則【E = 1/2mv²】で、小石は音速の弾丸と化す。 熱力学第二法則で、敵軍は絶対零度の世界に沈む。 そして、相対性理論【E = mc²】は、神をも打ち砕く一撃となる。 これは、魔力ゼロの少年が、科学という名の「本当の魔法」で理不尽な運命を覆し、心優しき仲間たちと共に、偽りの正義に支配された世界の真実を解き明かす物語。 「君の信じる常識は、本当に正しいのか?」 知的好奇心が、あなたの胸を熱くする。新時代のサイエンス・ファンタジーが、今、幕を開ける。

防御力を下げる魔法しか使えなかった俺は勇者パーティから追放されたけど俺の魔法に強制脱衣の追加効果が発現したので世界中で畏怖の対象になりました

かにくくり
ファンタジー
 魔法使いクサナギは国王の命により勇者パーティの一員として魔獣討伐の任務を続けていた。  しかし相手の防御力を下げる魔法しか使う事ができないクサナギは仲間達からお荷物扱いをされてパーティから追放されてしまう。  しかし勇者達は今までクサナギの魔法で魔物の防御力が下がっていたおかげで楽に戦えていたという事実に全く気付いていなかった。  勇者パーティが没落していく中、クサナギは追放された地で彼の本当の力を知る新たな仲間を加えて一大勢力を築いていく。  そして防御力を下げるだけだったクサナギの魔法はいつしか次のステップに進化していた。  相手の身に着けている物を強制的に剥ぎ取るという究極の魔法を習得したクサナギの前に立ち向かえる者は誰ひとりいなかった。 ※小説家になろうにも掲載しています。

チートスキル【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得&スローライフ!?

桜井正宗
ファンタジー
「アウルム・キルクルスお前は勇者ではない、追放だ!!」  その後、第二勇者・セクンドスが召喚され、彼が魔王を倒した。俺はその日に聖女フルクと出会い、レベル0ながらも【レベル投げ】を習得した。レベル0だから投げても魔力(MP)が減らないし、無限なのだ。  影響するステータスは『運』。  聖女フルクさえいれば運が向上され、俺は幸運に恵まれ、スキルの威力も倍増した。  第二勇者が魔王を倒すとエンディングと共に『EXダンジョン』が出現する。その隙を狙い、フルクと共にダンジョンの所有権をゲット、独占する。ダンジョンのレアアイテムを入手しまくり売却、やがて莫大な富を手に入れ、最強にもなる。  すると、第二勇者がEXダンジョンを返せとやって来る。しかし、先に侵入した者が所有権を持つため譲渡は不可能。第二勇者を拒絶する。  より強くなった俺は元ギルドメンバーや世界の国中から戻ってこいとせがまれるが、もう遅い!!  真の仲間と共にダンジョン攻略スローライフを送る。 【簡単な流れ】 勇者がボコボコにされます→元勇者として活動→聖女と出会います→レベル投げを習得→EXダンジョンゲット→レア装備ゲットしまくり→元パーティざまぁ 【原題】 『お前は勇者ではないとギルドを追放され、第二勇者が魔王を倒しエンディングの最中レベル0の俺は出現したEXダンジョンを独占~【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得~戻って来いと言われても、もう遅いんだが』

ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜

平明神
ファンタジー
 ユーゴ・タカトー。  それは、女神の「推し」になった男。  見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。  彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。  彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。  その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!  女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!  さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?  英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───  なんでもありの異世界アベンジャーズ!  女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕! ※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。 ※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。

弟に裏切られ、王女に婚約破棄され、父に追放され、親友に殺されかけたけど、大賢者スキルと幼馴染のお陰で幸せ。

克全
ファンタジー
「アルファポリス」「カクヨム」「ノベルバ」に同時投稿しています。

収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?

木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。 追放される理由はよく分からなかった。 彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。 結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。 しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。 たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。 ケイトは彼らを失いたくなかった。 勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。 しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。 「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」 これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。

無能と追放された俺の【システム解析】スキル、実は神々すら知らない世界のバグを修正できる唯一のチートでした

夏見ナイ
ファンタジー
ブラック企業SEの相馬海斗は、勇者として異世界に召喚された。だが、授かったのは地味な【システム解析】スキル。役立たずと罵られ、無一文でパーティーから追放されてしまう。 死の淵で覚醒したその能力は、世界の法則(システム)の欠陥(バグ)を読み解き、修正(デバッグ)できる唯一無二の神技だった! 呪われたエルフを救い、不遇な獣人剣士の才能を開花させ、心強い仲間と成り上がるカイト。そんな彼の元に、今さら「戻ってこい」と元パーティーが現れるが――。 「もう手遅れだ」 これは、理不尽に追放された男が、神の領域の力で全てを覆す、痛快無双の逆転譚!

どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜

サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。 〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。 だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。 〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。 危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。 『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』 いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。 すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。 これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。

処理中です...