【絶対俺だけ王様ゲーム】美少女幼馴染3人と男オレ1人で始まったゲームが何かおかしい。どんどんNGがなくなっていく彼女達に迫られてます

かくろう

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 記念すべき10回目のゲームが終わり、そろそろお泊まり会もお開きの時間が迫ってきた。

 そこで今回の締めくくりと称して、杏奈がまたとんでもない事を言い出したのである。

「はいはーいっ、じゃあ今回は罰ゲームをしまーす」

「罰ゲーム~?」

「“れー君の好きなところを一人ずつ言う”だよっ!」

「ぶほっふっ⁉ ちょ、おまっ」

 杏奈が元気よく宣言すると、俺は思わず吹き出した。

「おいおい、なんだよそれ。罰ゲームじゃなくてただの俺の公開処刑じゃん」

「いいじゃんいいじゃんっ♪ れー君が照れてる顔、見たいんだもんっ♡」
「わたしも~。そういうれーじくん、かわいいから~」
「鈴音も賛成です。ふふっ、では遠慮なく」

 ――逃げ道なし、か。
 俺はごろんと畳に寝転んだまま、顔にタオルをかけて「聞いてないフリ」でもしようかと考えていたが、三人ともやけにノリノリだ。

「じゃ~、トップバッターは言い出しっぺの杏奈ちゃんから~!」
「はいっ。れー君の好きなところはぁ……バスケ部のエースだったところっ!」
「……は?」

 即答すぎて、俺は体を起こして杏奈の顔を見た。
 にかっとした笑顔。悪びれる様子なんてまったくない。

「だってだって、れー君めちゃくちゃカッコよかったもん! インターハイの時なんて、応援席の女子みんな『零士先輩推し!』って騒いでたんだからっ♪」
「うわ、それやめろって……」

 顔が熱くなるのがわかった。
 あの試合。俺が今でも思い出すたびに胸の奥が重たくなる、全国準優勝のあの夏。

「次はわたし~。れーじくんの好きなところは……最後まで諦めないとこ~」

 ふわりは両手を胸の前で組み、ほんわかと微笑んでくる。

「わたし、あの試合ぜんぶ見てたよ~。れーじくん、最後まで走り続けてた。バテちゃったのは仕方ないけど……あの姿、すごく輝いてたの~」

「ふ、ふわり……」

「最後は鈴音です。レージ君の好きなところ……チームを支える強さ、です」

 鈴音はいつもより落ち着いた声で、頬はほんのり赤く染めて呟くようにそう言う。

「例えご本人が否定しても、鈴音は知っています。あの試合、レージ君がいたからこそ、皆が最後まで戦えたんです。準優勝はレージ君の功績なんです」

「……」

 ――やめろって。
 胸の奥に隠してた後悔に、三人とも真正面から触れてくる。

 俺は言葉に詰まった。
 なんとか笑ってやり過ごしたかったのに、喉が詰まって声にならない。

「れー君?」
「……俺、別にエースじゃなかったし」
 やっと出た声は、思った以上に小さかった。

 三人が同時に眉をひそめる。
 まるで、俺の言葉に抗議するみたいに。

 杏奈が一歩前に出て、俺の胸を指でツンと突いた。

「れー君は“我が校バスケ部のエースポイントカード”だったよっ!」
「お、おう……」
「準優勝だって立派な結果だしっ。れー君はすぐ自分を卑下するんだから、そのクセ直した方がいいよっ!」

 ふわりが横からいつも以上のふんわり笑顔で言葉を挟む。
 それはまるで慈愛に満ちた聖母のように、優しくて穏やかな笑顔だった。

「そうだよ~。れーじくん、めちゃくちゃ格好よかったんだから~」

 そして鈴音が、静かにけれど力強く告げる。
「レージ君がいなかったら、あそこまで良い試合にはなりませんでした。……だから、エースは間違いなくレージ君なんです」

 気がつけば、胸がぎゅっと締め付けられるようで。
 視界がにじみそうになって、慌ててタオルで顔を覆った。
 恐らく俺は死ぬほど情けない顔をしているだろう。

 こんな末代までの恥にも等しい不細工なツラをこいつらに見せるわけにはいかなかった。

「……悪い。気を遣わせちまった」

 そう口にした瞬間だった。
 俺の目の前で、杏奈が大きな瞳からぽろりと涙を零した。

「……気なんて、遣ってないよっ」
 絞り出すような声だった。

「あ、杏奈……?」

「れー君がどんなに自分を卑下しても、私は、あの試合でれー君が一番カッコよかったって胸張って言えるもん! 最後まで走り続けて、みんなを引っ張って……だから泣くくらい悔しい思いをしたんでしょ!? そんなれー君を、カッコいいって思わずにいられるわけないんだからっ!」

 頬を濡らしながら、必死に訴えてくる杏奈。
 思わず息を呑んだ。

「……れーじくん」

 横からふわりの声。いつもより震えている。
 見れば、ふわりも大粒の涙をこぼしながら、俺を見ていた。

「わたしも……れーじくんの姿、忘れられないの。最後の最後まで全力で、ボロボロになっても走ってたの、ちゃんと見てたよ。……あの時のれーじくん、世界で一番格好よかったの」

 ぽとり、ぽとりと落ちる涙が、絨毯に小さなシミを作っていく。

 そして――鈴音までもが、静かに唇を噛んでから、涙をにじませて言葉を紡ぐ。
「……レージ君。あなたはあの試合で、間違いなく皆を導いたんです。自分を責める必要なんてどこにもありません。監督も、仲間も、全員が分かっていました。……鈴音だって。誰よりも、あなたを誇りに思っています」

 気がつけば、三人とも泣いていた。
 杏奈は拳で目をこすりながら、それでも笑顔を作ろうとしている。
 ふわりは声を震わせながら、必死に言葉を続けようとしている。
 鈴音は涙をこらえながら、それでも真っ直ぐに俺を見据えていた。

 三人の思いの強さに、俺はもう耐えられなかった。
 
 情けないほど顔をぐしゃぐしゃにしていることなんて、絶対に見せられなかったから。

 そう、俺は夏をもって部活を引退した。だけど本当は冬まで出たかったんだ。

 俺が途中でバテて意識を失わなければ勝てていたかもしれない。

 そんな皮算用は無意味だと分かっていても、あの時感じた無力感をどうしても払拭できなくて、逃げるように引退した。

 ウチの部は主力3年生が全員引退したもんだから、後の事は後輩達に任せてある。

 他のメンバーの情熱がどの程度のものだったのか、今となっては分からないし、今更おめおめと引退を撤回するのも憚られる。

 それに2年生にもエースがいるし、俺が抜けた事でレギュラーメンバーの身長平均値も上がった。

 実力は十分あるはずだ。あいつらだけで十分戦っていける。





「……ほんと、俺にはもったいないくらいだな。お前ら……」

 かすれた声でそう言うと、杏奈がすぐに身を乗り出してきた。

「なに言ってんのっ。れー君にはあたし達が必要で、あたし達にはれー君が必要なんだから。ねっ!」

「そうだよ~。れーじくんと一緒にいると、楽しいんだもん。だから後悔のことなんて、今は置いておいてさ~」
 ふわりは涙でぐちゃぐちゃの顔なのに、無理やり明るく笑って見せる。

「……そうです。過去に囚われるより、今を大切にしましょう。少なくとも私は、レージ君と過ごす日々が一番の宝物です」
 鈴音は涙を拭って、きっぱりと告げてくる。

 ……やっぱり、すごいな。
 俺はもう言い返すことなんてできなかった。

「……ありがとな」
 ただ、それだけを搾り出す。
 けどそれだけで、三人は一斉に笑顔を取り戻した。

「れー君」
「どうした?」

「こっち向いて」

 杏奈の言われるがままにそっちを向くと、いきなり唇に柔らかいものが覆い被さる。

「んぐっ」
「んちゅ~~~~♡」

 口の中に柔らかくてヌメヌメしたものが入りこんでくる。

「ぷはぁ♡」

「次わたし~、はい、ちゅぷぅううう♡」
「んぐうううううう」

 再び口を塞がれる俺。単なるキスではなく、濃密で、濃厚で、たっぷりと時間をかけた……うん、これ以上具体的にすると怒られそうなヤツをされてしまった。

「最後は鈴音です。はむっ」

 鈴音はとてもシンプル明快に唇を押し付けてくる。不器用で、真っ直ぐな情熱のキス。

 だけど、杏奈、ふわり、鈴音。3人それぞれやり方は違えど、そこに籠もっている想いの強さは一緒だった。

「もう一回私~♡ んちゅ~~~~~」

「んぐ~~~っ、んごごっ、こ、こふぁ、ふぁんなっ、おひふけっ」

「次はわらひも~♡ んちゅちゅ~~」
「鈴音だってっ」
「あんっ♡ ズルいよ2人とも~、私ももう一回~♡ んちゅ~~」

「ならあと10周くらいしちゃお~よ~♡ ちゅぱちゅぱ♡」
「賛成です♡ んちゅううう」

「おまふぇらっ、おひふふぇっ! んぐぐぐぐっ」

 それから本当に10周くらいディープなちゅうちゅうローテーションが始まってしまった。

 俺の理性は崩壊寸前である。

「ぷはぁ♡ よーしっ、じゃあこの雰囲気はここまで! ほらほら、れー君、次は王様ゲームの準備だよ!」
 杏奈が涙の跡を袖でぬぐいながら、もう次の遊びを提案してくる。

「うんうん♪ わたし、次こそ正室になりたいな~。れーじくんにいっぱい命令するんだ~♪」

 ふわりはにへら~っと笑って、まるで泣いてなかったみたいに元気を取り戻している。

「では鈴音も正室の座を狙って屈辱的なご奉仕でひーひー言わせてあげますよっ!」

 鈴音はまだ目を赤くしながらも、ゲスい笑いで乗り切ろうとする。

 ああ、やっぱり。
 こいつらと一緒にいると、どんな後悔だって少しずつ薄れていくんだ。

 俺は思わず吹き出して、
「……お前ら、ほんと泣いたり笑ったり忙しいな」
 そう呟くと――

「れー君がスッケベ~だからでしょ~♪」
 杏奈に笑い飛ばされて、気がつけばもう、空気はすっかりいつもの明るさに戻っていた。




 












 これは余談だが、この日以降、少しずつバスケ復帰が頭をよぎるようになる。
 しばらく後に後輩達と同学年の仲間達に頭を下げて引退を撤回し、バスケに復帰。

 ブランクを埋める猛練習の末、冬の選抜においてもう一度全国優勝を目指す事になるのだが……それはまた別のお話ってヤツだ……。

 その客席には、俺の大好きな3人の女の子がチアガール姿で応援してくれていたのは言うまでもない。

――――――――――――――――――

※後書き※
今明かされる主人公の設定裏話!!

①主人公零士君はバスケ部のエースとして全国でもトップレベルの選手だった。
 ・身長164㎝なのにあとちょっとでダンクができるくらいジャンプ力が高い
 ・ドリブルが有り得ないくらい上手い
 ・パスワークがえげつない(エ〇ペラーアイとか使ってんの?ってレベル)
 ・3Pシュートがアホみたいに入る等々、出てくる作品を間違えてるレベルの選手

 IH決勝戦では最重要警戒選手として徹底マークされて体力を大幅に削られたため、脳しんとうを起こしてダウンしてしまった

 後輩部員達は夏で引退する彼を死ぬほど止めたかったが、レギュラーメンバー全員が零士の意志を汲んであらかじめ通達していたのですんなり引退できた。

②学内に留まらず、全国にファンがいるレベルで女の子にモテる

③流〇楓クラスにチアガール軍団が全国大会まで追っかけてくる(もちろん中心は杏奈達)※ちなみに軍団は他校の生徒も交じっており、メンバーは100人近くに上る

④現役時代の通り名は、やっかみや嫉妬を込めて「天井に届かない大黒柱」と呼ばれていた(バスケ選手としてはチビなのにチームの支えだから)

⑤学内では杏奈たちが幅を利かせているのでファンは遠巻きにしか見ることができない

⑥「零士君と幼馴染みの恋路を見守る会」なる組織があるとかないとか……

⑦定期的に「幼馴染みの誰とくっ付くかトトカルチョ」なる催しが開かれているとかいないとか……
 ちなみにオッズは「1杏奈」、「2ふわり」、「3鈴音」がまったくの同率。「4全員とくっ付くハーレム」という割り振りだった。
 それぞれのパーセンテージはご想像にお任せする。
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