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30回目 その3
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「「「王様れーじ君♡♡♡」」」
割り箸を引いた瞬間、俺は目を疑った。
「……は?」
杏奈、ふわり、鈴音――三人全員の箸に、同じ赤印がついていた。
「な、なんで全員当たりなんだよ!?」
「ふふ~ん♡ 特別ルール! 三人同時正室ターンってことで!」杏奈が得意げに宣言する。
「えへへ~♡ 30回記念だからねぇ。特別イベントだよ~」ふわりがにこにこ微笑む。
「こ、こんなの不正です! くじの意味が……っ!」鈴音が赤面して抗議するが、すぐに視線を逸らした。
「でも……せっかくの記念なんですし……三人で同時に……やってみましょう」
「そうそう! りんちゃんもノッちゃえノッちゃえ!」
気付けば雰囲気に押され、三人同時正室が既成事実になってしまっていた。
そんなんありか?
「じゃあ――同時に催眠術、かけちゃおっか♡」
杏奈が俺の前に立ち、怪しげに人差し指を揺らす。
「れー君は……杏奈の言葉しか聞けなくなる……」
「れーじくんはねぇ~……ふわりの声に逆らえなくなる~♡」
ふわりが両手をひらひらさせながら、のんびりした声をかけてくる。
「レ、レージ君は……鈴音のお願いを、絶対に無視できなくなる……!」
鈴音はぎこちなく両手を組み、真っ赤になって俺を見つめていた。
「な、なにこれ!? 三方向から同時に!?」
俺は額を押さえ、後ずさる。
「ほらほら、もう催眠にかかっちゃったでしょ?」杏奈が挑発する。
「んふふ~♡ ほら、身体の力が抜けていくでしょ?」ふわりは俺の肩を押さえて柔らかく微笑む。
「しょ、しょうがないです……これも王様ゲームですから……!」鈴音は必死に言葉を繋ぐ。
視界いっぱいに迫る三人。
耳元で響く三方向の声。
頭がクラクラして、身体が言うことを聞かなくなっていく――。
「ぐ、ぐぉぉぉぉぉ……! 俺は……どうなっちまうんだ……!?」
「じゃあ――催眠術の命令、いくよっ!」
杏奈が指を突きつけてきた。
「れー君は……“杏奈を抱きしめたくなる”!」
「ちょっと待って~♡ れーじくんは、“ふわりのおっぱいに顔を埋めたくなる~”♡」
ふわりがにこにこと胸を揺らしながら迫ってくる。
「そ、それなら……“鈴音の手を握りたくなる”です……!」
鈴音が真っ赤になりながらも、必死に両手を差し出した。
「な、なんだその三重命令はっ!?」
抗議する暇もなく、俺の身体は勝手に動いていた。
右腕で鈴音の手を握り、左腕で杏奈を抱きしめ、顔はふわりの胸に沈む。
「ぐぉぉぉ!? な、なんだこの体勢はぁぁぁ!」
「ひゃはっ♡ れー君、強欲だねぇ~!」
杏奈はにやにやしながら、俺の腰に腕を回してくる。
「えへへ~♡ 落ち着くでしょ? そのまま眠っちゃってもいいんだよ~」
ふわりは頭をぎゅっと抱き寄せ、母性的に包んでくる。
「れ、レージ君……っ! て、手をそんなに強く握らないで……! 心臓がっ……!」
鈴音は耳まで真っ赤にして震えていた。
「だ、誰かひとりずつにしてくれぇぇ!」
「だめ~♡ 三人同時がルールだから!」杏奈が笑い飛ばす。
「そうそう~♡ 30回記念なんだから、特別扱いだよぉ」ふわりも余裕顔。
「ルールを破るのは……王様失格です……!」鈴音までもが珍しく強気に追い打ちをかける。
「くぅぅ……! 俺の意志が完全に乗っ取られてるぅぅぅ!」
「じゃあ次の命令~♡」
「れー君は、“杏奈を世界一可愛いって言いたくなる”!」
「ふわりが一番好きって言いたくなる~♡」
「い、いいえっ、“鈴音が一番好き”って言わせます!」
「ぬおおおおお!? 口が三つ欲しいぃぃ!」
叫ぶ俺を前に、三人は大爆笑だった。
「さぁ~、ラストスパートだねっ♡」
杏奈が悪戯っぽく笑い、俺の胸にしがみついてくる。
「れー君は……“杏奈が一番好き”って言いたくなる~♡」
「ちょっと待って~。れーじくんは、“ふわりが一番好き”って言いたくなるんだよ~♡」
ふわりが俺の頬を包み込むように手を添え、蕩けるような声を響かせる。
「い、いえ……! レージ君は、“鈴音が一番好き”って……言うんです……!」
鈴音が潤んだ瞳で俺の両手を握り、必死に顔を覗き込んでくる。
「なっ……なんだこの三方向からのプレッシャーはぁぁぁ!?」
心臓がドクンドクンとうるさい。呼吸が荒くなる。
「ぐぉぉ……! 俺の口が……三つ必要だぁぁぁ!」
「早く言いなさいよ♡ ほら、れー君?」杏奈が挑発する。
「んふふ~♡ ふわりの胸で落ち着きながら言えばいいんだよ~?」ふわりは包み込む。
「……レージ君……お願いです……」鈴音は涙目で訴える。
ああもう、ダメだ。
俺は両手も胸も心も全部奪われて、限界に達した。
「わかった! 杏奈も、ふわりも、鈴音も――みんな大好きだぁぁぁ!!」
その瞬間。
三人が同時に「きゃーっ♡」と声を上げて、俺に飛びついてきた。
「んふふ♡ やっぱりれー君は正直だね」杏奈がにやにや笑い、
「えへへ~♡ やっぱり全員一番だよねぇ」ふわりが優しく頬を寄せ、
「……レージ君……本当に……もう……」鈴音は耳まで真っ赤にしながらも、嬉しそうに笑った。
三人の腕に絡め取られ、俺はもはや身動きひとつできない。
でも――その温もりに包まれながら、心だけは妙に満たされていた。
(……結局俺は、この三人に勝てないんだよな)
こうして、30回目の王様ゲームは“催眠術”をテーマにした史上最大のカオス回として幕を閉じた。
割り箸を引いた瞬間、俺は目を疑った。
「……は?」
杏奈、ふわり、鈴音――三人全員の箸に、同じ赤印がついていた。
「な、なんで全員当たりなんだよ!?」
「ふふ~ん♡ 特別ルール! 三人同時正室ターンってことで!」杏奈が得意げに宣言する。
「えへへ~♡ 30回記念だからねぇ。特別イベントだよ~」ふわりがにこにこ微笑む。
「こ、こんなの不正です! くじの意味が……っ!」鈴音が赤面して抗議するが、すぐに視線を逸らした。
「でも……せっかくの記念なんですし……三人で同時に……やってみましょう」
「そうそう! りんちゃんもノッちゃえノッちゃえ!」
気付けば雰囲気に押され、三人同時正室が既成事実になってしまっていた。
そんなんありか?
「じゃあ――同時に催眠術、かけちゃおっか♡」
杏奈が俺の前に立ち、怪しげに人差し指を揺らす。
「れー君は……杏奈の言葉しか聞けなくなる……」
「れーじくんはねぇ~……ふわりの声に逆らえなくなる~♡」
ふわりが両手をひらひらさせながら、のんびりした声をかけてくる。
「レ、レージ君は……鈴音のお願いを、絶対に無視できなくなる……!」
鈴音はぎこちなく両手を組み、真っ赤になって俺を見つめていた。
「な、なにこれ!? 三方向から同時に!?」
俺は額を押さえ、後ずさる。
「ほらほら、もう催眠にかかっちゃったでしょ?」杏奈が挑発する。
「んふふ~♡ ほら、身体の力が抜けていくでしょ?」ふわりは俺の肩を押さえて柔らかく微笑む。
「しょ、しょうがないです……これも王様ゲームですから……!」鈴音は必死に言葉を繋ぐ。
視界いっぱいに迫る三人。
耳元で響く三方向の声。
頭がクラクラして、身体が言うことを聞かなくなっていく――。
「ぐ、ぐぉぉぉぉぉ……! 俺は……どうなっちまうんだ……!?」
「じゃあ――催眠術の命令、いくよっ!」
杏奈が指を突きつけてきた。
「れー君は……“杏奈を抱きしめたくなる”!」
「ちょっと待って~♡ れーじくんは、“ふわりのおっぱいに顔を埋めたくなる~”♡」
ふわりがにこにこと胸を揺らしながら迫ってくる。
「そ、それなら……“鈴音の手を握りたくなる”です……!」
鈴音が真っ赤になりながらも、必死に両手を差し出した。
「な、なんだその三重命令はっ!?」
抗議する暇もなく、俺の身体は勝手に動いていた。
右腕で鈴音の手を握り、左腕で杏奈を抱きしめ、顔はふわりの胸に沈む。
「ぐぉぉぉ!? な、なんだこの体勢はぁぁぁ!」
「ひゃはっ♡ れー君、強欲だねぇ~!」
杏奈はにやにやしながら、俺の腰に腕を回してくる。
「えへへ~♡ 落ち着くでしょ? そのまま眠っちゃってもいいんだよ~」
ふわりは頭をぎゅっと抱き寄せ、母性的に包んでくる。
「れ、レージ君……っ! て、手をそんなに強く握らないで……! 心臓がっ……!」
鈴音は耳まで真っ赤にして震えていた。
「だ、誰かひとりずつにしてくれぇぇ!」
「だめ~♡ 三人同時がルールだから!」杏奈が笑い飛ばす。
「そうそう~♡ 30回記念なんだから、特別扱いだよぉ」ふわりも余裕顔。
「ルールを破るのは……王様失格です……!」鈴音までもが珍しく強気に追い打ちをかける。
「くぅぅ……! 俺の意志が完全に乗っ取られてるぅぅぅ!」
「じゃあ次の命令~♡」
「れー君は、“杏奈を世界一可愛いって言いたくなる”!」
「ふわりが一番好きって言いたくなる~♡」
「い、いいえっ、“鈴音が一番好き”って言わせます!」
「ぬおおおおお!? 口が三つ欲しいぃぃ!」
叫ぶ俺を前に、三人は大爆笑だった。
「さぁ~、ラストスパートだねっ♡」
杏奈が悪戯っぽく笑い、俺の胸にしがみついてくる。
「れー君は……“杏奈が一番好き”って言いたくなる~♡」
「ちょっと待って~。れーじくんは、“ふわりが一番好き”って言いたくなるんだよ~♡」
ふわりが俺の頬を包み込むように手を添え、蕩けるような声を響かせる。
「い、いえ……! レージ君は、“鈴音が一番好き”って……言うんです……!」
鈴音が潤んだ瞳で俺の両手を握り、必死に顔を覗き込んでくる。
「なっ……なんだこの三方向からのプレッシャーはぁぁぁ!?」
心臓がドクンドクンとうるさい。呼吸が荒くなる。
「ぐぉぉ……! 俺の口が……三つ必要だぁぁぁ!」
「早く言いなさいよ♡ ほら、れー君?」杏奈が挑発する。
「んふふ~♡ ふわりの胸で落ち着きながら言えばいいんだよ~?」ふわりは包み込む。
「……レージ君……お願いです……」鈴音は涙目で訴える。
ああもう、ダメだ。
俺は両手も胸も心も全部奪われて、限界に達した。
「わかった! 杏奈も、ふわりも、鈴音も――みんな大好きだぁぁぁ!!」
その瞬間。
三人が同時に「きゃーっ♡」と声を上げて、俺に飛びついてきた。
「んふふ♡ やっぱりれー君は正直だね」杏奈がにやにや笑い、
「えへへ~♡ やっぱり全員一番だよねぇ」ふわりが優しく頬を寄せ、
「……レージ君……本当に……もう……」鈴音は耳まで真っ赤にしながらも、嬉しそうに笑った。
三人の腕に絡め取られ、俺はもはや身動きひとつできない。
でも――その温もりに包まれながら、心だけは妙に満たされていた。
(……結局俺は、この三人に勝てないんだよな)
こうして、30回目の王様ゲームは“催眠術”をテーマにした史上最大のカオス回として幕を閉じた。
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