【絶対俺だけ王様ゲーム】美少女幼馴染3人と男オレ1人で始まったゲームが何かおかしい。どんどんNGがなくなっていく彼女達に迫られてます

かくろう

文字の大きさ
141 / 151

33回目 その3

しおりを挟む
「「「王様れーじ君♡♡♡」」」

 こたつの中で棒を回しながら、俺は少しだけニヤリと笑った。
「よし、最初の命令は……」

 3人が同時にごくりと息を呑む。
 杏奈は前のめりに、ふわりは頬を押さえてうっとり、鈴音は正座の姿勢で固まっている。

「“手をつなげ”」

「……へ?」
「おお~♡ そうきたか~♡」
「えっ!? そ、それだけですかっ!?」

「うん、それだけ。簡単だろ?」
「か、簡単ですけど……!」
 鈴音が真っ赤になって両手を胸の前に引っ込める。
「こういう“何気ない”のが一番くるんだよな~♪」
 杏奈が意地悪く笑いながら、俺の右手に自分の手を重ねてきた。
 指が触れ合った瞬間――
「……あったか」
 思わず呟いた声が、自分でも驚くほど柔らかかった。

「ね、れー君。こうやってると……なんか落ち着くね」
「……ああ」
 その隣で、ふわりが左手をそっと重ねてくる。
「ふわりも~♡ れーじくんの手、やわらか~い♡」
「おいふわり、両手ふさがったんだけど」
「れーじくん、逃げられないね~♡」
「お、おいっ」

「じゃ、じゃあ……鈴音もっ!」
 鈴音が両手を伸ばして、杏奈とふわりの間に割り込む。
「三人同時!?」
「だ、だって、鈴音だけ離れてるの変ですっ!」
「えへへ♡ リンちゃんも一緒~♡」
「ふふっ、ハーレムだね~れー君♪」
「うるせぇ……!」

 3人の手が、俺の指に重なる。
 こたつの中、布団越しのぬくもりが一つに溶け合う。
 雪の降る音さえ、遠く感じた。

「ねぇれー君」
「ん?」
「卒業しても、こうやっていられるのかな」
 杏奈がぽつりと呟いた。
「……そりゃ、いられるだろ」
「ふわりも~♡ 一緒だよ~♡」
「鈴音も……ずっと」
 3人が手を握る力をほんの少し強める。

 その瞬間、俺の心の奥で、何かが静かにほどけていく気がした。

「なぁ……お前ら」
「ん?」
「手、あったかいな」
「えへへ♡」
「うん……」
「そ、そんなに言わなくてもいいですっ!」
 鈴音が照れながらも、指先を離さなかった。

 外では雪が深々と降り続き、
 窓に映る明かりが、まるで4人の影を包むように滲んでいた。

 しん、と静まり返った部屋。
 こたつの中で、まだ全員の手が繋がったままだった。
 雪の音が、薄い障子越しにぽつぽつと響いている。

「……さて、次の命令、いくか」
 俺がそう言うと、三人の視線が一斉に集まる。
「えっ、もう!?」
「れーじくん、連続命令~♡」
「こ、心の準備がっ!」
「準備いらないよ。簡単な命令だから」
「えぇ……またその言い方ですかぁっ!」
 鈴音が身を縮める。杏奈とふわりはニヤリ。

「命令、その二――“距離を詰めろ”」

 その言葉に、3人がピタッと固まった。

「ど、距離……って?」
「そのまんまの意味だよ。物理的に、近づけ」
「わ~♡ れーじくん、それちょっと大胆~♡」
「ちょっと!? だいぶですっ!」
 鈴音が真っ赤になって立ち上がろうとするが、こたつの布団に足を取られてずるっと座り込む。

「ほら鈴音、逃げたら反則だぞ?」
「うぅっ……そ、そんなぁ……」
「ルールはルールだよ~♡」
 ふわりがのんびり微笑んで、隣へずずいと移動。
「ふわり、近っ!」
「だって“詰めろ”って言ったのれーじくんだよ~♡」

 右からは杏奈が滑り込む。
「ん~♡ この距離だね♪」
 俺の肩に自然に寄りかかるような体勢。
「ちょ、杏奈……お前、近っ!」
「王様の命令には忠実だから♡」
 涼しい顔で言って、さらに頭を預けてきた。
 ふわりも柔らかく身体を寄せる。
「れーじくん、あったかい~♡」
「そりゃ、3人が密集してるからな……!」
「じゃあ……鈴音も」
「えっ!?」
「リンちゃん、こっち♡」
「こ、こうですかっ!?」
 両脇を杏奈とふわりに挟まれ、鈴音が恐る恐る間に腰を下ろす。
 結果、こたつの中は完全に“密着地帯”になった。

「……お前ら、ほんとに容赦ねぇな」
「えへへ♡ 王様の命令だから~♡」
「れー君、今どんな気分?」
「……正直、暑い」
「えぇ~♡ 冷めちゃったの?」
「冷めてねぇよ!」

 笑いながらも、3人それぞれの距離感が妙に心地いい。
 杏奈の髪からはシャンプーの匂い、ふわりの肩越しに柔らかな温もり、鈴音の手が時々布団の中で当たって――そのたびに彼女がピクッと反応する。

「っ、す、すみませんっ!」
「ぶつかっただけだろ、気にすんな」
「でも……! こう、なんか……!」
「リンちゃん、かわいい~♡」
「か、かわいくないですぅっ!」
 杏奈がくすくす笑いながら、鈴音の頬を軽くつつく。
「ほらね、照れるとすぐ赤くなる」
「やめてくださいぃっ!」

「ふぅ……なんか、すごいね」
「何がだ?」
「こうやって、みんなでこたつに入ってるだけなのにさ――」
 杏奈が小さく笑う。
「卒業旅行って感じがする」
「確かに~♡ ふわり、こういうの夢だった~♡」
「鈴音も……楽しいです」
「なら、良かった」

 3人がこくんと頷く。
 雪はまだ降り続き、
 障子の向こうの世界が、ふわりと白く滲んでいた。

「じゃあ、次の命令いくぞ」
 俺がそう言うと、三人の背筋がピンと伸びた。
「え、ま、また!?」
「れーじくん、連続ミッションだね~♡」
「ちょ、ちょっと待ってくださいっ! 鈴音、心の準備が……!」
「ふふっ、今度は優しいやつだから安心しろ」

 3人の目が同時にこちらへ向く。
 その一瞬の沈黙のあと、俺は軽く笑って言った。

「命令その三――“癒せ”。」

「えっ……癒す?」
「そっ、そういう命令!?」
「ふわり、得意分野かも~♡」
「やっぱりな」
「れーじくん、どうして笑ってるの~?」
「いや、なんか予感がした」

「じゃあ順番に行こうか」
「じゃあ最初はあたしね!」
 杏奈が真っ先に手を挙げた。
「癒すっていえば、これしかないでしょ♪」
 そう言って、俺の背中にまわり――。
「れー君、肩もみターイム♡」

「お、おいっ」
「じっとして。力抜いて」
 ぐっ、ぐっ、と指が肩の筋肉を押し上げる。
「お、思ったより上手いな」
「そりゃもう、毎回やってるもん♪」
「毎回!?」
「ふわりちゃんの料理手伝う時とか、リンちゃんが疲れてる時とか~♪」
「杏奈ちゃん、地味に気が利くよね~♡」
「でしょ?」
「……褒められて照れてる顔、可愛いです」
「ちょ、鈴音!? 真面目に言わないでよ!」
 笑いがこぼれ、部屋の空気がいっそうあたたかくなる。

「じゃあ次は、ふわりの番~♡」
「来たか……」
「ふわりの癒しはね~……これ♡」

 そう言って、ふわりはどっかりと俺の横に座り、
 膝をポンポン、と叩いた。

「れーじくん、こっち♡」
「ま、まさか……」
「ふわり耳かき上手なんだよ~♡」
「いや、上手い下手の問題じゃなくてな……!?」
「大丈夫~♡ れーじくんの耳、ふわりがふわふわにしてあげる~♡」
 柔らかい声とともに、頭が自然と彼女の膝に乗せられる。
 ふわりの指先が、耳のまわりをそっと撫でるように動く。

「どぉ? くすぐったい~?」
「……いや、気持ちいいけど……!」
「ふふ~♡ よかったぁ♡」
 ほんのり甘い香りが鼻をくすぐり、思考がふわりとぼやける。

 この間はおっぱいが邪魔でできなかったけど、上手くなったらしいな。

 大変気持ち良かった。
「ず、ずるいですっ! そんな癒し方反則ですっ!」
「鈴音ちゃんもやる~♡?」
「む、むりですっ!」
「リンちゃん、照れてる~♡」
「照れてませんーっ!」

「じゃあ最後は……鈴音の番だな」
「うぅ……プレッシャーですっ!」
「無理しなくていいよ。癒す方法は自由だから」
「じ、自由……」

 鈴音が数秒考えたあと、顔を上げた。
「じゃあ……鈴音、お茶を淹れますっ!」
「お茶?」
「はいっ! 温泉宿といえばお茶です!」
「おお、いいじゃん♪」
「ふわりも飲みたい~♡」
「杏奈ちゃん、れー君の分先ですよ!」
「わかってるって~♪」

 鈴音が急須を丁寧に扱う姿は、まるで茶道の所作みたいに真剣だった。
 湯気の立つ湯呑みをそっと差し出す。
「ど、どうぞ……」
「ありがとな。……うまい」
「よかったぁ……」
 ほっとした笑顔が、湯気の向こうで柔らかく滲んで見えた。

 こたつの中。
 3人の“癒し”が、それぞれ違うぬくもりで残っていた。
 肩の軽さ。
 耳の心地よさ。
 そして、温かいお茶の香り。

「……これ、最高の組み合わせだな」
「でしょ~♡」
「ふわりたち、王様を癒すチームですから~♡」
「い、癒すチームって……!」
「ねぇれー君、幸せでしょ?」
「……ああ」

 外では、まだ雪が降り続いている。
 それでも、部屋の中だけは、春みたいにあたたかかった。





しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件

こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。

隣の家の幼馴染と転校生が可愛すぎるんだが

akua034
恋愛
隣に住む幼馴染・水瀬美羽。 毎朝、元気いっぱいに晴を起こしに来るのは、もう当たり前の光景だった。 そんな彼女と同じ高校に進学した――はずだったのに。 数ヶ月後、晴のクラスに転校してきたのは、まさかの“全国で人気の高校生アイドル”黒瀬紗耶。 平凡な高校生活を過ごしたいだけの晴の願いとは裏腹に、 幼馴染とアイドル、二人の存在が彼の日常をどんどんかき回していく。 笑って、悩んで、ちょっとドキドキ。 気づけば心を奪われる―― 幼馴染 vs 転校生、青春ラブコメの火蓋がいま切られる!

『専属メイド全員が重すぎる愛で迫ってくる!~大学生の僕、11人?の美女に24時間甘やかされ尽くす生活~』

まさき
青春
僕は、ちょっと普通じゃない日常を送ることになった――それは、専属メイドが全員僕のことを溺愛してくれる暮らしだ。 朝は髪を整えてくれるリナ、朝食で笑顔を見せてくれるミユ、どの瞬間も全力で僕を甘やかす。掃除、料理、悩み相談まで、僕のためだけに動くメイドたち。 「ご主人様の笑顔が見たいんです」 その一言で、僕の毎日はちょっとドキドキ、ちょっと幸せ。 全員が僕を独占したいと競い合う日常の中、僕はどうやってこの溺愛地獄(?)を生き抜けばいいのか――!? 甘々、至れり尽くせりの日常ラブコメ、開幕。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について

のびすけ。
恋愛
春から一人暮らしを始めた大学一年生、天城コウは――ただの一般人だった。 だが、再会した義妹・ひよりのひと言で、そんな日常は吹き飛ぶ。 「お兄ちゃんにしか頼めないの、私の“中の人”になって!」 ひよりはフォロワー20万人超えの人気Vtuber《ひよこまる♪》。 だが突然の喉の不調で、配信ができなくなったらしい。 その代役に選ばれたのが、イケボだけが取り柄のコウ――つまり俺!? 仕方なく始めた“妹の中の人”としての活動だったが、 「え、ひよこまるの声、なんか色っぽくない!?」 「中の人、彼氏か?」 視聴者の反応は想定外。まさかのバズり現象が発生!? しかも、ひよりはそのまま「兄妹ユニット結成♡」を言い出して―― 同居、配信、秘密の関係……って、これほぼ恋人同棲じゃん!? 「お兄ちゃんの声、独り占めしたいのに……他の女と絡まないでよっ!」 代役から始まる、妹と秘密の“中の人”Vライフ×甘々ハーレムラブコメ、ここに開幕!

俺が宝くじで10億円当選してから、幼馴染の様子がおかしい

沢尻夏芽
恋愛
 自他共に認める陰キャ・真城健康(まき・けんこう)は、高校入学前に宝くじで10億円を当てた。  それを知る、陽キャ幼馴染の白駒綾菜(しらこま・あやな)はどうも最近……。 『様子がおかしい』 ※誤字脱字、設定上のミス等があれば、ぜひ教えてください。  現時点で1話に繋がる話は全て書き切っています。  他サイトでも掲載中。

小さい頃「お嫁さんになる!」と妹系の幼馴染みに言われて、彼女は今もその気でいる!

竜ヶ崎彰
恋愛
「いい加減大人の階段上ってくれ!!」 俺、天道涼太には1つ年下の可愛い幼馴染みがいる。 彼女の名前は下野ルカ。 幼少の頃から俺にベッタリでかつては将来"俺のお嫁さんになる!"なんて事も言っていた。 俺ももう高校生になったと同時にルカは中学3年生。 だけど、ルカはまだ俺のお嫁さんになる!と言っている! 堅物真面目少年と妹系ゆるふわ天然少女による拗らせ系ラブコメ開幕!!

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

処理中です...