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再出発
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朝 10時 携帯のアラームで 目が覚める。二日酔いだ。後頭部がズキズキと痛む。今日から、初仕事なのに、飲み過ぎた。病人の様に 起き上がり、ゾンビのように 冷蔵庫へと向かう。 ペットボトルの水を 飲み干すと、次はトイレに向かう。ここで飲み過ぎたのが一発でわかる。 止まらない小便、そして、小便からアルコールの匂いが広がる。
初出勤 から遅刻は出来ない。僕は急いで 身支度をするが、二日酔いの時点で アウトかな? 気分が沈む。やってしまった。 リンの可愛さに時間を 忘れてしまった。ってか、ほとんど奴が隣にいた 現実に・・・さらに気分が沈む。
二日酔いの僕は 運転を諦めて、タクシーを呼んだ。朝から情けない話だ。車があるのに タクシーなんて。アパートの前でタクシーを待ち、沈む気分で タクシーに乗る。駅前の仮事務所まで20分ほどだ。痛い出費だ。 タクシーの中から外を眺めていると、 携帯が鳴る。携帯を開くと、1通のショートメールだ。誰だ?怪しいと思いながら、恐る恐る開くと、
「りんですきのうありがとうございました」
僕は この文字を見て 一瞬、時が止まった。
「リン。リン。リン。リンからだ。」僕は心の中で叫ぶ。 そして、僕は昨日の記憶を必死にたどる。何度も、何度も 思い出すが 僕はリンに携帯番号を教えていない。
考えられるのは、真咲 からの経由くらいだ。 アイツは女だったら 誰でも連絡
取りたがるからな。おそらく、メイファンと連絡先の交換をしたんだろう。
僕はこのメールが営業だと 知りつつ、 ニヤニヤしている。自分でも思うが、いい鴨だ。それでも いい。鴨には鴨の楽しみ方がある。
宗詩「早く、花畑 行きてぇなぁ。」
僕は、小声で つぶやいた。
仮事務所についた。料金を払い タクシーを降りる。仮事務所は小さなビルの二階にある。ビルと言っても エレベーターの無い 小さなビルだ。ビル側面にある階段を登ると 外廊下 ごしに 6部屋並んでいる。見た感じ ほぼ スナックっぽい。各部屋のドア上に 電飾看板が並ぶ。そして、一番 奥の部屋だけ 看板が無い。
宗詩「あそこだな。」 奥の部屋へ向かう。
ドアには ラミネートされた 張り紙がある。 「(株)谷川建設 飲食部 仮事務所」
僕は、ノックする。
「開いてるよ。」中から男性の声がした。 ドアを開くと 10畳ほどの部屋の中央に事務用の長机と椅子があり、奥にはスナック特有のカウンターがある。そして周りに事務用の棚に 資料が並んでいる。
以前スナックだった場所を そのまま利用しているみたいだ。中には二人の男性がいた。
宗詩「建設部から来た 立花 宗詩です。よろしくお願いします。」
僕は頭を下げた。
「立花君、私は経営管理を任された 今田だ。よろしく頼むよ。」
今田 恵作「けいさく」 56歳 独身
身長 170㎝ 体重 67kg 頭部 山頂部分の毛根の破損が著しいが、前方 及び 両側面の毛根の調子はいいようだ。 以前 大手ファミレスや居酒屋チェーン店を任されて きたらしい。第一印象、気真面目そうな感じだ。頭皮損傷の せいか、インチキ臭くも見える。
今田「こっちが調理担当の高梨君だ。」
高梨「立花君、若いねぇ。まぁ!疲れないように頑張ろうなぁ。」
高梨 利明「としあき」 42歳 独身
身長 173cm 体重70kg
これまでに、有名ホテルの調理から居酒屋、ファーストフード店まで 料理一本で生きてきた 料理人らしい。今田さんの知合い らしく、今田さんが 引き抜いて 来たらしい。見た感じ・・チャラい。喋りも チャラい。謎の多い人物だ。
宗詩「よろしく お願いします。」
宗詩「他にも人材決まってる って聞きましたけど、今日は来ないんですか。」
今田「あぁ!まだだ。今から2ヶ月間で店の方向性を決める。それまでは 三人だ。まぁ、決めなきゃならん事は山ほど あるが、立花君は 決められた事をしっかり、把握しといてくれ。それじゃ、ボチボチ始めるかね。立花君、とりあえず 座って!」
それから、今田さんを中心に 三人での会議が始まった。基本、僕は聞いている だけだ。店の内装は、工事が着工している以上、多方 決まっている。もちろん途中変更はあるだろうが。今日は使用する グラスに皿、制服に至るまで 話し合っている。
高梨「今田さん!もう、昼回ってますよ。飯食いましょうよ。」
今田「そうだな。時間もあるし、のんびり行くか。」
会議が始まって、一時間ほどだ。僕は正直、ゆるい感じがした。つい、昨日まで居た建設現場での打合せ では いつも 激 が飛んでいたからだ。でも、この飲食業界では無知の人間だ。僕は黙って二人の会話に従った。
今田「今日は何作るんだ。」
高梨「手抜きチャーハンと手抜きスープ。」
そう言うと 高梨さんは カウンターに立ち 料理を始めた。カウンターの奥に少し大きめの 家庭用冷蔵庫がある。よく見ると カウンターの周りには調味料が並んでいる。 高梨さんの調理姿は チャラい男のイメージを一瞬 で かき消した。動きが早い。テレビで見る 有名料理人の様な 動きだ。
宗詩「なんか、すごい手さばき ですね。」
今田「そりゃ、そうだよ。あれで飯食ってんだから。」
今田さんは 高梨さんを見る事無く 資料をずっと見ている。
待つ事20分。
高梨「おい!宗ちゃん!料理 運んで。」
いきなり 宗ちゃん?やっぱり チャラいような気がする。僕は席を立ち カウンターの裏に まわる。
すでに料理は盛られており、高梨さんが言った通りの、見た感じ具材の 少ない
チャーハンにスープだ。料理を運び、三人 席につくと、「いただきます。」で食べ始めた。
宗詩「うまい!」
僕は 料理の 見た目と、味のギャップに驚いた。しかも二日酔いで食欲もなかったのに。
今田「うまいな。いい物あったか?」
高梨「安くて 旨い塩とダシ見つけちゃって。これならイケるでしょ!」
今田「あぁ!文句なしだな。これで一つ決まりだな。」
もちろんの話だが、二人は昼食でメニューの試作もやってるみたいだ。それも、極力 コストを下げて。
それにしても旨い。チャーハンはご飯に卵くらいなもんだ、スープは汁とゴマだけ。僕はすぐに完食した。
今田「食べ終わったら、二時まで休憩だ。外に出るなり 昼寝するなり、好きにしていいぞ。」
高梨「んじゃ、パチンコ行ってきまーす。宗ちゃん!皿だけ洗っといてね。」
そう言うと 高梨さんは部屋から出ていった。
宗詩「今田さん。こんな感じで いいんですかね。前の部所と雰囲気が全然 違うもんで。」
今田「全然、気にしなくて いいよ。全部、私が任されてるから。それより時間まで ゆっくりしてよ。」
今田さんは笑顔で話す。僕も笑顔で 返事を返し、皿を洗ってから 外に出た。
外に出たは いいが 何をしよう。退屈だ。なんて事あるはず 無い! ずっとリンのメールが気になっていた。僕は階段の下の 影に 座り 携帯を開く。そして リンの文字を見て ニヤニヤする。
「あぁー!俺はバカだ!バカだ!」と思いながらも、ニヤニヤしてる。
僕は真咲に電話をした。
真咲「どうした?」
もしもし は無い。いきなり、「どうした」だ。
宗詩「お疲れ。リンからメールあったんだけど、真咲が 教えたの。」
僕はドキドキ感を抑え サラっと言った。
真咲「あぁ!メイファンから聞かれたから。ダメだったか?」
宗詩「いや!全然大丈夫。ホントにリンか 気になったから。」
真咲「オイ!オイ!何、冷静なふり してんだよ。スケベ野郎!店に行く時は 誘えよ。」
真咲には心が読まれてるようだ。冷静なフリをしたのが 恥ずかしい。が、あのメールは リン確定だ。僕はメールを返そうと思うが、何て 書いたらいいのか。ただでさえ 言葉が通じない。僕は 悩みに悩んだあげく、「また いくね。」とだけ文字を打った。なのに 送信を押すことができない。単に緊張している。心臓バクバクだ!僕がメールを送って リンは不快に思わないだろうか。それとも、「バカから メールだ」と、思われない だろうか。
鴨がメール 一つで悩んでいても 仕方ない。
が、僕は、数分 、送信ボタンを押せずにいた。
僕は最後の手段に出る。それは 送信部を 指で触れるか、触れないかの ところで 指を離す。それを3回だけ実行する。絶対に3回だけだ。結果は神のみぞ知る。絶対に3回と 自分に言い聞かせて、左手に携帯、右 人差し指を刃のように 構え。大きく 深呼吸をする。一回目!僕の指は ゆっくりと 送信へ 向かう。 そして、触れるか、触れないかの刹那の瞬間に指を引く。
・・・「送信中」・・!?!?
「マジかよ!一発目たぞ!ちょっと待て!!」
僕の 思考と 携帯を握る左手が 噛み合わない。左手は左右に小さく揺れ、左手から 携帯がこぼれ落ちる。やや回転しながら落ちてゆく!そして画面左上部が地面に接触!そこからバウンド!携帯は跳ね上がり!次に画面右下が地面に接触!そしてゆっくりと 画面が地面に向かって倒れる。
僕は慌てて 携帯を拾い上げる。が 画面には「送信完了」の文字が・・・
正直、心の準備が出来ていなかった。早る思いからの 賭けだった。
「嘘だろ。」
僕は 不安を感じながら 、携帯を握りしめ、返事を待った。
リンからの返事は来ない。間もなくすると、高梨さんが帰って来た。
高梨「宗ちゃん!そんなとこで 何してんの?そろそろ時間だよ。」
リンの返事を待っていたら あっという間に時間が過ぎていた。僕は 高梨さんと部屋へもどる。
部屋へ戻ると、今田さんが カタログ や色んな資料を机の上に広げている。午後の会議が再開だ。僕には分からない事がほとんど だか、次々に決まっていく。休憩を挟みながら17時まで続いた。
今田「よし!今日はこれくらいで いいか。立花君、明日から二日間で これ調べといて。事務所には来なくて いいから。」
そう言うと僕に資料を渡した。ざっと見た感じ、飲食店利用の調査のようだ。
今田「知合いでも、身内でも いいから。そのかわり、地元の人に聞いてよ。ヨシ!それでは解散!」
働いた感が全然ないが、今日の仕事が終わった。二日 来なくて いいなんて かなりフリーな感じだな。
僕はタクシーを呼び、アパートへ帰る。
部屋に座ると すぐに携帯を開くが リンからの返事はない。僕はゴロンと寝そべり、ため息を ついた。
初出勤 から遅刻は出来ない。僕は急いで 身支度をするが、二日酔いの時点で アウトかな? 気分が沈む。やってしまった。 リンの可愛さに時間を 忘れてしまった。ってか、ほとんど奴が隣にいた 現実に・・・さらに気分が沈む。
二日酔いの僕は 運転を諦めて、タクシーを呼んだ。朝から情けない話だ。車があるのに タクシーなんて。アパートの前でタクシーを待ち、沈む気分で タクシーに乗る。駅前の仮事務所まで20分ほどだ。痛い出費だ。 タクシーの中から外を眺めていると、 携帯が鳴る。携帯を開くと、1通のショートメールだ。誰だ?怪しいと思いながら、恐る恐る開くと、
「りんですきのうありがとうございました」
僕は この文字を見て 一瞬、時が止まった。
「リン。リン。リン。リンからだ。」僕は心の中で叫ぶ。 そして、僕は昨日の記憶を必死にたどる。何度も、何度も 思い出すが 僕はリンに携帯番号を教えていない。
考えられるのは、真咲 からの経由くらいだ。 アイツは女だったら 誰でも連絡
取りたがるからな。おそらく、メイファンと連絡先の交換をしたんだろう。
僕はこのメールが営業だと 知りつつ、 ニヤニヤしている。自分でも思うが、いい鴨だ。それでも いい。鴨には鴨の楽しみ方がある。
宗詩「早く、花畑 行きてぇなぁ。」
僕は、小声で つぶやいた。
仮事務所についた。料金を払い タクシーを降りる。仮事務所は小さなビルの二階にある。ビルと言っても エレベーターの無い 小さなビルだ。ビル側面にある階段を登ると 外廊下 ごしに 6部屋並んでいる。見た感じ ほぼ スナックっぽい。各部屋のドア上に 電飾看板が並ぶ。そして、一番 奥の部屋だけ 看板が無い。
宗詩「あそこだな。」 奥の部屋へ向かう。
ドアには ラミネートされた 張り紙がある。 「(株)谷川建設 飲食部 仮事務所」
僕は、ノックする。
「開いてるよ。」中から男性の声がした。 ドアを開くと 10畳ほどの部屋の中央に事務用の長机と椅子があり、奥にはスナック特有のカウンターがある。そして周りに事務用の棚に 資料が並んでいる。
以前スナックだった場所を そのまま利用しているみたいだ。中には二人の男性がいた。
宗詩「建設部から来た 立花 宗詩です。よろしくお願いします。」
僕は頭を下げた。
「立花君、私は経営管理を任された 今田だ。よろしく頼むよ。」
今田 恵作「けいさく」 56歳 独身
身長 170㎝ 体重 67kg 頭部 山頂部分の毛根の破損が著しいが、前方 及び 両側面の毛根の調子はいいようだ。 以前 大手ファミレスや居酒屋チェーン店を任されて きたらしい。第一印象、気真面目そうな感じだ。頭皮損傷の せいか、インチキ臭くも見える。
今田「こっちが調理担当の高梨君だ。」
高梨「立花君、若いねぇ。まぁ!疲れないように頑張ろうなぁ。」
高梨 利明「としあき」 42歳 独身
身長 173cm 体重70kg
これまでに、有名ホテルの調理から居酒屋、ファーストフード店まで 料理一本で生きてきた 料理人らしい。今田さんの知合い らしく、今田さんが 引き抜いて 来たらしい。見た感じ・・チャラい。喋りも チャラい。謎の多い人物だ。
宗詩「よろしく お願いします。」
宗詩「他にも人材決まってる って聞きましたけど、今日は来ないんですか。」
今田「あぁ!まだだ。今から2ヶ月間で店の方向性を決める。それまでは 三人だ。まぁ、決めなきゃならん事は山ほど あるが、立花君は 決められた事をしっかり、把握しといてくれ。それじゃ、ボチボチ始めるかね。立花君、とりあえず 座って!」
それから、今田さんを中心に 三人での会議が始まった。基本、僕は聞いている だけだ。店の内装は、工事が着工している以上、多方 決まっている。もちろん途中変更はあるだろうが。今日は使用する グラスに皿、制服に至るまで 話し合っている。
高梨「今田さん!もう、昼回ってますよ。飯食いましょうよ。」
今田「そうだな。時間もあるし、のんびり行くか。」
会議が始まって、一時間ほどだ。僕は正直、ゆるい感じがした。つい、昨日まで居た建設現場での打合せ では いつも 激 が飛んでいたからだ。でも、この飲食業界では無知の人間だ。僕は黙って二人の会話に従った。
今田「今日は何作るんだ。」
高梨「手抜きチャーハンと手抜きスープ。」
そう言うと 高梨さんは カウンターに立ち 料理を始めた。カウンターの奥に少し大きめの 家庭用冷蔵庫がある。よく見ると カウンターの周りには調味料が並んでいる。 高梨さんの調理姿は チャラい男のイメージを一瞬 で かき消した。動きが早い。テレビで見る 有名料理人の様な 動きだ。
宗詩「なんか、すごい手さばき ですね。」
今田「そりゃ、そうだよ。あれで飯食ってんだから。」
今田さんは 高梨さんを見る事無く 資料をずっと見ている。
待つ事20分。
高梨「おい!宗ちゃん!料理 運んで。」
いきなり 宗ちゃん?やっぱり チャラいような気がする。僕は席を立ち カウンターの裏に まわる。
すでに料理は盛られており、高梨さんが言った通りの、見た感じ具材の 少ない
チャーハンにスープだ。料理を運び、三人 席につくと、「いただきます。」で食べ始めた。
宗詩「うまい!」
僕は 料理の 見た目と、味のギャップに驚いた。しかも二日酔いで食欲もなかったのに。
今田「うまいな。いい物あったか?」
高梨「安くて 旨い塩とダシ見つけちゃって。これならイケるでしょ!」
今田「あぁ!文句なしだな。これで一つ決まりだな。」
もちろんの話だが、二人は昼食でメニューの試作もやってるみたいだ。それも、極力 コストを下げて。
それにしても旨い。チャーハンはご飯に卵くらいなもんだ、スープは汁とゴマだけ。僕はすぐに完食した。
今田「食べ終わったら、二時まで休憩だ。外に出るなり 昼寝するなり、好きにしていいぞ。」
高梨「んじゃ、パチンコ行ってきまーす。宗ちゃん!皿だけ洗っといてね。」
そう言うと 高梨さんは部屋から出ていった。
宗詩「今田さん。こんな感じで いいんですかね。前の部所と雰囲気が全然 違うもんで。」
今田「全然、気にしなくて いいよ。全部、私が任されてるから。それより時間まで ゆっくりしてよ。」
今田さんは笑顔で話す。僕も笑顔で 返事を返し、皿を洗ってから 外に出た。
外に出たは いいが 何をしよう。退屈だ。なんて事あるはず 無い! ずっとリンのメールが気になっていた。僕は階段の下の 影に 座り 携帯を開く。そして リンの文字を見て ニヤニヤする。
「あぁー!俺はバカだ!バカだ!」と思いながらも、ニヤニヤしてる。
僕は真咲に電話をした。
真咲「どうした?」
もしもし は無い。いきなり、「どうした」だ。
宗詩「お疲れ。リンからメールあったんだけど、真咲が 教えたの。」
僕はドキドキ感を抑え サラっと言った。
真咲「あぁ!メイファンから聞かれたから。ダメだったか?」
宗詩「いや!全然大丈夫。ホントにリンか 気になったから。」
真咲「オイ!オイ!何、冷静なふり してんだよ。スケベ野郎!店に行く時は 誘えよ。」
真咲には心が読まれてるようだ。冷静なフリをしたのが 恥ずかしい。が、あのメールは リン確定だ。僕はメールを返そうと思うが、何て 書いたらいいのか。ただでさえ 言葉が通じない。僕は 悩みに悩んだあげく、「また いくね。」とだけ文字を打った。なのに 送信を押すことができない。単に緊張している。心臓バクバクだ!僕がメールを送って リンは不快に思わないだろうか。それとも、「バカから メールだ」と、思われない だろうか。
鴨がメール 一つで悩んでいても 仕方ない。
が、僕は、数分 、送信ボタンを押せずにいた。
僕は最後の手段に出る。それは 送信部を 指で触れるか、触れないかの ところで 指を離す。それを3回だけ実行する。絶対に3回だけだ。結果は神のみぞ知る。絶対に3回と 自分に言い聞かせて、左手に携帯、右 人差し指を刃のように 構え。大きく 深呼吸をする。一回目!僕の指は ゆっくりと 送信へ 向かう。 そして、触れるか、触れないかの刹那の瞬間に指を引く。
・・・「送信中」・・!?!?
「マジかよ!一発目たぞ!ちょっと待て!!」
僕の 思考と 携帯を握る左手が 噛み合わない。左手は左右に小さく揺れ、左手から 携帯がこぼれ落ちる。やや回転しながら落ちてゆく!そして画面左上部が地面に接触!そこからバウンド!携帯は跳ね上がり!次に画面右下が地面に接触!そしてゆっくりと 画面が地面に向かって倒れる。
僕は慌てて 携帯を拾い上げる。が 画面には「送信完了」の文字が・・・
正直、心の準備が出来ていなかった。早る思いからの 賭けだった。
「嘘だろ。」
僕は 不安を感じながら 、携帯を握りしめ、返事を待った。
リンからの返事は来ない。間もなくすると、高梨さんが帰って来た。
高梨「宗ちゃん!そんなとこで 何してんの?そろそろ時間だよ。」
リンの返事を待っていたら あっという間に時間が過ぎていた。僕は 高梨さんと部屋へもどる。
部屋へ戻ると、今田さんが カタログ や色んな資料を机の上に広げている。午後の会議が再開だ。僕には分からない事がほとんど だか、次々に決まっていく。休憩を挟みながら17時まで続いた。
今田「よし!今日はこれくらいで いいか。立花君、明日から二日間で これ調べといて。事務所には来なくて いいから。」
そう言うと僕に資料を渡した。ざっと見た感じ、飲食店利用の調査のようだ。
今田「知合いでも、身内でも いいから。そのかわり、地元の人に聞いてよ。ヨシ!それでは解散!」
働いた感が全然ないが、今日の仕事が終わった。二日 来なくて いいなんて かなりフリーな感じだな。
僕はタクシーを呼び、アパートへ帰る。
部屋に座ると すぐに携帯を開くが リンからの返事はない。僕はゴロンと寝そべり、ため息を ついた。
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