超好みな奴隷を買ったがこんな過保護とは聞いてない

兎騎かなで

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第四章 ダンジョン騒動編

★33苦しいくらいに愛してる

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 ああっ、きた……! 肉壁を押し広げられる圧迫感に耐えながら、なんとか後孔の力を緩めようと試みる。

「は、っあ、ぁあ……っ」

 キツい、でもやめてほしくない……っ! はーっと長く息を吐きながらカイルを見上げると、彼も思いきり突きあげたいのを我慢しているようで、唇に歯を立てていた。

「ん、カイル、こっち……」

 唇に跡をつけるんじゃなくて、俺にキスマークをつけてくれよと首を反らす。カイルは意図を察したようで、首と肩の間に吸いついた。

「あっ……ん」

 軽く歯を立てられ、甘い声を漏らしてしまう。首から肩にかけて啄まれているうちに、だんだんと中も馴染んでくる。

 そろそろ動いても大丈夫そうだぞと腰を揺すった。カイルはそんな俺の顔をじっと見て、唇にも触れるだけのキスを落とした。

「イツキ……もう離さない、俺だけのイツキだ」
「ん、とっくに、そうだっての……ぁん!」

 軽く突かれた拍子にカリが前立腺をゴリゴリ擦っていき、抑えきれない嬌声が漏れ出てしまう。

「そろそろ動くぞ」
「ああ、早く……ぅ、あ、んぁっ」

 抽送がはじまり、腰の奥から痺れるような快楽が背筋を駆け上っていく。身体の気持ちよさ以上に、心が浮きたち震えてしまう。

 カイルだけだ、こんなにも俺の気持ちを揺さぶるのは。隙間なく繋がっているのにもっと欲しくなり、しっかりと愛しい人の腰に足を絡めた。

「カイルぅ……っ! いいっ、もっと……!」
「俺もだ、イツキ……!」

 カイルは俺の要望を受けて、律動の速度を上げた。俺も応える様に腰を浮かせる。

 後ろしか刺激されていないのに、今にも欲望を噴き出してしまいそうなほど、きゅんきゅんと下腹が疼く。

「はあぁ、あぅんっ、あぁっ!」

 浮いた腰を支えるため、カイルは腰の下に手を添えた。その拍子に敏感な尻尾を撫でられて、バチバチと目の奥で火花が弾ける。

「ひっ……! っぁ」

 ナカを思いきり締めつけてしまい、カイルがクッと息を詰める。

 カイルは手前まで剛直を引き抜くと膝立ちになり、俺の腰を抱え直して奥まで差しこんだ。

「う……ああぁっ!」

 それ、やばいってえぇ! また手前に引いて、抉るように前立腺を押しこまれた。

 首を振って快感を逃そうとするも敵わず、繋がった一点から身体中に、気持ちいい波が押し寄せていく。

「むりっもう出る……!」
「出していいぞ。気持ちよくなっているところをっ、見せてくれ」

 イキ顔を見られるのはさすがに……っ! いくらカイルの頼みでも……でも、と迷っているうちに限界がきてしまう。

「ぃっ、あああぁ……っ!」

 思いきり腰を突き上げて絶頂した。勢いよく飛び散った飛沫は、俺の顎にまでぼたぼたと垂れてくる。

 赤みを帯びた葡萄色の瞳は、ギラつきながら俺の表情を網膜に焼きつけていた。ああっ、みっともないとこ見られてる……っ

「ひん……っ、う……」

 今更だが腕で顔を隠す。びくびくと震えながら、カイルの雄を締めつけると、切羽詰まって息を詰めるような声が聞こえた。

 カイルは少しの間腰を止めて、繋がったままの俺の腰を毛布の上に下ろす。

 まだ硬い雄を俺の中に挿入したまま、腹の上から顎にかけて盛大に飛び散った精液を、洗浄魔法で綺麗にしてくれた。

 カイルはまだイってねえよな……? 指の隙間から彼の様子を確認した。

 魔法を使ったカイルは、はあと色っぽいため息を吐いて額に手を当てる。灰銀の髪の隙間からのぞく指先がセクシーで、ぼんやりと見惚れた。

「……本来の目的を忘れていた」
「目的って……っぁあ⁉︎」

 イッたばかりのふにゃふにゃな頭で問いかけると、繋がったところから魔力を流される。

 じゅわっと奥が溶けたのかと思った。ナカが爆発的に気持ちよくなり、暴力的なまでの快楽が背骨を辿り、頭のてっぺんまで体を満たした。

「……っ! ぅう……ああっ!」

 こんなの、おかしくなる……っ! 足をぎゅうっと手で抱えて折り曲げた。

 膝を抱えて身体を守りたかったのに、カイルが間にいるからできなくて、足を開いたままでふるふると身体中を震わせる。

 ちゅこちゅこと優しく突かれるだけで、何度もナカイキしてしまった。

「ぁ、あ……っ、あ、んーっ」
「気持ちよさそうだな、イツキ。俺もとてもいい……」

 気持ちいいどころの騒ぎじゃない、よすぎて辛いくらいだ。涙目で見上げると、カイルはスッと目を細めて、パンと奥を一息に突いた。

「くぁ……っ」

 イッた、またイッた、止まんねえ……っ! 喉を反らしながら耐えていると、カイルはさっきつけたキスマークに吸いついてきた。

「ここも、よくしてやろうな」
「ぃ、やっ、んくっ、あっ!」

 両方の乳首を摘まれて、もはやまともな単語を紡げない。舌からも魔力を流されて、抽送を速められる。

 腹の奥がマグマでも煮えているかのように、熱くてたまらない。過ぎた快楽に耐えきれなくて、ぽろりと目尻から涙が溢れていく。

「ひ、ぃっ、うぅーっ」
「泣くほど気持ちいいのか、イツキ……」

 まるで全身が性感帯になってしまったみたいに、何をされても快楽に変換しちまうみたいだ。

 苦しくて、でも気持ちよくて、もうどうしたらいいかわからない。俺を見つめるカイルの顔が快感に歪む様子を、蕩然と見返す。

「止めてやりたいが、もう、止められない……!」
「ん、んっ!」

 余裕なく腰を振られて、体の細胞一つ一つが快感によって弾けて溶けてしまいそうだ。

 きっとカイルも限界が近いのだろう。そんな中でも俺を気遣おうとするなんて。

 ああ、好きだな。そう思った瞬間に、身体の奥底でカイルの欲望が弾けた。

「くぅ……っ!」
「ぐ……っ」

 ぎゅっと背中を抱きしめると、カイルも俺の首の後ろに腕を回してくれた。快感の残滓が去るのを待ちながら、二人して息を整える。

 魔力を流しながらのセックスだと、俺の神経が焼き切れてしまいそうだ。ちょっと苦しかったぞと軽く胸を叩く。

「はぁ、は……激し、すぎだろ……」
「イツキが、煽るせいだろう」

 え? なんの話だ……ああ、フェラのことか?

「煽ってねえよ……好きだから、よくしてやりたいって、思っただけだろ」
「それを煽っていると言うんだ」
「納得いかねえ……」

 普通フェラしてイカせたら、ちょっとは落ち着くはずだろ? なんで余計に煽られてんだよ。

 ムッと眉根を寄せて、じゃあどうすればよかったのかと考えていると、カイルがクスリと笑った気配がした。

「だが、嬉しかった。求めているのは俺だけではないと、実感ができた」
「ん? そんなこと思ってたのか?」

 カイルは俺を抱きしめたまま、ゴロリと隣に横になる。
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