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料理は美味しかったんだ
タオはシズキの目の前に、ほかほかと湯気を立てる大皿を置いてくれる。皿には目玉焼らしき卵料理と焼いた鶏肉、それから饅頭みたいな物が乗っていて、紫のソースがかかった茹で野菜が申し訳程度に添えられていた。
「本当は魚を用意したかったんだけど、獲りに行く時間がなかったんだ。この後一緒に川にいこうよ」
「……外は、出歩くと危ないって」
「うん、だから一緒に行こう。まずはご飯をしっかり食べて、元気いっぱいになってからだね」
タオが笑うと牙が口の端から露出する。素早く視線を逸らし、豪快に食事を食べる様子を視界に入れないようにしながら、静樹も目玉焼きにフォークを突き刺した。
「いただきます……」
目玉焼きも鶏肉も粥と同じように、味が控えめだった。ほのかな塩味は素材のよさを引き立ててくれて、予想したよりも美味しかった。
紫のソースは酸っぱくて甘味もあった。果物で作られているのだろうか。饅頭みたいな見た目の丸い物体をかじってみると、中は柔らかくもちもちとしている。
あの背側がふわふわの毛皮で覆われた肉球のついた手で、料理を作ってくれたのかと不思議な気分になった。
時々タオに視線を送ると、彼はいつも静樹の方を見ているのに気がついた。にこにこしながら鶏肉を口に頬張っている。
(なにがそんなに楽しいのだろう……もしかして、人と一緒にご飯を食べるのが嬉しいのかな。人間を保護するのが夢、とか言ってたし)
人間はこの世界では、保護されるようなか弱い生き物なのだろうか。タオのような獣人や奇怪獣とやらがいるのであれば、生身の人間では敵わないだろうから、静樹の想像通り守られる存在なのかもしれない。
(守ってもらえるのはありがたいな……でも、突然僕みたいなのを住まわせるなんて、歓迎してくれている風だけど申し訳ない)
せめて、いちいち怖がって悲鳴を上げないようにしなければ。虎の耳は人間より性能がいいだろうから、さぞうるさかったことだろう。
(大丈夫、怖くない……タオはいい獣人みたいだし、襲われたりしない……よね?)
まだ会ったばかりだから無条件に信頼がおけるわけじゃないが、なるべく心を開いて信じてみようと思った。
目玉焼きを一口で丸ごと飲み込む口の大きさを目にして、背筋はブルリと震えてしまうけれど。怖くないったら怖くないのだ……
「ぶぇっくしょい!」
「ひえ!」
「あ、ごめんね食事中なのに。鼻噛んでくる」
くしゃみひとつで悲鳴をあげる自分が心底情けないと嘆きながら、出された食事を懸命に食べ進めた。
「本当は魚を用意したかったんだけど、獲りに行く時間がなかったんだ。この後一緒に川にいこうよ」
「……外は、出歩くと危ないって」
「うん、だから一緒に行こう。まずはご飯をしっかり食べて、元気いっぱいになってからだね」
タオが笑うと牙が口の端から露出する。素早く視線を逸らし、豪快に食事を食べる様子を視界に入れないようにしながら、静樹も目玉焼きにフォークを突き刺した。
「いただきます……」
目玉焼きも鶏肉も粥と同じように、味が控えめだった。ほのかな塩味は素材のよさを引き立ててくれて、予想したよりも美味しかった。
紫のソースは酸っぱくて甘味もあった。果物で作られているのだろうか。饅頭みたいな見た目の丸い物体をかじってみると、中は柔らかくもちもちとしている。
あの背側がふわふわの毛皮で覆われた肉球のついた手で、料理を作ってくれたのかと不思議な気分になった。
時々タオに視線を送ると、彼はいつも静樹の方を見ているのに気がついた。にこにこしながら鶏肉を口に頬張っている。
(なにがそんなに楽しいのだろう……もしかして、人と一緒にご飯を食べるのが嬉しいのかな。人間を保護するのが夢、とか言ってたし)
人間はこの世界では、保護されるようなか弱い生き物なのだろうか。タオのような獣人や奇怪獣とやらがいるのであれば、生身の人間では敵わないだろうから、静樹の想像通り守られる存在なのかもしれない。
(守ってもらえるのはありがたいな……でも、突然僕みたいなのを住まわせるなんて、歓迎してくれている風だけど申し訳ない)
せめて、いちいち怖がって悲鳴を上げないようにしなければ。虎の耳は人間より性能がいいだろうから、さぞうるさかったことだろう。
(大丈夫、怖くない……タオはいい獣人みたいだし、襲われたりしない……よね?)
まだ会ったばかりだから無条件に信頼がおけるわけじゃないが、なるべく心を開いて信じてみようと思った。
目玉焼きを一口で丸ごと飲み込む口の大きさを目にして、背筋はブルリと震えてしまうけれど。怖くないったら怖くないのだ……
「ぶぇっくしょい!」
「ひえ!」
「あ、ごめんね食事中なのに。鼻噛んでくる」
くしゃみひとつで悲鳴をあげる自分が心底情けないと嘆きながら、出された食事を懸命に食べ進めた。
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