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11、三男と幼なじみ
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篠田さんによって移された場所は、あの広々とした噴水のある公園だった。
周りはプレイヤーだろう人が沢山いて、住民はこの場にはあまり見られない。
「さて、どうしたものか」
「きゅ~?」
肩にいるマリを撫でながら考える。
とはいえ、チュートリアルが終わったら待ってろと広葉に言われているので、待つほかないんだけど。
当たりをくるりと見渡してみても、広葉らしき人はいなかったので、とりあえず噴水に腰掛けて待つことにする。
そう言えば、マリの尻尾は治ったのだろうか。
「なぁマリ。尻尾の怪我はもう大丈夫か?」
「きゅ?きゅ、ぴゆ~」
俺の問いかけに答えるように鳴いてから、マリはぴょんっと肩から膝の上に飛び乗ってきた。
そして、ふりふりと尻尾を振って大丈夫アピールをしてくれた。
「そっか、よかった」
「きゅう」
見たところ赤みも内容だし、本人も痛がってないので本当に問題はないのだろう。今も膝の上でくるくるとまわり、おさまりの良い所を探している。
治ってよかったなと言いながらそんなマリを撫でると、きゅ~と柔らかい声を出して膝の上で丸くなった。
戦闘態勢ではない今のマリはふわふわした毛で覆われており、手足は完全に隠れている。
辛うじて見えるのは小さな尻尾と顔だけだ。
「ほんとに鞠みたいだな」
「きゅぃ~」
笑いながら言った俺の声に答えるようにマリが鳴いたが、多分寝息だろう。
スピスピと鼻息が聞こえるし、マリの上にふわふわと泡が4つ飛んでいるからな。
マリは意外とねぼすけらしい。新発見だな。
鼻ちょうちんまで作り出して寝るマリは正直可愛い。
未だスピスピと鼻を鳴らしながら眠るマリを飽きずに撫でていると、突然こちらに走り寄る人が現れた。
遠目ではあるが、金髪っぽくて格好もどこかの王子や貴族のような服装をしている。
俺の知り合いにそんな人いたか?
つい困惑して首を傾げてしまう。
撫でる手が止まったからなのか、マリも目を覚ましてきょろきょろとしてから、その人に気づいたらしい。俺と同じ反応をしていた。
「マリ、おはよう」
「きゅ、ぴきゅ!」
走ってくる人に疑問は残るが、とりあえずマリに挨拶をする。
こういう行為は教えていかないとだからな。
マリもすちゃっと短い前足を上げて答えてくれたので、教える必要があるかは分からないけどな。
「あの人、誰なんだろうな」
「きゅー?」
「こころなしか呼ばれてる気がするんだよなぁ」
「きゅう」
おーい、という声がだんだん近くなるのを感じる。
気のせいではなく、やっぱり呼ばれてるみたいだな。
その時、ぶんぶん手を振りながらかけてくる人を見て、俺は妙な既視感を覚えていた。
もっとも、その正体は相手が近づくことで直ぐに判明した。
「よ!俺が誰だか分かるか?」
唐突にそう言われた。
誰かと言われても、このタイミングで話しかけてくる人は一人しかいないだろう。
顔もそのままだったしな。
まぁ挨拶もなしに問いかけてきたことに関しては、後で言っておこう。マリの教育に悪いからな。
「広葉だろ?この世界での名前は知らないけどな」
「あったり!!さすがだ友よ!」
「友っていうか、幼なじみの顔はさすがに間違えないよ」
広葉、この世界ではヒラハと言うらしいこいつは、俺と同じくリアルモード選択者らしい。
ただし、髪色と瞳の色は変えており、髪は金で瞳は緑だった。
どこの王子だお前は。
「カスミはそのままなんだな。探すのが楽で助かったぜ」
「弄っても慣れなさそうだしね」
「まぁ確かにな」
膝の上にいたマリを抱き上げて、腰掛けていた噴水から立ち上がってヒラハを見る。
現実と同じくこいつの方が背が高いので、少し見上げる形にはなるが、やはり慣れているから弄らないで正解だと思う。
俺がヒラハを見ているのと同じように、こいつも俺を見ていたようで、やっと腕の中のマリに気づいた。
「それ、テイムモンスターか?召喚獣ではないよな」
「そ。テイムモンスターで、ニーマスのマリだよ。よろしく~って」
「きゅ~きゅぴー!」
小さな手を優しく持って振ってみると、マリもよろしくと言うように鳴いた。
うちの子可愛いです。
「……可愛いな」
「でしょ?」
ヒラハはさっそくマリの魅力にやられたらしいく、マリのふわふわの毛に触れておお!とか言ってる。
説明してくれるんじゃないのか?
「ヒラハ、チュートリアル終わったけど、これからどうすればいいの?」
「ん?ああ。そういやお前さ、チュートリアル全部やったの?」
「へ?やったけど」
「まぁ、そりゃ初めてだからやるか」
なんのことだと思ってマリと一緒に首を傾げると、ヒラハによる説明が始まった。
どうやら、この手のゲームはチュートリアルがほぼ同じであり、またサイトなどにもやり方や施設の種類、使い方などは載っているため、チュートリアルは職業の体験だけやって終わるという人がほとんどだそうだ。
だから篠田さん、途中で何度か続けますかって聞いてきたのか。
「分からないことだらけだし、何でもかんでもお前に聞くのも悪いしね」
「そりゃありがとよ。それとさ、その装備どうしたんだ?明らかに初期装備じゃないだろ、それ」
俺の今の服装は旅人シリーズから一転してシンプルだがオシャレな格好だ。
ベージュのコートに黒のシャツと黒のズボンを着て、その上に茶色いブーツを履いている。
「これか?チュートリアルのクエストで貰ったんだ」
「は?チュートリアルってそんなもんまで貰えんのかよ。お使いクエストだろ?なんのクエストやったんだ?」
「えっと…あそこの店の手伝い」
「あそこって……おまっ、あれめっちゃ人気の店じゃん!」
「そーなの?」
「そーなの!」
クラウスさんの店は住民だけでなく、プレイヤー、ここで言う旅人にも人気だそうだ。
流石はクラウスさん。丁寧な仕事が人を呼ぶのだろう。
「はーー……ま、ここは素直に良かったなって言っておくよ」
「ああ。ありがとう」
若干呆れたようにヒラハは言ったが、俺も素直に受け取っておこう。
そんなことより説明だ。
俺はどんな話をしてくれるのだろうと期待を込めてヒラハを見る。
こいつもそれを受けて、ニッと笑ってから一歩噴水に近づいて腕を広げた。
「ようこそカスミ!第二の世界へ!!」
そういったヒラハの後ろで、見計らったように噴水が高く水しぶきを上げた。
「これでやっとお前の飯がこの世界で食えるよ」
「カッコつけた途端それか」
「いーじゃん。美味いもんは正義だ!」
「きゅぴー!!」
「お!!分かるかマリ!」
「はぁ……食いしん坊が増えたな」
噴水の水しぶきと太陽の光でキラキラとしたかっこいいヒラハは、それでも結局は幼なじみの広葉だったみたいだ。
俺はこれから始まる第二の世界とやらに少し期待しながら、目の前の食いしん坊二人に苦笑した。
周りはプレイヤーだろう人が沢山いて、住民はこの場にはあまり見られない。
「さて、どうしたものか」
「きゅ~?」
肩にいるマリを撫でながら考える。
とはいえ、チュートリアルが終わったら待ってろと広葉に言われているので、待つほかないんだけど。
当たりをくるりと見渡してみても、広葉らしき人はいなかったので、とりあえず噴水に腰掛けて待つことにする。
そう言えば、マリの尻尾は治ったのだろうか。
「なぁマリ。尻尾の怪我はもう大丈夫か?」
「きゅ?きゅ、ぴゆ~」
俺の問いかけに答えるように鳴いてから、マリはぴょんっと肩から膝の上に飛び乗ってきた。
そして、ふりふりと尻尾を振って大丈夫アピールをしてくれた。
「そっか、よかった」
「きゅう」
見たところ赤みも内容だし、本人も痛がってないので本当に問題はないのだろう。今も膝の上でくるくるとまわり、おさまりの良い所を探している。
治ってよかったなと言いながらそんなマリを撫でると、きゅ~と柔らかい声を出して膝の上で丸くなった。
戦闘態勢ではない今のマリはふわふわした毛で覆われており、手足は完全に隠れている。
辛うじて見えるのは小さな尻尾と顔だけだ。
「ほんとに鞠みたいだな」
「きゅぃ~」
笑いながら言った俺の声に答えるようにマリが鳴いたが、多分寝息だろう。
スピスピと鼻息が聞こえるし、マリの上にふわふわと泡が4つ飛んでいるからな。
マリは意外とねぼすけらしい。新発見だな。
鼻ちょうちんまで作り出して寝るマリは正直可愛い。
未だスピスピと鼻を鳴らしながら眠るマリを飽きずに撫でていると、突然こちらに走り寄る人が現れた。
遠目ではあるが、金髪っぽくて格好もどこかの王子や貴族のような服装をしている。
俺の知り合いにそんな人いたか?
つい困惑して首を傾げてしまう。
撫でる手が止まったからなのか、マリも目を覚ましてきょろきょろとしてから、その人に気づいたらしい。俺と同じ反応をしていた。
「マリ、おはよう」
「きゅ、ぴきゅ!」
走ってくる人に疑問は残るが、とりあえずマリに挨拶をする。
こういう行為は教えていかないとだからな。
マリもすちゃっと短い前足を上げて答えてくれたので、教える必要があるかは分からないけどな。
「あの人、誰なんだろうな」
「きゅー?」
「こころなしか呼ばれてる気がするんだよなぁ」
「きゅう」
おーい、という声がだんだん近くなるのを感じる。
気のせいではなく、やっぱり呼ばれてるみたいだな。
その時、ぶんぶん手を振りながらかけてくる人を見て、俺は妙な既視感を覚えていた。
もっとも、その正体は相手が近づくことで直ぐに判明した。
「よ!俺が誰だか分かるか?」
唐突にそう言われた。
誰かと言われても、このタイミングで話しかけてくる人は一人しかいないだろう。
顔もそのままだったしな。
まぁ挨拶もなしに問いかけてきたことに関しては、後で言っておこう。マリの教育に悪いからな。
「広葉だろ?この世界での名前は知らないけどな」
「あったり!!さすがだ友よ!」
「友っていうか、幼なじみの顔はさすがに間違えないよ」
広葉、この世界ではヒラハと言うらしいこいつは、俺と同じくリアルモード選択者らしい。
ただし、髪色と瞳の色は変えており、髪は金で瞳は緑だった。
どこの王子だお前は。
「カスミはそのままなんだな。探すのが楽で助かったぜ」
「弄っても慣れなさそうだしね」
「まぁ確かにな」
膝の上にいたマリを抱き上げて、腰掛けていた噴水から立ち上がってヒラハを見る。
現実と同じくこいつの方が背が高いので、少し見上げる形にはなるが、やはり慣れているから弄らないで正解だと思う。
俺がヒラハを見ているのと同じように、こいつも俺を見ていたようで、やっと腕の中のマリに気づいた。
「それ、テイムモンスターか?召喚獣ではないよな」
「そ。テイムモンスターで、ニーマスのマリだよ。よろしく~って」
「きゅ~きゅぴー!」
小さな手を優しく持って振ってみると、マリもよろしくと言うように鳴いた。
うちの子可愛いです。
「……可愛いな」
「でしょ?」
ヒラハはさっそくマリの魅力にやられたらしいく、マリのふわふわの毛に触れておお!とか言ってる。
説明してくれるんじゃないのか?
「ヒラハ、チュートリアル終わったけど、これからどうすればいいの?」
「ん?ああ。そういやお前さ、チュートリアル全部やったの?」
「へ?やったけど」
「まぁ、そりゃ初めてだからやるか」
なんのことだと思ってマリと一緒に首を傾げると、ヒラハによる説明が始まった。
どうやら、この手のゲームはチュートリアルがほぼ同じであり、またサイトなどにもやり方や施設の種類、使い方などは載っているため、チュートリアルは職業の体験だけやって終わるという人がほとんどだそうだ。
だから篠田さん、途中で何度か続けますかって聞いてきたのか。
「分からないことだらけだし、何でもかんでもお前に聞くのも悪いしね」
「そりゃありがとよ。それとさ、その装備どうしたんだ?明らかに初期装備じゃないだろ、それ」
俺の今の服装は旅人シリーズから一転してシンプルだがオシャレな格好だ。
ベージュのコートに黒のシャツと黒のズボンを着て、その上に茶色いブーツを履いている。
「これか?チュートリアルのクエストで貰ったんだ」
「は?チュートリアルってそんなもんまで貰えんのかよ。お使いクエストだろ?なんのクエストやったんだ?」
「えっと…あそこの店の手伝い」
「あそこって……おまっ、あれめっちゃ人気の店じゃん!」
「そーなの?」
「そーなの!」
クラウスさんの店は住民だけでなく、プレイヤー、ここで言う旅人にも人気だそうだ。
流石はクラウスさん。丁寧な仕事が人を呼ぶのだろう。
「はーー……ま、ここは素直に良かったなって言っておくよ」
「ああ。ありがとう」
若干呆れたようにヒラハは言ったが、俺も素直に受け取っておこう。
そんなことより説明だ。
俺はどんな話をしてくれるのだろうと期待を込めてヒラハを見る。
こいつもそれを受けて、ニッと笑ってから一歩噴水に近づいて腕を広げた。
「ようこそカスミ!第二の世界へ!!」
そういったヒラハの後ろで、見計らったように噴水が高く水しぶきを上げた。
「これでやっとお前の飯がこの世界で食えるよ」
「カッコつけた途端それか」
「いーじゃん。美味いもんは正義だ!」
「きゅぴー!!」
「お!!分かるかマリ!」
「はぁ……食いしん坊が増えたな」
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四章【完結】ゴミ拾いと流行り病:6/1〜6/4
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六章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(道中):6/8〜6/11
七章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(本編):6/12〜6/18
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