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第117話 開通トンネル
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コウ達一行はエルダーロックの村に帰ってきた。
コウはすぐに隣国側の緩衝地帯の村より連れてきたコボルトの若者五名を村長であるヨーゼフに引き合わせる。
「は、初めまして! コボルトの村よりきたこの一団の代表レトリーと申します」
コボルトの若者代表レトリーは、村長のヨーゼフの貫禄に緊張気味に挨拶した。
「ああ、よくお出でになった。この村の村長として君らを歓迎しよう。この村でそちらの村の為になるようなことがあれば、どんどん吸収してくれて構わない。あ、だが、独自の技術や農作物については要相談だがな? わははっ!」
ヨーゼフは事前に娘のカイナから事情を聞いていたので、コボルトの目的は聞いている。
彼らも村を存続させる為に、必要なことを吸収したい思いで必死なのも理解できたから、協力を惜しむ気はないのであった。
「ありがとうございますワン! わが村はコウ殿達のお陰でようやく村の形を成すことができたというところですワン。なのでこう言ってはおこがましいですが、将来的にはこの村と友好関係を結べればと思っておりますワン」
レトリーはコボルトの村の村長役になっている若いドッゴやその相談役である老オルデンの意向を伝えた。
「娘の話ではすでに四百人以上の住人がいる村だと聞いている。それだけの数がいる村は発展するのも難しくないだろう。数は力だからな。うちもそちらとは仲良くしたい。将来とは言わず、近いうちに友好関係を結ぼう。どうやらお互い、所属している国からは腫物扱いのようだしな。わははっ!」
村長ヨーゼフはコボルト達に一年前の必死になっていた自分達の姿を見ていた。
実際、緩衝地帯という荒れた特殊な土地で、村を作るということの難しさはよくわかっている。
そして、祖国から差別対象として扱われていることもだ。
コウが独断でコボルトに協力したようだが、自分でも同じことをしただろう。
こういう縁は大切にしないといけない。
ヨーゼフは、心の底から彼らの村の発展は大歓迎なのであった。
「助かりますワン! 私達は強制的に緩衝地帯に連れてこられた身で、頼れる者が自分達以外にありませんでしたワン。それが、コウ殿達と出会い、協力を得られて生きる見込みが立っていますワン。すぐにとは言えませんが、恩は必ず返すつもりですワン」
レトリーはコボルトを代表してそう約束することを告げた。
「頼もしい言葉だな! お互い助け合える関係になれば、恩なんてものは知らないうちに返せるというものだ。だから肩の力を抜いてくれ。わははっ!」
村長ヨーゼフはコボルトの真面目で恩に篤い姿勢に問題がなさそうだと判断した。
こうして、レトリー達コボルトの若者五人が、エルダーロックの村で仮住まいすることになるのであった。
それから数日のこと。
コウは髭なしドワーフグループで親友であるダンカンとダークエルフのララノア、そして、村長の娘カイナに剣歯虎ベルというメンバーで、アイダーノ山脈を横断する洞窟の確認に来ていた。
ダンカンは鉱山の現場監督として、坑道や洞窟などの探索などは専門分野であり、鉱山でも自然の洞窟に遭遇することがあるので、それらの安全性などを確認したうえでだが、それを利用したり、通路を塞ぐこともある。
今回、コウ達の報告で横断洞窟が安全かどうかプロとしてダンカンが下見に来たというわけであった。
「出入り口はコウが土魔法で固めたのか? ──ふむ、良い出来だ。落石を考慮した造りだな。──コウのオリジナルか?」
ダンカンは出入り口の頭上を魔法で固め、出入り口のトンネルを少し伸ばし、周囲を壁で覆うことで、落石の危険性がない作りにしてあったから、そのことにダンカンは感心した。
「うん。ダンカンさんに褒められると嬉しいなぁ」
コウは専門家であるダンカンに評価されて素直に喜んだ。
「わははっ! コウのことはいつも褒めているだろ! まあ、毎回酒の席だからお互い忘れている気もするが……。ほら、中も確認させてもらうぞ」
ダンカンは少し照れると、ランタンを取り出して、明かりを点けて中に入る。
「ほうほう……。なるほどな……」
天井や地面、周囲の壁面を念入りに確認しながらしばらく進み、ダンカンはその度に感心したように頷く。
「どうですか? 一応、気になるところは土魔法で固めたり強化しながら帰って来たんですが」
「ほとんど、手を入れる必要がないくらい、安全性が保たれているな。さすが、コウだ。ドワーフとして坑道の安全性ついて理解しているから、俺も仕事が楽でいいぞ。わははっ!」
ダンカンは、友人の手を抜かない真面目な仕事ぶりに感心して褒める。
コウが坑道の安全性を第一にしているのは当然だろう、落盤事故で死にかけて今があるからだ。
あの時はそれがきっかけで前世の記憶に目覚めたが、あれは稀なことだから、二度はないと思っているコウである。
その後も、コボルト側の出入り口付近までやってきたコウ達一行であったが、そこでダンカンが止まった。
「……ここの広いところがコウが塞いだというほかに繋がる大きな通路があった場所か」
ダンカンは下っていく穴、左に曲がる穴、右に上っていく穴が周囲の壁面とは違う岩で塞がれているのですぐに聞いた話を理解した。
「うん、ベルが穴から流れてくる臭いに反応したから、何かあるんだろうと思って一応念の為、塞いでおいたんです」
「……ふむ。ここに来るまでの地層は、鉱石の一部がちらほらとむき出しになっているところがあったからな。左右の穴はその地層に出来た空洞っぽいから後日、確認するとして……。この下りを塞いだ穴が個人的には気になるな」
ダンカンはランタンでその方向を照らして、洞窟の専門家としての勘が働いているようだ。
「僕も、ベルもその下りの穴が気になっていました。ちょっと覗いてみますか?」
コウはそう言うと、魔法収納から自慢のツルハシを取り出して、塞いだところをあっという間に開けてしまった。
「相変わらず、コウの掘削能力は常人離れしているな! わははっ! ──よし、それじゃあ、ついでに確認の為に下りるとするか」
ダンカンは手際のよいコウを褒めると、先頭に立ってランタンでその洞窟の奥を照らし、降りていくことにするのであった。
コウはすぐに隣国側の緩衝地帯の村より連れてきたコボルトの若者五名を村長であるヨーゼフに引き合わせる。
「は、初めまして! コボルトの村よりきたこの一団の代表レトリーと申します」
コボルトの若者代表レトリーは、村長のヨーゼフの貫禄に緊張気味に挨拶した。
「ああ、よくお出でになった。この村の村長として君らを歓迎しよう。この村でそちらの村の為になるようなことがあれば、どんどん吸収してくれて構わない。あ、だが、独自の技術や農作物については要相談だがな? わははっ!」
ヨーゼフは事前に娘のカイナから事情を聞いていたので、コボルトの目的は聞いている。
彼らも村を存続させる為に、必要なことを吸収したい思いで必死なのも理解できたから、協力を惜しむ気はないのであった。
「ありがとうございますワン! わが村はコウ殿達のお陰でようやく村の形を成すことができたというところですワン。なのでこう言ってはおこがましいですが、将来的にはこの村と友好関係を結べればと思っておりますワン」
レトリーはコボルトの村の村長役になっている若いドッゴやその相談役である老オルデンの意向を伝えた。
「娘の話ではすでに四百人以上の住人がいる村だと聞いている。それだけの数がいる村は発展するのも難しくないだろう。数は力だからな。うちもそちらとは仲良くしたい。将来とは言わず、近いうちに友好関係を結ぼう。どうやらお互い、所属している国からは腫物扱いのようだしな。わははっ!」
村長ヨーゼフはコボルト達に一年前の必死になっていた自分達の姿を見ていた。
実際、緩衝地帯という荒れた特殊な土地で、村を作るということの難しさはよくわかっている。
そして、祖国から差別対象として扱われていることもだ。
コウが独断でコボルトに協力したようだが、自分でも同じことをしただろう。
こういう縁は大切にしないといけない。
ヨーゼフは、心の底から彼らの村の発展は大歓迎なのであった。
「助かりますワン! 私達は強制的に緩衝地帯に連れてこられた身で、頼れる者が自分達以外にありませんでしたワン。それが、コウ殿達と出会い、協力を得られて生きる見込みが立っていますワン。すぐにとは言えませんが、恩は必ず返すつもりですワン」
レトリーはコボルトを代表してそう約束することを告げた。
「頼もしい言葉だな! お互い助け合える関係になれば、恩なんてものは知らないうちに返せるというものだ。だから肩の力を抜いてくれ。わははっ!」
村長ヨーゼフはコボルトの真面目で恩に篤い姿勢に問題がなさそうだと判断した。
こうして、レトリー達コボルトの若者五人が、エルダーロックの村で仮住まいすることになるのであった。
それから数日のこと。
コウは髭なしドワーフグループで親友であるダンカンとダークエルフのララノア、そして、村長の娘カイナに剣歯虎ベルというメンバーで、アイダーノ山脈を横断する洞窟の確認に来ていた。
ダンカンは鉱山の現場監督として、坑道や洞窟などの探索などは専門分野であり、鉱山でも自然の洞窟に遭遇することがあるので、それらの安全性などを確認したうえでだが、それを利用したり、通路を塞ぐこともある。
今回、コウ達の報告で横断洞窟が安全かどうかプロとしてダンカンが下見に来たというわけであった。
「出入り口はコウが土魔法で固めたのか? ──ふむ、良い出来だ。落石を考慮した造りだな。──コウのオリジナルか?」
ダンカンは出入り口の頭上を魔法で固め、出入り口のトンネルを少し伸ばし、周囲を壁で覆うことで、落石の危険性がない作りにしてあったから、そのことにダンカンは感心した。
「うん。ダンカンさんに褒められると嬉しいなぁ」
コウは専門家であるダンカンに評価されて素直に喜んだ。
「わははっ! コウのことはいつも褒めているだろ! まあ、毎回酒の席だからお互い忘れている気もするが……。ほら、中も確認させてもらうぞ」
ダンカンは少し照れると、ランタンを取り出して、明かりを点けて中に入る。
「ほうほう……。なるほどな……」
天井や地面、周囲の壁面を念入りに確認しながらしばらく進み、ダンカンはその度に感心したように頷く。
「どうですか? 一応、気になるところは土魔法で固めたり強化しながら帰って来たんですが」
「ほとんど、手を入れる必要がないくらい、安全性が保たれているな。さすが、コウだ。ドワーフとして坑道の安全性ついて理解しているから、俺も仕事が楽でいいぞ。わははっ!」
ダンカンは、友人の手を抜かない真面目な仕事ぶりに感心して褒める。
コウが坑道の安全性を第一にしているのは当然だろう、落盤事故で死にかけて今があるからだ。
あの時はそれがきっかけで前世の記憶に目覚めたが、あれは稀なことだから、二度はないと思っているコウである。
その後も、コボルト側の出入り口付近までやってきたコウ達一行であったが、そこでダンカンが止まった。
「……ここの広いところがコウが塞いだというほかに繋がる大きな通路があった場所か」
ダンカンは下っていく穴、左に曲がる穴、右に上っていく穴が周囲の壁面とは違う岩で塞がれているのですぐに聞いた話を理解した。
「うん、ベルが穴から流れてくる臭いに反応したから、何かあるんだろうと思って一応念の為、塞いでおいたんです」
「……ふむ。ここに来るまでの地層は、鉱石の一部がちらほらとむき出しになっているところがあったからな。左右の穴はその地層に出来た空洞っぽいから後日、確認するとして……。この下りを塞いだ穴が個人的には気になるな」
ダンカンはランタンでその方向を照らして、洞窟の専門家としての勘が働いているようだ。
「僕も、ベルもその下りの穴が気になっていました。ちょっと覗いてみますか?」
コウはそう言うと、魔法収納から自慢のツルハシを取り出して、塞いだところをあっという間に開けてしまった。
「相変わらず、コウの掘削能力は常人離れしているな! わははっ! ──よし、それじゃあ、ついでに確認の為に下りるとするか」
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