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感情の在処
第壱話
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2040年。第三次世界対戦が開戦した。
理由は地下資源の減少と強奪。
攻撃対象は主に日本を含むアジア地域。
近年になって、日本、中国を中心とした東アジアに莫大な地下資源が埋蔵されている可能性があると判明した事が原因だ。
しかし、アジア地域を狙ったこの戦争は、東アジア地域――日本を中心とした猛反撃によって――世界各国に等しく大ダメージを与えた。
当時世界に4万発近くあった核兵器は、1発たりとも放たれることはなく(放つとその土地がしばらく使えなくなるので)、各国が兵器の燃料や都市の電力として再利用された。
それでも世界の総人口は一時期、約30億人まで減ったとされている。
開戦直後、日本は防戦一方だった。その理由は色々とあるが、主には戦力の不足と核を持たなかったことで、そこから電力や燃料を確保できなかったことだとされている。更に自国の事で手一杯になったアメリカからも見放され、その結果自衛隊への負荷が大きくなり、他国に支配されてしまうのも目前といった状況まで追い詰められていた。
そして、形振り構っていられないと感じた日本の科学者達は、ある兵器開発を行った。
それは、生きている人間を使った人間兵器だった。
そんな非人道的な研究だったが、1年後にそれは世界のパワーバランスを大きく変えた。
なぜなら、その人間兵器は1体で軍隊の一個大隊を壊滅状態に追い込む程だったからだ。
そして、そこで開発された人間兵器は各敵国に送り込まれ、軍に甚大な被害を与え、帰還した。
しかし、そんな力を持つ兵器は1体を作るのにも当然、莫大なコストがかかる。
故に、大戦の間に作られたのは11体だけだったという。
そして2年後、世界に多大なる犠牲を出した戦争は停戦という形で終わりを迎えた。
日本が行った研究及び実験の被験者11人の内7人は政府に回収された。
当然だろう。一個大隊を単騎で壊滅に追い込む程の兵器なのだ。他国に奪われでもしたら大変な事になる。
しかし、残りの4人は逃走。行方不明となった。
その11人の活躍は隊員の間で噂となり、やがて市民にも伝わり、日本側からは尊敬と感謝を込めて、諸外国からは畏怖を込めてこう呼ばれるようになった。
『漆黒の堕天使達』と。
★★★
2041年、9月。
「があァぁぁぁァぁ!!」
少年兵は痛みに叫んだ。
地面に落ちていた不発弾を踏み、運悪くそれが起爆してしまったのだ。
この少年兵の身体中にある様々な傷からは止めどなく血液が流れ出し、足下に血溜まりを作っている。
ここは東京だ。
しかし第三次世界大戦の戦場でもある。
この戦争では核兵器は使われていない。大陸間弾道ミサイルも使われていない。しかし、爆撃は頻繁に行われた。
この少年兵は、戦争によって徴兵された一般人である。
白兵部隊に入れられた一般人であるこの少年兵は、当然ながら戦闘は素人である。
そんな彼が全身に致命傷並みの傷を負う痛みに耐えられる筈もなく、すぐに気を失ってしまった。
それからすぐ、爆音を聞いた兵士によって救助された少年兵は荒々しくストレッチャーで運ばれ、手術室に運び込まれた。
そこには、少年の執刀医と思われる女性と助手と思われる数人がいた。
少年兵を運んで来た人が部屋から出ていくのを見届けると、女性は口を開いた。
「やぁ、はじめまして。私は神楽 佐久。
こんな状態で言うのもなんだが、君は非常に運がいいね。
先程の爆発で右腕切断、全身に大小様々な金属片が突き刺さり、下半身に3度の火傷と本来ならば、どんな手を施しても再び立つことは出来ないだろう。奇跡でも起きない限りはな。
寧ろ、この状態でよく生きていたと感心する程だ。
しかし、我々なら君をもう一度立ち上がらせる事が出来る。
そして、君は生きる力と共に『力』を手に入れられる。この無駄な戦を終わらせる力だ。
第一、君はまだ高校生だそうじゃないか。
君にだって家族や友人、恋人がいるだろう。
君には選ぶ権利がある。
こんなところで人生の幕をおろすか、この戦争を終わらせるために生き、力を振るうか。
君はどちらを選ぶ?」
少年兵は自分で決めた選択を、血を吐きながら必死に伝えた。
それを聞くと神楽は満足そうに笑って、
「いい判断だ。
この手術、必ず成功させると約束しよう」
その言葉を聞き終えると少年の意識は闇に閉ざされた。
そしてそれが、少年の人としての最後の記憶となってしまった。
そしてこの1ヶ月後、世界は仰天する。
★★★
2043年11月。
あの少年兵が手術を受けてから早くも2年と2ヶ月が過ぎていた。
そして、その少年兵は今は戦場に立っている。
「ひいぃ……や、やめてくれぇ。助けてくれ。俺にはまだ3才の子ど――」
ここはロシア軍の駐屯所だ。既に壊滅寸前ではあるが。
少年兵は助けを請い、後退る敵兵の首を無情に軍刀で切り飛ばした。
切り口から、軍刀から血が滴り、血だまりを少年の足下に作る。
髪も服も返り血で赤黒く染まっているのに、たった今1人の人間を殺したのに、その眼には、『嫌悪』も『恐怖』も、どんな感情も宿っていなかった。
少年兵は今、人ではない。
2年前に受けた手術によって、神楽との約束通り『命』と『力』は手に入れた。しかし、その手術の影響で、ある大切なものを失ってしまった。
失ったもの、それは――『感情』
『感情』は人が人らしくあるための重要な要因である。
手術が終わり、目が覚めたとき彼は思った。「あぁ、手術は成功したんだ」と。
しかし、その時の彼の中には『手術が成功したことの安心』も『生き延びたことの喜び』も無かった。
ただ、手術は成功した。そうとしか思わなかった。
『感情』を失った彼は人らしくなくなった。
神楽は謝った。「君に『命』と『力』を与えるつもりだったのに、逆に君から『感情』を奪ってしまった」と。
だが彼は、なぜ神楽が謝るのかがわからなかった。彼が望んだのは『生きること』と『力』。望むものは手に入った。あの重症から再び立ち上がることができるようにするだけの手術だ。ノーリスクである方がおかしいと思ってしまった。
だから彼は彼女を許した。
その後、彼は再び戦場に立った。
彼に『感情』があったらなら、戦地へ赴くのに躊躇しただろう。だが、彼はそんな躊躇すら抱かずに、『自分には戦うための力がある。だから戦う』そう言って戦地へ来たのだ。それが、一番効率的だと思ってしまったから。
いざ戦地へ来てみれば、彼の戦闘は戦闘と言えない程、圧倒的だった。
全身のほとんどが機械化されているため、生半可な攻撃では傷一つつかず、機械の力で常人ならざる速度で動き、殺した。
彼の感情を失った思考は『無駄な行動を一切せず、いかに効率よく動き殺すか』これを優先して考えていた。
そして今、また1人、人を殺した。
「ったく、相変わらずの無情っぷりだねぇ。零さんよ」
そう言って彼――零――に話しかけてくるのは、同じ被害者とも言え、今はコンビを組んで動く者。通称、肆だ。
「ま、最強にして唯一の失敗作のお前じゃぁ、仕方ないか」
話しかけてくる肆を無視して零は予め考えておいた通りに行動し敵を葬り去っていった。
★★★
2044年5月。
第三次世界大戦も一時停戦という形で終息し、全世界が復興へ向けて協力(と言っても敵同士だった国とはしていないが)している中、大戦に参加した国の中で最も被害が少なかった国、日本は復興を後回しにしてあることを最優先に行った。
それは、『漆黒の堕天使ブラック・エンジェルス』の回収。
零から拾の計11機の内、壱、参、伍、漆、捌、玖、拾は損害は大きかったものの回収することに成功。しかし残りの4機には逃げられてしまっていた。
力づくで捕まえようにも1機で軍の一個大隊を壊滅させることができる兵器が4機だ。捕まるはずも、なかった。
★★★
翌年6月。
政府の追っ手から逃れた零は夜の東京の街中を歩いていた。
街中、と言っても戦争の影響でいくらか破壊はされている。しかし電車は殆ど地下鉄となっているので被害無しで、ライフラインも通っているので、首都としては一応機能している。
そんな街中をさ迷っていた時だった。あいつが突如として零の前に降り立ったのは。
「ったく、空から戦友が降ってきたら普通は驚くモンだろ?」
そう、零の前に降り立ったのは肆だ。
「まぁ、いい。暇だろ? ちょっと付き合ってくれよ」
これが、この後1世紀近く共に行動することになる仲間への最初の言葉だった。
理由は地下資源の減少と強奪。
攻撃対象は主に日本を含むアジア地域。
近年になって、日本、中国を中心とした東アジアに莫大な地下資源が埋蔵されている可能性があると判明した事が原因だ。
しかし、アジア地域を狙ったこの戦争は、東アジア地域――日本を中心とした猛反撃によって――世界各国に等しく大ダメージを与えた。
当時世界に4万発近くあった核兵器は、1発たりとも放たれることはなく(放つとその土地がしばらく使えなくなるので)、各国が兵器の燃料や都市の電力として再利用された。
それでも世界の総人口は一時期、約30億人まで減ったとされている。
開戦直後、日本は防戦一方だった。その理由は色々とあるが、主には戦力の不足と核を持たなかったことで、そこから電力や燃料を確保できなかったことだとされている。更に自国の事で手一杯になったアメリカからも見放され、その結果自衛隊への負荷が大きくなり、他国に支配されてしまうのも目前といった状況まで追い詰められていた。
そして、形振り構っていられないと感じた日本の科学者達は、ある兵器開発を行った。
それは、生きている人間を使った人間兵器だった。
そんな非人道的な研究だったが、1年後にそれは世界のパワーバランスを大きく変えた。
なぜなら、その人間兵器は1体で軍隊の一個大隊を壊滅状態に追い込む程だったからだ。
そして、そこで開発された人間兵器は各敵国に送り込まれ、軍に甚大な被害を与え、帰還した。
しかし、そんな力を持つ兵器は1体を作るのにも当然、莫大なコストがかかる。
故に、大戦の間に作られたのは11体だけだったという。
そして2年後、世界に多大なる犠牲を出した戦争は停戦という形で終わりを迎えた。
日本が行った研究及び実験の被験者11人の内7人は政府に回収された。
当然だろう。一個大隊を単騎で壊滅に追い込む程の兵器なのだ。他国に奪われでもしたら大変な事になる。
しかし、残りの4人は逃走。行方不明となった。
その11人の活躍は隊員の間で噂となり、やがて市民にも伝わり、日本側からは尊敬と感謝を込めて、諸外国からは畏怖を込めてこう呼ばれるようになった。
『漆黒の堕天使達』と。
★★★
2041年、9月。
「があァぁぁぁァぁ!!」
少年兵は痛みに叫んだ。
地面に落ちていた不発弾を踏み、運悪くそれが起爆してしまったのだ。
この少年兵の身体中にある様々な傷からは止めどなく血液が流れ出し、足下に血溜まりを作っている。
ここは東京だ。
しかし第三次世界大戦の戦場でもある。
この戦争では核兵器は使われていない。大陸間弾道ミサイルも使われていない。しかし、爆撃は頻繁に行われた。
この少年兵は、戦争によって徴兵された一般人である。
白兵部隊に入れられた一般人であるこの少年兵は、当然ながら戦闘は素人である。
そんな彼が全身に致命傷並みの傷を負う痛みに耐えられる筈もなく、すぐに気を失ってしまった。
それからすぐ、爆音を聞いた兵士によって救助された少年兵は荒々しくストレッチャーで運ばれ、手術室に運び込まれた。
そこには、少年の執刀医と思われる女性と助手と思われる数人がいた。
少年兵を運んで来た人が部屋から出ていくのを見届けると、女性は口を開いた。
「やぁ、はじめまして。私は神楽 佐久。
こんな状態で言うのもなんだが、君は非常に運がいいね。
先程の爆発で右腕切断、全身に大小様々な金属片が突き刺さり、下半身に3度の火傷と本来ならば、どんな手を施しても再び立つことは出来ないだろう。奇跡でも起きない限りはな。
寧ろ、この状態でよく生きていたと感心する程だ。
しかし、我々なら君をもう一度立ち上がらせる事が出来る。
そして、君は生きる力と共に『力』を手に入れられる。この無駄な戦を終わらせる力だ。
第一、君はまだ高校生だそうじゃないか。
君にだって家族や友人、恋人がいるだろう。
君には選ぶ権利がある。
こんなところで人生の幕をおろすか、この戦争を終わらせるために生き、力を振るうか。
君はどちらを選ぶ?」
少年兵は自分で決めた選択を、血を吐きながら必死に伝えた。
それを聞くと神楽は満足そうに笑って、
「いい判断だ。
この手術、必ず成功させると約束しよう」
その言葉を聞き終えると少年の意識は闇に閉ざされた。
そしてそれが、少年の人としての最後の記憶となってしまった。
そしてこの1ヶ月後、世界は仰天する。
★★★
2043年11月。
あの少年兵が手術を受けてから早くも2年と2ヶ月が過ぎていた。
そして、その少年兵は今は戦場に立っている。
「ひいぃ……や、やめてくれぇ。助けてくれ。俺にはまだ3才の子ど――」
ここはロシア軍の駐屯所だ。既に壊滅寸前ではあるが。
少年兵は助けを請い、後退る敵兵の首を無情に軍刀で切り飛ばした。
切り口から、軍刀から血が滴り、血だまりを少年の足下に作る。
髪も服も返り血で赤黒く染まっているのに、たった今1人の人間を殺したのに、その眼には、『嫌悪』も『恐怖』も、どんな感情も宿っていなかった。
少年兵は今、人ではない。
2年前に受けた手術によって、神楽との約束通り『命』と『力』は手に入れた。しかし、その手術の影響で、ある大切なものを失ってしまった。
失ったもの、それは――『感情』
『感情』は人が人らしくあるための重要な要因である。
手術が終わり、目が覚めたとき彼は思った。「あぁ、手術は成功したんだ」と。
しかし、その時の彼の中には『手術が成功したことの安心』も『生き延びたことの喜び』も無かった。
ただ、手術は成功した。そうとしか思わなかった。
『感情』を失った彼は人らしくなくなった。
神楽は謝った。「君に『命』と『力』を与えるつもりだったのに、逆に君から『感情』を奪ってしまった」と。
だが彼は、なぜ神楽が謝るのかがわからなかった。彼が望んだのは『生きること』と『力』。望むものは手に入った。あの重症から再び立ち上がることができるようにするだけの手術だ。ノーリスクである方がおかしいと思ってしまった。
だから彼は彼女を許した。
その後、彼は再び戦場に立った。
彼に『感情』があったらなら、戦地へ赴くのに躊躇しただろう。だが、彼はそんな躊躇すら抱かずに、『自分には戦うための力がある。だから戦う』そう言って戦地へ来たのだ。それが、一番効率的だと思ってしまったから。
いざ戦地へ来てみれば、彼の戦闘は戦闘と言えない程、圧倒的だった。
全身のほとんどが機械化されているため、生半可な攻撃では傷一つつかず、機械の力で常人ならざる速度で動き、殺した。
彼の感情を失った思考は『無駄な行動を一切せず、いかに効率よく動き殺すか』これを優先して考えていた。
そして今、また1人、人を殺した。
「ったく、相変わらずの無情っぷりだねぇ。零さんよ」
そう言って彼――零――に話しかけてくるのは、同じ被害者とも言え、今はコンビを組んで動く者。通称、肆だ。
「ま、最強にして唯一の失敗作のお前じゃぁ、仕方ないか」
話しかけてくる肆を無視して零は予め考えておいた通りに行動し敵を葬り去っていった。
★★★
2044年5月。
第三次世界大戦も一時停戦という形で終息し、全世界が復興へ向けて協力(と言っても敵同士だった国とはしていないが)している中、大戦に参加した国の中で最も被害が少なかった国、日本は復興を後回しにしてあることを最優先に行った。
それは、『漆黒の堕天使ブラック・エンジェルス』の回収。
零から拾の計11機の内、壱、参、伍、漆、捌、玖、拾は損害は大きかったものの回収することに成功。しかし残りの4機には逃げられてしまっていた。
力づくで捕まえようにも1機で軍の一個大隊を壊滅させることができる兵器が4機だ。捕まるはずも、なかった。
★★★
翌年6月。
政府の追っ手から逃れた零は夜の東京の街中を歩いていた。
街中、と言っても戦争の影響でいくらか破壊はされている。しかし電車は殆ど地下鉄となっているので被害無しで、ライフラインも通っているので、首都としては一応機能している。
そんな街中をさ迷っていた時だった。あいつが突如として零の前に降り立ったのは。
「ったく、空から戦友が降ってきたら普通は驚くモンだろ?」
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