ふたつの嘘

かくしごと、またひとつ

かくしごと、またひとつ ２

特に、大助からの返事はなく。
気の済むまで彼の身体に跡を散らして、時折僕の身体に当たる彼の中心をなぞる。
「んっ……」
「もう固い」
下着をずらすと、しっかり立ち上がっている欲望が飛び出る。
先端を親指で撫でると、大助が快感に顔をゆがめた。
「だって、今日の民人くん……アッ……」
「たしかに、僕が大助の上に乗ってるの、珍しいかも……でも、いつも大助にしてもらってばっかりじゃ悪いと思ってるよ」
大助は顔を真っ赤にして、僕から目をそらす。
「頭おかしくなりそう……」
「大助、意外と照れ屋だよね……普段あんなに歯が浮くようなこと言ってるのに」
「やめて、今の俺、絶対かっこ悪いから……」
「僕はそんな大助も好きだけど。面白いし、年相応って感じする」
「それが、かっこ悪いんだって……」
顔を手のひらで隠す大助。
普段僕もこんな風にしてると思うと、似たもの同士な気がしてちょっと面白くなった。
彼の態度とは裏腹に、彼の中心はますます膨張を続け、先端からは透明な液が溢れてくる。
それを潤滑剤に、彼への刺激を強める。
「ンッ……民人くん、も、……」
快感を逃すように身体を丸める彼を見て、僕も刺激が欲しくなる。
そう思ったとき、彼の両腕が僕の身体へと伸びた。
熱い手のひらが、僕の胸をなで回す。
「んっ……だいすけ……」
「アッ……民人くんも、足りないでしょ、……っ」
ツンと立ち上がった先端が、彼の唇に包まれる。
湿った感覚に刺激され、声が溢れる。
「あぁっ……んっ、だめ……」
たたみかけるように、彼の昂りを目にして兆した僕のそれが、彼の手に包まれる。
「ハァ……民人くん、手、止まってる」
「んぁっ……ア……ごめ……」
快楽に彼への愛撫を止めないように、彼に身体を預けて、再び彼の中心に手を伸ばす。
はやく果てて欲しくて、大助の弱いところを刺激する。
「んっ……あ、そこ……ハァ」
「ハア……大助、がまん……しないで……」
「ンっ……してない、も、ヤバ……」
彼のそれを強く締め付けると、身体に力が入り、僕への刺激が止まる。
「あ、民人くん……イくっ……」
そして、熱い白濁があふれ出た。
肩で息をする彼が愛しくて、思わず半開きの口に舌を差し込む。
「あっ……ん、ふ……」
落ち着いた彼はまた、僕の昂りをなぞる。
先ほどより激しく、僕を絶頂に誘う。
「あ、アァっ……だいすけ、……ぁあっ」
「民人くんのここ、パンパンでつらそうだよ」
「んんっ……んぁ……ああ……！」
大助の熱い手で根元を締め付けられ、先端を手のひらで擦りあげられる。
強い圧迫感に溢れる声が抑えられない。
腕に力が入らず、彼の身体に自分の身体を押しつけて快楽を逃がすしかなかった。
「あ、大助……ああっ、はなして、出る……！」
中心から何かがあふれ出そうな感覚に、身を捩らせる。
彼は手の動きを止めず、僕を絶頂に誘う。
耐えきれずドクドクと彼の手に吐精し、全身を彼に委ねる。
「はぁ……あ……」
果てたばかりのそこを、搾り取るように手ですぼめられ、身体がのけぞる。
「だめ、大助……そこ……」
「民人くんにシてもらうの、すごく良いけど。やっぱり……民人くんが感じてるところ、もっと見たいかも」
大助はそう言って上体を起こし、僕の身体に腕を回す。
背中を優しくなぞり、そのまま腰へと下る。
そして、尻の割れ目をなぞり、大助を求めるそこの周囲をくるくるとなで回す。
「力抜いて」
大助に抱きかかえられる形で、耳元で囁かれる。
ぷつり、と大助の指が僕を貫く。
「んっ……」
ナカを浅くうごめくその指が、僕の一番弱いところを刺激する。
「んぁ、ああ……」
大助は時折、何が面白いのかふふ、と笑う。
指が差し込まれたり、引き抜かれたり、ナカをかき回したり。
大助のそれに比べたら物足りない刺激も、それに貫かれる準備だと思うと、期待で快楽は何倍にも膨れ上がるようだった。
「あ、アア……」
圧迫感が増し、大助が僕に挿れている指が増えたことを悟る。
「……民人くん、ナカ、すっごく熱い」
複数本の指はバラバラと動いたり、ゆっくりとナカをなぞる。
ああ、じれったい。
「ん、んぁ……だいすけぇ……も、ほし……」
こうして慣らされている間にも押しつけられているその熱量が、欲しくてしかたがない。
「ううん……」
精一杯の懇願に、大助はうなる。
「じゃあさ、民人くん。……今日は民人くんの好きに、動いてみてよ」
指を僕から引き抜いた彼は僕を解放し、枕元に置いてあったスキンをひとつ、僕に手渡す。
「これ……」
「そう。俺のにつけて」
「……うん」