ふたつの嘘

noriko

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ふたりの嘘

ふたりの嘘 3

浴室を出て、身体を拭う。

ベッドに仰向けに寝転べば、すぐに大助が上から覆いかぶさってきた。

「民人くん、寒くない?」

「うん。それに……これから、あつくなるでしょ」

「はは、そうだね」

他愛もない話を続けてから、沈黙のなか、唇が重なる。

少しでも大助を堪能しておかないと。

そう思った身体は、いつもよりも自然と、大助に密着する。

「下、いい? ……はやく、いっしょになりたい」

大助の手が僕の背中をつたい、尻の割れ目をなぞる。

「あっ……はやく、ほしい……」

期待ですこしほぐれたそこは、すんなりと彼の指を受け入れる。

「ナカ、すっごい熱い」

「あ、アッ……はぁ……あ……」

指の関節がぽこぽこと入り口をこするたびに、息が漏れる。

大助の指じゃなきゃ、こうはならない。

「もう、とろとろだよ」

「あ、……大助のゆび、すきぃ……僕のと、全然違う……」

自分の指じゃ、全然足らない。

「嬉しい……覚えててね、俺の指も、体も」

「ん……忘れない……はぁ……」

しばらく、触れられないんだ。

そんなことを思いながら、大助の指を堪能する。

「ああ、でも……ここなら、ひとりでもできるよね」

身体の中で蠢く彼の指の腹が、僕の弱いところをかすめる。

「あ、ああっ……!」

下半身に電撃が走るみたいな、強い快楽が押し寄せる。

「シたくなったら、いつでも電話して。……聞いてあげる」

「あっ……そんな、恥ずかし……」

「おあいこ。……俺も、電話するから」

「あ、ああっ……だいすけぇ……」

「ちょっと期待した? ここ、ちょっと締まった」

嬉しそうに、そんなことを言う。

……図星だ。

すこし、期待してしまった。

大助と会えない間、一人で我慢しないといけないのだけれど。

……声だけでも、聞けたら。

「あ、ああっ……そこばっかり、だめぇ……」

ご機嫌な大助は、僕の弱いところを執拗に攻める。

「ほら。我慢しないで、イって」

耳元で囁かれて、きゅうと後孔が大助の指を締め上げる。

「あ、ああっ……ァ、だめ、イく……!」

びくり、と身体をのけぞらせて、絶頂を迎える。

大助の指がゆっくりと引き抜かれたそこは、絶頂を迎えてなお、大助の質量を求めるようにうごめくのを感じる。

「……民人くんの、物足りなさそう。……俺がこうしちゃったんだね……しばらく、我慢しててね」

「ん、……言わないでよ、恥ずかしい……」

「……ふふ、ごめん。調子乗ったかも」

張り詰めた大助のそれが、太ももに押し付けられる。

ああでも、熱いそれで、早く貫かれたい。

大助は僕の唇をついばみ、にこりとほほえむ。

「んっ……ねえ、だいすけ」

「ん?」

「今日、ナマでシたい……。だめ?」

「え?」

それは、普段はしない交渉だった。

僕たちはほとんど、スキンをつけて行為に及んでいる。

それが普通だと思ってるけど、……でも。

「大助の、ナカにほしい」

大助は紅潮しながらも、首を横に振る。

「困るの、民人くんだよ」

「……おねがい、大助のこと、なるべく残しておきたくて。……今日だけ」

大助は、ふうとため息をつく。

「……民人くんの身体、大事にしたいから、普段はゴムつけてるん、だよ。でも……そんな煽られたら……」

嫌になったらすぐ言ってね、と言いながら、先走りでぬめったそれを、僕の尻に押し当てる。

「んっ……大助、ありがと」

「……民人くん、好きだよ」

胸元に、チクリ、チクリと、大助の唇が吸い付く。

……大助の痕が、残っていく。

「ん……大助、すきぃ……」

大助のそれが、被膜越しでなく、そのままの姿で僕のナカに押し入られる。

「はぁ……民人くんのナカ、アツい……」

ゆっくりと、奥まで、それが押し入る。

「ああっ……大助の、キてる……っ」

その圧迫感に満たされて、声が上ずる。

めりめりと押し込まれたそれは、やがて最奥に当たる。

「……ハァ、……キツ、絞られるみたい」

快楽に顔を歪める大助の官能的なうめきに、下腹部が疼く。

「大助のも……はぁ、あっつい……」

「……ア、も……はやくしないと、俺だけイっちゃいそう」

「うん、大助……うごいて」

大助はごくり、とつばを飲み込んでから、ゆっくりと腰を引き抜く。

そしてまた、奥まで僕を突き上げる。

「ハァ……民人くん、好き」

首元に赤い痕をちらしながら、僕を愛する。

いつもより熱く、なめらかに動くそれは、僕の肉壁の弱いところを擦り上げる。

「ん、あ、はぁ……ああっ」

溢れ出る声を抑えようにも、大助の指が手に絡んでいて、口元を押さえられない。

「はあ、……民人くん、がまん、しないで、……ハァ、聞かせて、声」

「あ、ああ、ア、だめ、そこ、あ、ああっ……」

色気があるような声をあえて出す余裕なんてなくて、何が良いのかわからないのに。

呻くような声が漏れるたび、大助が満足そうに笑う。

「ん……ア、民人くん、はあ、……ア、……締まる……」

「あ、だいすけ、あ、はあ、すき、だいすけぇ」

「ん……おれも、だよ、もっと、……言って」

大助のソレが、僕の中で膨張したきがする。

「はあ、あ、だめ、だいすけ、ナカでおっきく……」

「……好きって、いわれたら、……たまんない、でしょ」

力強く突き上げる大助が、かすれた声でそんなことをいうのが、官能的で。

「はあ、あ……あ、だいすけぇ……んぁ、ああっ……」

「ンッ……民人くん、……すきだよ……ずっと、好き……」

耳元で囁かれて、全身が震える。

感度が高まって、彼から突き上げられるたび、絶頂にのぼりつめる。

「あ、はあ、だいすけぇ、……あ、も、イく……!」

弱いところをぐり、と何度も刺激され、頭の中が真っ白になる。

びくり、と身体がのけぞって、大助のそれをきゅうと締め上げた。

「ん、はあ、民人くん、キッツ……俺も、イきそ……!」

「あ、ああっ、あ! 、、~~~!」

絶頂の中で大助のピストンが早まり、声にならない声があふれる。

僕の中心からはドロドロと白濁が漏れ出す。

ばん、ばん、と肌を打ち付ける音と、大助の吐息だけが部屋に響く。

「あ、ア、……はあ、みんとくん、おれも、イきそ……」

「あ、ああっ、んあ、あ、だいすけ、ナカ、ちょーだい」

「! ……受け止めて、おれの、……っ!!」

奥にガツン、と打ち付けたそれが、ナカでドクドクと爆ぜるのを感じた。

「……あ、だいすけの、ナカ、はいってくる……」

「民人くんのここ、すごい、搾り取ってくるみたい」

「ん……ぜんぶ、ほしいから……あ、はあ……」

彼を受け入れているそこはまだひくついていて、彼の質量を全身で感じている。

「……民人くん、しばらく、こうしてていい?」

僕を強く抱きしめて、首元に顔を埋める。

「うん……ぼくも、離れたくない……」

彼を受け入れたままで、強く抱きしめ合う。

「はあ、……寝たくない、寝かせたくない。明日なんて来なきゃいいのに」

「ん……だいすけ……僕、幸せだよ。……絶対、また一緒になろうね」

大助は、ふふ、と幸せそうに微笑む。

「うん。……もう一生、離さないって決めたから」



***



シャワーを浴びながら、身体に残る赤い痕の数を数える。

「……いつまで、残ってるんだろう」

彼と交わった証。

……結局、ほとんど朝まで、互いを求めあった。

彼を受け入れた後孔からは、彼の欲望がとめどなく溢れてきて。

少し困惑したけれど、後悔はしていない。

満たされた。

大助でいっぱいになった。

しばらく、彼の肌には触れられないけれど、僕たちは繋がっている。

「ずっと、残ってたらいいけど」

蛇口をひねり、シャワーを止める。

服を着たら、僕の新しい生活が始まる。
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