5 / 9
こぐまは山人平(やまびとだいら)へ
しおりを挟む
テクテクテクテク・・・。
こぐまはどんどん森吉山を登っていく。
周りの山が自分よりもずっと下に見えた。
「すごーい!世界中の山が全部見える!」
どこまでも続く山脈に、こぐまは声を上げた。
母を護れる強い存在になりたい。
そのためにはまず『強さ』を知りたい。
これまで、鮎→クマゲラ→ブナの木と来た。
すでに出会った生き物達は、皆それぞれ謙遜していた。
しかし、どの生き物も、とても真似できないような素晴らしい能力を持っている。
森吉山の最強。
いったいどんな存在なのだろうか。
自分も強くなれるのだろうか。
いつも笑顔の元気いっぱいなこぐまだったが、不安が無い訳ではない。
毎日初めての事ばかりだ。
毎日失敗ばかりだ。
でもこぐまは知っている。
昨日より知識は増えている。
昨日より出来る事は増えている。(多少)
毎日同じ事の繰り返しのようで違う。
同じだけど進んでいる。
本当は止まっている事の方が難しいのだ。
「よーし、最強にぃーなるぞー。えいえいおー。」
はりきるこぐまは、さらに進んで行った。
テクテクテクテク・・・。
山人平という原っぱにやってきた。
六月下旬でも雪が残る山頂が、すぐそこに見える。
「すごいや、満開だ。」
なだらかな斜面になっている山人平は、白い花と赤い花の花畑になっていた。
綺麗な花にうっとりしているこぐまだったが、ブーンという音で我に返った。
「あっ、蜂さんこんにちは!」
「こんにちは、こぐまくん。何しに来たの?お花見?」
こぐまは頭を横にふって答えた。
「違うよ。僕、蜂さんに質問したいの。」
「何かしら?」
「あのね、蜂さんはこの山で最強?」
「私達?んー、そうねぇ。」
蜂は少し考えて答えた。
「いえ、最強って訳でも無いわね。私達も十分強いけど…。」
蜂の針がきらりと光る。
「高度な技術で罠を作るクモ。悔しいけど、あれはすごいと思うわ。」
「なるほどね。」
クモの巣ならこぐまもよく見る。
不思議な模様のあみあみは芸術性が感じられる。
こぐまも普段から、よくこんなの作るなぁと感心していた。
「教えてくれてありがとう蜂さん。」
こぐまは蜂にお礼を言うと、山人平を後にした。
こぐまはどんどん森吉山を登っていく。
周りの山が自分よりもずっと下に見えた。
「すごーい!世界中の山が全部見える!」
どこまでも続く山脈に、こぐまは声を上げた。
母を護れる強い存在になりたい。
そのためにはまず『強さ』を知りたい。
これまで、鮎→クマゲラ→ブナの木と来た。
すでに出会った生き物達は、皆それぞれ謙遜していた。
しかし、どの生き物も、とても真似できないような素晴らしい能力を持っている。
森吉山の最強。
いったいどんな存在なのだろうか。
自分も強くなれるのだろうか。
いつも笑顔の元気いっぱいなこぐまだったが、不安が無い訳ではない。
毎日初めての事ばかりだ。
毎日失敗ばかりだ。
でもこぐまは知っている。
昨日より知識は増えている。
昨日より出来る事は増えている。(多少)
毎日同じ事の繰り返しのようで違う。
同じだけど進んでいる。
本当は止まっている事の方が難しいのだ。
「よーし、最強にぃーなるぞー。えいえいおー。」
はりきるこぐまは、さらに進んで行った。
テクテクテクテク・・・。
山人平という原っぱにやってきた。
六月下旬でも雪が残る山頂が、すぐそこに見える。
「すごいや、満開だ。」
なだらかな斜面になっている山人平は、白い花と赤い花の花畑になっていた。
綺麗な花にうっとりしているこぐまだったが、ブーンという音で我に返った。
「あっ、蜂さんこんにちは!」
「こんにちは、こぐまくん。何しに来たの?お花見?」
こぐまは頭を横にふって答えた。
「違うよ。僕、蜂さんに質問したいの。」
「何かしら?」
「あのね、蜂さんはこの山で最強?」
「私達?んー、そうねぇ。」
蜂は少し考えて答えた。
「いえ、最強って訳でも無いわね。私達も十分強いけど…。」
蜂の針がきらりと光る。
「高度な技術で罠を作るクモ。悔しいけど、あれはすごいと思うわ。」
「なるほどね。」
クモの巣ならこぐまもよく見る。
不思議な模様のあみあみは芸術性が感じられる。
こぐまも普段から、よくこんなの作るなぁと感心していた。
「教えてくれてありがとう蜂さん。」
こぐまは蜂にお礼を言うと、山人平を後にした。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
0
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる