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秋田の昔話“ゆるぎ石”
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「んじゃ、ルール説明するぞー。」
藍色電車のボックスシートに座ると、ギンが男性とモトクマに向かって言った。
「早く仕事を終わらせられたら、モトクマと熊兄の勝ち。仕事が遅ければ、俺の勝ち。…んで、肝心の早さの基準が…。あれだ。」
ギンは、通路反対側の席から2個隣のボックスシートを指さした。
なんだか一際賑わっている。
「あれは…。オコゼさん達に怒られた、ニワトリのグループですね。」
「自撮りをしていた比内地鶏だねー。」
「ちげーよ。そっちじゃなくて、そいつらが取り囲んでいる方を見ろよ。」
「とりかこ…。コイジイさんですか?」
「さすがコイジイ、モッテモテ!」
「そう!今回はユメノ鉄道大ベテランで、皆んなの頼れる爺さん“コイジイ”の、恋愛解析よりも早く仕事を終わらせる事が条件な。」
ギンがニヤーっと笑った。
「はうぅ~っんー…やってやんよ!」
モトクマは一回頭を抱えたが、自分の不安を振り払うかのように意気込んだ。
「ん?恋愛解析?」
首をかしげる男性の疑問を察して、モトクマが答えた。
「コイジイは毎回、恋愛関係の夢のかけらを解析している、恋愛相談のスペシャリストなんだよ。皆んなからの信頼も厚いから、ああやって若者の相談に乗ったりもするんだ。」
「へー。」
「コイジイさんは、みんなにやさしいすごいひとなんだよ!」
「「!?」」
突然の子ダヌキ登場に、男性は驚いて手が少し浮いた。
子ダヌキはニコニコ笑うとそのまま走って行き、コイジイと比内地鶏達の輪の中に入ってしまった。
「あの子、すんごい人懐っこいなぁー。」
コミュニケーション能力の高さに感心する一同だったが、立ち上がったコイジイを見てハッとした。
「やばい、コイジイが仮想空間に入る。お前ら準備しろ。」
ギンに言われてモトクマは、窓際に夢のかけらをセットした。
「いいか?コイジイと仮想空間に入るタイミングを合わせろよ?あと、報告書を書き終わるまでが仕事だからな。」
「了解です。」
罰ゲームをかけたモトクマ達の遊びに巻き込まれているとは露知らず、コイジイはいつも通り仮想空間へと入っていった。
「今だ!」
ギンの掛け声と同時に、男性は藍色電車の窓へとダイブした。
「いざ!秋田の昔話“ゆるぎ石”の世界へー!」
「おー!」
ストン!
男性は、ポカポカ陽気の春の田園へと降り立った。
「モトクm…」
「んとねー。この昔話はね、その年のお米が豊作になるかどうか、石で占うお話だよー!」
「んー、早いな。まだ何も聞いてないけども。ありがとう。」
「兄ちゃんの考えてる事、だんだん分かってきたかも♪」
んふふと笑うモトクマの奥に人影が見えた。
農作業をしている住民だ。
しかしモトクマは、その住民に背を向けたまま、別の方を指さした。
「あ、田植えしてる人がいる!主人公かな?」
男性はモトクマが指す方向を見た。
確かに田植え中の人がいる。
……。
いや、田植え中の人達がいる。
しかもあちらこちらに。
「え、どの人が主人公?」
現代は機械で田植えをするが、昔は全て手作業だった。
そのため田植えの時期になると人手が必要になるため、子供も加えた家族全員が参加して田植えを行う事も多かった。
「1人ずつ声かけて、占い興味ある人探すか?」
「それじゃあ時間がかかりすぎちゃうよ!ギンに勝たなきゃいけないんだから!」
モトクマは男性の鼻を捕まえて、グイッと田んぼ全体の方に顔を向けさせた。
そして男性のおでこに移動し、両手でまぶたを引っ張り上げる。
「超広角レンズモード、オン!」
「だあぁー!!ドライアイ!!」
ドボン!
男性はモトクマを振り払った後(田んぼに投げ飛ばした後)、目を押さえてうずくまった。
「何すんねん!」
突然の事に驚いた男性の口から、何のゆかりも無い関西弁が出る。
「視野を広くして、よく観察して欲しかったんだよ~。」
田んぼから、泥まみれになった黒いモトクマが現れた。
「モトクマ、何遊んでんだよ。」
「え、投げ飛ばしたのは兄ちゃんなんだけど…。」
コツン!
このタイミングでギンからのメモ用紙が投げ込まれた。
モトクマは驚いた顔のまま、メモ用紙を広げてみる。
「ざまあw」
……。
「もー!!」
モトクマは次々と泥団子を空中に投げまくった。
しかし、仮想空間のエネルギーで出来た泥団子は、電車の窓を越える事は無い。
ギンは藍色電車の中で、ワイプを見ながら高みの見物をしていた。
「どうした?届かねーぞ?てかお前、そのサイズで黒いとタスマニアデビルだなw」
ギンはサラサラと書いたメモ用紙を丸め、ワイプの中に投げ入れた。
コツン!
モトクマは拾った用紙を見て、憤慨する。
「だれがタスマニアデビルだよ!こんな天使みたいなかわいい熊、滅多にいないでしょうが!」
泥を投げるモトクマは、さらに続けた。
「ふん!ギンのバーカ、バーカ!色黒!色黒ギツネ!」
「………?モトクマ、もしかして腹黒の間違いじゃないかそれ。色黒はお前だ。」
男性がモトクマに声をかけたが聞いてはいなかった。
「おーい、モトクマー。」
聞いていない。
「これがいわゆる、泥仕合ってやつか。」
男性は、ギンの時間稼ぎ妨害にまんまとはまっているモトクマを無視して、仮想空間の中を観察する事にした。
「思い出せ~俺。」
確かこの昔話の題名は、“ゆるぎ石”だ。
とりあえず、石が側にある田んぼが怪しい。
「…何個かあるな。」
そして、肝心の“ゆるぎ”…。
多分、揺れる石という意味だろう。
つまり、石を揺らそうとしている人を見つければいいわけだ。
「んー。手で押している人はいないか…。ん?」
男性は、田んぼ脇の岩に座ったり立ったりしている人を見つけた。
「怪しい。」
男性はモトクマを引きずって、その人物の元へと急いだ。
「あの、すみません。何をされているんですか?先程から立ったり座ったりしていらっしゃいますけど。」
「んぁ?あー、これか?田植えの占いをしているんだよ。」
ビンゴ!
男性とモトクマは目を見合わせて、この人だ!と頷いた。
ハイタッチを求めるモトクマ。
一瞬男性も応じようとしたが、泥だらけのモトクマを見てすぐに手を引っ込めた。
「へー、すごいですね。どうやって占うんですか?」
ハイタッチを無視して、男性は主人公に質問をした。
「この石の揺れ具合を見て占うんだよ。この石はお米の育たない年に座ると、グラッて動くんだ。」
「へぇ、不思議ですね。俺、結構占い好きなんですよー。」
「そうか、おらはそこまで好きでも無いけどな。」
「あ…。そうすか。」
気が合いますねアピールをしようと思った男性の作戦は失敗した。
「それに、何にも不思議じゃないよ。石に水溜りができているのを見て、おら、ピーンと来たんだ。」
主人公は、石のへこんでいる部分を指さした。
「雨が多い年だと、土が緩んでこの石が動くんだ。雨の期間が長ければ太陽もあまり出ないし、暖かくなりづらくて成長しないんだ。いわゆる、冷害ってやつだな。そんな年は、寒さ対策をして田植えをするんだ。」
「なるほど、揺れる石と水溜りをきっかけにして、そこまで推理されるとは…。素晴らしい見極めと判断力ですね。」
男性は普通に感心した。
占いが絡んでいる昔話だと聞いていたため、ファンタジー展開になるかと思いきや、意外と現実的だった。
「んだべか?なんか照れるなー。全体を見つつ、大切な事に意識を集中させるのがコツだべなー。」
「なるほど、勉強になります。」
ゆるぎ石のタイトル回収が完了した。
主人公との接触にも成功し、石の正体も分かった今、物語はここで終わりだろう。
「よし、モトクマ。帰るぞ…。どこ行った?」
キョロキョロする男性の耳に、遠くから叫ぶモトクマの声が聞こえた。
「兄ちゃーん!みてみてー!」
男性は、声が聞こえて来る田んぼのど真ん中を見た。
「すごくなーい?僕空飛んでいるみたいじゃなーい?」
「お前は常に空飛んでるじゃんか…。」
いきなり何を言い出すかと思った男性だったが、モトクマの下に広がる水面を見て納得した。
水面には青い空と雲が反射して映っている。
なるほど。
確かにこれだと、天高く空を飛んでいるように見える。
「僕、前から空中散歩してみたかったんだー。生きてる時、そばの山に空港が出来てさ。衝撃だったよねー、乗ってみたいんだよねー。」
「じゃあ次は人間に生まれ変わればいいよ。」
男性はそう言いながら、仮想空間のゲートである藍色電車の窓へ向かって走った。
「…。うん、そうだね!」
モトクマの返事に、少し間があったように聞こえたのは気のせいだろう。
「とりあえず、電車に戻って報告書を書かないと!」
2人は秋田の昔話“ゆるぎ石”の世界から出た。
藍色電車のボックスシートに座ると、ギンが男性とモトクマに向かって言った。
「早く仕事を終わらせられたら、モトクマと熊兄の勝ち。仕事が遅ければ、俺の勝ち。…んで、肝心の早さの基準が…。あれだ。」
ギンは、通路反対側の席から2個隣のボックスシートを指さした。
なんだか一際賑わっている。
「あれは…。オコゼさん達に怒られた、ニワトリのグループですね。」
「自撮りをしていた比内地鶏だねー。」
「ちげーよ。そっちじゃなくて、そいつらが取り囲んでいる方を見ろよ。」
「とりかこ…。コイジイさんですか?」
「さすがコイジイ、モッテモテ!」
「そう!今回はユメノ鉄道大ベテランで、皆んなの頼れる爺さん“コイジイ”の、恋愛解析よりも早く仕事を終わらせる事が条件な。」
ギンがニヤーっと笑った。
「はうぅ~っんー…やってやんよ!」
モトクマは一回頭を抱えたが、自分の不安を振り払うかのように意気込んだ。
「ん?恋愛解析?」
首をかしげる男性の疑問を察して、モトクマが答えた。
「コイジイは毎回、恋愛関係の夢のかけらを解析している、恋愛相談のスペシャリストなんだよ。皆んなからの信頼も厚いから、ああやって若者の相談に乗ったりもするんだ。」
「へー。」
「コイジイさんは、みんなにやさしいすごいひとなんだよ!」
「「!?」」
突然の子ダヌキ登場に、男性は驚いて手が少し浮いた。
子ダヌキはニコニコ笑うとそのまま走って行き、コイジイと比内地鶏達の輪の中に入ってしまった。
「あの子、すんごい人懐っこいなぁー。」
コミュニケーション能力の高さに感心する一同だったが、立ち上がったコイジイを見てハッとした。
「やばい、コイジイが仮想空間に入る。お前ら準備しろ。」
ギンに言われてモトクマは、窓際に夢のかけらをセットした。
「いいか?コイジイと仮想空間に入るタイミングを合わせろよ?あと、報告書を書き終わるまでが仕事だからな。」
「了解です。」
罰ゲームをかけたモトクマ達の遊びに巻き込まれているとは露知らず、コイジイはいつも通り仮想空間へと入っていった。
「今だ!」
ギンの掛け声と同時に、男性は藍色電車の窓へとダイブした。
「いざ!秋田の昔話“ゆるぎ石”の世界へー!」
「おー!」
ストン!
男性は、ポカポカ陽気の春の田園へと降り立った。
「モトクm…」
「んとねー。この昔話はね、その年のお米が豊作になるかどうか、石で占うお話だよー!」
「んー、早いな。まだ何も聞いてないけども。ありがとう。」
「兄ちゃんの考えてる事、だんだん分かってきたかも♪」
んふふと笑うモトクマの奥に人影が見えた。
農作業をしている住民だ。
しかしモトクマは、その住民に背を向けたまま、別の方を指さした。
「あ、田植えしてる人がいる!主人公かな?」
男性はモトクマが指す方向を見た。
確かに田植え中の人がいる。
……。
いや、田植え中の人達がいる。
しかもあちらこちらに。
「え、どの人が主人公?」
現代は機械で田植えをするが、昔は全て手作業だった。
そのため田植えの時期になると人手が必要になるため、子供も加えた家族全員が参加して田植えを行う事も多かった。
「1人ずつ声かけて、占い興味ある人探すか?」
「それじゃあ時間がかかりすぎちゃうよ!ギンに勝たなきゃいけないんだから!」
モトクマは男性の鼻を捕まえて、グイッと田んぼ全体の方に顔を向けさせた。
そして男性のおでこに移動し、両手でまぶたを引っ張り上げる。
「超広角レンズモード、オン!」
「だあぁー!!ドライアイ!!」
ドボン!
男性はモトクマを振り払った後(田んぼに投げ飛ばした後)、目を押さえてうずくまった。
「何すんねん!」
突然の事に驚いた男性の口から、何のゆかりも無い関西弁が出る。
「視野を広くして、よく観察して欲しかったんだよ~。」
田んぼから、泥まみれになった黒いモトクマが現れた。
「モトクマ、何遊んでんだよ。」
「え、投げ飛ばしたのは兄ちゃんなんだけど…。」
コツン!
このタイミングでギンからのメモ用紙が投げ込まれた。
モトクマは驚いた顔のまま、メモ用紙を広げてみる。
「ざまあw」
……。
「もー!!」
モトクマは次々と泥団子を空中に投げまくった。
しかし、仮想空間のエネルギーで出来た泥団子は、電車の窓を越える事は無い。
ギンは藍色電車の中で、ワイプを見ながら高みの見物をしていた。
「どうした?届かねーぞ?てかお前、そのサイズで黒いとタスマニアデビルだなw」
ギンはサラサラと書いたメモ用紙を丸め、ワイプの中に投げ入れた。
コツン!
モトクマは拾った用紙を見て、憤慨する。
「だれがタスマニアデビルだよ!こんな天使みたいなかわいい熊、滅多にいないでしょうが!」
泥を投げるモトクマは、さらに続けた。
「ふん!ギンのバーカ、バーカ!色黒!色黒ギツネ!」
「………?モトクマ、もしかして腹黒の間違いじゃないかそれ。色黒はお前だ。」
男性がモトクマに声をかけたが聞いてはいなかった。
「おーい、モトクマー。」
聞いていない。
「これがいわゆる、泥仕合ってやつか。」
男性は、ギンの時間稼ぎ妨害にまんまとはまっているモトクマを無視して、仮想空間の中を観察する事にした。
「思い出せ~俺。」
確かこの昔話の題名は、“ゆるぎ石”だ。
とりあえず、石が側にある田んぼが怪しい。
「…何個かあるな。」
そして、肝心の“ゆるぎ”…。
多分、揺れる石という意味だろう。
つまり、石を揺らそうとしている人を見つければいいわけだ。
「んー。手で押している人はいないか…。ん?」
男性は、田んぼ脇の岩に座ったり立ったりしている人を見つけた。
「怪しい。」
男性はモトクマを引きずって、その人物の元へと急いだ。
「あの、すみません。何をされているんですか?先程から立ったり座ったりしていらっしゃいますけど。」
「んぁ?あー、これか?田植えの占いをしているんだよ。」
ビンゴ!
男性とモトクマは目を見合わせて、この人だ!と頷いた。
ハイタッチを求めるモトクマ。
一瞬男性も応じようとしたが、泥だらけのモトクマを見てすぐに手を引っ込めた。
「へー、すごいですね。どうやって占うんですか?」
ハイタッチを無視して、男性は主人公に質問をした。
「この石の揺れ具合を見て占うんだよ。この石はお米の育たない年に座ると、グラッて動くんだ。」
「へぇ、不思議ですね。俺、結構占い好きなんですよー。」
「そうか、おらはそこまで好きでも無いけどな。」
「あ…。そうすか。」
気が合いますねアピールをしようと思った男性の作戦は失敗した。
「それに、何にも不思議じゃないよ。石に水溜りができているのを見て、おら、ピーンと来たんだ。」
主人公は、石のへこんでいる部分を指さした。
「雨が多い年だと、土が緩んでこの石が動くんだ。雨の期間が長ければ太陽もあまり出ないし、暖かくなりづらくて成長しないんだ。いわゆる、冷害ってやつだな。そんな年は、寒さ対策をして田植えをするんだ。」
「なるほど、揺れる石と水溜りをきっかけにして、そこまで推理されるとは…。素晴らしい見極めと判断力ですね。」
男性は普通に感心した。
占いが絡んでいる昔話だと聞いていたため、ファンタジー展開になるかと思いきや、意外と現実的だった。
「んだべか?なんか照れるなー。全体を見つつ、大切な事に意識を集中させるのがコツだべなー。」
「なるほど、勉強になります。」
ゆるぎ石のタイトル回収が完了した。
主人公との接触にも成功し、石の正体も分かった今、物語はここで終わりだろう。
「よし、モトクマ。帰るぞ…。どこ行った?」
キョロキョロする男性の耳に、遠くから叫ぶモトクマの声が聞こえた。
「兄ちゃーん!みてみてー!」
男性は、声が聞こえて来る田んぼのど真ん中を見た。
「すごくなーい?僕空飛んでいるみたいじゃなーい?」
「お前は常に空飛んでるじゃんか…。」
いきなり何を言い出すかと思った男性だったが、モトクマの下に広がる水面を見て納得した。
水面には青い空と雲が反射して映っている。
なるほど。
確かにこれだと、天高く空を飛んでいるように見える。
「僕、前から空中散歩してみたかったんだー。生きてる時、そばの山に空港が出来てさ。衝撃だったよねー、乗ってみたいんだよねー。」
「じゃあ次は人間に生まれ変わればいいよ。」
男性はそう言いながら、仮想空間のゲートである藍色電車の窓へ向かって走った。
「…。うん、そうだね!」
モトクマの返事に、少し間があったように聞こえたのは気のせいだろう。
「とりあえず、電車に戻って報告書を書かないと!」
2人は秋田の昔話“ゆるぎ石”の世界から出た。
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