息抜き庭キャンプ

KUROGANE Tairo

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第6話_地方拠点VTuberの生活事情

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 昼ご飯の準備をするにはまだ早く、朝ご飯と言うには遅い時間帯の台所。

 へそ出しで背中が露出したボディスーツ(インナーレオタード)だけで寝ているオレは、これがこまま下着(ブラ&パンツ)兼シャツで、これにデニムミニスカートとニーソを穿くだけで日中の恰好をなる。常にこんな格好でいいのだが、ニケが少しは露出を控えろとうるさいので、外に出るときはキャンプ用パーカーを羽織る。それでもパーカーを脱ぎたいときは脱ぐ。これはもう気分次第。

 しかし、せっかくの耐火性素材のあのパーカー、己のバストサイズのことを忘れてデザインだけで衝動買いしたやつなので、ファスナーが胸に使えて閉まらない。しかたないので、肩出しスタイルで羽織っているのだ。

 今は台所作業の邪魔なので、パーカーはここにあるテーブルとセットの木製の椅子に掛けてある。日本の古い農家の家は、台所にテーブルと椅子、茶の間の座敷にテーブルと・・・・・・なぜか2箇所食事ができる場所がある。正直、使い分けの明確な基準は不明。

 ただ1つ言えるのは、台所の方はだれも使っていなければ、料理中の仮置き台にできる利点がある。

 冷蔵庫から取り出したオーストラリア牛のブロック・・・・・・個人的に焼肉では一番好きな肉を、こういうときの為だけに買ったボーニングナイフで切り分ける。和牛も好きだが割高で、高級肉となるとさっと焼いた方が美味しいことを考えると、じっくり焼く過程を楽しむ意味では、赤身のほうが焚火向きだとオレ的には思っている。

 そしてそれをボウルに入れ、炭酸水を注いて30分から1時間ほど待つ。こうすることで、肉が少し柔くなる。

 待っている間に、ボーニングナイフとまな板を洗ったら、次はおにぎりをスタンバイ。元の拠点の国だとレアな携帯食だったが、オレの育った家庭的にはそうでもなかった。どちらかというと慣れ親しんで育った。庭キャンプなので、ご飯だけとりに戻って来いよと思うなかれ。できる範囲でキャンプっぽくするもの庭キャンプの醍醐味だ。

 ニケのも作っておかないと、うるさいだろうなあ。

 あいつは今、深夜の耐久配信の後に爆睡中だ。

 オレは深夜の耐久やりたくないなあ。先輩からのコラボ依頼でもない限り。夜は寝たい。

 早朝枠と夜枠で十分だ。オレのとこのプロダクションのファン層自体、大手プロダクションVTuberから離れた層と言うか・・・・・大手すぎるVTuberが苦手な層がくっついてきて成り立っているようなところだ。事務所やスタジオも首都圏ではなく、地方にあるし・・・・・・それでも企業案件や大手と箱を超えたコラボの仕事とってくれるくらいのマネージメント力がり、標準以上の生活ができるのはありがたい。

 プロダクション拠点が地方にあるメリットは、家賃の面で有能な人材を近場に集めやすい。交通の不便さはあるが、その辺の待遇を手厚くしたことで成功したらしい。企業VTuberとなると、オンラインだけで完結する仕事だけとは限らず、3Dアバターのスタジオ収録や、大型イベントではどうしても対面でしかできない用意もあるので、拠点周辺に所属タレントが集まっていた方が都合がいい。

 実際、所属プロダンクションと同じ県にあるオレとニケの住んでいるばーちゃんの家は、郊外の所謂ポツンな一軒家に近い環境だ。某番組ほどエグイ距離ではないが、徒歩だけで中心市街地に行くのは辛い。最低でも自転車は欲しい。できれば車かバス。電車は・・・・・・期待しない方がいいだろう。

 通販は問題なく届くので買い物に困ることはない。

 ただ・・・・・・ウェブマネーを買うためにコンビニいくのが・・・・・『ちょっとコンビニ行ってくる。』じゃないのがなあ。

 まあ、その辺の不便さを除けば、オレ的には首都圏に無理して住むより快適だ。

 さて、シンプルに軽く塩を振りかけただけのおにぎりの準備を終えたら、鉄板とやかんを洗っておこう。どちらもマイキャンプギアのチタン製だ。

 使用後に洗っているのだがら、そうそう神経質に使用毎に洗わなくていいとツッこまれそうだが、これはオレの性格上、使用前に洗って準備をしておきたいだけだ。

 焼き肉用にチタン製鉄板、食後のタンポポコーヒー用にチタン製やかん。それから、チタン製シェラカップとチタン製マグカップも洗って準備しておこう。ガチキャンプなら鞄へ詰め込みだが、庭キャンプなら台所にスタンバイしておいて必要な順番に取りにくればいい。

 こうしている間に、肉の炭酸漬け時間が終わったので、水気を拭いてキッチンポリに詰める。ビジュアルに問題ありだが、火の管理をしながらさっとトングで取り出して役にはこれがいい。

 トングももちろんチタン製だ。チタン箸やチタンスプーンなどのキャンプ用カトラリーを含め、これはあらかじめ清潔なケースに入れてあるで、使用後だけしか洗わない。(超久しぶりレベルの期間が開いた場合は、ちょっと不安でケーズごと洗う。)

 炭酸につけて置いた肉の水分を拭くときには、【洗えるキッチンタオル】を使うと衛生的で、効率も良い。キャンプ用に準備しておくと、食材やカトラリーの準備以外に、ギアの手入れなど様々な場面で使える。

 肉とたれとおにぎりと100円ショップの小型の折り畳みクーラーボックスにれたら台所での準備は終わり。今度は庭キャンプ場の準備だ。そろそろニケも起こそう。

 LEDランタンを自室のベッド近くのサイドテーブルからとりだす。庭キャンプはデイキャンプなので、これは単にインテリアを兼ねた懐中電灯代わりだ。

 カーテン閉めっぱなしで薄暗いニケの部屋に入ると、ハイモードでニケの顔を真横から照らす。よくやる起こし方だ。

 這うようにベッドから出たニケは、タンクトップとショーツだけの姿のままベッドでしばらく目を閉じたまま座り、省電力モードになる。あとは放っておけば着替えて出てくるので、この間に庭キャンプのセッティングを進めておく。

 休憩&昼寝用のワンポールテントは早朝配信後に張っているので、焚火と椅子の準備だ。

 手持ちのギアと倉庫の備品で色々な組み合わせが楽しめるセッティングだが、今回は椅子は倉庫の木製ベンチを引っ張り出そう。これは死んだじーさんが、ばあさんと農業の合間に庭先で休憩するために市販のキットを組み立てたものだ。今ではばーさんも農業を引退したため、倉庫で埃を被っていた。・・・・・・なぜか4つもある。頑張りすぎだろ、じーちゃん。

 ガチキャンプだと折りたためないベンチを運ぶなんてないだろう。倉庫から庭までの距離だからこそできるのだ。

 荷物置き用に2つをくっつけて設置する。下が土剥き出しなので、直置きすると土だらけになってしまうからだ。残り2つはニケとオレのそれぞれ座る位置に置く。これが焚火を3方向から囲う形になる。ベンチのいいところは、1人だけ座るとスペースに余裕があるので、そこに耐熱手袋や食器を置くことができるのだ。

 続いて焚火台の準備。きょうは【ベルモント】のチタン製焚火台【TABI】を組み立てよう。ソロから2人くらいまでならこれで十分楽しめる。網とグリルがハーフサイズのパーツ(2枚で焚火台にとってジャストな面積になる)で付属しており、使わない方を外しておくと、焚火の追加をし易い。側面版も簡単に脱着可能で、上が網とグリルでふさがっていても、横から薪を追加できる。この構造から、コンパクトな焚火台であるのに、大きめの薪も扱いやすい特徴があるのだ。

 一見バラバラで面倒そう見えるが、ガイドの凹凸があり、そこを目印に案外サクっと組み立てることができる。ちっちゃなドラム缶を半分に切ったような胴体に組み上がる・・・・・・とイメージしてもらえればいい。

 組み立てた焚火台を設置予定場所の隣に一度置く。いきなり目的の場所に置かず、置きたい場所を平らにするためだ。オレの庭キャンプ場は極力草を処理し、土がむき出しの状態をキープしている。こうした方が、このエリアどこでも焚火ができるし、虫の発生を減らせる。芝生もロマンだが、あれは手入れが面倒だ。

 スコップを持ってくるまでもないので、隅っこに置いた拳大の石を握りしめて高い場所を削って均した。

 焚火台にハーフサイズの網を取りつけ、均した場所に置いたところで庭キャンプスタイルに着替えたニケがやってきた。

「おはょう・・・・・・。」

 声にまだふにゃふにゃ感が残っている。

 脳みそがまだ再起動中のニケに、100円ショップで買った板切れと麻紐を渡す。

「何を縛るの?」

 違う違う。今日は着火剤を自作する。ゲームと同人誌で縛りプレイが好きなニケにはぴったりな作業だ。

「その2つでは意味が違う。ちなみに後者はBL限定。」

 お腐りになっている性癖は、彼女のメンバー(メンバーシップ)はすでにご存じだった。

 麻紐から着火剤を作る方法はいくつかあるが、お手軽なのはナイフで削ぐように解いて作る方法だろう。

 オレのやり方はまず、板に麻紐を何週か巻きつけ、端と端をきって短い束を作る。束ねた端をしっかりつかみ、板の上で束ねたところから麻紐の先端に向けて削いでいく動作を繰り返す。そうすると毛羽立ってくる。さらに続けるとフワフワの線維が分離されて出来上がるのだ。

 ファイヤースターターで着火する場合、マグネシウム粉末をある程度削り落としてから着火するのだが、これは火花を飛ばすだけで着火する。それだけ燃えやすい優秀な着火剤だ。時間的に余裕があるなら、市販の固形着火剤より、こっちのほうが確実な火種を作れる。

 着火剤作りをオレなら今座っているベンチを作業台にし、しゃがんで作るが、初心者のニケにはこの間切り落としたヒノキの切り株を作業台代わりに作ってもらった。オレまで作ってしまうと量が多くなってしまうので、今日はニケだけに作ってもらった。ナイフは初心者向けに【モーラのコンパニオン(ステンレス)】を貸し出した。刃が小ぶりな割にグリップがしっかししていて、頑丈なため上級者でも愛用者は多い。今の俺にとってはサブ装備の1つだ。材質がカーボンなのは、手入れに慣れない初心者には個人的にオススメしていない。

 麻紐をナイフで解くだけの簡単な作業だが、手を切らないように防刃手袋をつけよう。ナイフを持たない手だけでもいい。ナイフと手の位置が近いので、けっこうヒヤリとするときがある。耐火手袋や皮手袋なら代用できなくもない。防刃手袋ほどの防御力はないので自己責任で。耐火手袋で色々代用しまくっているオレがいっても説得力ないだろうが。ただし、軍手。オメーはだめだ。マジで紙装備だ。軍手貫通で指を切って縫ったオレが断言しよう。

 ふわっふわになった麻紐をニケから受け取り、焚火台の中、網の真下に来るように入れる。

 バトニングで細かくした薪のなかでも、特に細い物を選べば燃え移るだろうが、焚火の着火というのは初期段階が大事なので確実に燃え移るようにしたい。
 
 こういうときに役に立つのが、前回もちょっとでてきたフェザースティックだ。その名の通り、細い薪を羽が広がる様に削って着火し易いようにする。

 達人クラスが作った薄い羽根をボリュームたっぷりに削ったフェザースティックだと、それに直接着火できるが・・・・・・オレの技術ではあそこまで高度なフェザーは無理だ。だが、アマチュアのそれっぽいフェザーでも、初期段階の着火には十分使える。ポイントは薪の角から角へ向きを変えながら羽を広げることだ。

 ついでにニケに作らせてみたが・・・・・・【フェザーと呼べるか微妙な何か】ができてしまった・・・・・・。まあ、最初はそんなもんだ。とりあえずしばらくは割りばしで練習しようか?

 もったいないので、今回はこれを使わせてもらおう。これでもつきやすくはなっている。

 バトニング済みを入れたバケツの名から、できるだけ角ばった(角の多い)薪を選ぶと、先端から1/3程の範囲で羽を削りだした。2本ほどつくって、ニケ製の麻紐着火剤の上に羽が来るように並べる。火花を落とすスペースは開けて置く。

 パーカーポケットから六角棒型のファイヤースターターを取り出し、一度網を外した上で構える。右腰の愛用フルタングナイフ【関兼常:炎友刀】をシースから抜いた。

 ぱっと見は堅苦しい形状だが、焚火に合うナイフをモチーフに作られた【焚火好きの焚火好きによる焚火好きのためのナイフ】だ。焚火用と言っているだけあって、背のエッジはちゃんと残っている。この部分はキャンプ用としては重要で、ここでファイヤースターターを削ってマグネシウム粉末を落としたり、火花を飛ばしたりする。でもここって、ナイフによっては怪我防止の意味で角が落としてあるんだな・・・・・・。

 背のエッジでファイアスターターを素早く削り、麻紐着火剤に火をつけた。

 ここからはあっという間なので、焦ってナイフで手を切らないように。麻紐着火剤の火はすぐにフェザースティックに燃え移った。

 あとは焦らずに小さな薪から大きな薪へ火を移して成長させる。いきなり大きな薪を入れると、燃え移る前に火が消えるので注意。

 火が安定するまで管理する間、ニケに必要な者を家から何往復かかけて運ぶように頼み、2つくっつけた荷物置きのベンチに置いてもらった。

 ある程度火が安定した所で網を戻し、油をキッチンタオルに染み込ませて塗り広げたチタン鉄板をのせる。

 やはりビジュアル的にはあれだが・・・・・・キッチンポリに入れた肉をチタントングで掴んで焼いていく。

 オレの分はチタンシェラカップに。ニケは食器棚から持ってきた皿に焼き上がった肉を入れる。量がだいだい同じになる様に、4枚焼いたら2枚ずつ2人で分ける感じで配分する。たまに奇数焼きしたり、ちょっと大きいのを自分のに入れた。しっかりこういうのはニケにバレているが、ほぼオレが準備し、オレが買った肉をオレが焼いているのでニケは黙認していた。

 ニケはさらに肉が入るたびに、バクバク食っていた。おにぎりを合間に食べながら。オレは基本的に肉を焼くときには、全部焼き切ってから食べる。火の管理しながら焼いていると、けっこう合間に食べる時間はないのだ。次の肉がすぐに焼ける中で、薪を追加するのだから。焼くのを止めて食べてから次の焼けばいいだろと思うだろうが、オレの場合は、全部さっさと焼いてしまいたいのだ。焼き時間を短くして薪を節約したいのと、焼き終わってからゆっくり食べたいというのもある。

 あとは焼き終わっていれば、肉を焼いたトングでそのまま食べることができるからだ。お行儀悪いなんて言葉は気にしない。始めたばかりの頃は真面目にチタンの箸を出していたけど、洗い物が1つ減ると気づいてからは、使い終わったトングが箸代わりとなってしまった。

 おにぎりのタイミングにもこだわりがあり、合間に全部は食べない。半分くらい残しておいて、肉を食べたあとにシェラカップに残った肉汁入りのタレにつけて食べるのがいい。
 
 食べる前に焼き終わったチタン鉄板を焚火台から外し、地面に石を並べて作った鍋敷きに置く。それと交換するように、荷物置き場のチタンやかんをのせた。食後のコーヒー用のお湯を沸かすためだ。オレの場合はたんぽぽコーヒーだが・・・・・・。一度、たんぽぽコーヒーを体験してからは、こっちがメインになった。

 ニケはブラックコーヒー派で、使い捨てドリップと一体化したタイプを陶器のマグカップにのせて準備していた。ニケはカトラリー系のアイテムを買いそろえていないので、これも食器棚にあったやつだ。ピー〇ーラビットのマグカップはオレの実家の物ではなく、こっちに来るときに持ってきたお気に入りらしい。
 
 オレが持ってきたチタン製マグカップはは蓋つきだが、今回は出番無しだ。蓋の意味は出番があるときに説明しよう。

 沸かしたお湯でそれぞれの飲み物を入れたあとは、ちょとしたグダグダトークタイムだった。オレの服装の露出量にうるさいニケも、今はパーカーを脱いでも何も言わない。むしろ体があったまるので、脱がないと暑い。

 この後の片づけも準備と同じくらい手間だが、庭に限定せず、それも含めてキャンプである。

 当たり前のことを言うが、撤収完了までがキャンプなのだ。
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