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第9話_手斧は某シミュレーションゲームでも薪割りでも使いやすい
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バトニングは最初のうちは楽しいが、その程度の薪なら手斧で一発割できる快感を覚えると手斧にのり変えたくなる。オレの場合、フルタングナイフにダメージを与えたくないというのもある。モーラのように大量生産で値段が落ち着いているナイフなら、使い潰すつもりというものありだが・・・・・・自分ならではの1本を求め職人による少量生産や高級ナイフと使うとなると・・・・・正直バトニングは避けたい。
もちろん量産ナイフ以外でもバトニングをする人はいるが、長く使いたい場合は役割分担をしたほうがいいと思っている派だ。オレにとってバトニングというのはメインの手段というより、荷物を減らしたいときや緊急時の手段である。
大型ナイフや包丁が入るサイズの大きめのギアバックの側面ポケットに、柄がはみ出るように入れた手斧を取り出した。
「それ、柄が木やラバーしゃなくてパラコードなんだ?」
ホームセンターで切れ味の悪いやっすい手斧を見た目だけ買い、鉄くずと化してしまったニケが言った。大きさ自体はその手の手斧と変わらないくらいコンパクトだが、性能と使い勝手は格段に違う。例えるなら武器使用回数のある某シミュレーションゲームで、下手に神器クラスの武器を使うより、手斧や手槍の方が気軽に使えて強いのと同じだ。
これは【燕三条製:sakagen×TSBBQ スケルトンアックス】。通常一枚板と打ち抜いて作った手斧は安価で切れ味もおもちゃ程度の手斧として売られている物が多い。しかしこれは、ごっついアックスがスリムになった性能なのだ。RPGで言うならラスボスの第2形態が小さくなったけど、パワーアップしている状態である。
さらにこれのいいところは、フルタング仕様であるのでバトニングへの切り替えも可能だ。通常斧は構造上バトニング非推奨なものが多い。同じ1枚板からのフルタング斧でも、ホームセンターの安価なのはメーカーが推奨していない。これは始めからバトニング兼用で作られているのだ。
「でも、手斧でバトニングする意味はあるの?」
一般的な手斧イメージだとそう疑問に思うだろう。でもちゃんと意味はあるのだ。
手斧は振り下ろすことで、フルタングナイフよりも簡単に薪を割れる。ただ、振りかぶると言う動作の都合上、想像した箇所にジャストであてるのはなかなか難しい。例えば均等に割りたい場合や節を確実に避けたい場合、振り上げて叩くよりもバトニングに切り替えた方が安定する。
それだとフルタングナイフでいいじゃないか?と思うだろう。フルタングナイフより頑丈で重い手斧では、背を叩いたときの威力が全然違う。フルタングナイフとフルタング手斧では叩く回数が倍以上違うこともあるのだ。叩く回数が違うということは効率も違う。柔い薪だと、一発コーンと叩いただけで割れることも珍しくない。
ギアケースやギアボックスに余裕があるなら、バトニング対応のフルタング手斧はもっておいて損ではない。使用後は汚れを落とし、水分を拭いて油(椿油やオリーブオイルなど)を塗っておこう。
丸太に取っ手を付けた薪割り台の上に、薪を一本のせる。この大きさなら一回割れば十分だろう。狙いをずらして片方が大きく割れたときはもう一度割るか、そのときこそバトニングの出番だ。
手斧の薪割り態勢は流派レベルでガチガチに決まっているわけではないが、低い薪割り台を使うときにはしゃがんで安定した姿勢をとろう。私は薪割り台の前に肩膝を立てるようにしゃがむ。
腕全体を振り上げると言うよりかは、肘から先を体側にまげて、伸ばす反動で割るイメージだ。もちろん力任せにパカーンとやってもいいが、狙いがぶれやすい。バトニングで強めにガンガン叩いても割れないなら、諦めるか両手斧に持ち替えよう。
「けっこう力いらないのね。」
ちょっと狙いはブレ気味だが、ニケが椅子に座って挑戦してみた。
むしろ、手斧のフルパワーアタックやバトニングでガンガンやっても割れないなら、その時点で手斧のスペックを超えた強敵の薪なのだ。ナイフほど簡単には欠けないけど、負荷をかけすぎないことに越したことはない。
手斧を選ぶときにはカッコよさとパワーだけではなく、携帯性や使いやすさも重視したほうが後々後悔しない。全体の重量バランスも含めて、ナイフよりも悩む項目が多いのだ。衝動買いはさけてちょっと時間をかけた方がいい。あえてやっすい手斧を買って見て、そこから使い勝手に合わせて派生させるというのも有りだろう。
オレの場合はバトニングの補助も使うから、バトニング用の棒も作っておきたいと思った。適当に薪や枝で代用できるが、毎回使い勝手が違うという欠点もある。
これはまた別の機会につくっておこう。
もちろん量産ナイフ以外でもバトニングをする人はいるが、長く使いたい場合は役割分担をしたほうがいいと思っている派だ。オレにとってバトニングというのはメインの手段というより、荷物を減らしたいときや緊急時の手段である。
大型ナイフや包丁が入るサイズの大きめのギアバックの側面ポケットに、柄がはみ出るように入れた手斧を取り出した。
「それ、柄が木やラバーしゃなくてパラコードなんだ?」
ホームセンターで切れ味の悪いやっすい手斧を見た目だけ買い、鉄くずと化してしまったニケが言った。大きさ自体はその手の手斧と変わらないくらいコンパクトだが、性能と使い勝手は格段に違う。例えるなら武器使用回数のある某シミュレーションゲームで、下手に神器クラスの武器を使うより、手斧や手槍の方が気軽に使えて強いのと同じだ。
これは【燕三条製:sakagen×TSBBQ スケルトンアックス】。通常一枚板と打ち抜いて作った手斧は安価で切れ味もおもちゃ程度の手斧として売られている物が多い。しかしこれは、ごっついアックスがスリムになった性能なのだ。RPGで言うならラスボスの第2形態が小さくなったけど、パワーアップしている状態である。
さらにこれのいいところは、フルタング仕様であるのでバトニングへの切り替えも可能だ。通常斧は構造上バトニング非推奨なものが多い。同じ1枚板からのフルタング斧でも、ホームセンターの安価なのはメーカーが推奨していない。これは始めからバトニング兼用で作られているのだ。
「でも、手斧でバトニングする意味はあるの?」
一般的な手斧イメージだとそう疑問に思うだろう。でもちゃんと意味はあるのだ。
手斧は振り下ろすことで、フルタングナイフよりも簡単に薪を割れる。ただ、振りかぶると言う動作の都合上、想像した箇所にジャストであてるのはなかなか難しい。例えば均等に割りたい場合や節を確実に避けたい場合、振り上げて叩くよりもバトニングに切り替えた方が安定する。
それだとフルタングナイフでいいじゃないか?と思うだろう。フルタングナイフより頑丈で重い手斧では、背を叩いたときの威力が全然違う。フルタングナイフとフルタング手斧では叩く回数が倍以上違うこともあるのだ。叩く回数が違うということは効率も違う。柔い薪だと、一発コーンと叩いただけで割れることも珍しくない。
ギアケースやギアボックスに余裕があるなら、バトニング対応のフルタング手斧はもっておいて損ではない。使用後は汚れを落とし、水分を拭いて油(椿油やオリーブオイルなど)を塗っておこう。
丸太に取っ手を付けた薪割り台の上に、薪を一本のせる。この大きさなら一回割れば十分だろう。狙いをずらして片方が大きく割れたときはもう一度割るか、そのときこそバトニングの出番だ。
手斧の薪割り態勢は流派レベルでガチガチに決まっているわけではないが、低い薪割り台を使うときにはしゃがんで安定した姿勢をとろう。私は薪割り台の前に肩膝を立てるようにしゃがむ。
腕全体を振り上げると言うよりかは、肘から先を体側にまげて、伸ばす反動で割るイメージだ。もちろん力任せにパカーンとやってもいいが、狙いがぶれやすい。バトニングで強めにガンガン叩いても割れないなら、諦めるか両手斧に持ち替えよう。
「けっこう力いらないのね。」
ちょっと狙いはブレ気味だが、ニケが椅子に座って挑戦してみた。
むしろ、手斧のフルパワーアタックやバトニングでガンガンやっても割れないなら、その時点で手斧のスペックを超えた強敵の薪なのだ。ナイフほど簡単には欠けないけど、負荷をかけすぎないことに越したことはない。
手斧を選ぶときにはカッコよさとパワーだけではなく、携帯性や使いやすさも重視したほうが後々後悔しない。全体の重量バランスも含めて、ナイフよりも悩む項目が多いのだ。衝動買いはさけてちょっと時間をかけた方がいい。あえてやっすい手斧を買って見て、そこから使い勝手に合わせて派生させるというのも有りだろう。
オレの場合はバトニングの補助も使うから、バトニング用の棒も作っておきたいと思った。適当に薪や枝で代用できるが、毎回使い勝手が違うという欠点もある。
これはまた別の機会につくっておこう。
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