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2章
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去年の、年が明けたばかりの寒い日。
アマテラスは凪が里帰りしている前波へ降り立った。
彼は海岸前の階段に腰かけ、いつも通りの着流しに厚め羽織をまとい、首元にグレーのマフラーを巻いている。
「達者にしておったか」
凪は突然聞こえた声に驚くことなく、表情を変えずに返した。
「相変わらずです」
彼は唯一、アマテラスにだけは敬語を使う。振り向き、かすかに会釈をした彼は低い声で話した。
「ここで会うのは久しぶりですね」
「そうじゃな。ぬしは留年ばかりしているからのう。学園にいる時間の方が長いじゃろ」
アマテラスがニヤつくと、凪は頭をガシガシとかいた。
「確かにそうっスけど…耳が痛いんでこの話やめてくれません?」
「フッフッフ。さすがの天神地祇のトップ様でも、留年年数を突っ込まれると形無しじゃのう。これがおもしろいから、ついからかいたくなってしまうのじゃ」
彼女が笑うと、凪は不機嫌そうに頬杖をついた。
相手がアマテラスではなかったら、キレるか海竜剣を抜刀しているところだ。だが相手が相手なので、凪ですら失礼な態度を取らないようにしている。
アマテラスにとって凪をからかう醍醐味はこれだ。凪は暴れなければ意外とかわいいものであったりする。きっとこのことは未来永劫、アマテラスと数人しか知らない事実だろうと彼女は思った。凪のことを遥か昔から知る精霊は少ない。
だがそのことはアマテラスも口に出さなかった。凪にとって禁句だから。彼の爆破スイッチを押すことになってしまう。
アマテラスは凪の隣にちょこんと座り、冬の海を見つめた。
冬の強く冷たい風で、ところどころ白波が立っている。台風の日のようでもある。
「凪が生まれたのもちょうど、このくらいの時期だったの。あの日は今日以上に大シケじゃった。海からの風は冷たいし強いから寒くて…こりゃとんでもない荒くれ者が生まれると思ったわい」
「何すか急に。何か思う事でも」
「…いいや。こうしてお前さんの隣に座って海を眺めるのも久しぶりじゃから。つい、昔を振り返ってしまったらしい」
「ふーん…」
興味がなさそうな返事。ふてぶてしいのも相変わらずだ。
「────理事長」
「何じゃ」
「髪色が薄くなるってどういうことですか」
「歳のせいじゃ。髪の毛に含まれるメラニンと呼ばれる組織は、年々減っていくからの」
「いや、人間のことじゃなくて。精霊の場合です」
凪が妙なことを聞くなぁと思いつつ、答えたのだが彼の表情はまだもやもやを抱えている。
「アイツは…髪色が薄くなってるって」
「ん? アイツとは誰じゃ。主語をはっきりせい」
「だから…花巻山の娘」
「あぁ、麓のことか。ぬしは新しい後輩の名前も覚えておらんのか。もう1年経つじゃろう」
「別に覚えてないわけじゃ…」
凪はいつもの強気さをなくし、フイッと明後日の方向を見た。
彼がそうするときの表情は必ず決まってる。
アマテラスは笑みを濃くすると立ち上がり、彼の顔を回り込んで見た。目が合って凪がぎょっとする。
「ほほう…やっぱりか。名前で呼ぶのが照れくさいんじゃな?」
「うっ…ンなワケないスよ」
「あるじゃろ。顔にそう書いてあるぞ。…あーあー真っ赤な顔をしよって。皆に見せてやりたいのう?」
凪はまた別の方向に顔を向けた。それでもアマテラスの目には焼き付いた。珍しい、彼の赤い顔が。
おもしろいものを見て満足したアマテラスはその場に座りこんだ。
「…で。麓の話じゃったな。髪色が薄くなるというのは、自らの能力で自らをむしばんでいる、ということじゃ」
「それって…命を?」
「ん~それは大げさじゃ。でも、関わるっちゃ関わるかのう」
ビクッと音がしそうな勢いで凪の方が跳ね上がった。目の端でそれを捉えたアマテラスは、横目で彼を見やった。
「どうした? 何かあったのか」
「まずい…かもしれないスわ」
凪は頬を引きつらせながら話した。寮の壁の穴を塞いでもらっていた、と。まるで彼女を利用していたようで、花巻山の獣たちから聞いた時点でやめさせた。だが、日々罪悪感が募っている。
「そうじゃったか…」
「本当、申し訳ありませんでした」
縮みこまってうなだれた凪は、いつもより一回り小さい。
アマテラスは困ったように笑い、彼の頭をポンポンと叩いた。
「そんなに気にするでない。たった1年じゃろう。それだけで麓の治癒力が削り取られるわけがない」
「そうだけど…」
「らしくないのう。しっかりせい」
声がしぼんできた凪のことを、アマテラスはよしよしとなでた。喝を入れるように彼の背中をバシィッと、景気よく叩いた。
だが彼女は見た目が幼女なだけあって手の平は楓。威力はなく、凪は”いてェ”とも言わなかった。
「お前さんには詳しく話しておこうかの────」
アマテラスは麓の身体のことを話した。彼には麓のことを頼んでいるから。
「────決めた。俺はもう、絶対にアイツに能力を使わせない。これくらいやった方がいいと思うんスわ。せめてもの罪滅ぼしで」
「なるほど、よい心得じゃ。麓のことはくれぐれも、引き続き頼んだぞ」
「はい。あっと…理事長、頼みがあるんスけど」
「何じゃ」
「L○NE、交換してくれません?」
「…は?」
アマテラスは凪にスマホを差し出され、ポカーンとした。
彼女ももちろん、スマホを持っている。だがそれは、何に使うかと聞かれたら主にネットサーフィン。通話やメール機能はほとんど使わない。
実はブロガーで、彼女だからこそ行ける秘境を撮影してはアップしている。
「あのー…凪、これはナンパなのか…?」
「は? 俺がそんなことするわけないでしょ。理事長には滅多に会えないから、連絡先を聞いておきたいんです」
「うーん…まぁ、いいのはいいがの。ただワシはL○NEなんてやってないぞ」
「そうっスか…。そこは俺が登録します」
「ついでに使い方も教えてくれ」
「へい」
アマテラスが凪にスマホを渡すと、彼は手際よく操作していく。
「機器操作は得意なのか? それを活かして留年年数も減るといいのう…」
「だといいんスけどね。てか理事長圧力でそろそろなんとかしてくれません?」
「バカ者。誰がそんなことをするか。留年をためこんでいるぬしが悪いんじゃろうが。それでも早く卒業したいなら、何かしら功績を残すんじゃな」
「功績…功績────」
そう言って彼はアマテラスに彼女のスマホを渡し、再び海を見つめた。
もしかしたらすでにこの時、凪は天災地変に乗り込むことを計画していたのかもしれない。
「────ヤツが初めて連絡を寄こしたのは1ヶ月くらい前じゃ。天災地変に乗り込みたいなんて急に言いおって。おもしろそうだからOKを出したがの」
「おもしろそうって…いいんですか、そんな理由で」
「よいよい。こんなこと滅多にないからの。それに、天神地祇のバカと天災地変のアホ、どっちが勝つか見物だろう」
ホッホッホと笑うアマテラスは、心から楽しみにしている無邪気な笑顔を浮かべていた。麓たちは近頃の異常気象や天災に恐れをなしていたのに。
アマテラスとて天災地変に世の理を覆されていいとは思っていないはず。それなのに余裕の笑みを浮かべているとは。
天神地祇を信頼しているのか、もしもの時は零の邪悪さに身を灼かれながら粛正するのか。
麓の顔は曇っていく。やはり勝ち負けが全てなのかと。
天神地祇である麓はもちろん凪側なのだが、あの人が殺られるのもそれはそれで心が痛い。
してはいけないことを彼がたくさんしてきたのは分かっている。それでも、和解やどちらも傷つかなくて済む道はないのか。
「麓よ。もうそんな顔をするな」
「アマテラス様…」
麓の暗い顔の原因は凪であると見抜いているのだろう。アマテラスはおだやかな笑みを浮かべた。
「凪はな、口ではぬしを傷つけるようなことを言っていたかもしれぬ。じゃがそれは、お前さんの身を案じてのことなんじゃ。凪はそういったことを素直に言えない。一緒に過ごしてきたから分かるじゃろ?」
「…はい」
「わざとぶっきらぼうなことを言って置いていったのじゃ。お前さんを守るために。本人は本気で麓のことを邪魔だとは思っておらん」
アマテラスは凪の足りない言葉を優しく補充した。
真実を知ることができてよかった。凪が突然、能力の使用を禁じたことを。天災地変との戦いに連れていかなかったことを。知らない間に気遣われていた。
真実を知ってすっきりしたはずなのに、心の内にはわだかまりがある。凪の本心を知らずに失礼な態度を取り続けたことに後悔した。
なんであの時、頑なな態度を取らずに素直でいられなかったのか。もしかしたら出発前に一言でも、彼と言葉を交わせていたかもしれないのに。
アマテラスは凪が里帰りしている前波へ降り立った。
彼は海岸前の階段に腰かけ、いつも通りの着流しに厚め羽織をまとい、首元にグレーのマフラーを巻いている。
「達者にしておったか」
凪は突然聞こえた声に驚くことなく、表情を変えずに返した。
「相変わらずです」
彼は唯一、アマテラスにだけは敬語を使う。振り向き、かすかに会釈をした彼は低い声で話した。
「ここで会うのは久しぶりですね」
「そうじゃな。ぬしは留年ばかりしているからのう。学園にいる時間の方が長いじゃろ」
アマテラスがニヤつくと、凪は頭をガシガシとかいた。
「確かにそうっスけど…耳が痛いんでこの話やめてくれません?」
「フッフッフ。さすがの天神地祇のトップ様でも、留年年数を突っ込まれると形無しじゃのう。これがおもしろいから、ついからかいたくなってしまうのじゃ」
彼女が笑うと、凪は不機嫌そうに頬杖をついた。
相手がアマテラスではなかったら、キレるか海竜剣を抜刀しているところだ。だが相手が相手なので、凪ですら失礼な態度を取らないようにしている。
アマテラスにとって凪をからかう醍醐味はこれだ。凪は暴れなければ意外とかわいいものであったりする。きっとこのことは未来永劫、アマテラスと数人しか知らない事実だろうと彼女は思った。凪のことを遥か昔から知る精霊は少ない。
だがそのことはアマテラスも口に出さなかった。凪にとって禁句だから。彼の爆破スイッチを押すことになってしまう。
アマテラスは凪の隣にちょこんと座り、冬の海を見つめた。
冬の強く冷たい風で、ところどころ白波が立っている。台風の日のようでもある。
「凪が生まれたのもちょうど、このくらいの時期だったの。あの日は今日以上に大シケじゃった。海からの風は冷たいし強いから寒くて…こりゃとんでもない荒くれ者が生まれると思ったわい」
「何すか急に。何か思う事でも」
「…いいや。こうしてお前さんの隣に座って海を眺めるのも久しぶりじゃから。つい、昔を振り返ってしまったらしい」
「ふーん…」
興味がなさそうな返事。ふてぶてしいのも相変わらずだ。
「────理事長」
「何じゃ」
「髪色が薄くなるってどういうことですか」
「歳のせいじゃ。髪の毛に含まれるメラニンと呼ばれる組織は、年々減っていくからの」
「いや、人間のことじゃなくて。精霊の場合です」
凪が妙なことを聞くなぁと思いつつ、答えたのだが彼の表情はまだもやもやを抱えている。
「アイツは…髪色が薄くなってるって」
「ん? アイツとは誰じゃ。主語をはっきりせい」
「だから…花巻山の娘」
「あぁ、麓のことか。ぬしは新しい後輩の名前も覚えておらんのか。もう1年経つじゃろう」
「別に覚えてないわけじゃ…」
凪はいつもの強気さをなくし、フイッと明後日の方向を見た。
彼がそうするときの表情は必ず決まってる。
アマテラスは笑みを濃くすると立ち上がり、彼の顔を回り込んで見た。目が合って凪がぎょっとする。
「ほほう…やっぱりか。名前で呼ぶのが照れくさいんじゃな?」
「うっ…ンなワケないスよ」
「あるじゃろ。顔にそう書いてあるぞ。…あーあー真っ赤な顔をしよって。皆に見せてやりたいのう?」
凪はまた別の方向に顔を向けた。それでもアマテラスの目には焼き付いた。珍しい、彼の赤い顔が。
おもしろいものを見て満足したアマテラスはその場に座りこんだ。
「…で。麓の話じゃったな。髪色が薄くなるというのは、自らの能力で自らをむしばんでいる、ということじゃ」
「それって…命を?」
「ん~それは大げさじゃ。でも、関わるっちゃ関わるかのう」
ビクッと音がしそうな勢いで凪の方が跳ね上がった。目の端でそれを捉えたアマテラスは、横目で彼を見やった。
「どうした? 何かあったのか」
「まずい…かもしれないスわ」
凪は頬を引きつらせながら話した。寮の壁の穴を塞いでもらっていた、と。まるで彼女を利用していたようで、花巻山の獣たちから聞いた時点でやめさせた。だが、日々罪悪感が募っている。
「そうじゃったか…」
「本当、申し訳ありませんでした」
縮みこまってうなだれた凪は、いつもより一回り小さい。
アマテラスは困ったように笑い、彼の頭をポンポンと叩いた。
「そんなに気にするでない。たった1年じゃろう。それだけで麓の治癒力が削り取られるわけがない」
「そうだけど…」
「らしくないのう。しっかりせい」
声がしぼんできた凪のことを、アマテラスはよしよしとなでた。喝を入れるように彼の背中をバシィッと、景気よく叩いた。
だが彼女は見た目が幼女なだけあって手の平は楓。威力はなく、凪は”いてェ”とも言わなかった。
「お前さんには詳しく話しておこうかの────」
アマテラスは麓の身体のことを話した。彼には麓のことを頼んでいるから。
「────決めた。俺はもう、絶対にアイツに能力を使わせない。これくらいやった方がいいと思うんスわ。せめてもの罪滅ぼしで」
「なるほど、よい心得じゃ。麓のことはくれぐれも、引き続き頼んだぞ」
「はい。あっと…理事長、頼みがあるんスけど」
「何じゃ」
「L○NE、交換してくれません?」
「…は?」
アマテラスは凪にスマホを差し出され、ポカーンとした。
彼女ももちろん、スマホを持っている。だがそれは、何に使うかと聞かれたら主にネットサーフィン。通話やメール機能はほとんど使わない。
実はブロガーで、彼女だからこそ行ける秘境を撮影してはアップしている。
「あのー…凪、これはナンパなのか…?」
「は? 俺がそんなことするわけないでしょ。理事長には滅多に会えないから、連絡先を聞いておきたいんです」
「うーん…まぁ、いいのはいいがの。ただワシはL○NEなんてやってないぞ」
「そうっスか…。そこは俺が登録します」
「ついでに使い方も教えてくれ」
「へい」
アマテラスが凪にスマホを渡すと、彼は手際よく操作していく。
「機器操作は得意なのか? それを活かして留年年数も減るといいのう…」
「だといいんスけどね。てか理事長圧力でそろそろなんとかしてくれません?」
「バカ者。誰がそんなことをするか。留年をためこんでいるぬしが悪いんじゃろうが。それでも早く卒業したいなら、何かしら功績を残すんじゃな」
「功績…功績────」
そう言って彼はアマテラスに彼女のスマホを渡し、再び海を見つめた。
もしかしたらすでにこの時、凪は天災地変に乗り込むことを計画していたのかもしれない。
「────ヤツが初めて連絡を寄こしたのは1ヶ月くらい前じゃ。天災地変に乗り込みたいなんて急に言いおって。おもしろそうだからOKを出したがの」
「おもしろそうって…いいんですか、そんな理由で」
「よいよい。こんなこと滅多にないからの。それに、天神地祇のバカと天災地変のアホ、どっちが勝つか見物だろう」
ホッホッホと笑うアマテラスは、心から楽しみにしている無邪気な笑顔を浮かべていた。麓たちは近頃の異常気象や天災に恐れをなしていたのに。
アマテラスとて天災地変に世の理を覆されていいとは思っていないはず。それなのに余裕の笑みを浮かべているとは。
天神地祇を信頼しているのか、もしもの時は零の邪悪さに身を灼かれながら粛正するのか。
麓の顔は曇っていく。やはり勝ち負けが全てなのかと。
天神地祇である麓はもちろん凪側なのだが、あの人が殺られるのもそれはそれで心が痛い。
してはいけないことを彼がたくさんしてきたのは分かっている。それでも、和解やどちらも傷つかなくて済む道はないのか。
「麓よ。もうそんな顔をするな」
「アマテラス様…」
麓の暗い顔の原因は凪であると見抜いているのだろう。アマテラスはおだやかな笑みを浮かべた。
「凪はな、口ではぬしを傷つけるようなことを言っていたかもしれぬ。じゃがそれは、お前さんの身を案じてのことなんじゃ。凪はそういったことを素直に言えない。一緒に過ごしてきたから分かるじゃろ?」
「…はい」
「わざとぶっきらぼうなことを言って置いていったのじゃ。お前さんを守るために。本人は本気で麓のことを邪魔だとは思っておらん」
アマテラスは凪の足りない言葉を優しく補充した。
真実を知ることができてよかった。凪が突然、能力の使用を禁じたことを。天災地変との戦いに連れていかなかったことを。知らない間に気遣われていた。
真実を知ってすっきりしたはずなのに、心の内にはわだかまりがある。凪の本心を知らずに失礼な態度を取り続けたことに後悔した。
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