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3章
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露は自室で1人、雪の降る窓際でクッションを抱きしめていた。クッション越しに握っているのはスマホ。
ルームメイトの嵐は橋駅へ出かけている。今日新発売するというお菓子を買いに出かけた。
露は置いていかれたというわけではなく、自分から留守番を望んだ。彼女は寒いのが苦手で、冬場は必要以上に外に出たがらない。
こうして1人の時に届いたのは一通のメール。
文面は、早急に”天”へ帰還せよという、強制帰還を命じているようなもの。
天災地変がこの頃不穏な動きを見せているから、”天”にいる精霊たちはピリピリしている。きっと天神地祇に加勢する気だってある。地上にいる露たちだけが、のほほんとのんきに過ごしている場合ではないだろう。露は多少気にしてうずうずしていたから、このメールは都合がいい。
何百年も前、露が生まれる前のこと。有志の精霊と零がぶつかる大戦争があったという。その時の数少ない生き残りの1人がこのメールの差出人。現在の”天”の研究室長で、露の生みの親でもある。
彼はその当時、研究員の中ではまだ中堅だったらしい。1番最初に結晶化された震とは交流があったとか。
(二度目の戦争か…私も参加?)
メールを読み進めると、続きがあった。天神地祇は”天”の力を必要としておらず、自分たちだけで戦い抜こうとしている、と。今回の帰還はあくまで戦闘準備。”天”は”天”で待機、と。
きっと凪が強く断ったんだろう。光や麓から委員長の話を聞く露には、なんとなく予想がつく。
彼女はスマホとクッションを脇に置き、壁に寄り掛かった。
もし、自分が天災地変に立ち向かうことになったら。
正直、恐怖で震える。本当は天災地変を、親玉である零は見たくない。憎き相手だが、恐怖が勝る。
自分なんかが太刀打ちできる? 味方の足を引っ張るかもしれない。
マイナスな感情しか浮かんでこなかった。黒い忍装束が今にも襲い掛かってくる画が思い浮かぶようだった。
(でも…雫のためだったら?)
露は目を鋭く細めた。いつもの彼女らしくない、好戦的な表情をわずかにのぞかせた。
(雫のためなら、命は惜しくない。最期に一目でも、姿を見れたら十分)
彼女はスマホを再び手に取り、返信をした。
昼食の時間になり、風紀委員寮の食堂には3人がそろった。今日のメニューはキムチと豆乳のスープパスタ。
アマテラスが食堂にいるのは不思議だった。
最近は寮長と2人だけだったので、1人でも人数が多いのはうれしい。
アマテラスは器用にスプーンも上でフォークを回し、パスタを巻き取っては口に運ぶ。そして納得したようにうなずいた。
「美味じゃのう。さらに腕を上げたようじゃな」
「ありがとうございます。伊達に毎日、8人分の食事を作っているわけじゃありませんからね。それに約1名、大食いですからね」
「凪か。ヤツは鯨飲馬食を画にしたような男だからのう。麓にとってはありえない化け物に見えただろう?」
「実は…はい」
アマテラスと寮長は笑った。”やっぱり”と言うような顔をしている。
何も変わりがなければ彼は、麓の隣で彼女の何倍もの食事をとっていただろう。きっと。
(でも、その前に…本当に何もなかったら私はここにないなかったし、天神地祇もなかったかもしれない。ここにいる全ての理由は────)
麓がパスタの具であるベーコンをすくうと、アマテラスに話しかけられた。
「麓は…」
「…? はい」
「突然すまん。ちょっと知りたくてな…お前さんは零について何か知っていることはあるかのう?」
「えっと。忌まわしい者の生まれ変わりで…」
「精霊記のことじゃな」
アマテラスは器を持ち上げ、スープを飲み干した。もう食べ終わったらしい。
そんな彼女を見て寮長が立ち上がり、キッチンへ入っていく。
「麓はゆっくり食べるとよい。…おっ」
「アマテラス様は甘い物がお好きでしょう? こちらも召し上がれ」
寮長が彼女の前に差し出したのは、大きく切られたアップルパイ。アマテラスは食い入るように見つめた。瞳は輝き、開いた口からは今にもよだれが垂れそうだ。
「デザートを用意していたとは…さすが寮長じゃ」
「いえ。たまたまですわ。お気に召したのなら幸いです」
「ではさっそく」
アマテラスはフォークで一口大に切り、口に運んだ。途端に顔がとろける。
「美味じゃ…今日ここに来てよかった…」
「フフ。大げさですわ。たくさんありますのでよかったらどうぞ。麓様も後でご用意しますわ」
「ありがとうございます」
最近は寮長と2人で料理をすることがなくなった。食事は2人分だけだから、と。
それでもお菓子であれば一緒に作らないかと誘われる。そういったレパートリーは増やしたいし、楽しいから麓はキッチンに入る。
「本当においしそうです」
「でしょう? 麓様もご自分で作れるようになれるといいですね」
「そしたら好きなだけ食べられるしの」
口をもごもごとさせながら、アマテラスは皿を寮長に渡した。もう食べ終えたらしい。よっぽど甘味に目がないようだ。
新たにアップルパイが運ばれると、アマテラスはフォークを持って口を開いた。
「そういえば海の向こうの国では、アップルパイをうまく焼けるかどうかとというのは、嫁に行くときの必須条件らしい。だから麓、頑張るのじゃ」
「え? 寮長さんがいつでも教えてくれますよ」
「麓様、これからもそうとは限りませんわ。あなたもこの学園を巣立つ日が来ます。故郷に戻りたくもなるでしょう」
「そういうものでしょうか…」
「えぇ。凪様なんて昔、事あるごとに”マジ出て行きてェこの学園!”とほざいていましたわ」
確かに彼ならありえる。留学年数で彼に勝てるものはいないから。
でも自分は。花巻山に帰りたいと思うのだろうか。学園は学園で、それなりに楽しいことも多い。
もし卒業したら。この風紀委員メンバーがそろうことは無くなるのだろうか。元々、精霊というのは他の者と関わるということが少ない。麓なんて皆無だった。
「寂しくなりそうですね…」
「それが精霊じゃからの。でも、中には永遠に共に生きることを誓った者だっている。最近はだいぶ増えてきたようじゃの」
「永遠…ですか」
「そう、人間で言う結婚じゃ。夫婦になる誓い」
結婚だとか夫婦だとか、麓にとっては果てしなく遠い、夢のようなもの。
「お前さんはまだ若いし、経験値も低い。これからも学園で過ごし、少しずつ学んでいけばよい────っと。でも、これだけは教えておこう」
アマテラスはフォークを置いた。
「永遠を誓い合う────結婚することも夫婦になることも、必要なものがある。それが何か分かるか?」
麓はふるふると首を振った。
アマテラスは慈愛に満ちた瞳と声で、麓に笑いかけた。
「愛じゃ。愛は人々を結び付けるだけじゃない。どんなに心が凍った者でも持っている、強く優しく温かなものじゃ」
麓は相槌を打つのも忘れ、アマテラスの顔をまじまじと見つめた。
「愛はな、精霊界の混乱を救ったこともある。知ってるじゃろう? 禍神の全盛期であったおよそ1000年前、平安時代のことを」
「都を襲った天災のことですよね」
「うむ。その後すぐに禍神をわしが光輪で昇天させたことの、真にあった事を話そうと思っておる」
「アマテラス様っ…!」
「良いのじゃ」
血相を変えて腰を浮かせた寮長を、アマテラスは手で制した。
「これは全ての精霊に伝えたかったが、禍神の頼みで精霊記には手を加えた。天神地祇である麓…それに、今のあやつを知っているなら話してもよいじゃろう」
「え…まさか麓様!?」
アマテラスによって暴露されてしまった麓は、寮長の視線から逃げるように目をそらした。だが、寮長から逃れることは誰にもできない。
「零と会ったことがあるってどういうこと!? いつの間に!? よくぞご無事で…」
「どうも零は麓のことを以前から狙っていたようじゃが、情が移って気に入ったらしい。最初はわしも軽快していたんじゃがのう。結界を突き破られるわ、天災地変である気配を消せるわで。でも、誰にも危害を加える気はないようじゃ」
「そうなのですか…」
寮長の顔色は青ざめたものから、次第にいつもの血色のいいものに戻っていった。反対に麓はずっと黙っていたことがバレて顔色が悪くなっていく。それでも言うべきことは言おうと、頭を下げた。
「今まで報告せずにすみませんでした…」
「珍しいですわね、麓様が隠し事なんて…男装以来です。それでもご無事でよかった…これからは教えて下さいね」
「はい…」
返事をしながら顔を上げたら、額に小さくデコピンをくらわせられた。
ルームメイトの嵐は橋駅へ出かけている。今日新発売するというお菓子を買いに出かけた。
露は置いていかれたというわけではなく、自分から留守番を望んだ。彼女は寒いのが苦手で、冬場は必要以上に外に出たがらない。
こうして1人の時に届いたのは一通のメール。
文面は、早急に”天”へ帰還せよという、強制帰還を命じているようなもの。
天災地変がこの頃不穏な動きを見せているから、”天”にいる精霊たちはピリピリしている。きっと天神地祇に加勢する気だってある。地上にいる露たちだけが、のほほんとのんきに過ごしている場合ではないだろう。露は多少気にしてうずうずしていたから、このメールは都合がいい。
何百年も前、露が生まれる前のこと。有志の精霊と零がぶつかる大戦争があったという。その時の数少ない生き残りの1人がこのメールの差出人。現在の”天”の研究室長で、露の生みの親でもある。
彼はその当時、研究員の中ではまだ中堅だったらしい。1番最初に結晶化された震とは交流があったとか。
(二度目の戦争か…私も参加?)
メールを読み進めると、続きがあった。天神地祇は”天”の力を必要としておらず、自分たちだけで戦い抜こうとしている、と。今回の帰還はあくまで戦闘準備。”天”は”天”で待機、と。
きっと凪が強く断ったんだろう。光や麓から委員長の話を聞く露には、なんとなく予想がつく。
彼女はスマホとクッションを脇に置き、壁に寄り掛かった。
もし、自分が天災地変に立ち向かうことになったら。
正直、恐怖で震える。本当は天災地変を、親玉である零は見たくない。憎き相手だが、恐怖が勝る。
自分なんかが太刀打ちできる? 味方の足を引っ張るかもしれない。
マイナスな感情しか浮かんでこなかった。黒い忍装束が今にも襲い掛かってくる画が思い浮かぶようだった。
(でも…雫のためだったら?)
露は目を鋭く細めた。いつもの彼女らしくない、好戦的な表情をわずかにのぞかせた。
(雫のためなら、命は惜しくない。最期に一目でも、姿を見れたら十分)
彼女はスマホを再び手に取り、返信をした。
昼食の時間になり、風紀委員寮の食堂には3人がそろった。今日のメニューはキムチと豆乳のスープパスタ。
アマテラスが食堂にいるのは不思議だった。
最近は寮長と2人だけだったので、1人でも人数が多いのはうれしい。
アマテラスは器用にスプーンも上でフォークを回し、パスタを巻き取っては口に運ぶ。そして納得したようにうなずいた。
「美味じゃのう。さらに腕を上げたようじゃな」
「ありがとうございます。伊達に毎日、8人分の食事を作っているわけじゃありませんからね。それに約1名、大食いですからね」
「凪か。ヤツは鯨飲馬食を画にしたような男だからのう。麓にとってはありえない化け物に見えただろう?」
「実は…はい」
アマテラスと寮長は笑った。”やっぱり”と言うような顔をしている。
何も変わりがなければ彼は、麓の隣で彼女の何倍もの食事をとっていただろう。きっと。
(でも、その前に…本当に何もなかったら私はここにないなかったし、天神地祇もなかったかもしれない。ここにいる全ての理由は────)
麓がパスタの具であるベーコンをすくうと、アマテラスに話しかけられた。
「麓は…」
「…? はい」
「突然すまん。ちょっと知りたくてな…お前さんは零について何か知っていることはあるかのう?」
「えっと。忌まわしい者の生まれ変わりで…」
「精霊記のことじゃな」
アマテラスは器を持ち上げ、スープを飲み干した。もう食べ終わったらしい。
そんな彼女を見て寮長が立ち上がり、キッチンへ入っていく。
「麓はゆっくり食べるとよい。…おっ」
「アマテラス様は甘い物がお好きでしょう? こちらも召し上がれ」
寮長が彼女の前に差し出したのは、大きく切られたアップルパイ。アマテラスは食い入るように見つめた。瞳は輝き、開いた口からは今にもよだれが垂れそうだ。
「デザートを用意していたとは…さすが寮長じゃ」
「いえ。たまたまですわ。お気に召したのなら幸いです」
「ではさっそく」
アマテラスはフォークで一口大に切り、口に運んだ。途端に顔がとろける。
「美味じゃ…今日ここに来てよかった…」
「フフ。大げさですわ。たくさんありますのでよかったらどうぞ。麓様も後でご用意しますわ」
「ありがとうございます」
最近は寮長と2人で料理をすることがなくなった。食事は2人分だけだから、と。
それでもお菓子であれば一緒に作らないかと誘われる。そういったレパートリーは増やしたいし、楽しいから麓はキッチンに入る。
「本当においしそうです」
「でしょう? 麓様もご自分で作れるようになれるといいですね」
「そしたら好きなだけ食べられるしの」
口をもごもごとさせながら、アマテラスは皿を寮長に渡した。もう食べ終えたらしい。よっぽど甘味に目がないようだ。
新たにアップルパイが運ばれると、アマテラスはフォークを持って口を開いた。
「そういえば海の向こうの国では、アップルパイをうまく焼けるかどうかとというのは、嫁に行くときの必須条件らしい。だから麓、頑張るのじゃ」
「え? 寮長さんがいつでも教えてくれますよ」
「麓様、これからもそうとは限りませんわ。あなたもこの学園を巣立つ日が来ます。故郷に戻りたくもなるでしょう」
「そういうものでしょうか…」
「えぇ。凪様なんて昔、事あるごとに”マジ出て行きてェこの学園!”とほざいていましたわ」
確かに彼ならありえる。留学年数で彼に勝てるものはいないから。
でも自分は。花巻山に帰りたいと思うのだろうか。学園は学園で、それなりに楽しいことも多い。
もし卒業したら。この風紀委員メンバーがそろうことは無くなるのだろうか。元々、精霊というのは他の者と関わるということが少ない。麓なんて皆無だった。
「寂しくなりそうですね…」
「それが精霊じゃからの。でも、中には永遠に共に生きることを誓った者だっている。最近はだいぶ増えてきたようじゃの」
「永遠…ですか」
「そう、人間で言う結婚じゃ。夫婦になる誓い」
結婚だとか夫婦だとか、麓にとっては果てしなく遠い、夢のようなもの。
「お前さんはまだ若いし、経験値も低い。これからも学園で過ごし、少しずつ学んでいけばよい────っと。でも、これだけは教えておこう」
アマテラスはフォークを置いた。
「永遠を誓い合う────結婚することも夫婦になることも、必要なものがある。それが何か分かるか?」
麓はふるふると首を振った。
アマテラスは慈愛に満ちた瞳と声で、麓に笑いかけた。
「愛じゃ。愛は人々を結び付けるだけじゃない。どんなに心が凍った者でも持っている、強く優しく温かなものじゃ」
麓は相槌を打つのも忘れ、アマテラスの顔をまじまじと見つめた。
「愛はな、精霊界の混乱を救ったこともある。知ってるじゃろう? 禍神の全盛期であったおよそ1000年前、平安時代のことを」
「都を襲った天災のことですよね」
「うむ。その後すぐに禍神をわしが光輪で昇天させたことの、真にあった事を話そうと思っておる」
「アマテラス様っ…!」
「良いのじゃ」
血相を変えて腰を浮かせた寮長を、アマテラスは手で制した。
「これは全ての精霊に伝えたかったが、禍神の頼みで精霊記には手を加えた。天神地祇である麓…それに、今のあやつを知っているなら話してもよいじゃろう」
「え…まさか麓様!?」
アマテラスによって暴露されてしまった麓は、寮長の視線から逃げるように目をそらした。だが、寮長から逃れることは誰にもできない。
「零と会ったことがあるってどういうこと!? いつの間に!? よくぞご無事で…」
「どうも零は麓のことを以前から狙っていたようじゃが、情が移って気に入ったらしい。最初はわしも軽快していたんじゃがのう。結界を突き破られるわ、天災地変である気配を消せるわで。でも、誰にも危害を加える気はないようじゃ」
「そうなのですか…」
寮長の顔色は青ざめたものから、次第にいつもの血色のいいものに戻っていった。反対に麓はずっと黙っていたことがバレて顔色が悪くなっていく。それでも言うべきことは言おうと、頭を下げた。
「今まで報告せずにすみませんでした…」
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