5 / 10
二人旅、出会うは神樹の鹿
しおりを挟む
「ふぁー……あ……おい。龍……朝だぞ……出発だ……」
「んっ……もう……朝……ですか?」
まだ薄暗く、辺りを白いもやが包む。鳥の囀りが聞こえて、朝なのは分かる。日の出前は少し寒かった。体を起こして軽く体を伸ばす。辺りはやはり森のなか、すべては夢でなく目の前の虎鉄も血のついた制服も現実だった。
虎鉄も欠伸しつつ体を伸ばしたりして、足で焚き火跡に土をかけている。
「よし……うんで、朝食っても……こんなもんかな?ほら」
「ありがとうございます」
リンゴみたいな実とカチカチの細い棒状のパン?をもらいいただく。とても固い、乾パンってやつみたいだ。チョコのお菓子みたいに食べれないかと思ったが、固さはそんなものではなかった。両手で折るが食べ物の固さとは思えないもの、くわえて噛みつつ手でパキっとさらに折り口の中へ。塩味が強く、唾液でふやかすが固さはあまり変わらない堅焼煎餅より固い。
「ホントかてえな……歯は大丈夫か?」
「っ……なんとか……」
固いと言うが、虎鉄はポリポリと食べ進めている。人間じゃない種族って話だけど歯も丈夫なのだろうか。少し羨ましい。口の中の乾パンをやっと噛み砕け、飲み込み次はリンゴみたいなのを食べる。リンゴみたいのは瑞々しくって口の中が潤う。酸っぱさのなかに甘味があり美味しい。
「水とかいるか?」
「あ、大丈夫です。ホントにありがとうございます」
「そうか?じゃあ、食い終わったら歩くぞ。町までつければいいが着けなくても宿につけるかな?」
襲われたときも助けてくれたし、気にかけてくれるし……虎鉄はホントにいい人だ。柄は悪いがっていうと失礼だけど……轢かれそうになってた児童を助けて代わりに轢かれて、こっちの世界でも僕みたいのを助けてくれたわけだ。偶然出会っただけなのに、正直物のついでなはずだしね……必ずなにか恩返しをしたいな。
なんとか食べ終わり、町を目指して歩くことに。荷物をまとめて出発する。スクールバッグ一つに腰に剣の差した僕。腰に下げる幾つかの袋と背中に背負うくの字型の剣を二振りの虎鉄。直ぐに準備は終わり、歩き始める
前を進む虎鉄の足は裸足だった。自分は通学に使ってた運動靴だけど、虎鉄は裸足で、スタスタ歩いているしかも足が早い。爪も長いのもあって靴を履いてると逆に歩きづらいのか?裸足なのにずんずん進み間が開いていく。
「うん?大丈夫か?疲れたか?」
「大丈夫です!足が遅いだけ……なんで」
「無理はすんなよ?逆に移動できなくなるのは面倒だかんな?」
「は、はい!」
森のなかは歩きづらいのもあるが、少しずつ距離が開いてしまう。こんな森のなかでも、虎鉄は歩くのに難なく進んで、しかも裸足でって言うわけだ。こう言うところにも種族の違いとかあるんだな。僕のことを気にかけて、声をかけてくれるがただ遅いだけなのでちょっと申し訳ない。
後ろを気にしつつ、前を進む虎鉄と後ろを必死に追いかける自分。ペースを落としてくれたみたいだがそれでも間は開いたままなかなか詰まらない。しばらく歩き、虎鉄が立ち止まった。なにかを見てるみたいで、やっと自分も追い付き立ち止まる。
「珍しいもんが見れっぞ……」
「珍しい?」
この世界で見るもの全て初めてなのだが……言われた方に目をやる。虎鉄が言う珍しいの意味が分かった。こんなの何度も出会えるとは思えないものだった。
「神獣やそれこそ獣神かもな?」
「?それってどう違うんですか?」
「……えっとな……神獣が……えっと神の加護を得た?獣で……獣神が獣が神になった……だったかな?前に聞いたんだけどな……」
「戦ったりしたら……」
「間違いなく死ぬな……って戦えねえお前が言うなよ?龍」
「す、すいません」
神獣、獣神。もしも戦ったら確実に死ぬらしい。戦えない自分が言ったのもあるが、虎鉄の目が痛いとても鋭い目付きで言われてしまった。そして、それよりも恐ろしく冷たいものを感じる。
その獣の目は恐ろしく本当に殺されるかもしれないと言う。凍りそうな睨みを向けていて、静かに佇んでいる。
鹿の大型……テレビで見たようなトナカイやヘラジカより大きく。体毛は長め、大きな枝角は木々のようでありと言うより、葉を繁らせてガラスや宝石のような実が実っている。それが角や実同士でぶつかると綺麗な音色を奏でていた。
お互い動かず見つめる。戦う意思はないがもしもがあるとという感じだろうか。
ブルル……
一鳴きするようにして、頭を振る。ぶつりぶつりと角枝の実が落ちて、その獣は興味をなくしたように去っていった。歩きだした獣の足跡には草が繁り歩いた跡が残されていく。何処かで見たような力のある獣、本当に戦ったらどうなったとか考えないようにしよう。
「ふぅ……機嫌を損ねなくて良かった……前あいつじゃねえけどひどい目に遭ったからな」
「……そ、そうなんですか?」
「誰も死にはしなかったけど……な。まあ、そんなことはいいか、あの落としていったのなんだろうな?」
「……そうですね。木の実何でしょうかね?」
なにもいなくなったのを確認して、落ちているその実を確認してみる。キラキラと輝く蒼や紅の透き通った木の実。サイズはリンゴより大きめで朝食べた棒乾パンなんかよりさらに固く食べれそうにはない。
「こいつはいいもんだな……ありがたくもらっとこうぜ?」
「そ、そうですね」
なにもしなかったからか。それとも他の理由があるのか。この実を受けとることにする。まだ日は上りきっていない。この実はお互い袋やスクールバッグにしまい再び歩き出した。
「んっ……もう……朝……ですか?」
まだ薄暗く、辺りを白いもやが包む。鳥の囀りが聞こえて、朝なのは分かる。日の出前は少し寒かった。体を起こして軽く体を伸ばす。辺りはやはり森のなか、すべては夢でなく目の前の虎鉄も血のついた制服も現実だった。
虎鉄も欠伸しつつ体を伸ばしたりして、足で焚き火跡に土をかけている。
「よし……うんで、朝食っても……こんなもんかな?ほら」
「ありがとうございます」
リンゴみたいな実とカチカチの細い棒状のパン?をもらいいただく。とても固い、乾パンってやつみたいだ。チョコのお菓子みたいに食べれないかと思ったが、固さはそんなものではなかった。両手で折るが食べ物の固さとは思えないもの、くわえて噛みつつ手でパキっとさらに折り口の中へ。塩味が強く、唾液でふやかすが固さはあまり変わらない堅焼煎餅より固い。
「ホントかてえな……歯は大丈夫か?」
「っ……なんとか……」
固いと言うが、虎鉄はポリポリと食べ進めている。人間じゃない種族って話だけど歯も丈夫なのだろうか。少し羨ましい。口の中の乾パンをやっと噛み砕け、飲み込み次はリンゴみたいなのを食べる。リンゴみたいのは瑞々しくって口の中が潤う。酸っぱさのなかに甘味があり美味しい。
「水とかいるか?」
「あ、大丈夫です。ホントにありがとうございます」
「そうか?じゃあ、食い終わったら歩くぞ。町までつければいいが着けなくても宿につけるかな?」
襲われたときも助けてくれたし、気にかけてくれるし……虎鉄はホントにいい人だ。柄は悪いがっていうと失礼だけど……轢かれそうになってた児童を助けて代わりに轢かれて、こっちの世界でも僕みたいのを助けてくれたわけだ。偶然出会っただけなのに、正直物のついでなはずだしね……必ずなにか恩返しをしたいな。
なんとか食べ終わり、町を目指して歩くことに。荷物をまとめて出発する。スクールバッグ一つに腰に剣の差した僕。腰に下げる幾つかの袋と背中に背負うくの字型の剣を二振りの虎鉄。直ぐに準備は終わり、歩き始める
前を進む虎鉄の足は裸足だった。自分は通学に使ってた運動靴だけど、虎鉄は裸足で、スタスタ歩いているしかも足が早い。爪も長いのもあって靴を履いてると逆に歩きづらいのか?裸足なのにずんずん進み間が開いていく。
「うん?大丈夫か?疲れたか?」
「大丈夫です!足が遅いだけ……なんで」
「無理はすんなよ?逆に移動できなくなるのは面倒だかんな?」
「は、はい!」
森のなかは歩きづらいのもあるが、少しずつ距離が開いてしまう。こんな森のなかでも、虎鉄は歩くのに難なく進んで、しかも裸足でって言うわけだ。こう言うところにも種族の違いとかあるんだな。僕のことを気にかけて、声をかけてくれるがただ遅いだけなのでちょっと申し訳ない。
後ろを気にしつつ、前を進む虎鉄と後ろを必死に追いかける自分。ペースを落としてくれたみたいだがそれでも間は開いたままなかなか詰まらない。しばらく歩き、虎鉄が立ち止まった。なにかを見てるみたいで、やっと自分も追い付き立ち止まる。
「珍しいもんが見れっぞ……」
「珍しい?」
この世界で見るもの全て初めてなのだが……言われた方に目をやる。虎鉄が言う珍しいの意味が分かった。こんなの何度も出会えるとは思えないものだった。
「神獣やそれこそ獣神かもな?」
「?それってどう違うんですか?」
「……えっとな……神獣が……えっと神の加護を得た?獣で……獣神が獣が神になった……だったかな?前に聞いたんだけどな……」
「戦ったりしたら……」
「間違いなく死ぬな……って戦えねえお前が言うなよ?龍」
「す、すいません」
神獣、獣神。もしも戦ったら確実に死ぬらしい。戦えない自分が言ったのもあるが、虎鉄の目が痛いとても鋭い目付きで言われてしまった。そして、それよりも恐ろしく冷たいものを感じる。
その獣の目は恐ろしく本当に殺されるかもしれないと言う。凍りそうな睨みを向けていて、静かに佇んでいる。
鹿の大型……テレビで見たようなトナカイやヘラジカより大きく。体毛は長め、大きな枝角は木々のようでありと言うより、葉を繁らせてガラスや宝石のような実が実っている。それが角や実同士でぶつかると綺麗な音色を奏でていた。
お互い動かず見つめる。戦う意思はないがもしもがあるとという感じだろうか。
ブルル……
一鳴きするようにして、頭を振る。ぶつりぶつりと角枝の実が落ちて、その獣は興味をなくしたように去っていった。歩きだした獣の足跡には草が繁り歩いた跡が残されていく。何処かで見たような力のある獣、本当に戦ったらどうなったとか考えないようにしよう。
「ふぅ……機嫌を損ねなくて良かった……前あいつじゃねえけどひどい目に遭ったからな」
「……そ、そうなんですか?」
「誰も死にはしなかったけど……な。まあ、そんなことはいいか、あの落としていったのなんだろうな?」
「……そうですね。木の実何でしょうかね?」
なにもいなくなったのを確認して、落ちているその実を確認してみる。キラキラと輝く蒼や紅の透き通った木の実。サイズはリンゴより大きめで朝食べた棒乾パンなんかよりさらに固く食べれそうにはない。
「こいつはいいもんだな……ありがたくもらっとこうぜ?」
「そ、そうですね」
なにもしなかったからか。それとも他の理由があるのか。この実を受けとることにする。まだ日は上りきっていない。この実はお互い袋やスクールバッグにしまい再び歩き出した。
0
あなたにおすすめの小説
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
【完結保証】科学で興す異世界国家 ~理不尽に死んだ技術者が、「石炭」と「ジャガイモ」で最強を証明する。優秀な兄たちが膝を折るまでの建国譚~
Lihito
ファンタジー
正しいデータを揃えた。論理も完璧だった。
それでも、組織の理不尽には勝てなかった。
——そして、使い潰されて死んだ。
目を覚ますとそこは、十年後に魔王軍による滅亡が確定している異世界。
強国の第三王子として転生した彼に与えられたのは、
因果をねじ曲げる有限の力——「運命点」だけ。
武力と経済を握る兄たちの陰で、継承権最下位。後ろ盾も発言力もない。
だが、邪魔する上司も腐った組織もない。
今度こそ証明する。科学と運命点を武器に、俺のやり方が正しいことを。
石炭と化学による国力強化。
情報と大義名分を積み重ねた対外戦略。
準備を重ね、機が熟した瞬間に運命点で押し切る。
これは、理不尽に敗れた科学者が、選択と代償を重ねる中で、
「正しさ」だけでは国は守れないと知りながら、
滅びの未来を書き換えようとする建国譚。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
社畜の異世界再出発
U65
ファンタジー
社畜、気づけば異世界の赤ちゃんでした――!?
ブラック企業に心身を削られ、人生リタイアした社畜が目覚めたのは、剣と魔法のファンタジー世界。
前世では死ぬほど働いた。今度は、笑って生きたい。
けれどこの世界、穏やかに生きるには……ちょっと強くなる必要があるらしい。
田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした
月神世一
ファンタジー
「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」
ブラック企業で過労死した日本人、カイト。
彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。
女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。
孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった!
しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。
ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!?
ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!?
世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる!
「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。
これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる