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街道宿は大入り
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森を抜け道を歩き始めて、しばらく丘から見た宿屋に到着。丘で見たよりも……かなり大きな木造の宿で、馬小屋もある。
宿屋前で出発の用意や休んでる人々がいて彼らの目が辛かった。服が血濡れだと仕方ないけど。
その人々色々で様々、子供みたいな背丈の可愛らしい姿の団体。獣の耳と尻尾のある冒険者だと思う男女。獣に近い姿の片目に傷をおった槍を携えた男。弓を手入れする人間の男に、恰幅のいい背が低い豪快そうな男。その男に絡む柄の悪い強そうな筋肉質の女。様々いてそれらを避けて宿に入る。
「邪魔するぞーばーさんいるか?」
「ん?テツか?っとなんだい?その血まみれの男は?」
「え、あっ……」
宿屋のなかはもちろん木造で、大きな広間に簡素な長椅子、テーブル、カウンター。そして、中もまた人が多い。虎鉄は誰かを呼んでいたけどその声で注目が集まり、血まみれの自分に向くので、目を合わせないようにするのが精一杯。
ただ血まみれの僕からすぐに声の主に視線が戻る。虎鉄をテツと呼ぶ背の高い無精髭の青年。彼と話をはじめると人々が少しざわつく。
「ああ、ラゼンさん。こいつは俺の連れだ。狩りをしてたらその血を浴びちまったらしくてね」
「テツ?」「あの噂の……」「マンハンターか……」
「ドゥアックさんみたいに拾い物か?テツもある意味似たもんだな。まあ、少し休んでなよ。婆さんもさっきまでいたんだが……」
テツと呼ばれてそこからざわつく中、青年ラゼンと虎鉄は談笑といった感じで、僕はおいてかれてしまう。拾い物って呼ばれてしまったり、ドゥアックって誰なのだろうか。
「なんだい?騒がしいね……ちょっとどいとくれ」
「あ、はいっすいません……」
「ん?おお、テツじゃないか……今日は何を狩ったんだい?」
「お?やっときたばーさん。今日ってより昨日だな山賊相手に楽しんだぜ?まあ、そのせいで連れが血まみれになってね」
「はは、相変わらずとおまえさんは大変だったね……ふん……ちっとまっとくれ」
ドアが開いて、ずいずいと入ってきた御婆さん。しわくちゃだが覇気もあり元気のいい、いや生きのいい御婆さんにはじめと変わらずばーさんと言いながら話を続けていく。話が血まみれの僕に触れられると御婆さんは目を細めて、見つめたあとカウンターの奥の扉へ消えていく。
慣れてる感じですぐに戻ってくると地味な色の衣服の上下を持ってきてくれた。
「あんた。これくれてやるよ。テツの連れなんだろ?ラゼン、部屋に案内してやんな」
「へーい。じゃあ君こっちね。テツは今日泊まるのかい?」
「どうすっかな?泊まるときは言うよ」
御婆さんから服を受け取り、ラゼンに案内されて空き部屋へ。今日はここに泊まるのか町に向かうのかどうするのだろう。
案内された部屋は二階の一室。簡素で質素な椅子に机が一つ。机には花瓶があり一輪見たことない花が差さっている。他はベッドが二つ、棚が一つ。荷物をいれるものか木の箱が一つ。
「服はどうする捨てる?」
「あ、えっと捨てません……血で汚れたけど……大事な、ものなので」
「そうかい。じゃあ着替え終わったら降りて来てくれ」
「は、はい!」
「テツ……あの僕はどうすんだい?剣は腰に差してるがありゃあ戦えるって玉じゃねえよお?」
「うーん……預かってもらえたり?」
「そうだねえ。客も多いし、人ではほしいからねえ。ここに残るって言うなら預かってやらんこともなし……テツはダンジョン町かい?」
空いた長椅子に、虎鉄と御婆さんが面と向かって座る。木のコップに水が並々と注がれている。御婆さんが聞くのは龍の話。心配してるのか虎鉄の連れだからか。龍のいないところで龍の今後が話されている。話は虎鉄へ移り聞かれたことに虎鉄は笑う。
「ああ、勿論……賊ども相手にそれなりに鍛えたし、金も集めた。けどそれじゃあ足りねえしもっと金がほしいだろ?」
「ふんっ……そういって、死んじまったり戦えない、働けないってなったり……野盗崩れもおるけどねえ。その貯めたお金でもっと他のことにてを出すってのもありだと思うが……」
「ははっ、そんな頭ねえからな……商売なんてさ」
「やろうとしないだけだろ。テツよ。全く……バカだねえダンジョンじゃなくても魔物討伐や野盗狩りでもよかろうに」
テツの言葉に鼻で笑い、目を細める。ここに来た客のことか経験か、そう言って行った末路を語る。末路を語り、より良い提案を示す。けれど示し語っても、虎鉄は笑って拒否した。顔を背けて目をつぶってバカと言う。バカと言われた虎鉄より、宿の客の方が顔を渋くする。乾いた笑いに聞こえない振りと虎鉄と御婆さんの回りから離れる。
「夢は大きい方がいいだろ……な」
「夢っても……ねえ」
「あの、戻りましたけど……」
「おー?龍、似合ってるじゃん」
「着心地はどうだい?」
半袖のシャツに、七分丈の丈夫なジャケット地味な色のズボン。動きやすいが少しごわごわする。虎鉄は似合うと言いつつまた笑っている。御婆さんの方は満足そうに見ていて、着心地を聞く。素直には言えないよね。
「悪くないですよ。ありがとうございます……えっと……」
「あたしはばーさんではないぞ。ふっ、こんななりだけどマルガリタって名前さ。マリーとかリタとか……マリおばさんでもいいよ」
「クソババアって……」
「あんた死にたいかい?ラゼン」
クソババアは呼ばないけど呼ぶと本当に死ぬかもしれない……そんな剣幕でと言うより……いや言えません。
宿屋前で出発の用意や休んでる人々がいて彼らの目が辛かった。服が血濡れだと仕方ないけど。
その人々色々で様々、子供みたいな背丈の可愛らしい姿の団体。獣の耳と尻尾のある冒険者だと思う男女。獣に近い姿の片目に傷をおった槍を携えた男。弓を手入れする人間の男に、恰幅のいい背が低い豪快そうな男。その男に絡む柄の悪い強そうな筋肉質の女。様々いてそれらを避けて宿に入る。
「邪魔するぞーばーさんいるか?」
「ん?テツか?っとなんだい?その血まみれの男は?」
「え、あっ……」
宿屋のなかはもちろん木造で、大きな広間に簡素な長椅子、テーブル、カウンター。そして、中もまた人が多い。虎鉄は誰かを呼んでいたけどその声で注目が集まり、血まみれの自分に向くので、目を合わせないようにするのが精一杯。
ただ血まみれの僕からすぐに声の主に視線が戻る。虎鉄をテツと呼ぶ背の高い無精髭の青年。彼と話をはじめると人々が少しざわつく。
「ああ、ラゼンさん。こいつは俺の連れだ。狩りをしてたらその血を浴びちまったらしくてね」
「テツ?」「あの噂の……」「マンハンターか……」
「ドゥアックさんみたいに拾い物か?テツもある意味似たもんだな。まあ、少し休んでなよ。婆さんもさっきまでいたんだが……」
テツと呼ばれてそこからざわつく中、青年ラゼンと虎鉄は談笑といった感じで、僕はおいてかれてしまう。拾い物って呼ばれてしまったり、ドゥアックって誰なのだろうか。
「なんだい?騒がしいね……ちょっとどいとくれ」
「あ、はいっすいません……」
「ん?おお、テツじゃないか……今日は何を狩ったんだい?」
「お?やっときたばーさん。今日ってより昨日だな山賊相手に楽しんだぜ?まあ、そのせいで連れが血まみれになってね」
「はは、相変わらずとおまえさんは大変だったね……ふん……ちっとまっとくれ」
ドアが開いて、ずいずいと入ってきた御婆さん。しわくちゃだが覇気もあり元気のいい、いや生きのいい御婆さんにはじめと変わらずばーさんと言いながら話を続けていく。話が血まみれの僕に触れられると御婆さんは目を細めて、見つめたあとカウンターの奥の扉へ消えていく。
慣れてる感じですぐに戻ってくると地味な色の衣服の上下を持ってきてくれた。
「あんた。これくれてやるよ。テツの連れなんだろ?ラゼン、部屋に案内してやんな」
「へーい。じゃあ君こっちね。テツは今日泊まるのかい?」
「どうすっかな?泊まるときは言うよ」
御婆さんから服を受け取り、ラゼンに案内されて空き部屋へ。今日はここに泊まるのか町に向かうのかどうするのだろう。
案内された部屋は二階の一室。簡素で質素な椅子に机が一つ。机には花瓶があり一輪見たことない花が差さっている。他はベッドが二つ、棚が一つ。荷物をいれるものか木の箱が一つ。
「服はどうする捨てる?」
「あ、えっと捨てません……血で汚れたけど……大事な、ものなので」
「そうかい。じゃあ着替え終わったら降りて来てくれ」
「は、はい!」
「テツ……あの僕はどうすんだい?剣は腰に差してるがありゃあ戦えるって玉じゃねえよお?」
「うーん……預かってもらえたり?」
「そうだねえ。客も多いし、人ではほしいからねえ。ここに残るって言うなら預かってやらんこともなし……テツはダンジョン町かい?」
空いた長椅子に、虎鉄と御婆さんが面と向かって座る。木のコップに水が並々と注がれている。御婆さんが聞くのは龍の話。心配してるのか虎鉄の連れだからか。龍のいないところで龍の今後が話されている。話は虎鉄へ移り聞かれたことに虎鉄は笑う。
「ああ、勿論……賊ども相手にそれなりに鍛えたし、金も集めた。けどそれじゃあ足りねえしもっと金がほしいだろ?」
「ふんっ……そういって、死んじまったり戦えない、働けないってなったり……野盗崩れもおるけどねえ。その貯めたお金でもっと他のことにてを出すってのもありだと思うが……」
「ははっ、そんな頭ねえからな……商売なんてさ」
「やろうとしないだけだろ。テツよ。全く……バカだねえダンジョンじゃなくても魔物討伐や野盗狩りでもよかろうに」
テツの言葉に鼻で笑い、目を細める。ここに来た客のことか経験か、そう言って行った末路を語る。末路を語り、より良い提案を示す。けれど示し語っても、虎鉄は笑って拒否した。顔を背けて目をつぶってバカと言う。バカと言われた虎鉄より、宿の客の方が顔を渋くする。乾いた笑いに聞こえない振りと虎鉄と御婆さんの回りから離れる。
「夢は大きい方がいいだろ……な」
「夢っても……ねえ」
「あの、戻りましたけど……」
「おー?龍、似合ってるじゃん」
「着心地はどうだい?」
半袖のシャツに、七分丈の丈夫なジャケット地味な色のズボン。動きやすいが少しごわごわする。虎鉄は似合うと言いつつまた笑っている。御婆さんの方は満足そうに見ていて、着心地を聞く。素直には言えないよね。
「悪くないですよ。ありがとうございます……えっと……」
「あたしはばーさんではないぞ。ふっ、こんななりだけどマルガリタって名前さ。マリーとかリタとか……マリおばさんでもいいよ」
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