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魔法人形はお説教を受ける
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「フレンはどこに行ってたの?」
屋敷に帰る頃には、お日様が登り始めていました。
明るくなるまでには、帰れると思ったんですけどね。まさか、道が分からなくなるとは・・・・・・
普通に生きていて、あんなに手入れもされていない道を歩くことなんてありませんからね。
同じ場所をぐるぐる回っていたような気すらします。ガイドさんも成長したのなら、帰り道ぐらい教えてくれても良いのに。
<現在のレベルでは、ナビゲーション機能は存在しません>
ああ、レベル不足というやつですか。
もし仮に声の主が本当に女の子だったら、助けに行って遭難するみたいなことも起こっていたかもしれませんね。
「フレン。聞いてる?」
「あ、はい。助けてくれてありがとうございます。ご主人様」
遭難したのを助けてくれたのは、イーリスでした。箒に乗って助けに来てくれた時は、やっぱり魔女って箒で飛ぶんだ。と感動しました。
どうやら、箒は1人乗りのようで、私と合流してからは森を歩いて屋敷に戻りました。
少しだけ、箒に一緒に乗せてもらえるのでは? と思って期待している自分がいましたが。
私は、今、玄関の前の庭に正座してイーリスの話を聞いていました。せっかく掃除したのに泥だらけの服で、ウロウロはしたくなかったので。
「なんで、森の中に? もしかして、・・・・・・逃げようと?」
イーリスは、少し心配そうにそう呟いた。
確かにそう思われても仕方ない。勤務初日で家を飛び出して。
「ああ、いえ、庭の整備をしようと思ってたら、女の子の声が聞こえて。助けに行こうと」
「人? 誰かいたの?」
「いえ、助けに行ったら変な葉っぱの化物で、丸呑みにされちゃったみたいな」
「丸呑み!? 大丈夫!?」
私の言葉を聞いて、イーリスが私の側に駆け寄ると人形の胸に付けられたコアを確認します。
なんだか、不思議な光景ですね。確かに私の本体はコアなので、正しい確認なんですけど。
「コアが破壊されたら、再生出来るか分からない。危険なことはしないで」
「すみません。でも、とりあえず、倒したので大丈夫です。それに人形も手に入れたので」
「? どういう意味」
私の言っている意味が分からないという風な様子でイーリスは首を傾げます。
そうですよね。説明が足りてないですよね。でもこれは、実際に見せた方が早いのでは?
『人形換装』
私は、スキルを起動します。すると私の体が、光始めました。おお、変身フォームみたいですね。
すぐに私は、巨大な葉っぱの怪物に姿を変えます。
葉っぱの部分が3mから4mほどの大きさです。その巨大な葉っぱの下にツボのような胴体がくっついています。
葉っぱと表現しましたが、非常に分厚く丈夫な作りをしているので、獣の皮のようにすら思えます。
基本的に動くことはないのか、それほど発達していない根のような足が生えているため、自立は出来ますがこの体は動くのが非常に遅いです。
「『エンイースト』。待ち伏せして獲物を食べて、その食べた獲物を擬似餌にして、獲物を集める魔草」
「キシャアア? (エンイーストって名前なんですか?)」
「? なんて言ってるか分からない」
あ、そうか、この体、当たり前ですけど、発声能力がないですよね。
元に戻しましょうか。『人形換装』
私は、再びメイドの姿に戻ります。タイムラグなく変身できるのはありがたいですね。
「なるほど。話は本当みたい。でも、よかった。弱い魔草で」
「え、弱い?」
え、私的にはかなりの強敵だったんですけど、違うんですか!?
この森の主とかそういう存在では?
「? うん。この森では比較的、安全な部類の子」
「助けに来てくれてありがとうございます」
「う、うん」
もしかしたら、大事な体を失ってたかもしれません。最悪、コアも動物の胃のなかに入ってたかも。
「でも、エンイーストの擬似餌なんて、珍しい。エンイーストは基本的に獲物を待つから共食いなんて滅多にないのに」
「ああ、それは私の固有スキルでエンイーストの体を作ったんです」
「そういえば、フレンの固有スキルを聞いてなかった」
「『模倣』と『虚構の箱』です」
今更、隠しても良いことはなさそうなので正直にイーリスに教えます。私の言葉にイーリスは不思議そうに首を傾げました。
「? 固有スキルがどうして二つ?」
「それは、私にも。異世界特典ですかね?」
「異世界人は何人かスキルが伝わってるけど、2つの固有スキルを持つなんて初めて聞いた」
解析したくなる。と少し怖いまなざしを私に向けてくるイーリスに思わず後ずさりします。
え、モルモットにされる?
「・・・・・・でも、その『虚構の箱』はホムンクルス・コアのフレンには相性が良い」
イーリスも『虚構の箱』の効果は知っているようです。私が思っている通りの評価で少し安心します。
「そうですよね。コアが破壊されることはなくなりますし」
「ただ、しようと思えば、人形を破壊して確保するなんてことも出来る」
私のコアだけを守るスキルですからね。
「危険なことはしないでほしい。『虚構の箱』は確かにコアを守ってくれるけど、完璧じゃない」
「はい。すみません。せっかく作ってくれた体を失うかもしれませんでしたしね」
「・・・・・・まあ、いい」
イーリスは少し呆れるような表情を浮かべながら私を見ます。え、なんです? そのこいつ、わかってねーみたいな顔。
かなり心外なんですけど。
「とりあえず、許可なく森への侵入は禁止する」
「はい。分かりました」
まあ、危険性を聞かされた今、好き好んで、危険な森の中にわざわざ行きません。
イーリスも言った通り、コアは破壊されなくても人形のボディを失えば、私は活動出来ないので、やはり戦い向きではない。
とりあえず、当面は生活を安定させましょう。
「とりあえず、お風呂に入りましょう」
「じゃあ、私もついでに入る」
「あ、そうですか。ご主人様も」
・・・・・・え?
屋敷に帰る頃には、お日様が登り始めていました。
明るくなるまでには、帰れると思ったんですけどね。まさか、道が分からなくなるとは・・・・・・
普通に生きていて、あんなに手入れもされていない道を歩くことなんてありませんからね。
同じ場所をぐるぐる回っていたような気すらします。ガイドさんも成長したのなら、帰り道ぐらい教えてくれても良いのに。
<現在のレベルでは、ナビゲーション機能は存在しません>
ああ、レベル不足というやつですか。
もし仮に声の主が本当に女の子だったら、助けに行って遭難するみたいなことも起こっていたかもしれませんね。
「フレン。聞いてる?」
「あ、はい。助けてくれてありがとうございます。ご主人様」
遭難したのを助けてくれたのは、イーリスでした。箒に乗って助けに来てくれた時は、やっぱり魔女って箒で飛ぶんだ。と感動しました。
どうやら、箒は1人乗りのようで、私と合流してからは森を歩いて屋敷に戻りました。
少しだけ、箒に一緒に乗せてもらえるのでは? と思って期待している自分がいましたが。
私は、今、玄関の前の庭に正座してイーリスの話を聞いていました。せっかく掃除したのに泥だらけの服で、ウロウロはしたくなかったので。
「なんで、森の中に? もしかして、・・・・・・逃げようと?」
イーリスは、少し心配そうにそう呟いた。
確かにそう思われても仕方ない。勤務初日で家を飛び出して。
「ああ、いえ、庭の整備をしようと思ってたら、女の子の声が聞こえて。助けに行こうと」
「人? 誰かいたの?」
「いえ、助けに行ったら変な葉っぱの化物で、丸呑みにされちゃったみたいな」
「丸呑み!? 大丈夫!?」
私の言葉を聞いて、イーリスが私の側に駆け寄ると人形の胸に付けられたコアを確認します。
なんだか、不思議な光景ですね。確かに私の本体はコアなので、正しい確認なんですけど。
「コアが破壊されたら、再生出来るか分からない。危険なことはしないで」
「すみません。でも、とりあえず、倒したので大丈夫です。それに人形も手に入れたので」
「? どういう意味」
私の言っている意味が分からないという風な様子でイーリスは首を傾げます。
そうですよね。説明が足りてないですよね。でもこれは、実際に見せた方が早いのでは?
『人形換装』
私は、スキルを起動します。すると私の体が、光始めました。おお、変身フォームみたいですね。
すぐに私は、巨大な葉っぱの怪物に姿を変えます。
葉っぱの部分が3mから4mほどの大きさです。その巨大な葉っぱの下にツボのような胴体がくっついています。
葉っぱと表現しましたが、非常に分厚く丈夫な作りをしているので、獣の皮のようにすら思えます。
基本的に動くことはないのか、それほど発達していない根のような足が生えているため、自立は出来ますがこの体は動くのが非常に遅いです。
「『エンイースト』。待ち伏せして獲物を食べて、その食べた獲物を擬似餌にして、獲物を集める魔草」
「キシャアア? (エンイーストって名前なんですか?)」
「? なんて言ってるか分からない」
あ、そうか、この体、当たり前ですけど、発声能力がないですよね。
元に戻しましょうか。『人形換装』
私は、再びメイドの姿に戻ります。タイムラグなく変身できるのはありがたいですね。
「なるほど。話は本当みたい。でも、よかった。弱い魔草で」
「え、弱い?」
え、私的にはかなりの強敵だったんですけど、違うんですか!?
この森の主とかそういう存在では?
「? うん。この森では比較的、安全な部類の子」
「助けに来てくれてありがとうございます」
「う、うん」
もしかしたら、大事な体を失ってたかもしれません。最悪、コアも動物の胃のなかに入ってたかも。
「でも、エンイーストの擬似餌なんて、珍しい。エンイーストは基本的に獲物を待つから共食いなんて滅多にないのに」
「ああ、それは私の固有スキルでエンイーストの体を作ったんです」
「そういえば、フレンの固有スキルを聞いてなかった」
「『模倣』と『虚構の箱』です」
今更、隠しても良いことはなさそうなので正直にイーリスに教えます。私の言葉にイーリスは不思議そうに首を傾げました。
「? 固有スキルがどうして二つ?」
「それは、私にも。異世界特典ですかね?」
「異世界人は何人かスキルが伝わってるけど、2つの固有スキルを持つなんて初めて聞いた」
解析したくなる。と少し怖いまなざしを私に向けてくるイーリスに思わず後ずさりします。
え、モルモットにされる?
「・・・・・・でも、その『虚構の箱』はホムンクルス・コアのフレンには相性が良い」
イーリスも『虚構の箱』の効果は知っているようです。私が思っている通りの評価で少し安心します。
「そうですよね。コアが破壊されることはなくなりますし」
「ただ、しようと思えば、人形を破壊して確保するなんてことも出来る」
私のコアだけを守るスキルですからね。
「危険なことはしないでほしい。『虚構の箱』は確かにコアを守ってくれるけど、完璧じゃない」
「はい。すみません。せっかく作ってくれた体を失うかもしれませんでしたしね」
「・・・・・・まあ、いい」
イーリスは少し呆れるような表情を浮かべながら私を見ます。え、なんです? そのこいつ、わかってねーみたいな顔。
かなり心外なんですけど。
「とりあえず、許可なく森への侵入は禁止する」
「はい。分かりました」
まあ、危険性を聞かされた今、好き好んで、危険な森の中にわざわざ行きません。
イーリスも言った通り、コアは破壊されなくても人形のボディを失えば、私は活動出来ないので、やはり戦い向きではない。
とりあえず、当面は生活を安定させましょう。
「とりあえず、お風呂に入りましょう」
「じゃあ、私もついでに入る」
「あ、そうですか。ご主人様も」
・・・・・・え?
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