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スキルのあり方
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「いいか? 恩を売ったような気になってんじゃないぞ。おまえのその袋は俺達のもの。つまり、このカヤイラも俺らの物だ。だから、俺は自分の物を食べただけで、何も恩を売ったという訳ではない」
「そんな食べながら言われても・・・・・・」
なんだか、犯罪者ですけど、シンプルに可愛げを感じてきました。これが母性・・・・・・?
まあ、冗談はともかく、この状況を打開する方法を考えないといけませんね。
ぼろい小屋の中、大声で助けを呼んだら誰か来てくれますかね?
でも、大声を出して誰も来なかったら、逆上させちゃいますし。
「おい、お前」
「ちょっと考え事してるんで、黙っててもらえますか?」
「お、おう」
正直なところ、袋を渡しちゃった方が、無事に帰れるとは思うんですよね。渡しておいて、イーリスに魔法で回収してもらう方が良いのかも。
魔物の素材を取られるのは、嫌だしなぁ。
「そろそろ、良いか?」
「あ、すいません。それで、本題はなんで」
「さっさとその魔法袋をよこせって言ってんだよ」
「ああ、そうですよね」
私は男に魔法袋を手渡します。どうせ、拒んでも無理やり取られるので、抵抗するのも無駄でしょう。
「でも、こんなにスキルのいっぱいある世界でどうしてこんなことを? スキルを活かせば仕事に困らない気がしますけど」
「俺の固有スキルは『触れた相手に中程度の痛みを与える』能力だ。俺が触れた相手は、足の小指を角にぶつけた程度の痛みが走る」
「え? はい?」
「そんでこの馬鹿のスキルは『作った料理をなんでもそこそこ美味しい味にする能力』だ。どんだけ、高級食材を使おうが、残飯みたいなものを使っても、全部、そこそこ美味しい料理になる。」
えっと、聞いてみると確かに地味な固有スキルですね。
「今、地味だと思っただろ?」
「いえ、そんな」
「その通りだよ。この能力は、正直、使いどころなんてほとんどねぇ。相手に痛みを与える能力なんて殴った方が強いんだからな」
確かに角にぶつけたぐらいの痛みを与える能力は、物理的に解決出来るなら必要ありませんね。
「こいつのスキルだってそうだ。全部、そこそこになるんなら、上手い料理を作れた方が良いに決まってる。俺たちはハズレ組だ。スキルで何でも出来る世の中? ふざけるな。じゃあ、ゴミみたいなスキルを持つ俺らはゴミみたいな生活をしてればいいってのかよ」
「そんなことは・・・・・・」
スキルによって全てを解決することの出来る世界。それが生み出したのは、固有スキルの優劣による格差。生まれ持った才能で優劣を付けられる世界。
「こんなゴミみてぇなスキルを持って生活してんだ。人様から奪ったっていいだろ」
もしかしたら、この人達は言われ続けていたのかもしれません。こんなゴミスキル使えないと。
確かに固有スキルは、便利なものが多いです。数を瞬時に把握する。物の状態がすぐに分かる。刃物の刀身を伸ばす。
けれど、便利なスキルには違いありませんが、なくてはならないスキルという訳ではないでしょうに。
「・・・・・・この世界の住人は、間違っていますよ。スキルがあるからやるのではなく、やりたいことがあるからスキルを得るのでしょう?」
私は固有スキルに恵まれています。けれど、だからと言って何かを出来ないなんて思いません。料理だってスキルは持っていませんが作れます。
「スキルがないからと諦めるなんて、馬鹿みたいですよ」
「なんだと、てめぇ」
「私が教えてあげましょう。スキルがなくても生きていけるってこと」
スキルがなくて生きてきたという意味では私は先輩ですからね。何せ元の世界では、誰もがスキルを持っていませんでしたから。
もし、話を聞かないのなら、逆境スキルでも使って素早さを上げて逃げれば良いですし。
<『逆境』スキルは、レベルが相手より低い場合のみ使用出来ます>
そうですか。使えないんですか。じゃあ、どうやって倒そうか・・・・・・え、『逆境』スキルが使えない?
もしかして、この人達、私よりもかなり弱い?
それにレベルも私に負けてるんですか?
「お兄さん達、レベルはいくつですか?」
「あ? なんでそんなこと教えねぇといけねぇんだ」
「舐めてると、ぶっ殺すぞ」
「良いから教えなさい」
「・・・・・・10だ」
まさかの同じレベルじゃないですか。生まれたての私と同じレベルって。
もしかして、私から魔法袋を力ずくで奪わなかったのってレベルが低くて戦闘に自信がないから?
そう考えると強がったような口調にも納得感があります。
「この世界の住人のレベルってそんなに低いんですか?」
「低いって、お前のレベルはいくつなんだよ」
「10ですけど」
「同じじゃねぇか!」
いや、まあ、そうなんですけど、こんな犯罪者だから強いのかと思っちゃってました。
にしても低すぎじゃないですか?
私、魔草を倒してレベル10になったんですけど。まあ、あの魔草、それなりにレベルが高かったと聞いてますけど。
「戦闘スキルがあれば、レベルは上げれるだろうけどな。それか金持ちなら、凄腕の傭兵を雇って魔獣討伐に参加してレベルを上げたりもする」
「・・・・・・なるほど」
世にいうパワーレベリングみたいなことが横行している訳ですね。貧富の差で成長度合いへの影響がかなり大きいですね。
「戦闘スキルがなくても武器があるんですから、弱いモンスターを倒してレベル上げすれば良いじゃないですか」
「それで俺らじゃ倒せない強力な敵が出てきたらどうするんだ」
はぁ、なるほど。確かにゲームとは違いますからね。蘇生なんてシステムがあるのか分かりませんけど、簡単には出来ないんでしょう。
命の危険のある行動をわざわざしたくはないですか。
私が生身の人間か不死身じゃなかったら、同じような生活をしていたような気はします。
それで考えるとイーリスのレベルは、かなり異次元のレベルをしていますね。
魔獣を討伐しないとレベルが上がらないのであれば、この世界の平均のレベルってかなり低い気がします。
上と下の差が大きすぎて平均なんて取れませんけど。この世界、よく力こそ、全てみたいな世界にならずに済みましたね。
まあ、日本も偉い人に戦闘能力は必要ありませんでしたもんね。
武力だけでは、解決出来ませんか。
とりあえず、この情けない人達を指導してあげましょうかね。
「さて、それじゃあ、まずは基本を教えてあげましょう。掃除をしますよ」
私が技術を教えてあげますから、頑張って生きていってください。
「そんな食べながら言われても・・・・・・」
なんだか、犯罪者ですけど、シンプルに可愛げを感じてきました。これが母性・・・・・・?
まあ、冗談はともかく、この状況を打開する方法を考えないといけませんね。
ぼろい小屋の中、大声で助けを呼んだら誰か来てくれますかね?
でも、大声を出して誰も来なかったら、逆上させちゃいますし。
「おい、お前」
「ちょっと考え事してるんで、黙っててもらえますか?」
「お、おう」
正直なところ、袋を渡しちゃった方が、無事に帰れるとは思うんですよね。渡しておいて、イーリスに魔法で回収してもらう方が良いのかも。
魔物の素材を取られるのは、嫌だしなぁ。
「そろそろ、良いか?」
「あ、すいません。それで、本題はなんで」
「さっさとその魔法袋をよこせって言ってんだよ」
「ああ、そうですよね」
私は男に魔法袋を手渡します。どうせ、拒んでも無理やり取られるので、抵抗するのも無駄でしょう。
「でも、こんなにスキルのいっぱいある世界でどうしてこんなことを? スキルを活かせば仕事に困らない気がしますけど」
「俺の固有スキルは『触れた相手に中程度の痛みを与える』能力だ。俺が触れた相手は、足の小指を角にぶつけた程度の痛みが走る」
「え? はい?」
「そんでこの馬鹿のスキルは『作った料理をなんでもそこそこ美味しい味にする能力』だ。どんだけ、高級食材を使おうが、残飯みたいなものを使っても、全部、そこそこ美味しい料理になる。」
えっと、聞いてみると確かに地味な固有スキルですね。
「今、地味だと思っただろ?」
「いえ、そんな」
「その通りだよ。この能力は、正直、使いどころなんてほとんどねぇ。相手に痛みを与える能力なんて殴った方が強いんだからな」
確かに角にぶつけたぐらいの痛みを与える能力は、物理的に解決出来るなら必要ありませんね。
「こいつのスキルだってそうだ。全部、そこそこになるんなら、上手い料理を作れた方が良いに決まってる。俺たちはハズレ組だ。スキルで何でも出来る世の中? ふざけるな。じゃあ、ゴミみたいなスキルを持つ俺らはゴミみたいな生活をしてればいいってのかよ」
「そんなことは・・・・・・」
スキルによって全てを解決することの出来る世界。それが生み出したのは、固有スキルの優劣による格差。生まれ持った才能で優劣を付けられる世界。
「こんなゴミみてぇなスキルを持って生活してんだ。人様から奪ったっていいだろ」
もしかしたら、この人達は言われ続けていたのかもしれません。こんなゴミスキル使えないと。
確かに固有スキルは、便利なものが多いです。数を瞬時に把握する。物の状態がすぐに分かる。刃物の刀身を伸ばす。
けれど、便利なスキルには違いありませんが、なくてはならないスキルという訳ではないでしょうに。
「・・・・・・この世界の住人は、間違っていますよ。スキルがあるからやるのではなく、やりたいことがあるからスキルを得るのでしょう?」
私は固有スキルに恵まれています。けれど、だからと言って何かを出来ないなんて思いません。料理だってスキルは持っていませんが作れます。
「スキルがないからと諦めるなんて、馬鹿みたいですよ」
「なんだと、てめぇ」
「私が教えてあげましょう。スキルがなくても生きていけるってこと」
スキルがなくて生きてきたという意味では私は先輩ですからね。何せ元の世界では、誰もがスキルを持っていませんでしたから。
もし、話を聞かないのなら、逆境スキルでも使って素早さを上げて逃げれば良いですし。
<『逆境』スキルは、レベルが相手より低い場合のみ使用出来ます>
そうですか。使えないんですか。じゃあ、どうやって倒そうか・・・・・・え、『逆境』スキルが使えない?
もしかして、この人達、私よりもかなり弱い?
それにレベルも私に負けてるんですか?
「お兄さん達、レベルはいくつですか?」
「あ? なんでそんなこと教えねぇといけねぇんだ」
「舐めてると、ぶっ殺すぞ」
「良いから教えなさい」
「・・・・・・10だ」
まさかの同じレベルじゃないですか。生まれたての私と同じレベルって。
もしかして、私から魔法袋を力ずくで奪わなかったのってレベルが低くて戦闘に自信がないから?
そう考えると強がったような口調にも納得感があります。
「この世界の住人のレベルってそんなに低いんですか?」
「低いって、お前のレベルはいくつなんだよ」
「10ですけど」
「同じじゃねぇか!」
いや、まあ、そうなんですけど、こんな犯罪者だから強いのかと思っちゃってました。
にしても低すぎじゃないですか?
私、魔草を倒してレベル10になったんですけど。まあ、あの魔草、それなりにレベルが高かったと聞いてますけど。
「戦闘スキルがあれば、レベルは上げれるだろうけどな。それか金持ちなら、凄腕の傭兵を雇って魔獣討伐に参加してレベルを上げたりもする」
「・・・・・・なるほど」
世にいうパワーレベリングみたいなことが横行している訳ですね。貧富の差で成長度合いへの影響がかなり大きいですね。
「戦闘スキルがなくても武器があるんですから、弱いモンスターを倒してレベル上げすれば良いじゃないですか」
「それで俺らじゃ倒せない強力な敵が出てきたらどうするんだ」
はぁ、なるほど。確かにゲームとは違いますからね。蘇生なんてシステムがあるのか分かりませんけど、簡単には出来ないんでしょう。
命の危険のある行動をわざわざしたくはないですか。
私が生身の人間か不死身じゃなかったら、同じような生活をしていたような気はします。
それで考えるとイーリスのレベルは、かなり異次元のレベルをしていますね。
魔獣を討伐しないとレベルが上がらないのであれば、この世界の平均のレベルってかなり低い気がします。
上と下の差が大きすぎて平均なんて取れませんけど。この世界、よく力こそ、全てみたいな世界にならずに済みましたね。
まあ、日本も偉い人に戦闘能力は必要ありませんでしたもんね。
武力だけでは、解決出来ませんか。
とりあえず、この情けない人達を指導してあげましょうかね。
「さて、それじゃあ、まずは基本を教えてあげましょう。掃除をしますよ」
私が技術を教えてあげますから、頑張って生きていってください。
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