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3章
Part 138『小さく大きな権力者』
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それからは粉雪とサクヤとで適当に雑談をしていた。すると、俺達のいる場所から一番離れた襖がゆっくりと開いた。
そこから出て来たのは、真冬さんと小さな女の子だった。女の子は、真冬さんや粉雪と同じように銀色の髪のショートカットの少女だった。その目は、強気な凛とした印象を抱かせるものでとてもパッチリとしている。
「待たせたのう。ちょいと、真冬と話し込んどったわ。」
横柄な態度で少女は、部屋の中にいる全員に向かってそう言った。
他のみんなもその子供とは思えない態度であるはずだが、気にした様子もなく。それどころか、多くの鬼達は、深く頭を下げている。
隣にいるイワミや先ほどまで喧嘩していた女の鬼も同じように頭を下げている。粉雪はというと、気にした様子もなく普通に座っているだけである。
俺とサクヤも目配せをしてから、他の鬼達に倣って頭を下げる。すると、少女がこちらに近づいてくる気配がする。
「真冬や。このお二方か?」
「はい。私の友人の人間の峰 日向さんと桜の妖精サクヤさんです。」
「お二人とも顔をあげてくださいな。」
少女の声がして、ゆっくりと顔を上げる。すぐそこに真冬さんと鬼の少女が座っていた。
「鬼島頭首の氷華じゃ。大したもてなしは出来んが、ゆっくりしていってくれ」
俺は、もう一度、頭を下げてから挨拶する。
しかし、挨拶をしながらも気になっていた。明らかに子供の身なりをしているのはどう言う事なのだろう。そんな疑問を感じながら挨拶していた事を察したのか氷華さんは「おぬし、分かりやすいのう」と軽く笑った。
「この姿が気になるのかの? これは、力を抑えてるんじゃよ」
「抑えてるんですか?」
「うむ、力を抑える石でな。おぬしらの目的も聞いておる。これじゃ」
そう言って氷華さんは手を俺に見せる。その小さな指には、真っ白な石で出来た指輪が付けられている。
指輪には、いくつもの模様が描かれていて非常に細かな作りであることが分かる。
「これがぬしらの手に入れたがっている石・・・・・・せい・・・・・・せい・・・・・・」
「・・・・・・?」
「これがおぬしらの手に入れたがっている石じゃ!」
「誤魔化した!?」
清浄石だ。でも、確か妖怪には毒になると言っていたような気がする。しかし、氷華さんは幼いと言う点を除けば普通のような気がする。
「純粋な石は毒じゃが効力を抑える技法で、90%程度に抑えておるんじゃよ。そのせいでこのような体になっておるが、本来は、真冬よりもボンッキュッボンッじゃぞ」
「あれですよ。GTに入って子供に戻るみたいな。」
粉雪が話に割り込んできた。相変わらず、比喩表現がアニメやゲームに寄っていて分かりにくい。
「まあ、慣れると悪くないからの。お肌もピチピチでここにおる奴らよりも若々しいからの」
「あれですね、世に言うロリババっあぎゃん!」
話している最中に鋭い一撃が頭を殴りつける。いつも粉雪はこの立ち位置なのだろうか。なんだか、基本的に暴力の被害にあっている気がする。いや、完全に自業自得だが・・・
「粉雪や。なんぞ。聞こえんかったからの、もういっぺん言ってみてくれんか?」
「綺麗で若々しいお母様です。」
「ふむ、そうじゃろう。まあ、長話すると料理も冷めるのでな。また後にするかの」
そう言って、氷華さんは、立ち上がり自分の場所へと帰っていく。
そうして、宴が始まった。
そこから出て来たのは、真冬さんと小さな女の子だった。女の子は、真冬さんや粉雪と同じように銀色の髪のショートカットの少女だった。その目は、強気な凛とした印象を抱かせるものでとてもパッチリとしている。
「待たせたのう。ちょいと、真冬と話し込んどったわ。」
横柄な態度で少女は、部屋の中にいる全員に向かってそう言った。
他のみんなもその子供とは思えない態度であるはずだが、気にした様子もなく。それどころか、多くの鬼達は、深く頭を下げている。
隣にいるイワミや先ほどまで喧嘩していた女の鬼も同じように頭を下げている。粉雪はというと、気にした様子もなく普通に座っているだけである。
俺とサクヤも目配せをしてから、他の鬼達に倣って頭を下げる。すると、少女がこちらに近づいてくる気配がする。
「真冬や。このお二方か?」
「はい。私の友人の人間の峰 日向さんと桜の妖精サクヤさんです。」
「お二人とも顔をあげてくださいな。」
少女の声がして、ゆっくりと顔を上げる。すぐそこに真冬さんと鬼の少女が座っていた。
「鬼島頭首の氷華じゃ。大したもてなしは出来んが、ゆっくりしていってくれ」
俺は、もう一度、頭を下げてから挨拶する。
しかし、挨拶をしながらも気になっていた。明らかに子供の身なりをしているのはどう言う事なのだろう。そんな疑問を感じながら挨拶していた事を察したのか氷華さんは「おぬし、分かりやすいのう」と軽く笑った。
「この姿が気になるのかの? これは、力を抑えてるんじゃよ」
「抑えてるんですか?」
「うむ、力を抑える石でな。おぬしらの目的も聞いておる。これじゃ」
そう言って氷華さんは手を俺に見せる。その小さな指には、真っ白な石で出来た指輪が付けられている。
指輪には、いくつもの模様が描かれていて非常に細かな作りであることが分かる。
「これがぬしらの手に入れたがっている石・・・・・・せい・・・・・・せい・・・・・・」
「・・・・・・?」
「これがおぬしらの手に入れたがっている石じゃ!」
「誤魔化した!?」
清浄石だ。でも、確か妖怪には毒になると言っていたような気がする。しかし、氷華さんは幼いと言う点を除けば普通のような気がする。
「純粋な石は毒じゃが効力を抑える技法で、90%程度に抑えておるんじゃよ。そのせいでこのような体になっておるが、本来は、真冬よりもボンッキュッボンッじゃぞ」
「あれですよ。GTに入って子供に戻るみたいな。」
粉雪が話に割り込んできた。相変わらず、比喩表現がアニメやゲームに寄っていて分かりにくい。
「まあ、慣れると悪くないからの。お肌もピチピチでここにおる奴らよりも若々しいからの」
「あれですね、世に言うロリババっあぎゃん!」
話している最中に鋭い一撃が頭を殴りつける。いつも粉雪はこの立ち位置なのだろうか。なんだか、基本的に暴力の被害にあっている気がする。いや、完全に自業自得だが・・・
「粉雪や。なんぞ。聞こえんかったからの、もういっぺん言ってみてくれんか?」
「綺麗で若々しいお母様です。」
「ふむ、そうじゃろう。まあ、長話すると料理も冷めるのでな。また後にするかの」
そう言って、氷華さんは、立ち上がり自分の場所へと帰っていく。
そうして、宴が始まった。
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