sleep waker

数多怜悧

文字の大きさ
5 / 19

4.星空と"美少女"

しおりを挟む
「ん、ぬぁあぁぁぁぁぁぁー、」

午後5時、すべての講義が終わり、体を伸ばす。同時に身体中からバキバキと音がなる。

「よっアホンダラ親友、新作の調子は?」

優等生お前に心配されないように、仕上げたよ。今日確認しに行ったらしばらく休めるよ。」

「残念だったな、現在進行形で課題がノソノソやってきているよ?」

「いまは現実を見させないでくれ、、」

俺の軽口を叩ける唯一の親友、それがこいつ「古見 勇二(ふるみ ゆうじ)」だ。高校からの中であまり褒められはしないが二人でよくワルをやっていた。今ではインディーズにしては名の知れたバンドの顔として有名だ。

「はは、にしても今日の講義に来た人はよかったな、何せイケメン二人が談笑してる様を見れるんだからな」

「な~にがイケメン二人だバカ、目にゴミでも入ったんか?」

「、、いや!、お前は自分の顔をしっかり見てから言えよ」

なんか言ってるが、こいつは相当の自信家ナルシストでもある。いや、逆に性格もよかったら誰も近付かないし、良い重りになっているのかもな。

「そじゃあ、出版社行くんだろ?ガンバっとな~」

そういい放つと、そそくさと講堂を出ていった。そんなやつをみながら、自分も準備をしていた。すると、後ろから何人かの女子が話しかけてきた。

「あの、もしよかったらサインをしてくれますか?」

大学内ではかなり有名になったのか、たまにサインを求められるようになってきた。

「はい、いいですよ?えっと、、この本に書けばいいですか?」

「は、はい、、お願いします。」

自分が書いた本の表紙にサイン、自分も作家になったのだと改めて思った。

「では、私はこれで」

「はい、ありがとうございます!新作も買います!」

軽く礼をしたあと、講堂を出た。いい人作家を演じるのは案外きついが、だんだんとなれてくる。そんなことを考えて出版社に行った。

■■

「なんなんだよあれ、あぁぁぁぁむかつくな、」

近くの空き缶をおもいっきり蹴っ飛ばす。ぶっ飛んだ空き缶は自販機横のゴミ箱の穴にスポッと入った。普通に嬉しい。しかし、なんでこんなにイラついている訳は簡単だ。担当編集が"無断欠勤"していたらしい。連絡をなんとかとったら、今日は流行り病インフルエンザにかかったと、、。

「まったく、体調管理くらいしろっての」

そう愚痴を言いながらも体調を心配するメールをいれてしまう自分にも嫌気がさしてきた。そんなことを考えていると家に着いていた。玄関の鍵を開け、家に入る。ハンガーに帽子とコートを掛け、リビングに入る。

「ただいま~」

気だるさ前開の挨拶をすると、父さんとは別に、もう一人人影が見えた。そこには、夜をおもわせる黒髪と瞳に上質なシルクのような肌を持つ、楊貴妃もビックリな美少女がいた。

「え、、、だれ?」

思わず口に出してしまったが、ホントにだれかと頭をめぐらせていると父が話し出した。

「言ってなかったな、「金咲 澪(かなさき みお)、知人の娘で、しばらくうちで世話することになったから。」

「は?」

「あ、あと俺はしばらく海外に行くから、そこん所よろしくね、生活費は振り込んどくから。」

「はぁぁ?!!」

そう言うと一人キャリーケースとでかいリュックをもってそそくさと家を出ていった。 

「あ、、え、えーっと、、」

「、、金咲澪です、しばらくお世話になります」

かくして、ひょんなことから目の前にいる美少女との生活がはじまった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

女子ばっかりの中で孤軍奮闘のユウトくん

菊宮える
恋愛
高校生ユウトが始めたバイト、そこは女子ばかりの一見ハーレム?な店だったが、その中身は男子の思い描くモノとはぜ~んぜん違っていた?? その違いは読んで頂ければ、だんだん判ってきちゃうかもですよ~(*^-^*)

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

盗み聞き

凛子
恋愛
あ、そういうこと。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

まずはお嫁さんからお願いします。

桜庭かなめ
恋愛
 高校3年生の長瀬和真のクラスには、有栖川優奈という女子生徒がいる。優奈は成績優秀で容姿端麗、温厚な性格と誰にでも敬語で話すことから、学年や性別を問わず人気を集めている。和真は優奈とはこの2年間で挨拶や、バイト先のドーナッツ屋で接客する程度の関わりだった。  4月の終わり頃。バイト中に店舗の入口前の掃除をしているとき、和真は老齢の男性のスマホを見つける。その男性は優奈の祖父であり、日本有数の企業グループである有栖川グループの会長・有栖川総一郎だった。  総一郎は自分のスマホを見つけてくれた和真をとても気に入り、孫娘の優奈とクラスメイトであること、優奈も和真も18歳であることから優奈との結婚を申し出る。  いきなりの結婚打診に和真は困惑する。ただ、有栖川家の説得や、優奈が和真の印象が良く「結婚していい」「いつかは両親や祖父母のような好き合える夫婦になりたい」と思っていることを知り、和真は結婚を受け入れる。  デート、学校生活、新居での2人での新婚生活などを経て、和真と優奈の距離が近づいていく。交際なしで結婚した高校生の男女が、好き合える夫婦になるまでの温かくて甘いラブコメディ!  ※特別編6が完結しました!(2025.11.25)  ※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。  ※お気に入り登録、感想をお待ちしております。

まなの秘密日記

到冠
大衆娯楽
胸の大きな〇学生の一日を描いた物語です。

入学初日に告白してきた美少女には、『好き』がないらしい。~欠けた感情を追い求めて~

true177
恋愛
 怠惰に流されて底辺校に入った龍太郎(りゅうたろう)は、差出人不明の手紙で屋上に呼び出される。  待っていたのは、見違えるような美少女。 『キミのことが好きです!』  これはもらった、と興奮するのもつかの間、彼女の様子が見るからにおかしいことに気付く。テンプレートしか話さないのだ。  荒ぶる少女と、それに付き合う龍太郎。一緒に行動する間にも、龍太郎の疑問は積み重なっていく。  そして、違和感が耐えきれなくなった日。彼女が告げた言葉。 「『好き』って、なんだろう……」  この言葉をきっかけにして、彼女の『好き』を探す旅が始まる……。  ※完結まで毎日連載です。内部では既に完結しています。 ※小説家になろう、ハーメルン、pixivにも同一作品を投稿しています。

処理中です...