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8章 ダンジョンを守れ ~異種族間同盟~
一瞬で
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─────ヴィフガルド傭兵団の訓練場にて。
「そういえば、まだ貴様の名を聞いてなかったな」
「──────レクスです」
「ほう…………レクス、か………。私は、アンニカ=クレイアハルトだ」
家名があるってことは、貴族か…………。久しぶりだなぁ………誰か別の貴族と会うなんて。
「フル。貴女に審判をお願いするわ」
アンニカは近くにいた少女にそう声をかけた。
「は、はい、喜んで!」
何で僕の時だけ口調がきつ目なんだろう…………。やっぱり、僕が気にくわないからだよね。
「そ、それでは、これより決闘を執り行います! ル、ルールは──────」
「どっちかが倒れるまででいい」
アンニカは手に持ったメイスを構えながらそう言った。
「─────どっ、どっちかが倒れるまでです! 両者、構えて下さい! ──────始め!」
アンニカは開始の合図と共にレクスに向かって突っ込んでくる。メイスという長い丈の武器を持っているにも関わらず、その動きは機敏だ。
「ふっ!」
思い切りメイスを振るうアンニカ。レクスはそれを剣で受け止め─────られなかった。重い衝撃にレクスの体は宙を舞う。
「脆弱だな。それでよくもまあ、あんな大口を叩けたものだ」
追い討ちとばかりに迫るアンニカ。無防備な鳩尾を目掛けて、一発─────。
「油断大敵ですよ」
「───────!?」
レクスは、強引にくるりと身体を一回転させて、背後に回り込む。スカッとアンニカの剣が空を切る。
「うっ…………!?」
ドゴッ!と鈍い音と共に、アンニカが地に倒れる。レクスが柄の部分でアンニカの背中を軽く殴りつけたのだ。
「………………まだやりますか?」
剣の切っ先をアンニカに突き付け、そう言うレクス。
「…………いいや、私の負けだ」
苦笑してそう言うアンニカ。レクスは剣を鞘に収める。
「…………油断していたのは、どうやら私の方だったらしいな。同世代ならともかく、私より下の世代には負けないと思ったのだがな…………どうやら世界は広いらしい」
「…………いえ、アンニカさんも十分強かったですよ」
「ふっ…………きさ………いや、レクス。お前、まだ本気を出していないだろう?」
ニヤリ…………と笑いながらそう言うアンニカ。レクスは見抜かれた事に、うっ…………と罰の悪そうな顔をする。
「私だって、何年も傭兵やってんだ。それくらい、わかるさ。まあ、理由あっての事だろうから、そう深くは問い詰めないでおこう」
その言葉を聞いたレクスは、ほっ…………と息を着いた。少し怒られるかもしれないと思ったからだ。
「そういえば、レクス。お前は商業ギルドの護衛を雇うためにここに来たんだったな」
立ち上がりながら、そう言うアンニカ。レクスはええ、と頷いて肯定する。
「それなら、一つだけ条件を飲んでくれたら、何人でも貸してやろう」
一つかぁ…………。まあ、確かにただ傭兵を雇うだけじゃ、あっちにメリットがないもんね。
「いいですよ」
「ほ、本当か!?」
「え、ええ…………」
レクスの返答に食い気味に聞き返すアンニカ。心なしか、少し興奮している気がする。その証拠に鼻息が荒い。本人は一生懸命隠しているつもりだろうが、バレバレだ。
「なら、続きは団長室で話そう。こっちへ来い」
手招きするアンニカの後に続いて、レクスは訓練場を後にした。
◇◆◇◆◇
「──────それで、条件ってなんですか?」
レクスはアンニカにそう尋ねる。かれこれ30分。アンニカは何も言わずに、ただ恥ずかしそうに椅子に座っているだけ。これ以上待つのもあれなので、レクスから切り出すことにしたのだ。
「そ、その、引いたりしないだろうか?」
え、何を? 何か嫌な予感がするけど…………ええい、ここは思いきって!
「引かないですから」
「そ、そうか。では、い、言うぞ!」
せめてましな条件でありますように──────。
「──────私達の罵倒係になってくれ!!」
「……………………は?」
レクスの希望が断たれた瞬間だった。
「そういえば、まだ貴様の名を聞いてなかったな」
「──────レクスです」
「ほう…………レクス、か………。私は、アンニカ=クレイアハルトだ」
家名があるってことは、貴族か…………。久しぶりだなぁ………誰か別の貴族と会うなんて。
「フル。貴女に審判をお願いするわ」
アンニカは近くにいた少女にそう声をかけた。
「は、はい、喜んで!」
何で僕の時だけ口調がきつ目なんだろう…………。やっぱり、僕が気にくわないからだよね。
「そ、それでは、これより決闘を執り行います! ル、ルールは──────」
「どっちかが倒れるまででいい」
アンニカは手に持ったメイスを構えながらそう言った。
「─────どっ、どっちかが倒れるまでです! 両者、構えて下さい! ──────始め!」
アンニカは開始の合図と共にレクスに向かって突っ込んでくる。メイスという長い丈の武器を持っているにも関わらず、その動きは機敏だ。
「ふっ!」
思い切りメイスを振るうアンニカ。レクスはそれを剣で受け止め─────られなかった。重い衝撃にレクスの体は宙を舞う。
「脆弱だな。それでよくもまあ、あんな大口を叩けたものだ」
追い討ちとばかりに迫るアンニカ。無防備な鳩尾を目掛けて、一発─────。
「油断大敵ですよ」
「───────!?」
レクスは、強引にくるりと身体を一回転させて、背後に回り込む。スカッとアンニカの剣が空を切る。
「うっ…………!?」
ドゴッ!と鈍い音と共に、アンニカが地に倒れる。レクスが柄の部分でアンニカの背中を軽く殴りつけたのだ。
「………………まだやりますか?」
剣の切っ先をアンニカに突き付け、そう言うレクス。
「…………いいや、私の負けだ」
苦笑してそう言うアンニカ。レクスは剣を鞘に収める。
「…………油断していたのは、どうやら私の方だったらしいな。同世代ならともかく、私より下の世代には負けないと思ったのだがな…………どうやら世界は広いらしい」
「…………いえ、アンニカさんも十分強かったですよ」
「ふっ…………きさ………いや、レクス。お前、まだ本気を出していないだろう?」
ニヤリ…………と笑いながらそう言うアンニカ。レクスは見抜かれた事に、うっ…………と罰の悪そうな顔をする。
「私だって、何年も傭兵やってんだ。それくらい、わかるさ。まあ、理由あっての事だろうから、そう深くは問い詰めないでおこう」
その言葉を聞いたレクスは、ほっ…………と息を着いた。少し怒られるかもしれないと思ったからだ。
「そういえば、レクス。お前は商業ギルドの護衛を雇うためにここに来たんだったな」
立ち上がりながら、そう言うアンニカ。レクスはええ、と頷いて肯定する。
「それなら、一つだけ条件を飲んでくれたら、何人でも貸してやろう」
一つかぁ…………。まあ、確かにただ傭兵を雇うだけじゃ、あっちにメリットがないもんね。
「いいですよ」
「ほ、本当か!?」
「え、ええ…………」
レクスの返答に食い気味に聞き返すアンニカ。心なしか、少し興奮している気がする。その証拠に鼻息が荒い。本人は一生懸命隠しているつもりだろうが、バレバレだ。
「なら、続きは団長室で話そう。こっちへ来い」
手招きするアンニカの後に続いて、レクスは訓練場を後にした。
◇◆◇◆◇
「──────それで、条件ってなんですか?」
レクスはアンニカにそう尋ねる。かれこれ30分。アンニカは何も言わずに、ただ恥ずかしそうに椅子に座っているだけ。これ以上待つのもあれなので、レクスから切り出すことにしたのだ。
「そ、その、引いたりしないだろうか?」
え、何を? 何か嫌な予感がするけど…………ええい、ここは思いきって!
「引かないですから」
「そ、そうか。では、い、言うぞ!」
せめてましな条件でありますように──────。
「──────私達の罵倒係になってくれ!!」
「……………………は?」
レクスの希望が断たれた瞬間だった。
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