スキル『日常動作』は最強です ゴミスキルとバカにされましたが、実は超万能でした

メイ(旧名:Mei)

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8章 ダンジョンを守れ ~異種族間同盟~

ユグドラシルを追い求め⑧

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 エレナ達は現在、コウリン樹海の中を走っていた。というのも、最初は空を飛んで探した方が早いんじゃない? というようなことを提案したエレナだったが、トラランカいわく、空からユグドラシルは見えないらしい。ここに来る道中も飛べば良かったと思っていたエレナだったが、トラランカの言葉に納得したように頷いた。ゆえに、このような状態になったのだが…………。


「あとどれくらい!?」


「あともう少しで着く、はず…………!」


 カレンの言葉に途切れ途切れながら答えるトラランカ。トラランカの表情は少し苦しそうだ。ただでさえ、常人よりもかけ離れたスピードを持つエレナ達。エレナ達はトラランカに合わせているのだが、トラランカは速く走らねえと…………! の一心で走っている。エレナ達が速すぎるから。


「見えてきたよ! あれが、ユグドラシルだよ!」


 トラランカが指差す先には、巨大な大樹が圧倒的な存在感を放ちながら立っていた。


「この感じ…………ユグドラシルに、魔力が注がれてる…………」


 エレナはそう言った。そう。ユグドラシルに何者かが魔力を注ぎ込んでいるような気配がするのだ。今も継続して注ぎ続けているようだ。


「…………来る」


 カレンが警戒体勢に入る。他の面々も警戒体勢を取る。


「─────おや、来客のようですな」


 ユグドラシルの裏側から、騎士団風のドワーフ族の男性と剣を腰に携えたドワーフ族の少年が現れた。


「それに、四人ともお綺麗ではないですか。こちらにいるニューヴィーの『聖女』候補にでもどうです?」


 テギルはそんなことを言った。その顔には張り付けたような笑みが浮かんでいた。エレナ達もそれに気づいていた。


「この気配、まさか…………」


 しかも、先程のテギルの発言。『聖女』というワード。まさか、この少年、ニューヴィーは─────


「お察しの通り、ニューヴィーはドワーフ族の勇者ですぞ」


 テギルがエレナの考えていることを代弁するかのようにそう言った。


「いや、この四人は聖女候補にいらない」


 ニューヴィーは、四人をバッサリ切った。なんか振られたみたいになっているが、こんな少年、こっちから願い下げである。こんな少年より、レクスの方がよっぽどいい。


「そうですか。まあ、いいです。それよりも────貴女達は何をしにここへ? 私達は魔力が枯渇しているユグドラシルに魔力を注いでいたところなのですが」


「─────どう見ても、ユグドラシルの魔力は枯渇してないわ。むしろ、過剰よ。今すぐやめなさい」


 ミーシャはそう言った。これ以上魔物が集ってくるのも面倒なのだ。面倒事を増やさないで欲しい。早くしないと、レクスが助からなくなってしまうから。


「それはできない相談ですな。ユグドラシルの魔力が枯渇しておりますゆえ。それとも、なんですかな? 貴女達は『侵略者』ですかな? もしそうなら、容赦はしませんが」


 こちらを睨みつけながらそう言うテギル。『侵略者』という言葉に反応した勇者、ニューヴィーは怒りの表情を滲ませていた。これでは、あのテギルとかいう男の目論み通りになってしまう。


「…………お前ら、『侵略者』なのか?」


「…………は? いや、違うけど─────」


 否定しようとしたミーシャ。しかし、もう遅い。既にニューヴィーは冷静さを失っていた。


「ニューヴィー、彼らをやってしまいなさい。ユグドラシルを守るのです」


 ニューヴィーに囁くようにそう言った。これで、ニューヴィーの心は完全に憎悪に支配された。


「『侵略者』め…………。覚悟っ!!」


 そう叫ぶと、ニューヴィーは斬りかかってきたのだった。
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