スキル『日常動作』は最強です ゴミスキルとバカにされましたが、実は超万能でした

メイ(旧名:Mei)

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8章 ダンジョンを守れ ~異種族間同盟~

ユグドラシルを追い求め⑦

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「ユグドラシル? なんで今っ…………!」


 トラランカは襲いかかってくる魔物を切り伏せながらそう言った。息は切れ切れで、荒い。剣を振るう速度も最初に比べて落ちてきており、このままでは魔物の餌食になってしまいかねない。


「シュエイル! ここは、任せてもいい?」


「オッケー!」


 シュエイルは余裕の表情でそう答えた。まだまだ余力はあるようだ。カレンは、シュエイルに魔物を任せると、すぐにトラランカの方に援護に入る。


「…………ユグドラシル…………そういうこと………」


 エレナもカレンの先程の発言に納得したように頷く。これを止めるには、このコウリン樹海の中心にあるユグドラシルをなんとかしなければならないということに気づいたのだ。他の面々も、カレンの発言の真意に気づいたのか、なるほど…………と頷いていた。


「カレン…………悪い、ね…………」


 トラランカはカレンが援護しに来てくれたことに感謝する。


「ところで、カレン…………なんでユグドラシルなの…………?」


「この魔物の大群。四方八方から押し寄せてきてるんだ」


 ドパァン、ドパァン! と魔力弾を撃ちながら、そう言うカレン。その表情に苦しさはない。


「魔物がどこか特定の場所から発生しているのなら、魔物は一列になってこっちに向かってきててもおかしくない。だけど、そうじゃない。だとすると、ここに魔物を集めてる司令塔がいることになる。このコウリン樹海の中心的な存在と言えば─────」


「─────ユグドラシル。そういう、こと…………」


 ピンときた顔でそう言うトラランカ。すぐには息を整えられないのか、息は途切れ途切れだ。


「ここは、私達でなんとかするわ。だから────エレナ、カレン、トラランカ、それとルーパ。ユグドラシルに行ってちょうだい」


 魔法を連発しながらそう言うミーシャ。その顔は、覚悟を決めたような目をしている。


「そんなに離れたら、ミーシャ達が危な────」


「………………分かった」


 カレンの言葉を遮って頷くエレナ。どうやらミーシャの覚悟をしっかりと受け止めたようだ。


「ちょ、ちょっと、エレナ」


「…………ユグドラシルを、どうにかしないと……あの魔物達も引かない。………ミーシャ達の覚悟を無駄にしないためにも、行く…………」


 エレナはカレンにそう言った。エレナの言う通りだ。なんだかんだ言い訳して、結局自分が行って失敗したらどうしようかと、そんな臆病な感情がカレンの中にあった。冷静に考えてみれば、ミーシャ達がそんなに簡単にやられるはずがない。ここは、自分も覚悟を決めて。


「…………分かった」


 カレンは頷いた。


「絶対になんとかしてみせるから」


 カレンはそう付け加えて言うと、エレナ達と共にユグドラシルへと向かっていった。



◇◆◇◆◇


 とある場所にて─────


「いい調子ですな」


「そう?」


「魔力の扱い方が前よりもうまくなっております。この調子でいけば、魔法も扱えるようになるでしょうな」


「やったー!」


 剣やら鎧やらを装備した、いかにも騎士団風のドワーフ族の男性────テギルの言葉に、素直に喜ぶドワーフ族の少年────ニューヴィー。


「このまま魔力が尽きる寸前まで結晶に魔力を注いで下さい。そうすれば、限界魔力量も上がります」


 分かった! と純粋な笑顔で頷き、それを実行するニューヴィー。そんなニューヴィーを見て、ククク…………と嗤うテギル。その顔は、歪みに歪んだ極悪人のような顔だった。


「本当、純粋だ…………」


 テギルは心の中で高笑いをしたのだった。
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