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8章 ダンジョンを守れ ~異種族間同盟~
ユグドラシルを追い求め⑥
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「この魔物の数…………多すぎる」
トラランカは周りにいる魔物の数を見てそう呟いた。こんな少数…………でもないけど、そこそこ人数のいるパーティーにこの魔物の数は異常だ。もしかすると─────
「思った以上に深刻なのかも…………」
ユグドラシルだけではなく、もしかするとコウリン樹海全体が魔物化しているかもしれない。じゃなければ、このような魔物の大群がエレナ達に押し寄せてくる理由が説明できないのだ。
「フォオオォォォォ─────!!」
六足歩行の奇妙な魔物がエレナ達に襲いかかる。なんというか、走り方が気持ち悪い。見た人によっては吐き気をもよおす人もいるかもしれない。
「『鋭刃』!」
トラランカが刀身を抜いて、六足歩行の魔物を一刀両断。六足歩行の魔物はフォオオアアアァァァ!? とこれまた奇妙な悲鳴をあげて絶命した。このコウリン樹海、魔物が全て紫色なので、かえって奇妙な魔物ばかりに見えてしまう。
「グルウオオオォォォ!!」
「ゴアアアァァァ!」
「ギエエエェェェ!!」
それがまるで合図でもあるかのように、一斉に突っ込んでくる魔物の大群。
「『分解』!」
ミーシャが目にも留まらぬ速さで動き、次々に魔物を分解していく。一匹、二匹、三匹─────
「水円刃!」
エレナがそう唱えると、複数の水の刃が飛び交った。それは次々に魔物を屠っていく。しかし、一向に数が減らない。これではじり貧だ。そのうち大群に埋もれてしまうだろう。
「貫け…………硬蔓」
ルーパが硬い蔓を呼び出す。土がボコボコ! と音を立てる。土から硬い蔓が勢いよく伸びて──────魔物達に突き刺さる。けたたましい悲鳴が響き渡る。あまりにうるさすぎて、思わず耳を塞いでしまう程には。それでもまだ、魔物は一向に減る気配すらない。それどころか増えてすらいるのだ。
「行けー! 『千縫針』!!」
シュエイルが魔法を発動。鋭く小さい針が魔物を貫通して縫うように進んでいく。針自体は小さいが、急所に突き刺さっているので確実に致命傷になっている。相も変わらず悲鳴は止まない。
「数が多いのだ!! めんどいのだ!」
「うわ!?」
気づけば、ティーナは黒竜と化していた。その巨大な腕を振るい、巨大な大樹ごと引き倒して魔物を蹴散らす。勿論、エレナ達に被害が及ばないように。
「ティ、ティーナだよね? 声は大分違うけど…………しゃべり方からして」
魔物達を切り伏せながら尋ねるトラランカ。自己紹介は以前に済ましてあるので、名前は一通り知っているのだ。
「そうだ!」
ティーナは野太い声で返事をした。
「魔物の発生源…………もしくは魔物がどこから群がってくるのか分かれば…………」
カレンは考えた。この大量の魔力反応から察するにどこからか魔物が湧いてきているという可能性は低い。前者の可能性は消える。しかし、これでは四方八方から魔物が集まってきているのでどこから集まってきているのか皆目検討もつかない。
「…………ん? 四方八方…………?」
カレンはあることに気づいた。この森の四方八方から集まってきているのだ、この魔物達は。それすなわち─────
「…………ユグドラシル」
このコウリン樹海の中心はおそらくユグドラシルだ。ユグドラシルがこの魔物達を呼び寄せている可能性は、考えられないだろうか? というか、これが一番可能性が高そうだ。
「トラランカ! ユグドラシルってどこにあるの!?」
トラランカは周りにいる魔物の数を見てそう呟いた。こんな少数…………でもないけど、そこそこ人数のいるパーティーにこの魔物の数は異常だ。もしかすると─────
「思った以上に深刻なのかも…………」
ユグドラシルだけではなく、もしかするとコウリン樹海全体が魔物化しているかもしれない。じゃなければ、このような魔物の大群がエレナ達に押し寄せてくる理由が説明できないのだ。
「フォオオォォォォ─────!!」
六足歩行の奇妙な魔物がエレナ達に襲いかかる。なんというか、走り方が気持ち悪い。見た人によっては吐き気をもよおす人もいるかもしれない。
「『鋭刃』!」
トラランカが刀身を抜いて、六足歩行の魔物を一刀両断。六足歩行の魔物はフォオオアアアァァァ!? とこれまた奇妙な悲鳴をあげて絶命した。このコウリン樹海、魔物が全て紫色なので、かえって奇妙な魔物ばかりに見えてしまう。
「グルウオオオォォォ!!」
「ゴアアアァァァ!」
「ギエエエェェェ!!」
それがまるで合図でもあるかのように、一斉に突っ込んでくる魔物の大群。
「『分解』!」
ミーシャが目にも留まらぬ速さで動き、次々に魔物を分解していく。一匹、二匹、三匹─────
「水円刃!」
エレナがそう唱えると、複数の水の刃が飛び交った。それは次々に魔物を屠っていく。しかし、一向に数が減らない。これではじり貧だ。そのうち大群に埋もれてしまうだろう。
「貫け…………硬蔓」
ルーパが硬い蔓を呼び出す。土がボコボコ! と音を立てる。土から硬い蔓が勢いよく伸びて──────魔物達に突き刺さる。けたたましい悲鳴が響き渡る。あまりにうるさすぎて、思わず耳を塞いでしまう程には。それでもまだ、魔物は一向に減る気配すらない。それどころか増えてすらいるのだ。
「行けー! 『千縫針』!!」
シュエイルが魔法を発動。鋭く小さい針が魔物を貫通して縫うように進んでいく。針自体は小さいが、急所に突き刺さっているので確実に致命傷になっている。相も変わらず悲鳴は止まない。
「数が多いのだ!! めんどいのだ!」
「うわ!?」
気づけば、ティーナは黒竜と化していた。その巨大な腕を振るい、巨大な大樹ごと引き倒して魔物を蹴散らす。勿論、エレナ達に被害が及ばないように。
「ティ、ティーナだよね? 声は大分違うけど…………しゃべり方からして」
魔物達を切り伏せながら尋ねるトラランカ。自己紹介は以前に済ましてあるので、名前は一通り知っているのだ。
「そうだ!」
ティーナは野太い声で返事をした。
「魔物の発生源…………もしくは魔物がどこから群がってくるのか分かれば…………」
カレンは考えた。この大量の魔力反応から察するにどこからか魔物が湧いてきているという可能性は低い。前者の可能性は消える。しかし、これでは四方八方から魔物が集まってきているのでどこから集まってきているのか皆目検討もつかない。
「…………ん? 四方八方…………?」
カレンはあることに気づいた。この森の四方八方から集まってきているのだ、この魔物達は。それすなわち─────
「…………ユグドラシル」
このコウリン樹海の中心はおそらくユグドラシルだ。ユグドラシルがこの魔物達を呼び寄せている可能性は、考えられないだろうか? というか、これが一番可能性が高そうだ。
「トラランカ! ユグドラシルってどこにあるの!?」
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