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8章 ダンジョンを守れ ~異種族間同盟~
ユグドラシルを追い求め⑪
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「テギルさんは! テギルさん…………!」
ニューヴィーは、そんなことを呟く。今はそれに構っている暇はないので、とりあえずニューヴィーをユグドラシルから遠ざけるカレン。こういったところは年相応の少年である。
「さあ、ユグドラシルよ! あいつらを殺せ!!」
「ゴルアアアァァァァ!!!」
唸るように叫んだユグドラシルは、エレナ達に向かって魔法を発動。ユグドラシルから葉っぱが落ちたかと思うと、鋭いギザギザの刃が葉についており、襲いかかってきていた。
エレナは障壁を展開して、みんなの身を守ろうとする。葉はいとも容易く弾かれ、地面に落ちて勢いを失ったかと思えば──────
ボガアアァァァァァン!!
「───────!?」
葉が大きな爆発を引き起こした。何枚も落ちてくる葉を障壁で受け止めたので、周辺にはほぼ逃げ場がないくらいに爆発が広まっていた。
「…………思ったよりも、威力はない…………」
エレナは、そんなことを呟いた。思っていたほど威力的には大したことはなく、見かけだけだった。
「ユグドラシルは…………!?」
カレンはユグドラシルの姿が見当たらないことに驚き、急いで探す。しかし、いくら探しても見つからない。いったいどこに消えたのか。
「──────ゴルアアアァァァァ!!」
ユグドラシルは、エレナ達の背後に現れた。ユグドラシルは、執拗にカレンを狙っており、カレンの首を目掛けて腕を振るう。腕はしなるように動き、当たれば一溜まりもない。
カレンの首をユグドラシルの腕が掠め────なかった。ユグドラシルが攻撃したのはカレンの残像であり、カレンの残像は攻撃した瞬間、ふっと消えた。
「そういえば威力は大したことなかったんだっけ」
一心不乱に腕を振るい、遂には枝や根まで使って攻撃を繰り出していた。しかし、攻撃しているのは全て残像だ。カレンが魔法を使ってユグドラシルを錯覚させているからだ。
では、当のエレナ達はと言うと──────
「やっぱり、あれは人形…………間違いない」
木の陰から様子を窺っていた。ルーパがあのユグドラシルは本物のユグドラシルではないという。ユグドラシルを模して作った偽物だというのだ。
「生命力を感じない…………」
「でも、なんでわざわざユグドラシルの人形を作る必要があったのかしら…………?」
フィオナは疑問の声をあげた。そう、わざわざユグドラシルの人形を作るような手間のかかる真似をするのかがよくわからないのだ。
「多分、ユグドラシルの魔力収集が目的かもしれない………」
ルーパはそう言った。
「魔力収集?」
カレンが疑問の声をあげる。
「ユグドラシルの魔力は、他の魔力とは違う点がある…………。それは、さっきも言ったと思うけど魔力濃度が濃いことなの。魔力濃度が濃いと、通常の魔力の何十倍もの威力に変換できる……」
「つまり、使い方によっては脅威にもなるってこと?」
「うん…………」
「でも、じゃあ本物のユグドラシルはどこにいったのよ?」
フィオナが再び疑問を呈する。問題はそこだ。本物のユグドラシルはどこへいったのか。それを探さなければ、レクスは助からない。あの黒翼人族の男、ウルゲルクは時間稼ぎでもしているのだろう。
「ユグドラシルを見つけないと…………!」
カレンが焦ってそんなことを言っていると。
「見つけたぞ、あそこだ!」
どうやら幻覚が解けたらしく、目ざとくエレナ達を見つけたようだ。
「行け、ユグドラシル!」
「ゴルアアアァァァァ!!」
ユグドラシルは魔法を発動。エレナ達の周りを土壁で固め、周りに巨大な竜巻を作り出した。これでエレナ達の逃げ場はない。
「あわわわ…………!!」
トラランカは一人、この状況に慌てていた。
ニューヴィーは、そんなことを呟く。今はそれに構っている暇はないので、とりあえずニューヴィーをユグドラシルから遠ざけるカレン。こういったところは年相応の少年である。
「さあ、ユグドラシルよ! あいつらを殺せ!!」
「ゴルアアアァァァァ!!!」
唸るように叫んだユグドラシルは、エレナ達に向かって魔法を発動。ユグドラシルから葉っぱが落ちたかと思うと、鋭いギザギザの刃が葉についており、襲いかかってきていた。
エレナは障壁を展開して、みんなの身を守ろうとする。葉はいとも容易く弾かれ、地面に落ちて勢いを失ったかと思えば──────
ボガアアァァァァァン!!
「───────!?」
葉が大きな爆発を引き起こした。何枚も落ちてくる葉を障壁で受け止めたので、周辺にはほぼ逃げ場がないくらいに爆発が広まっていた。
「…………思ったよりも、威力はない…………」
エレナは、そんなことを呟いた。思っていたほど威力的には大したことはなく、見かけだけだった。
「ユグドラシルは…………!?」
カレンはユグドラシルの姿が見当たらないことに驚き、急いで探す。しかし、いくら探しても見つからない。いったいどこに消えたのか。
「──────ゴルアアアァァァァ!!」
ユグドラシルは、エレナ達の背後に現れた。ユグドラシルは、執拗にカレンを狙っており、カレンの首を目掛けて腕を振るう。腕はしなるように動き、当たれば一溜まりもない。
カレンの首をユグドラシルの腕が掠め────なかった。ユグドラシルが攻撃したのはカレンの残像であり、カレンの残像は攻撃した瞬間、ふっと消えた。
「そういえば威力は大したことなかったんだっけ」
一心不乱に腕を振るい、遂には枝や根まで使って攻撃を繰り出していた。しかし、攻撃しているのは全て残像だ。カレンが魔法を使ってユグドラシルを錯覚させているからだ。
では、当のエレナ達はと言うと──────
「やっぱり、あれは人形…………間違いない」
木の陰から様子を窺っていた。ルーパがあのユグドラシルは本物のユグドラシルではないという。ユグドラシルを模して作った偽物だというのだ。
「生命力を感じない…………」
「でも、なんでわざわざユグドラシルの人形を作る必要があったのかしら…………?」
フィオナは疑問の声をあげた。そう、わざわざユグドラシルの人形を作るような手間のかかる真似をするのかがよくわからないのだ。
「多分、ユグドラシルの魔力収集が目的かもしれない………」
ルーパはそう言った。
「魔力収集?」
カレンが疑問の声をあげる。
「ユグドラシルの魔力は、他の魔力とは違う点がある…………。それは、さっきも言ったと思うけど魔力濃度が濃いことなの。魔力濃度が濃いと、通常の魔力の何十倍もの威力に変換できる……」
「つまり、使い方によっては脅威にもなるってこと?」
「うん…………」
「でも、じゃあ本物のユグドラシルはどこにいったのよ?」
フィオナが再び疑問を呈する。問題はそこだ。本物のユグドラシルはどこへいったのか。それを探さなければ、レクスは助からない。あの黒翼人族の男、ウルゲルクは時間稼ぎでもしているのだろう。
「ユグドラシルを見つけないと…………!」
カレンが焦ってそんなことを言っていると。
「見つけたぞ、あそこだ!」
どうやら幻覚が解けたらしく、目ざとくエレナ達を見つけたようだ。
「行け、ユグドラシル!」
「ゴルアアアァァァァ!!」
ユグドラシルは魔法を発動。エレナ達の周りを土壁で固め、周りに巨大な竜巻を作り出した。これでエレナ達の逃げ場はない。
「あわわわ…………!!」
トラランカは一人、この状況に慌てていた。
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