273 / 454
8章 ダンジョンを守れ ~異種族間同盟~
うーん……これは困った
しおりを挟む
「それで、少年を保護したけど、ずっと魔法袋に入れっぱなしだったってことだね…………」
レクスは小さく溜め息をついた。少年を保護するのは構わないが、ちゃんと元の場所に返してあげないければ意味がない。しかもこの少年、ドワーフ国の勇者だという。これは更に厄介な事になりそうな気しかしない。
現在、レクスは執務を終えて自室でくつろいでいたところに、
「明日、この子の親とそのテギルさん…………って人を探せばいいんだよね?」
「うん…………」
エレナがレクスの言葉に頷いた。今日はもう遅いし、明日にした方がいいだろう。それを考えた上でレクスは明日と言ったのだ。
今はとりあえずシュエイルは泣き止んでいる。夕食を食べたことで少し落ち着きを取り戻したようだ。まあ、寝ているからというのもあるかもしれないが。
「ネム」
「はーい、お呼びですか? マスター」
ネムはそう言いながらレクスの首元から出てきた。その口調はいつも通り…………かはわからないが、とりあえず緩かった。
「うん。ネム、今さっきの話聞いてた?」
「バッチグーです! マスター!」
ネムは親指でサムズアップしながらそう言った。
「どこでそんな言葉を覚えたの…………?」
レクスは呆れたように溜め息を吐きながらそう言った。
「まあいいや。そんなことよりも、ネム。ちょっとテギルさんって人がどこにいるか探せるかな? さっき少年が言ってた特徴に合う人」
「分かりました! じゃあ、ちょっと広範囲を『見る』ことになるので、マスターの魔力も少し借ります」
ネムはそう言った。広範囲を見て回るので、ネムの力だけでは足りないようだ。レクスが頷いて了承すると、ネムは『見る』を発動する。
「うむむ…………」
ネムは唸りながらもテギルなる人物を探す。やはり広範囲を探すのは骨の折れる作業のようだ。当然だろう。ネムには負担をかけるようで悪いが、少しでも早くテギルを見つけておく必要がある。場合によっては…………なんてこともあるかもしれない。
暫くネムの探索が終わるのを待った。
「マスター、それらしき人物がいました! ですが…………」
ネムの表情には陰りが見えた。まさかの事態が起こっているのか─────と思う一堂。
「『ミューエル』にある建物の中の酒樽の近くで縛られたまま、限界だーーーー! とか大声で叫んでて、その、おもら──────」
「スト─────ップ!! 分かった、だいたい分かったから!」
頬を染めながら爆弾発言を始めようとするネムを大慌てで止めるレクス。とりあえず、無事だったことが分かっただけ収穫である。
「『ミューエル』…………またあそこに行くわけね。はぁ~…………めんどくさい」
ミーシャは溜め息を吐きながらそう言った。レクスが言える立場ではないが、少年を帰すのを忘れて連れ帰って来たからこういうことになっているのだと思った。
「話し合いはここまでにして、そろそろ寝ない? なんだか眠くなって来ちゃった…………」
カレンは欠伸をしながらそう言った。
「そうね。明日『ミューエル』に行けば分かることだし」
フィオナもカレンの言葉に同意するようにそう言った。
「それに、疲れが残ったまま探すのってよくないと思うのよ」
フィオナの言葉にみんなが頷いた。ニューヴィーやその周辺に関する話し合いはこれで切り上げ、たわいもない雑談を少々した後、みんな眠りにつくのだった。
レクスは小さく溜め息をついた。少年を保護するのは構わないが、ちゃんと元の場所に返してあげないければ意味がない。しかもこの少年、ドワーフ国の勇者だという。これは更に厄介な事になりそうな気しかしない。
現在、レクスは執務を終えて自室でくつろいでいたところに、
「明日、この子の親とそのテギルさん…………って人を探せばいいんだよね?」
「うん…………」
エレナがレクスの言葉に頷いた。今日はもう遅いし、明日にした方がいいだろう。それを考えた上でレクスは明日と言ったのだ。
今はとりあえずシュエイルは泣き止んでいる。夕食を食べたことで少し落ち着きを取り戻したようだ。まあ、寝ているからというのもあるかもしれないが。
「ネム」
「はーい、お呼びですか? マスター」
ネムはそう言いながらレクスの首元から出てきた。その口調はいつも通り…………かはわからないが、とりあえず緩かった。
「うん。ネム、今さっきの話聞いてた?」
「バッチグーです! マスター!」
ネムは親指でサムズアップしながらそう言った。
「どこでそんな言葉を覚えたの…………?」
レクスは呆れたように溜め息を吐きながらそう言った。
「まあいいや。そんなことよりも、ネム。ちょっとテギルさんって人がどこにいるか探せるかな? さっき少年が言ってた特徴に合う人」
「分かりました! じゃあ、ちょっと広範囲を『見る』ことになるので、マスターの魔力も少し借ります」
ネムはそう言った。広範囲を見て回るので、ネムの力だけでは足りないようだ。レクスが頷いて了承すると、ネムは『見る』を発動する。
「うむむ…………」
ネムは唸りながらもテギルなる人物を探す。やはり広範囲を探すのは骨の折れる作業のようだ。当然だろう。ネムには負担をかけるようで悪いが、少しでも早くテギルを見つけておく必要がある。場合によっては…………なんてこともあるかもしれない。
暫くネムの探索が終わるのを待った。
「マスター、それらしき人物がいました! ですが…………」
ネムの表情には陰りが見えた。まさかの事態が起こっているのか─────と思う一堂。
「『ミューエル』にある建物の中の酒樽の近くで縛られたまま、限界だーーーー! とか大声で叫んでて、その、おもら──────」
「スト─────ップ!! 分かった、だいたい分かったから!」
頬を染めながら爆弾発言を始めようとするネムを大慌てで止めるレクス。とりあえず、無事だったことが分かっただけ収穫である。
「『ミューエル』…………またあそこに行くわけね。はぁ~…………めんどくさい」
ミーシャは溜め息を吐きながらそう言った。レクスが言える立場ではないが、少年を帰すのを忘れて連れ帰って来たからこういうことになっているのだと思った。
「話し合いはここまでにして、そろそろ寝ない? なんだか眠くなって来ちゃった…………」
カレンは欠伸をしながらそう言った。
「そうね。明日『ミューエル』に行けば分かることだし」
フィオナもカレンの言葉に同意するようにそう言った。
「それに、疲れが残ったまま探すのってよくないと思うのよ」
フィオナの言葉にみんなが頷いた。ニューヴィーやその周辺に関する話し合いはこれで切り上げ、たわいもない雑談を少々した後、みんな眠りにつくのだった。
10
あなたにおすすめの小説
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます
六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。
彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。
優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。
それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。
その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。
しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。
※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。
詳細は近況ボードをご覧ください。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。
カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
【コミカライズ決定】勇者学園の西園寺オスカー~実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい~
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
【第5回一二三書房Web小説大賞コミカライズ賞】
~ポルカコミックスでの漫画化(コミカライズ)決定!~
ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。
学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。
何か実力を隠す特別な理由があるのか。
いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。
そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。
貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。
オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。
世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな!
※小説家になろう、カクヨム、pixivにも投稿中。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。