25 / 44
第二十五話 カンルイの森:討伐と採取依頼
しおりを挟む
《探知》を展開したままで魔法練習を終えた。
--まだ精度は甘いが、反応があった。一体いるようだ。
草むらが揺れ、ツノがついたウサギが飛び出してきた。
リノは小声で詠唱した。
「探知は一旦解除。--身体強化」
魔力を腕と脚に巡らせ、飛びかかってくるホーンラビットの軌道を読み、手のひらに魔力を集める。
「ストーンバレット!」
空中で石弾が形成--射出。
だが速度が甘く、ホーンラビットの脇を抉るだけで致命傷にならない。
「っ、まだ倒れないの!」
ホーンラビットが向きを変え再突進。リノは横に飛び、距離を取ると再び手に魔力を集めた。
今度は深呼吸し、一点集中。
「……ストーンバレット!」
石弾はホーンラビットの胸を貫き、そのまま転がり動かなくなる。
戦慄も興奮が同時に湧き上がる。
リノは急いでホーンラビットをアイテムボックスに入れた。
森の奥で唸り声。周囲を気にしつつ
「探知」
魔力の波紋が広がり、背後には反応がない。前方に反応あり。
一匹のフォレストウルフがホーンラビットを追って来たみたいだ。
「……来た。ちょっと怖いけど、距離をとるなら魔法の練度を試すいい機会だよね」
--狼の足が地面を蹴る瞬間、同時に詠唱。
「ウォーターカッター!」
水刃が走る。
だが狼は紙一重で回避し、左肩に浅く切り傷が。
(速い……次はタイミングを合わせる!)
飛びかかる狼--リノは滑るように回避し、至近距離で魔力を圧縮。手のひらの前で蒸気が震え、熱が生まれる。
「ファイアーボール!」
拳大の火球が狼の腹に命中、爆ぜるように燃え上がり狼は転がる。
そのまま息絶えたのを鑑定で確認し、アイテムボックスへ収納する。
少し森を歩いていると木の影に、糸が光った。
木の横幅ほどの巨大蜘蛛--毒袋を持つ危険種だ。
リノは即座に光を作り出す。
「ライト!」
明かりが灯り、影が消え、蜘蛛の位置がはっきりしてくる。
糸が唸り飛ぶ。
身体強化した足脚で跳躍し、木の根元へ転がりながら魔力の形を変えた。
「ストーンバレット!」
高速弾が蜘蛛の脚を貫くが、動きを止めない。
毒液が飛び散り、距離が詰まる。
(なら、切り裂こう)
左手に水の力を集中し、手刀の形で空を切る。
「--ウォーターカッター!」
狙いは胴の中心。
水刃は音もなく蜘蛛を断ち裂き、巨体が地面に崩れ落ちた。
リノは肩で息をしながら、それを鑑定。
《フォレストスパイダー ランクD 死亡》
毒袋も糸も損傷は軽い。回収可能だと知り安心した。
せっせとアイテムボックスに収納する。
魔力が身体の隅々で熱く脈打っている。
訓練はしてきたが、実践は別物。
恐怖、判断、詠唱、狙い、躊躇--その全てが試される。
けれど確かに、魔法は通じた。
リノは自分の手を見つめ、小さく息を吐く。
「……まだ怖いけど、やれる」
魔物との戦闘を一旦やめて、採取依頼へ移る。
探知で魔物の反応を探り、草を見つける度に鑑定して種類を確認。
青葉草、森ベリー、ひんやり草……
一つずつ慎重に採取し、依頼の数を満たすまで採取する。
途中、探知に反応があり、ワイルドチキンに襲われ、ストーンバレットを撃つが威力が足りず距離を詰められる。
焦るリノは身体強化で飛び退き、
「ファイアーボール!」と圧縮版を放つ。
熱に怯えたチキンの首元へ、
練習で精度を上げたストーンバレットを撃ち、動きを止めた。
また一体討伐。
鑑定をして《ワイルドチキン ランクD 死亡》と確認をし、そのままアイテムボックスへ。
その後も、
・探知で魔物を察知
・練習した魔法で試しながら撃破
・採取対象を確認→鑑定→丁寧に採る
というサイクルを繰り返し、日が傾く頃には依頼品の数も揃っていた。
帰り道、身体強化を解除すると膝が笑い、自分はまだ体がついていっていないのだと実感する。
「でも……魔法、前より扱えるようになってる」
リノは小さく笑い、アイテムボックスを確認して森を後にした。
--まだ精度は甘いが、反応があった。一体いるようだ。
草むらが揺れ、ツノがついたウサギが飛び出してきた。
リノは小声で詠唱した。
「探知は一旦解除。--身体強化」
魔力を腕と脚に巡らせ、飛びかかってくるホーンラビットの軌道を読み、手のひらに魔力を集める。
「ストーンバレット!」
空中で石弾が形成--射出。
だが速度が甘く、ホーンラビットの脇を抉るだけで致命傷にならない。
「っ、まだ倒れないの!」
ホーンラビットが向きを変え再突進。リノは横に飛び、距離を取ると再び手に魔力を集めた。
今度は深呼吸し、一点集中。
「……ストーンバレット!」
石弾はホーンラビットの胸を貫き、そのまま転がり動かなくなる。
戦慄も興奮が同時に湧き上がる。
リノは急いでホーンラビットをアイテムボックスに入れた。
森の奥で唸り声。周囲を気にしつつ
「探知」
魔力の波紋が広がり、背後には反応がない。前方に反応あり。
一匹のフォレストウルフがホーンラビットを追って来たみたいだ。
「……来た。ちょっと怖いけど、距離をとるなら魔法の練度を試すいい機会だよね」
--狼の足が地面を蹴る瞬間、同時に詠唱。
「ウォーターカッター!」
水刃が走る。
だが狼は紙一重で回避し、左肩に浅く切り傷が。
(速い……次はタイミングを合わせる!)
飛びかかる狼--リノは滑るように回避し、至近距離で魔力を圧縮。手のひらの前で蒸気が震え、熱が生まれる。
「ファイアーボール!」
拳大の火球が狼の腹に命中、爆ぜるように燃え上がり狼は転がる。
そのまま息絶えたのを鑑定で確認し、アイテムボックスへ収納する。
少し森を歩いていると木の影に、糸が光った。
木の横幅ほどの巨大蜘蛛--毒袋を持つ危険種だ。
リノは即座に光を作り出す。
「ライト!」
明かりが灯り、影が消え、蜘蛛の位置がはっきりしてくる。
糸が唸り飛ぶ。
身体強化した足脚で跳躍し、木の根元へ転がりながら魔力の形を変えた。
「ストーンバレット!」
高速弾が蜘蛛の脚を貫くが、動きを止めない。
毒液が飛び散り、距離が詰まる。
(なら、切り裂こう)
左手に水の力を集中し、手刀の形で空を切る。
「--ウォーターカッター!」
狙いは胴の中心。
水刃は音もなく蜘蛛を断ち裂き、巨体が地面に崩れ落ちた。
リノは肩で息をしながら、それを鑑定。
《フォレストスパイダー ランクD 死亡》
毒袋も糸も損傷は軽い。回収可能だと知り安心した。
せっせとアイテムボックスに収納する。
魔力が身体の隅々で熱く脈打っている。
訓練はしてきたが、実践は別物。
恐怖、判断、詠唱、狙い、躊躇--その全てが試される。
けれど確かに、魔法は通じた。
リノは自分の手を見つめ、小さく息を吐く。
「……まだ怖いけど、やれる」
魔物との戦闘を一旦やめて、採取依頼へ移る。
探知で魔物の反応を探り、草を見つける度に鑑定して種類を確認。
青葉草、森ベリー、ひんやり草……
一つずつ慎重に採取し、依頼の数を満たすまで採取する。
途中、探知に反応があり、ワイルドチキンに襲われ、ストーンバレットを撃つが威力が足りず距離を詰められる。
焦るリノは身体強化で飛び退き、
「ファイアーボール!」と圧縮版を放つ。
熱に怯えたチキンの首元へ、
練習で精度を上げたストーンバレットを撃ち、動きを止めた。
また一体討伐。
鑑定をして《ワイルドチキン ランクD 死亡》と確認をし、そのままアイテムボックスへ。
その後も、
・探知で魔物を察知
・練習した魔法で試しながら撃破
・採取対象を確認→鑑定→丁寧に採る
というサイクルを繰り返し、日が傾く頃には依頼品の数も揃っていた。
帰り道、身体強化を解除すると膝が笑い、自分はまだ体がついていっていないのだと実感する。
「でも……魔法、前より扱えるようになってる」
リノは小さく笑い、アイテムボックスを確認して森を後にした。
86
あなたにおすすめの小説
のほほん異世界暮らし
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。
それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。
転生能無し少女のゆるっとチートな異世界交流
犬社護
ファンタジー
10歳の祝福の儀で、イリア・ランスロット伯爵令嬢は、神様からギフトを貰えなかった。その日以降、家族から【能無し・役立たず】と罵られる日々が続くも、彼女はめげることなく、3年間懸命に努力し続ける。
しかし、13歳の誕生日を迎えても、取得魔法は1個、スキルに至ってはゼロという始末。
遂に我慢の限界を超えた家族から、王都追放処分を受けてしまう。
彼女は悲しみに暮れるも一念発起し、家族から最後の餞別として貰ったお金を使い、隣国行きの列車に乗るも、今度は山間部での落雷による脱線事故が起きてしまい、その衝撃で車外へ放り出され、列車もろとも崖下へと転落していく。
転落中、彼女は前世日本人-七瀬彩奈で、12歳で水難事故に巻き込まれ死んでしまったことを思い出し、現世13歳までの記憶が走馬灯として駆け巡りながら、絶望の淵に達したところで気絶してしまう。
そんな窮地のところをランクS冒険者ベイツに助けられると、神様からギフト《異世界交流》とスキル《アニマルセラピー》を貰っていることに気づかされ、そこから神鳥ルウリと知り合い、日本の家族とも交流できたことで、人生の転機を迎えることとなる。
人は、娯楽で癒されます。
動物や従魔たちには、何もありません。
私が異世界にいる家族と交流して、動物や従魔たちに癒しを与えましょう!
異世界もふもふ食堂〜僕と爺ちゃんと魔法使い仔カピバラの味噌スローライフ〜
山いい奈
ファンタジー
味噌蔵の跡継ぎで修行中の相葉壱。
息抜きに動物園に行った時、仔カピバラに噛まれ、気付けば見知らぬ場所にいた。
壱を連れて来た仔カピバラに付いて行くと、着いた先は食堂で、そこには10年前に行方不明になった祖父、茂造がいた。
茂造は言う。「ここはいわゆる異世界なのじゃ」と。
そして、「この食堂を継いで欲しいんじゃ」と。
明かされる村の成り立ち。そして村人たちの公然の秘め事。
しかし壱は徐々にそれに慣れ親しんで行く。
仔カピバラのサユリのチート魔法に助けられながら、味噌などの和食などを作る壱。
そして一癖も二癖もある食堂の従業員やコンシャリド村の人たちが繰り広げる、騒がしくもスローな日々のお話です。
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
僕のギフトは規格外!?〜大好きなもふもふたちと異世界で品質開拓を始めます〜
犬社護
ファンタジー
5歳の誕生日、アキトは不思議な夢を見た。舞台は日本、自分は小学生6年生の子供、様々なシーンが走馬灯のように進んでいき、突然の交通事故で終幕となり、そこでの経験と知識の一部を引き継いだまま目を覚ます。それが前世の記憶で、自分が異世界へと転生していることに気付かないまま日常生活を送るある日、父親の職場見学のため、街中にある遺跡へと出かけ、そこで出会った貴族の幼女と話し合っている時に誘拐されてしまい、大ピンチ! 目隠しされ不安の中でどうしようかと思案していると、小さなもふもふ精霊-白虎が救いの手を差し伸べて、アキトの秘めたる力が解放される。
この小さき白虎との出会いにより、アキトの運命が思わぬ方向へと動き出す。
これは、アキトと訳ありモフモフたちの起こす品質開拓物語。
異世界で 友達たくさん できました ~気づいた時には 人脈チート~
やとり
ファンタジー
気づけば突然異世界に迷い込んでしまった主人公。目の前にいた、自身を神の補佐と名乗る天使に(一応美少女)、異世界について教わることに。
そして始まった異世界での生活は、様々な種族や立場の(個性的な)人に出会ったり、魔界に連れていかれたり、お城に招待されたり……。
そんな中、果たして主人公はどのような異世界生活を送るのだろうか。
異世界に迷い込んだ主人公が、現地の様々な人と交流をしたり、一緒に何かを作ったり、問題をなんとかしようと考えたりするお話です。
山も谷も大きくなく、話の内容も比較的のんびり進行です。
現在は火曜日と土曜日の朝7時半に投稿予定です。
感想等、何かありましたら気軽にコメントいただけますと嬉しいです!
※カクヨム様、小説家になろう様にも投稿しています
異世界に転移したらぼっちでした〜観察者ぼっちーの日常〜
キノア9g
ファンタジー
※本作はフィクションです。
「異世界に転移したら、ぼっちでした!?」
20歳の普通の会社員、ぼっちーが目を覚ましたら、そこは見知らぬ異世界の草原。手元には謎のスマホと簡単な日用品だけ。サバイバル知識ゼロでお金もないけど、せっかくの異世界生活、ブログで記録を残していくことに。
一風変わったブログ形式で、異世界の日常や驚き、見知らぬ土地での発見を綴る異世界サバイバル記録です!地道に生き抜くぼっちーの冒険を、どうぞご覧ください。
毎日19時更新予定。
いらないスキル買い取ります!スキル「買取」で異世界最強!
町島航太
ファンタジー
ひょんな事から異世界に召喚された木村哲郎は、救世主として期待されたが、手に入れたスキルはまさかの「買取」。
ハズレと看做され、城を追い出された哲郎だったが、スキル「買取」は他人のスキルを買い取れるという優れ物であった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる