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第三章
124.欠けていた答え合わせ
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魔王イヴリースの語った内容は、オレ達が予想したものに近かった。
女神はこの世界を乗っ取りを計画し、創造主である神を食った。この世界の住人を乱雑に扱う彼女の様子に、ドラゴン種の数匹が動き出す。創造主だった器の欠片をそれぞれの体内に隠したのだ。飲み込んだ欠片を持つ個体同士が婚姻し、子を成す。卵の中に隠した欠片を育て、また欠片を持つ個体同士が産んだ子と重ねていく。
気が遠くなる歳月をかけて、ドラゴン達は魔王を作り出した。それを知った吸血種やエルフも同調し、巨人族もその身を提供した。魔王がさまざま種族で言い伝えられた原因の一つがここにある。ヴラゴが語った表現とは違うが、本質は同じだった。
「あの場でドラゴンや吸血種が創造主の欠片を取り込んでいたと話せば、奴は無理をしても頭部を取り返そうとしたであろう」
無駄に命を捨てることはない。イヴリースの首を取り返したところで、そこに欠片は存在しないのだと言い切った。ヴラゴには多少表現をぼかしながら、話していたらしい。
関わった全ての種族は、魔王を生み出し守り抜いた。女神を封印し続けるために、どの種族も協力を惜しまなかった。……人間以外は。
「強欲な人間を作り出したのは、あの女神だからな」
その名残りが今の人間で、魔族と敵対するのは必然だったのかも知れない。死んだ魔族の亡骸を利用して作られた人間は、この世界の異物だった。だがイヴリースは同じ世界に住む者として、彼らを受け入れようとした。それが間違いの始まりだ。
女神が作った人間は世界にとってガン細胞だった。食い荒らし、本来の住人である魔族を迫害していく。だが魔族の亡骸から生み出されたため、創造主への攻撃は届かなかった。異世界人を召喚したのは、柵に縛られない戦士が欲しかったからだ。オレはそこで釣り上げられた。
「なあ、その体は捨てた器って、どういう意味だ?」
どう見ても出会った頃のイヴリースだ。この手が握った剣で首を落とした。落ちた首を持ち帰りもした。なのに、バルト国の地下に黒竜の姿で捕まっていた理由が分からない。
「そのままだが……俺の意識と記憶は初代魔王から引き継がれている。肉体は定期的に滅びるが、精神はずっと死なない。数代前に使った竜の体を地下に安置していた。その上に人間が勝手に国を作ったのだ」
新しい器を作り出す前に、女神が動き出した。肉体を育てる時間が足りず、思い出したかつての体に飛び込んだという。先手を取られ、肉体に呪いの杭を打ち込まれたのは失態だった。からりとそう笑うイヴリースは、まだぎこちない指を慣らすように動かす。
神として世界を創造した存在と考えれば、あり得る話だった。だからオレが魔王を殺す話をしても、彼は平然としていたのだ。肉体が一時的に滅びてオレが救われるなら、と考えた。その隙を突いて、女神が目覚めさえしなければ……何も問題は起きなかったのだ。
「女神が目覚めてから、何か変化はあったか?」
自分の肉体が殺された後の話を強請るイヴリースに、気づいたことを並べていく。
「そうだな。リリィは魔王城を拠点にして動かない。それから黒い霧を浄化すると言って消している……あと」
「黒い霧を!?」
驚いた顔をした後、イヴリースは眉を寄せた。じっくり考えた後、舌打ちする。
「……まずいかも知れん。黒い霧の正体は、女神の魔力であろう」
女神はこの世界を乗っ取りを計画し、創造主である神を食った。この世界の住人を乱雑に扱う彼女の様子に、ドラゴン種の数匹が動き出す。創造主だった器の欠片をそれぞれの体内に隠したのだ。飲み込んだ欠片を持つ個体同士が婚姻し、子を成す。卵の中に隠した欠片を育て、また欠片を持つ個体同士が産んだ子と重ねていく。
気が遠くなる歳月をかけて、ドラゴン達は魔王を作り出した。それを知った吸血種やエルフも同調し、巨人族もその身を提供した。魔王がさまざま種族で言い伝えられた原因の一つがここにある。ヴラゴが語った表現とは違うが、本質は同じだった。
「あの場でドラゴンや吸血種が創造主の欠片を取り込んでいたと話せば、奴は無理をしても頭部を取り返そうとしたであろう」
無駄に命を捨てることはない。イヴリースの首を取り返したところで、そこに欠片は存在しないのだと言い切った。ヴラゴには多少表現をぼかしながら、話していたらしい。
関わった全ての種族は、魔王を生み出し守り抜いた。女神を封印し続けるために、どの種族も協力を惜しまなかった。……人間以外は。
「強欲な人間を作り出したのは、あの女神だからな」
その名残りが今の人間で、魔族と敵対するのは必然だったのかも知れない。死んだ魔族の亡骸を利用して作られた人間は、この世界の異物だった。だがイヴリースは同じ世界に住む者として、彼らを受け入れようとした。それが間違いの始まりだ。
女神が作った人間は世界にとってガン細胞だった。食い荒らし、本来の住人である魔族を迫害していく。だが魔族の亡骸から生み出されたため、創造主への攻撃は届かなかった。異世界人を召喚したのは、柵に縛られない戦士が欲しかったからだ。オレはそこで釣り上げられた。
「なあ、その体は捨てた器って、どういう意味だ?」
どう見ても出会った頃のイヴリースだ。この手が握った剣で首を落とした。落ちた首を持ち帰りもした。なのに、バルト国の地下に黒竜の姿で捕まっていた理由が分からない。
「そのままだが……俺の意識と記憶は初代魔王から引き継がれている。肉体は定期的に滅びるが、精神はずっと死なない。数代前に使った竜の体を地下に安置していた。その上に人間が勝手に国を作ったのだ」
新しい器を作り出す前に、女神が動き出した。肉体を育てる時間が足りず、思い出したかつての体に飛び込んだという。先手を取られ、肉体に呪いの杭を打ち込まれたのは失態だった。からりとそう笑うイヴリースは、まだぎこちない指を慣らすように動かす。
神として世界を創造した存在と考えれば、あり得る話だった。だからオレが魔王を殺す話をしても、彼は平然としていたのだ。肉体が一時的に滅びてオレが救われるなら、と考えた。その隙を突いて、女神が目覚めさえしなければ……何も問題は起きなかったのだ。
「女神が目覚めてから、何か変化はあったか?」
自分の肉体が殺された後の話を強請るイヴリースに、気づいたことを並べていく。
「そうだな。リリィは魔王城を拠点にして動かない。それから黒い霧を浄化すると言って消している……あと」
「黒い霧を!?」
驚いた顔をした後、イヴリースは眉を寄せた。じっくり考えた後、舌打ちする。
「……まずいかも知れん。黒い霧の正体は、女神の魔力であろう」
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