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49.希少価値の問題なのね
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晩餐会はとても楽しかった。仕事の愚痴を口にしたクリスお義兄様を、シリル様が言い負かして。ディーお義姉様は新しいドレスが欲しいと口にする。自由で、本当に家族の食事会といった雰囲気ね。
私も会話に参加したわ。積極的に距離を詰めていくつもりよ。シリル様の性癖があるから離婚の心配はなかった。そこに加えて、アッシャー侯爵家のやらかしがあって、私の地位が確定した。実家に戻らないと言い切った以上、このソールズベリー王国で骨を埋めるわ。
「ところで、街歩きはどうだった? 楽しめたかしら」
「このパンは、街の中心街の店のだろう。昔抜け出して、よく買いに行ったな」
ディーお義姉様が話を向ける。乗っかったクリスお義兄様は、とんでもない発言をした。大袈裟に驚く必要も、感心してみせることもしない。家族なら、そうなの? と受け止めて笑って流せばいいんだもの。居心地の良さが倍増した感じだった。
その意味ではクラッシャー、じゃなくて、アッシャー侯爵家は役立ってくれたかも。あ、もう侯爵家はないんだったわ。お気の毒だけれど、外交問題に発展する騒動を起こした責任だから、仕方ないわね。
「その髪飾り、素敵ね。クリスやアルの目の色だわ」
ディーお義姉様が褒めてくれたので、そっと指先で触れる。大丈夫、石は落ちていない。大粒すぎて、怖いのよね。ヴァイセンブルク王国なら、国宝級の宝石ですもの。
「シリル様が選んでくださったんです。高価な石で……あ、お聞きしていいですか?」
明日のお茶会で聞こうと思ったけれど、話題が出たついでに。
「ラピスラズリ? でしたっけ。そちらの髪飾りも普段用に買って頂いたのですが、なぜ綺麗なのに安いのですか?」
サファイアのような透明感はなくても、夜空の星を閉じ込めたような美しさがある。もっと高価でもおかしくないと思うけれど。我が国に輸出したら、絶対に人気が出るわ。
ディーお義姉様ではなく、クリスお義兄様が口を開いた。
「ラピスラズリは、量がたくさん採れる。採掘量が多いだけでなく、大粒がごろごろ産出するから……希少価値がつかないのさ」
「そうなんですね」
綺麗に磨いて、輸出してはどうか。そんな話をしたら、クリスお義兄様は興味を示していた。庶民の手の届く宝石でも、産出しない他国では希少価値がある。なるほどと頷くクリスお義兄様は、検討してくれると約束した。
「ねえ、マリー。口を開けて」
隣のシリル様の言葉に、疑うことなく口を開けた。ぷるんとする食感の食べ物が入ってくる。ほんのり甘くて、噛んだら酸っぱい。丸いから葡萄かしら? 酸っぱさにきゅっと顔を寄せたら、くすくす笑い出した。お返しに、香辛料たっぷりの肉をどうぞ!
フォークに刺して食べさせたら、意外にも平気そう。弱点がないなんて、狡いわ。
私も会話に参加したわ。積極的に距離を詰めていくつもりよ。シリル様の性癖があるから離婚の心配はなかった。そこに加えて、アッシャー侯爵家のやらかしがあって、私の地位が確定した。実家に戻らないと言い切った以上、このソールズベリー王国で骨を埋めるわ。
「ところで、街歩きはどうだった? 楽しめたかしら」
「このパンは、街の中心街の店のだろう。昔抜け出して、よく買いに行ったな」
ディーお義姉様が話を向ける。乗っかったクリスお義兄様は、とんでもない発言をした。大袈裟に驚く必要も、感心してみせることもしない。家族なら、そうなの? と受け止めて笑って流せばいいんだもの。居心地の良さが倍増した感じだった。
その意味ではクラッシャー、じゃなくて、アッシャー侯爵家は役立ってくれたかも。あ、もう侯爵家はないんだったわ。お気の毒だけれど、外交問題に発展する騒動を起こした責任だから、仕方ないわね。
「その髪飾り、素敵ね。クリスやアルの目の色だわ」
ディーお義姉様が褒めてくれたので、そっと指先で触れる。大丈夫、石は落ちていない。大粒すぎて、怖いのよね。ヴァイセンブルク王国なら、国宝級の宝石ですもの。
「シリル様が選んでくださったんです。高価な石で……あ、お聞きしていいですか?」
明日のお茶会で聞こうと思ったけれど、話題が出たついでに。
「ラピスラズリ? でしたっけ。そちらの髪飾りも普段用に買って頂いたのですが、なぜ綺麗なのに安いのですか?」
サファイアのような透明感はなくても、夜空の星を閉じ込めたような美しさがある。もっと高価でもおかしくないと思うけれど。我が国に輸出したら、絶対に人気が出るわ。
ディーお義姉様ではなく、クリスお義兄様が口を開いた。
「ラピスラズリは、量がたくさん採れる。採掘量が多いだけでなく、大粒がごろごろ産出するから……希少価値がつかないのさ」
「そうなんですね」
綺麗に磨いて、輸出してはどうか。そんな話をしたら、クリスお義兄様は興味を示していた。庶民の手の届く宝石でも、産出しない他国では希少価値がある。なるほどと頷くクリスお義兄様は、検討してくれると約束した。
「ねえ、マリー。口を開けて」
隣のシリル様の言葉に、疑うことなく口を開けた。ぷるんとする食感の食べ物が入ってくる。ほんのり甘くて、噛んだら酸っぱい。丸いから葡萄かしら? 酸っぱさにきゅっと顔を寄せたら、くすくす笑い出した。お返しに、香辛料たっぷりの肉をどうぞ!
フォークに刺して食べさせたら、意外にも平気そう。弱点がないなんて、狡いわ。
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