【完結】帝国滅亡の『大災厄』、飼い始めました

綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢

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第二十二章 世界の色が変わる瞬間

第102話 個性という暴走(2)

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 簡単に考えた昨日の自分を殴り飛ばしてやりたい。激しい後悔にさいなまれながら、ルリアージェは得意げな魔性達を振り返った。

 一夜だけ。自室でゆっくりして顔を見せたら、大広間が大惨事だった。

 円卓と椅子やソファしかなかった大広間に、書棚や飾り戸棚が置かれている。それだけなら実用性もあるので問題なかった。なぜか芸術品らしき彫刻や絵画も大量に飾られ、繊細で手触りのいい絨毯が敷かれた場所がある。しかも大量の毛皮もごちゃごちゃと並んでいた。

「……うん。順番に説明してくれ」

 考えることを放棄して素直に尋ねると、最初にライラが毛皮の説明を始めた。

「これらは狩りの獲物だったのだけど、手触りもいいし絨毯にしようと思ったの。足りない場所は後で狩ってくるわね」

「狩らなくていい」

 即答で否定しておく。不思議そうな彼女は「大丈夫よ、すぐだもの」と止められた理由を理解していない様子だった。さらに首を振って否定すると残念そうに肩を落とした。

 可哀そうだと思うが、毛皮を奪われる動物の方がもっと気の毒だ。

「毛織物の絨毯は、滅びたラシュバーン国の名産品でした」

 リシュアのまともな説明にほっとする。国王だった彼が買い取った品だろうか。そう思いながら手触りのいい絨毯を撫でると、とんでもない発言が降ってきた。

「サークレラの王城から回収してきました」

「……回収?」

「ええ。戦利品だったのですが、宝物庫にしまって忘れていまして。今回の模様替えの話で思い出したのです」

 丁度良かったと言われ、頭を抱える。サークレラの公爵家の爵位を勝手にでっち上げただけでなく、過去ずっと守り続けた王家の宝物庫から、国宝級の品を持ち出すなど。恩知らずにもほどがある。いや、彼は1000年分の労働の対価だと考えているかも知れない。しかし黙って持ち出すのは問題だろう。

「書棚の本は私が揃えました」

 リオネルが微笑んで書棚を示した。これも何かあるのではないかと疑うルリアージェの耳に、いたって一般的な状況が告げられる。

「時代ごとに集めた書物ですが、私は読み終えていますのでどうぞお使いください。書棚は1500年ほど前に見つけたものだと思いますが、もう返す持ち主もおりませんから」

 持ち主がいない書棚は活用するとして、本も彼自身が読むために集めたらしい。他人に迷惑をかけていないと知り、疑ったことを申し訳なく思った。

「ありがとう」

「リオネルは収集癖がありますわ。たまに奇妙なものを大量に集めていますもの」

 くすくす笑うパウリーネが奥にある絵画や彫刻を指さした。

「あれらもリオネルの収集物ですのよ」

「この彫刻は……見覚えが」
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