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76.子猫の名前決めたよ
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「セティ、名前決めたよ」
毎日習っている絵本を読み終えたところで、顔を上げる。ベッドの上に座ったセティのお膝に乗ってるから、顔が近い。すぐにキスされた。額と髪と頬だ。
膝に置いた絵本を畳むセティの手が、本を避けた。僕の頬に手を添わせ、やっと唇に触れる。少し開いてキスを受け入れ……にゃー。膝が開いたと見るや、子猫が上ってきた。当たり前のように僕の膝に乗って丸くなる。尻尾を追いかけるみたいに回ってから、僕の膝を揉み始めた。
「っ、ちょ……やっ」
擽ったい。踏み踏みしながら、嬉しそうに喉を鳴らす子猫の首をひょいっと掴んで、セティが乱暴に放り投げる。
「あっ」
「猫は着地できるから平気だ」
ひどいことをしないで。そう言おうとした僕に、セティは笑いながら指さす。くるんと丸まって、子猫は器用に着地した。平然とした様子でケガもなさそう。少し背中の毛を逆立てて、セティの手が届かないところを歩いて戻ってきた。
膝に乗らず、今度は足にぺたりと寄り添って丸くなる。でもこっち見てるのは、セティの動きを確かめるためかな。この子猫、頭いいみたい。
「それで、名前を決めたんだろ?」
「うん、トムにした」
絵本に載ってた猫の名前だ。お姫様が飼ってた猫で、この子みたいに黄色い毛だった。背中を撫でると、甘えるように手を舐める。にこにこしながら撫でる僕に、セティは少し考えてから頷いた。
「いいと思うぞ。今日からトムと呼ぼうか」
頷いた僕の膝に、ぬいぐるみのフォンが置かれる。
「ところで、このぬいぐるみの名前はどうやって付けたんだ?」
まだ絵本も読めない頃に付けた名前だった。セティを振り返り、ぎゅっと抱き着く。体を捩った格好でいたら、膝の上に横抱きにされた。すり寄っていた僕の足がなくなって、トムが怒る。移動してきて、僕の膝に飛び乗った。
今度は揉まずに大人しく丸まる。フォンが乗ってるから狭いのに、よく落ちないな。猫ってすごいね。
「フォンは、神様のお名前」
タイフォンから取ったと説明したら、目を見開いたセティが笑顔になった。黒髪に頬ずりされる。僕がお熱あるせいで、セティは宿から出かけない。中に閉じこもってるせいか、セティは神様の姿だった。僕は黒髪のセティも好き。長くて黒い髪は綺麗だし、紫の目も大好きでずっと見ていたい。
僕達が部屋から出なくなったら、ゲリュオンが毎日訪ねてくるようになった。ご飯を買ってきてくれるんだ。それがお肉ばっかりで、昨日は叱られてた。僕はお肉でも頑張って食べるよ。そう言ったら撫でながら、果物も探してくるって言われちゃった。僕が言葉を間違えたのかな。
トムとフォンがいてくれて、毎日セティと本を読んで……僕はすごく楽しい。夜の仲良しのお呪いをもっと頑張って、セティも嬉しくなって欲しいな。じっと見つめる先で、セティが口元を押さえて赤い顔を逸らした。どうしたんだろう、変なの。
毎日習っている絵本を読み終えたところで、顔を上げる。ベッドの上に座ったセティのお膝に乗ってるから、顔が近い。すぐにキスされた。額と髪と頬だ。
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「っ、ちょ……やっ」
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「あっ」
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膝に乗らず、今度は足にぺたりと寄り添って丸くなる。でもこっち見てるのは、セティの動きを確かめるためかな。この子猫、頭いいみたい。
「それで、名前を決めたんだろ?」
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「いいと思うぞ。今日からトムと呼ぼうか」
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「ところで、このぬいぐるみの名前はどうやって付けたんだ?」
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今度は揉まずに大人しく丸まる。フォンが乗ってるから狭いのに、よく落ちないな。猫ってすごいね。
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