【完結】召喚された勇者は贄として、魔王に美味しく頂かれました

綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢

文字の大きさ
7 / 38

7.がっつり食い荒らされた ※

しおりを挟む
 痛みの中に混じる感覚を排除しようと目を閉じるが、余計に感じ取ってしまう。奥の……少し手前だ。気づかれなければやり過ごせる。吐き出そうと収縮する動きに、アザゼルがくつりと笑った。

「これほど美味だと、がっつきたくなるな」

 ぐいっと腰を掴む手が引き寄せる。じたばたと抵抗する足がシーツを蹴るが、抵抗にならなかった。ずるりと長大な肉が抜け出る感触に、背筋がぞわぞわと気持ち悪い。絶対に快感だなんて認めないぞ。悪態を吐きながら前に逃げようとしたが、腰を掴む腕は緩まない。

 くちゅ……ぱちゅ……淫靡な音を立てる下肢に再びアザゼルが挑む。先程はじっと動かなかった欲望は、激しく出入りした。膨張するのは男なら理解できる生理反応だ。これだけ狭い穴をこじ開ければ、さぞ気持ちいだろうさ。

「っ、はぁ……うっ、あ」

 噛んでいた唇が解けて、甘い声が漏れる。慌てて閉じようとするが、先に指を突っ込まれた。

「ぐ、ぁあ……ふぅ、んん」

 えずきかけた動きを利用して、さらに激しく奥を抉られる。体の中心に杭を打たれ、二度と傷が塞がらないんじゃないかと錯覚するほど。動きは激しく、奥は責め立てられた。そのくせ触れる手は優しい。

 与えられる違う感覚に翻弄されて、意識が曖昧になっていく。何を拒んで、何から逃げようとしていたのか。もう分からない。がくりと膝の力が抜けてシーツに沈むが、直前に腹を抱えて掬い上げられた。

「やぁっ! あ、ぐぅ……」

 奥に注がれる熱に内側から溶かされるようだった。絶対に腹に穴が空いた。もう死ぬ。手も足も力が入らない俺を、アザゼルは強引に抱き起こす。体を真っ直ぐに立てていることも出来ず、がくんと首が後ろに倒れた。その顎を掴んで口づけ、苦しい呼吸すら奪われる。

 窒息する、無理だ。殺す気かよ……力の入らない手で押し退けようとするが、力無く添えるだけに終わった。終わったなら早く抜けって。

「っ、は、はぁ、はぁ……いて、ぇ……ぬけ、もぅ……やだ」

 まだ入ったままのアザゼルは萎える様子もない。屹立した欲は俺の体を串刺しにしていた。違和感どころじゃない。痛みも麻痺してきた。気が遠くなりかけた俺を起こすように、アザゼルが身を揺する。

「ぅん、ぁ……っ」

 勝手に声だけが漏れる。後ろから抱き込む形で膝に乗せられ、自重で奥まで開かれた。これ以上ないほど奥へ届く。もう内臓が食い破られてるんじゃねえか。恐怖も麻痺して、ぼんやりと腹を見る。薄く肉が乗った腹を突き破られる幻覚、もう限界だった。

 暗い闇が急に目の前に迫り、世界を塞ぐ。手足が弛緩し、がくりと倒れかけた体を首輪の鎖とアザゼルの腕が支えた。

「激しく愛し過ぎたか」

 愛し過ぎた? がっついて食い荒らしただけじゃねえか。野良犬に噛まれるより酷い目に遭った。アザゼルの大仰な言い回しを聞きながら、意識を手放した。願わくば、目覚めるときは自室のベッドであって欲しい。
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

虚ろな檻と翡翠の魔石

篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」 不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。 待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。 しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。 「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」 記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。 ----------------------------------------- 0時,6時,12時,18時に2話ずつ更新

あなたと過ごせた日々は幸せでした

蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。

聖女召喚の巻き添えで喚ばれた「オマケ」の男子高校生ですが、魔王様の「抱き枕」として重宝されています

八百屋 成美
BL
聖女召喚に巻き込まれて異世界に来た主人公。聖女は優遇されるが、魔力のない主人公は城から追い出され、魔の森へ捨てられる。 そこで出会ったのは、強大な魔力ゆえに不眠症に悩む魔王。なぜか主人公の「匂い」や「体温」だけが魔王を安眠させることができると判明し、魔王城で「生きた抱き枕」として飼われることになる。

悪役令息の兄って需要ありますか?

焦げたせんべい
BL
今をときめく悪役による逆転劇、ザマァやらエトセトラ。 その悪役に歳の離れた兄がいても、気が強くなければ豆電球すら光らない。 これは物語の終盤にチラッと出てくる、折衷案を出す兄の話である。

婚約者の王子様に愛人がいるらしいが、ペットを探すのに忙しいので放っておいてくれ。

フジミサヤ
BL
「君を愛することはできない」  可愛らしい平民の愛人を膝の上に抱え上げたこの国の第二王子サミュエルに宣言され、王子の婚約者だった公爵令息ノア・オルコットは、傷心のあまり学園を飛び出してしまった……というのが学園の生徒たちの認識である。  だがノアの本当の目的は、行方不明の自分のペット(魔王の側近だったらしい)の捜索だった。通りすがりの魔族に道を尋ねて目的地へ向かう途中、ノアは完璧な変装をしていたにも関わらず、何故かノアを追ってきたらしい王子サミュエルに捕まってしまう。 ◇拙作「僕が勇者に殺された件。」に出てきたノアの話ですが、一応単体でも読めます。 ◇テキトー設定。細かいツッコミはご容赦ください。見切り発車なので不定期更新となります。

新年に余り物でおせちを作ったら、冷酷と噂の騎士団長様に「運命の番」だと求婚されました

水凪しおん
BL
料理人だった俺が転生したのは、男性オメガというだけで家族に虐げられる不遇の青年カイ。 新年くらいはと前世の記憶を頼りに作ったのは、この世界にはない『おせち料理』だった。 それを偶然口にしたのは、氷のように冷酷と噂される最強の騎士団長リアム。 「お前は俺の運命の番だ」 彼の屋敷に保護され、俺の作る料理が彼の心を溶かしていく。 不器用で、だけどまっすぐな愛情を注いでくれる彼と、美味しい料理で紡ぐ、甘くて温かい異世界スローライフ。

この俺が正ヒロインとして殿方に求愛されるわけがない!

ゆずまめ鯉
BL
五歳の頃の授業中、頭に衝撃を受けたことから、自分が、前世の妹が遊んでいた乙女ゲームの世界にいることに気づいてしまったニエル・ガルフィオン。 ニエルの外見はどこからどう見ても金髪碧眼の美少年。しかもヒロインとはくっつかないモブキャラだったので、伯爵家次男として悠々自適に暮らそうとしていた。 これなら異性にもモテると信じて疑わなかった。 ところが、正ヒロインであるイリーナと結ばれるはずのチート級メインキャラであるユージン・アイアンズが熱心に構うのは、モブで攻略対象外のニエルで……!? ユージン・アイアンズ(19)×ニエル・ガルフィオン(19) 公爵家嫡男と伯爵家次男の同い年BLです。

転生したら、主人公の宿敵(でも俺の推し)の側近でした

リリーブルー
BL
「しごとより、いのち」厚労省の過労死等防止対策のスローガンです。過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会へ。この小説の主人公は、仕事依存で過労死し異世界転生します。  仕事依存だった主人公(20代社畜)は、過労で倒れた拍子に異世界へ転生。目を覚ますと、そこは剣と魔法の世界——。愛読していた小説のラスボス貴族、すなわち原作主人公の宿敵(ライバル)レオナルト公爵に仕える側近の美青年貴族・シリル(20代)になっていた!  原作小説では悪役のレオナルト公爵。でも主人公はレオナルトに感情移入して読んでおり彼が推しだった! なので嬉しい!  だが問題は、そのラスボス貴族・レオナルト公爵(30代)が、物語の中では原作主人公にとっての宿敵ゆえに、原作小説では彼の冷酷な策略によって国家間の戦争へと突き進み、最終的にレオナルトと側近のシリルは処刑される運命だったことだ。 「俺、このままだと死ぬやつじゃん……」  死を回避するために、主人公、すなわち転生先の新しいシリルは、レオナルト公爵の信頼を得て歴史を変えようと決意。しかし、レオナルトは原作とは違い、どこか寂しげで孤独を抱えている様子。さらに、主人公が意外な才覚を発揮するたびに、公爵の態度が甘くなり、なぜか距離が近くなっていく。主人公は気づく。レオナルト公爵が悪に染まる原因は、彼の孤独と裏切られ続けた過去にあるのではないかと。そして彼を救おうと奔走するが、それは同時に、公爵からの執着を招くことになり——!?  原作主人公ラセル王太子も出てきて話は複雑に! 見どころ ・転生 ・主従  ・推しである原作悪役に溺愛される ・前世の経験と知識を活かす ・政治的な駆け引きとバトル要素(少し) ・ダークヒーロー(攻め)の変化(冷酷な公爵が愛を知り、主人公に執着・溺愛する過程) ・黒猫もふもふ 番外編では。 ・もふもふ獣人化 ・切ない裏側 ・少年時代 などなど 最初は、推しの信頼を得るために、ほのぼの日常スローライフ、かわいい黒猫が出てきます。中盤にバトルがあって、解決、という流れ。後日譚は、ほのぼのに戻るかも。本編は完結しましたが、後日譚や番外編、ifルートなど、続々更新中。

処理中です...