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18.猫も受け入れる懐の深さ
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魔法のレッスンは、とにかく調整の連続だった。琥珀は全力で魔法に魔力を流し込む。子どもなので多少のムラはあるが、威力が大きくなりすぎるのだ。それをアルマは丁寧に説明した。
「コハク、私の手を握ってみて」
困惑しながらも手を伸ばした琥珀が優しく、力を込めないように触る。それからおずおずと力を込めた。力を入れるたびに、アルマの様子を判断している。
「ありがとう。今と同じことを魔法で出来るかしら? この手に葉っぱを乗せて欲しいの。風の魔法よ。小さく小さく指の先くらいの魔力でいいわ。ほら、このくらいよ」
目の前で実践し、量の調整を覚えさせる。真剣に見ていた琥珀は、左手で僕の入った袋を握って力を込めた。少しずつ、そうだ。最後にぶわっと大きな風が起きたけど、尻餅をついたアルマは笑っていた。
手を差し伸べてみろ。琥珀にそう言ったら、聞こえていたのか。アルマは琥珀が動くまで地面に座っていた。上目遣いに確認しながら、そろりと出した手に、アルマは礼を言って手を乗せる。立ち上がるのは自力だが、琥珀が手を差し伸べたのは進歩だ。嫌ならやらないだろうからな。
「ありがとう、いい子ね。コハク、もう一度やってみましょうか」
根気よく教えてもらい、ようやく木の葉を自由に動かせるようになってきた。まだ時々突風が吹くものの、魔力の使用量は格段に減った。お陰で僕も魔力が温存できている。
「おう、上手になったな」
狩りの獲物を担いだバルテルが褒める。大きな猪に似た獲物は中央に運ばれ、興奮した琥珀は後ろをついていった。あれ? アルマにお礼を言ったっけ? 忘れてる気がする。ちゃんと教えないと……そう思ったら、アルマも後ろにいた。
「いいのよ、この後で。今は楽しそうだもの。邪魔しないであげましょうね」
僕に言ってるみたいだ。言葉にして話したつもりじゃなくても、僕の声は意外と垂れ流しらしい。まあ、嘘ついたり騙したりする気はないからいいけどね。個人間の距離が遠い日本人としては、少し気恥ずかしいのも事実だった。
「その辺は後日聞くわ」
くすくす笑うアルマは一枚も二枚も上手で、琥珀同様に手玉に取られてしまいそう。それも悪くないと思っていたら、真横をすごい勢いでぶち猫が走っていった。
「あ、ニー!」
僕の視界がブレる。それほどの速度で琥珀が動いた。この子、痩せてガリガリなのに、どこにこんな瞬発力を隠してたんだ? 驚く勢いで母猫ニーに飛びかかり、捕まえた。なぜ捕まえたのかと疑問に思った僕の位置が変わり、ニーがよく見えるようになる。
あ、獲物を横取りしようしたのか。子猫に乳を飲ませるニーは常に空腹だ。出産した直後から自分で狩りをして、安全な場所で琥珀まで育ててきた。狩猟本能が全開なのだ。目の前に美味しそうな餌が運ばれてきたら、自分達の分だけ横取りしようと考えるのも当然だった。
「ニー、あれちがう」
ニーの食事ではないと言い聞かせる琥珀を、バルテルが抱き上げた。琥珀の腕には捕まえたニーがいる。二重の抱っことなり、琥珀が慌てた。
「ありがとうな、コハク。猫にも分けてやるとしよう」
森人の流儀で、狩りや採取した物は皆で分け合う。琥珀だけじゃなく、猫のニーも仲間に加わった。
「コハク、私の手を握ってみて」
困惑しながらも手を伸ばした琥珀が優しく、力を込めないように触る。それからおずおずと力を込めた。力を入れるたびに、アルマの様子を判断している。
「ありがとう。今と同じことを魔法で出来るかしら? この手に葉っぱを乗せて欲しいの。風の魔法よ。小さく小さく指の先くらいの魔力でいいわ。ほら、このくらいよ」
目の前で実践し、量の調整を覚えさせる。真剣に見ていた琥珀は、左手で僕の入った袋を握って力を込めた。少しずつ、そうだ。最後にぶわっと大きな風が起きたけど、尻餅をついたアルマは笑っていた。
手を差し伸べてみろ。琥珀にそう言ったら、聞こえていたのか。アルマは琥珀が動くまで地面に座っていた。上目遣いに確認しながら、そろりと出した手に、アルマは礼を言って手を乗せる。立ち上がるのは自力だが、琥珀が手を差し伸べたのは進歩だ。嫌ならやらないだろうからな。
「ありがとう、いい子ね。コハク、もう一度やってみましょうか」
根気よく教えてもらい、ようやく木の葉を自由に動かせるようになってきた。まだ時々突風が吹くものの、魔力の使用量は格段に減った。お陰で僕も魔力が温存できている。
「おう、上手になったな」
狩りの獲物を担いだバルテルが褒める。大きな猪に似た獲物は中央に運ばれ、興奮した琥珀は後ろをついていった。あれ? アルマにお礼を言ったっけ? 忘れてる気がする。ちゃんと教えないと……そう思ったら、アルマも後ろにいた。
「いいのよ、この後で。今は楽しそうだもの。邪魔しないであげましょうね」
僕に言ってるみたいだ。言葉にして話したつもりじゃなくても、僕の声は意外と垂れ流しらしい。まあ、嘘ついたり騙したりする気はないからいいけどね。個人間の距離が遠い日本人としては、少し気恥ずかしいのも事実だった。
「その辺は後日聞くわ」
くすくす笑うアルマは一枚も二枚も上手で、琥珀同様に手玉に取られてしまいそう。それも悪くないと思っていたら、真横をすごい勢いでぶち猫が走っていった。
「あ、ニー!」
僕の視界がブレる。それほどの速度で琥珀が動いた。この子、痩せてガリガリなのに、どこにこんな瞬発力を隠してたんだ? 驚く勢いで母猫ニーに飛びかかり、捕まえた。なぜ捕まえたのかと疑問に思った僕の位置が変わり、ニーがよく見えるようになる。
あ、獲物を横取りしようしたのか。子猫に乳を飲ませるニーは常に空腹だ。出産した直後から自分で狩りをして、安全な場所で琥珀まで育ててきた。狩猟本能が全開なのだ。目の前に美味しそうな餌が運ばれてきたら、自分達の分だけ横取りしようと考えるのも当然だった。
「ニー、あれちがう」
ニーの食事ではないと言い聞かせる琥珀を、バルテルが抱き上げた。琥珀の腕には捕まえたニーがいる。二重の抱っことなり、琥珀が慌てた。
「ありがとうな、コハク。猫にも分けてやるとしよう」
森人の流儀で、狩りや採取した物は皆で分け合う。琥珀だけじゃなく、猫のニーも仲間に加わった。
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