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第28章 南の国制圧? 調味料が先だから
195.人質が大人しいとは限らない(1)
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前方の集団は南の兵士達だ。慣れた道をだらだらと歩く彼らの後ろを傭兵がついていく。その形を崩して戻ったのは、リシャールと1人だけだった。
つまり南の兵士のほとんどは、無関係という意味だろう。そんな意思表示しなくても、別に皆殺しにしたりしないぞ。今のところは……だけど。
一応人質としてやってみたかったことがある。両手を肩の高さに上げ、下にすっと身を滑り込ませてから一回転して後ろに立つ。前にアクション映画で見かけて、カッコいいなと憧れていた。
なかなか披露するシチュエーションがなくて、封印されたアレを……やるか?! ドキドキしながら肩の高さに手を上げる。首に触れた刃が少し動くが、まだ結界の存在に気付かれていなかった。
手に触れれば普通に感触があるし、髪も1本ずつ触れる。この世界の結界の常識は、リアム達から指摘されたので理解していた。ドーム状の半円が基本だ。オレの結界は薄い膜が全体に覆っているイメージだった。形状も性質も全く違う。
硬くて何でも弾く結界が主流の世界で、柔らかな薄いビニール状態の膜なんて、想定外だろう。オレがチートを気取ってられるのも、こういった彼らの世界との認識の差が大きい。
皮膚をもう一枚着た感じに這わせた結界は、危害を加えないと作動しないため、肌に触れてもわからなかった。
ちらっと視線を送ると、向かいでのんびりと香箱座りのヒジリが起き上がる。どうやら協力してくれるらしい。
『主殿を、離してもらおうか』
「う、うるさい。近づいたら切るぞ」
声が震えるリシャールは、ヒジリが魔獣ではなく聖獣だと知っている。逆らうことへの恐怖が肌を粟立たせ、指先を震わせた。
「ちょ……脅すと本当に危ないから」
結界の特徴として害意をもって刃を突き立てれば、しっかり弾いてくれる。しかし震えた拍子に切れちゃった、だと薄皮一枚くらいケガする可能性があった。リシャールの手が震える今の状態は、非常に危険だ。
「味方になるんじゃなかったのか?」
落ち着かせる目的で声を掛けると、リシャールの隣の青年が声をあげた。
「彼は悪くない、僕の妹……」
「それ以上言うな」
うーん、これは殺しちゃうと後味悪い感じの展開が待ってそうだ。チラ見せの複雑な事情にも興味があるし、ここは自力で行こう。目配せして傭兵達に手出し無用を伝えるが、全員揃って右手の親指の腹を向けられた。
信頼されてると考えたらいいのかな。非常識だから大丈夫と妙な太鼓判を押された気もする。複雑な気持ちで、呼吸を整えた。
1、2、3、今だ! 膝から力を抜いて崩れるように体を沈ませ、後ろに立つ2人の男の間を転がって抜ける。立ち上がったオレの手には、レイルから譲り受けた愛用の短剣が光っていた。
つまり南の兵士のほとんどは、無関係という意味だろう。そんな意思表示しなくても、別に皆殺しにしたりしないぞ。今のところは……だけど。
一応人質としてやってみたかったことがある。両手を肩の高さに上げ、下にすっと身を滑り込ませてから一回転して後ろに立つ。前にアクション映画で見かけて、カッコいいなと憧れていた。
なかなか披露するシチュエーションがなくて、封印されたアレを……やるか?! ドキドキしながら肩の高さに手を上げる。首に触れた刃が少し動くが、まだ結界の存在に気付かれていなかった。
手に触れれば普通に感触があるし、髪も1本ずつ触れる。この世界の結界の常識は、リアム達から指摘されたので理解していた。ドーム状の半円が基本だ。オレの結界は薄い膜が全体に覆っているイメージだった。形状も性質も全く違う。
硬くて何でも弾く結界が主流の世界で、柔らかな薄いビニール状態の膜なんて、想定外だろう。オレがチートを気取ってられるのも、こういった彼らの世界との認識の差が大きい。
皮膚をもう一枚着た感じに這わせた結界は、危害を加えないと作動しないため、肌に触れてもわからなかった。
ちらっと視線を送ると、向かいでのんびりと香箱座りのヒジリが起き上がる。どうやら協力してくれるらしい。
『主殿を、離してもらおうか』
「う、うるさい。近づいたら切るぞ」
声が震えるリシャールは、ヒジリが魔獣ではなく聖獣だと知っている。逆らうことへの恐怖が肌を粟立たせ、指先を震わせた。
「ちょ……脅すと本当に危ないから」
結界の特徴として害意をもって刃を突き立てれば、しっかり弾いてくれる。しかし震えた拍子に切れちゃった、だと薄皮一枚くらいケガする可能性があった。リシャールの手が震える今の状態は、非常に危険だ。
「味方になるんじゃなかったのか?」
落ち着かせる目的で声を掛けると、リシャールの隣の青年が声をあげた。
「彼は悪くない、僕の妹……」
「それ以上言うな」
うーん、これは殺しちゃうと後味悪い感じの展開が待ってそうだ。チラ見せの複雑な事情にも興味があるし、ここは自力で行こう。目配せして傭兵達に手出し無用を伝えるが、全員揃って右手の親指の腹を向けられた。
信頼されてると考えたらいいのかな。非常識だから大丈夫と妙な太鼓判を押された気もする。複雑な気持ちで、呼吸を整えた。
1、2、3、今だ! 膝から力を抜いて崩れるように体を沈ませ、後ろに立つ2人の男の間を転がって抜ける。立ち上がったオレの手には、レイルから譲り受けた愛用の短剣が光っていた。
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