【完結】魔法は使えるけど、話が違うんじゃね!?

綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢

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第32章 気づいてはいけない?

241.東の国を占拠せよ(6)

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 熱気球が浮くのは、温めた空気が外の冷たい空気より軽いからだっけ? え、もしかしてコウコって……。

「コウコは自分の体を熱して浮くのか?」

 その瞬間、聖獣やアーサー爺さんの視線が可哀想な子を見る目になった。

『赤龍の熱で体を焼いたら炭になります』

 冷静にスノーが突っ込んだ。そうだよな、オレもそう思ってたって、うん。血や肉を沸騰させたんじゃないかなんて、思うわけないじゃん。いくら理科が苦手でも、そんな……。

 自分に言い訳して、引き攣った笑顔を作る。

『結界を張り、その内側を熱するのだ。自分にも結界を張っておけば、外側の結界が浮くというわけよ。あやつは昔から賢い』

「なるほど」

 ヒジリの丁寧な解説に頷く。後ろでライアンとジャックも大きく頷いた。呆れ顔のノアは、どうやら自分で答えを出せたらしい。ノアはオカンだからね。知っててくれた方が安心できる。

『置いてきたわ』

 あっさりコウコが戻ってきた。そのままオレの手をちろちろ舐めて、ベルナルドの代わりにジャックの腕に巻きついた。最近コウコの筋肉フェチ具合が酷いんだが?

「ご苦労さん。それじゃ彼女らが出て来るまでに会議でもする?」

 まだ時間がありそうだし。全員着替えが終わったら、男性も入れないといけないからね。

「そうだな、その方が効率いいだろ」

 シフェルとベルナルドが見当たらないが放置して、ひとまず近くの部屋のテーブルに陣取った。テーブルクロスの趣味が悪いので足元に捨て、取り出した無地の物に交換する。お茶のセットを並べると、スノーが水をコウコが温度を魔法で操った。

 あっという間に沸く――某メーカーの電気ケトルみたいだ。お湯に茶葉を入れ、じっくり蒸らすノアに任せてカップの前に座った。茶菓子をいくつか取り出し、注がれる紅茶の香りを楽しむ。

 優雅な時間を待っていたように、シフェル達が戻ってきた。何やら難しそうな顔をしているが、そこはオレの知らなくていい正規軍の話だろう。

「さて、東の国の処遇なんだけど……オレにひとつアイディアがある」

 笑顔でできるだけ柔らかく切り出した。実質オレの中では決定事項に近いけど、他の連中の意見を聞いたという形は必要だ。民主主義国家じゃないけどね。アーサー爺さんは目を細め、シフェルが怪訝そうな顔をした。
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