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第34章 婚約まで走り抜けろ
301.毒林檎と青い蜂蜜で甘口(2)
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茶色いスパイスは日本と同じ見た目だ。大抵の色の食べ物はカレー粉の色に染まる! 林檎を粉砕し蜂蜜を入れた後で、野菜を煮込む。肉は別鍋で準備中だった。黒酢で柔らかくする工程がはいるので、別鍋作業が確定なんだよ。
兎肉をねちゃねちゃと捏ねるライアン、野菜をカットするブラウと連携し、手際よくノアが煮込んでいく。マロンはヒジリの治療で目が治ったのか、笑顔でシャモジを手にした。最初にかき回す手伝いを頼んだ影響で、いまだにこの役割は自分の担当だと思っているらしい。否定することもないので頑張ってもらおう。
ライアンが捏ねた兎肉をさっと水に潜らせ、鍋に投入するサシャがくしゃみを一つ。カレー粉はラップ魔法で密閉済みだ。同じ失敗は繰り返さないぜ。というか、これマジで武器に使えるな。唐辛子の催涙弾開発をヴィリに頼んでみようか。殺傷能力抜きで。
10個ある鍋のうち、3つは甘口用に林檎と蜂蜜入り。残りはそのまま辛いスパイスで作ることにした。どうも反応を見る限り、辛いと顔を顰めたのはじいやとオレだけ。聖獣はブラウくらいだ。後は問題なさそうだった。辛口人口が多いと踏んだが、前回食べたジャック達やリアムには甘口も試してもらう予定だ。
左から3つ目までが甘口と。メモしておかないとな。さらさらと記載した紙を置いて、スパイスを正確に計量していく。右側の鍋から順番にスパイスを投入した。かき回すシャモジが足りないので、今回は調理場にも応援を頼んでいる。料理人分も追加されての151人だった。
料理場を空にしていいのか尋ねたところ、執事セバス経由で皇帝陛下の許可を得ていた。抜け目ないな。騎士や兵士には、昨日のうちに「明日の昼食は休業」の通知が出された。さらに外注でパン屋や軽食屋台が出張するらしい。手際の良さはピカイチだった。
「後は追加分だな」
はっきり言おう、鍋が足りない。金属加工が得意なのは南の国だったか。巨大鍋の注文をしておけばよかった。あの時頼んだら今日は間に合ってたよな。まあカレー粉が作れると思わなかったから仕方ないけど、セバスさん経由で発注しておこう。
今日は、チート魔法でズルをする。ビニール袋魔法で、鍋5つ分の野菜と肉を煮込むのだ。ここでイメージを変更する。ビニールは火で溶けてしまうため、新しいイメージはシリコン! 熱に強く、冷凍もこなせる!
問題は透明のシリコンケースのイメージが作れなくて、不透明だった。しかも赤。これに関しては変更が難しい。テレビで観た料理番組のシリコン鍋でレンチンシーンが、赤いシリコンだった。あの映像が脳裏にこびりついて、シリコン鍋イコール赤なのだ。諦めて内部の野菜と肉を温めることに専念した。カレー粉を混ぜてシェイクする。
空中でくねくねと踊る赤い球体が5つ――誰が見ても危険な生物だ。宇宙からの飛来物体にしか見えない。だが中はカレーという恐怖……うずうずと尻尾と尻を振るブラウから守るため、周囲を結界で囲った。ちなみにヒジリも髭がピンとしていたが、視線を向けると『我は奴とは違う』と否定された。本能だから仕方ないだろ、たぶん。
結界に透明マント的なイメージを追加して、空中の赤いシリコン鍋っぽい球体を消し去る。視覚の暴力になるといけない。そこへリアムがセバスと共に現れた。慌てて駆け寄る。
「リアム、こちらへどうぞ」
「ありがとう。皆の分も作ってくれて感謝する」
まだ言葉が固いけど、だいぶ表情が柔らかくなったな。人前で取り繕う部分が減ったせいだろう。執事だからエスコートもOKなんだが、次からはオレを呼んでくれ。これでも婚約者なんで。
「キヨ様、お手間を取らせてしまいました。よろしくお願いいたします」
セバスが使用人代表で挨拶したため、セルフサービスだということ。左側の3つは味が違うことを説明した。甘口の方、味見るの忘れてたけど……問題ないよな?
兎肉をねちゃねちゃと捏ねるライアン、野菜をカットするブラウと連携し、手際よくノアが煮込んでいく。マロンはヒジリの治療で目が治ったのか、笑顔でシャモジを手にした。最初にかき回す手伝いを頼んだ影響で、いまだにこの役割は自分の担当だと思っているらしい。否定することもないので頑張ってもらおう。
ライアンが捏ねた兎肉をさっと水に潜らせ、鍋に投入するサシャがくしゃみを一つ。カレー粉はラップ魔法で密閉済みだ。同じ失敗は繰り返さないぜ。というか、これマジで武器に使えるな。唐辛子の催涙弾開発をヴィリに頼んでみようか。殺傷能力抜きで。
10個ある鍋のうち、3つは甘口用に林檎と蜂蜜入り。残りはそのまま辛いスパイスで作ることにした。どうも反応を見る限り、辛いと顔を顰めたのはじいやとオレだけ。聖獣はブラウくらいだ。後は問題なさそうだった。辛口人口が多いと踏んだが、前回食べたジャック達やリアムには甘口も試してもらう予定だ。
左から3つ目までが甘口と。メモしておかないとな。さらさらと記載した紙を置いて、スパイスを正確に計量していく。右側の鍋から順番にスパイスを投入した。かき回すシャモジが足りないので、今回は調理場にも応援を頼んでいる。料理人分も追加されての151人だった。
料理場を空にしていいのか尋ねたところ、執事セバス経由で皇帝陛下の許可を得ていた。抜け目ないな。騎士や兵士には、昨日のうちに「明日の昼食は休業」の通知が出された。さらに外注でパン屋や軽食屋台が出張するらしい。手際の良さはピカイチだった。
「後は追加分だな」
はっきり言おう、鍋が足りない。金属加工が得意なのは南の国だったか。巨大鍋の注文をしておけばよかった。あの時頼んだら今日は間に合ってたよな。まあカレー粉が作れると思わなかったから仕方ないけど、セバスさん経由で発注しておこう。
今日は、チート魔法でズルをする。ビニール袋魔法で、鍋5つ分の野菜と肉を煮込むのだ。ここでイメージを変更する。ビニールは火で溶けてしまうため、新しいイメージはシリコン! 熱に強く、冷凍もこなせる!
問題は透明のシリコンケースのイメージが作れなくて、不透明だった。しかも赤。これに関しては変更が難しい。テレビで観た料理番組のシリコン鍋でレンチンシーンが、赤いシリコンだった。あの映像が脳裏にこびりついて、シリコン鍋イコール赤なのだ。諦めて内部の野菜と肉を温めることに専念した。カレー粉を混ぜてシェイクする。
空中でくねくねと踊る赤い球体が5つ――誰が見ても危険な生物だ。宇宙からの飛来物体にしか見えない。だが中はカレーという恐怖……うずうずと尻尾と尻を振るブラウから守るため、周囲を結界で囲った。ちなみにヒジリも髭がピンとしていたが、視線を向けると『我は奴とは違う』と否定された。本能だから仕方ないだろ、たぶん。
結界に透明マント的なイメージを追加して、空中の赤いシリコン鍋っぽい球体を消し去る。視覚の暴力になるといけない。そこへリアムがセバスと共に現れた。慌てて駆け寄る。
「リアム、こちらへどうぞ」
「ありがとう。皆の分も作ってくれて感謝する」
まだ言葉が固いけど、だいぶ表情が柔らかくなったな。人前で取り繕う部分が減ったせいだろう。執事だからエスコートもOKなんだが、次からはオレを呼んでくれ。これでも婚約者なんで。
「キヨ様、お手間を取らせてしまいました。よろしくお願いいたします」
セバスが使用人代表で挨拶したため、セルフサービスだということ。左側の3つは味が違うことを説明した。甘口の方、味見るの忘れてたけど……問題ないよな?
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