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第34章 婚約まで走り抜けろ
303.傭兵回収は魔法の杖持参(2)
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びしっと整列した傭兵……なんているわけない。だらだらと自由解散しそうな連中が、オレの出現に慌てて寄ってきた。
「ジーク、どこ?」
「おう、こっちだ」
拳を突き上げるまでもなく、頭ひとつ大きいジークムンドは立ち上がると目立つ。さっと間が開いたので、遠慮せず通らせてもらった。ハイタッチしたが、ジークムンドの場合は頭くらいの高さなのが悔しい。こっちは目一杯背伸びしたんだぞ。
「ご苦労さん、成果はどう」
「レイルに報告したが、順調だった」
「屋敷を壊したって?」
「ああ。公爵だか侯爵だか知らんが、妨害するんでな。二つ名持ちを舐めんなよと言ったら、騎士を前面に押し出された。仕方なく叩きのめして、地下牢に放り込んだら宝の山があったのさ」
くすくす笑いながら話を聞く。なるほど、妨害して追い返すつもりが、用心棒を全員倒された。挙句に地下に隠した資産も発見されて没収の憂き目に遭ったと。なかなか楽しんだようで何よりだ。
「楽しかったろ」
「そりゃ、宝探しなんざ、子どもの頃からの夢だからな」
「わかる!」
ぱんと手を打ち鳴らして笑いあう。子どもの頃って、虹の根元に何か埋まってると信じて追いかけてみたり、庭に宝物のおもちゃを埋めたり。宝探しや宝を隠す作業に没頭した。いい思い出だが、変なところで共有できて嬉しい。
「壁を掘ってダイヤを見つけたらしいじゃん」
「あ、ボス。それならユハが見つけたんすよ」
近くにいた傭兵の声で、ユハが寄ってきた。かつて西の国の飛び地で騎士をしていた彼は、照れた様子で話す。
「あの屋敷の主人がやたら壁を気にしてるんで、俺も気になりまして。試しに突いたら大騒ぎしやがるから、壊してみたら埋め込んでありました」
途中で妙に言葉が崩れたけど、すっかり傭兵生活に馴染んだらしい。ルリだっけ? 嫁は元気か?
「ユハは結婚したんだっけ?」
「まだ、です」
金を貯めてるんですよ、と他の傭兵が教えてくれる。綺麗なドレスを着せてやりたいと言われ、そんなの幾らでもプレゼントすると笑った。他の連中が俺も! と騒ぐので、合同結婚式の話を立ち上げる。
彼女がいる連中を集めて、一緒に結婚式をするのだ。会場は官舎があるし、芝の庭にテントも張れる。その上で、料理の食材も提供して作ればいいと言ったら、一気に盛り上がった。
「ボスはこういう騒ぎが好きだな」
げらげら笑うジークムンドに、恋人はいないか尋ねたところ、顔の傷を指差してにやり。
「この傷でも平気な女なら、誰でも」
「ふーん。心当たりがあるから紹介してやるよ」
先日、リアムの侍女の一人が筋肉フェチだと判明した。顔は厳つい方がよく、傷は男の勲章らしい。もしかしたら結婚できるかもね。
「戦利品は北の王家に預けたぞ」
仕事の報告を終えたジークムンドは、オレの紹介を本気にしてないらしい。さらりと流された。リアムに夕食に侍女を伴うようお願いしなくちゃな。にやにやしながら、幸せのお裾分けを考える。
「キヨ様、余計なお節介はほどほどになさいませ」
「もちろん、ほどほどに紹介するよ」
じいやの忠告の意味も分かる。ダメだった時、期待させた分だけショックが大きいと言いたいんだろ。紹介者のオレが恨まれる可能性もあるし。相手はちゃんと選んで紹介するから安心してくれ。肩をすくめてそう話せば、じいやは穏やかな笑みで一歩引いた。
「魔法陣に乗ったら、全員手を繋いでてくれ。まれに行方不明が出る」
浮かれた連中が足や腕を忘れてこないよう、しっかり釘を刺した。足元に魔王召喚魔法陣を投げて広げると、大慌てでごつい連中が飛び乗る。隣の奴と手を繋げと言ったのに、腕組んでる奴もいるぞ。まあいいけど。
「えいっ!!」
自称魔法の杖を振って、中央の国へトンボ帰り。人数を数えなかったオレは、思いがけない者を連れ帰っていた。
「ジーク、どこ?」
「おう、こっちだ」
拳を突き上げるまでもなく、頭ひとつ大きいジークムンドは立ち上がると目立つ。さっと間が開いたので、遠慮せず通らせてもらった。ハイタッチしたが、ジークムンドの場合は頭くらいの高さなのが悔しい。こっちは目一杯背伸びしたんだぞ。
「ご苦労さん、成果はどう」
「レイルに報告したが、順調だった」
「屋敷を壊したって?」
「ああ。公爵だか侯爵だか知らんが、妨害するんでな。二つ名持ちを舐めんなよと言ったら、騎士を前面に押し出された。仕方なく叩きのめして、地下牢に放り込んだら宝の山があったのさ」
くすくす笑いながら話を聞く。なるほど、妨害して追い返すつもりが、用心棒を全員倒された。挙句に地下に隠した資産も発見されて没収の憂き目に遭ったと。なかなか楽しんだようで何よりだ。
「楽しかったろ」
「そりゃ、宝探しなんざ、子どもの頃からの夢だからな」
「わかる!」
ぱんと手を打ち鳴らして笑いあう。子どもの頃って、虹の根元に何か埋まってると信じて追いかけてみたり、庭に宝物のおもちゃを埋めたり。宝探しや宝を隠す作業に没頭した。いい思い出だが、変なところで共有できて嬉しい。
「壁を掘ってダイヤを見つけたらしいじゃん」
「あ、ボス。それならユハが見つけたんすよ」
近くにいた傭兵の声で、ユハが寄ってきた。かつて西の国の飛び地で騎士をしていた彼は、照れた様子で話す。
「あの屋敷の主人がやたら壁を気にしてるんで、俺も気になりまして。試しに突いたら大騒ぎしやがるから、壊してみたら埋め込んでありました」
途中で妙に言葉が崩れたけど、すっかり傭兵生活に馴染んだらしい。ルリだっけ? 嫁は元気か?
「ユハは結婚したんだっけ?」
「まだ、です」
金を貯めてるんですよ、と他の傭兵が教えてくれる。綺麗なドレスを着せてやりたいと言われ、そんなの幾らでもプレゼントすると笑った。他の連中が俺も! と騒ぐので、合同結婚式の話を立ち上げる。
彼女がいる連中を集めて、一緒に結婚式をするのだ。会場は官舎があるし、芝の庭にテントも張れる。その上で、料理の食材も提供して作ればいいと言ったら、一気に盛り上がった。
「ボスはこういう騒ぎが好きだな」
げらげら笑うジークムンドに、恋人はいないか尋ねたところ、顔の傷を指差してにやり。
「この傷でも平気な女なら、誰でも」
「ふーん。心当たりがあるから紹介してやるよ」
先日、リアムの侍女の一人が筋肉フェチだと判明した。顔は厳つい方がよく、傷は男の勲章らしい。もしかしたら結婚できるかもね。
「戦利品は北の王家に預けたぞ」
仕事の報告を終えたジークムンドは、オレの紹介を本気にしてないらしい。さらりと流された。リアムに夕食に侍女を伴うようお願いしなくちゃな。にやにやしながら、幸せのお裾分けを考える。
「キヨ様、余計なお節介はほどほどになさいませ」
「もちろん、ほどほどに紹介するよ」
じいやの忠告の意味も分かる。ダメだった時、期待させた分だけショックが大きいと言いたいんだろ。紹介者のオレが恨まれる可能性もあるし。相手はちゃんと選んで紹介するから安心してくれ。肩をすくめてそう話せば、じいやは穏やかな笑みで一歩引いた。
「魔法陣に乗ったら、全員手を繋いでてくれ。まれに行方不明が出る」
浮かれた連中が足や腕を忘れてこないよう、しっかり釘を刺した。足元に魔王召喚魔法陣を投げて広げると、大慌てでごつい連中が飛び乗る。隣の奴と手を繋げと言ったのに、腕組んでる奴もいるぞ。まあいいけど。
「えいっ!!」
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