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第34章 婚約まで走り抜けろ
305.なぜピンクになったし(1)
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迎えに行ったリアムの隣で、ちょっと失礼して椅子に立つ。じいや指導の下、ちゃんと靴は脱ぎました。この辺は日本人の習性だよな。
「今日は新作! まずはピンクのマヨネーズが掛かった野菜を平らげること。その後、ご飯の上にカレーを掛けて食べることを許可する。以上、いただきます」
「「「「いただきます」」」」
慣れた傭兵達の唱和があり、目の前に置かれたマヨ和えサラダを掻っ込む。彼らの前にカレーは置かれていない。そう、匂いだけ嗅ぎながら野菜を食べるのだ。普段からサラダの消費が少ないから、こういった駆け引きは必要だった。あれだ、親が食後のデザートを餌に苦手なピーマンを食べさせる的な感じ。ちなみにオレはピーマン平気だったぞ。
「食ったぁ! カレーだ」
一抜けはジャックだった。カレーの味を知るジャック班の動きが早い。ノア、サシャ、ライアンの様子に、慌てたジークムンドが続いた。聖獣達は両方並べて出したが、特に問題なく食べている……いや、1匹を除いて問題ない。
「ブラウ、食い方汚い」
『僕のご飯だもん、僕の自由だ!』
ピンクのマヨネーズ和えサラダの上にご飯を乗せ、カレーを掛けた品のない猫まんま……あ、合ってる。猫だからこれで正しかったんだ。オレが悪かった。頷いて納得することにした。
今日の給仕係は女中さん達だ。カレーの匂いに釣られて、彼女らの分を確保することを条件に、カレーを公平に注ぐ係を頼んだ。傭兵に頼むと偏りそうだし、カレーの恨みは末代まで祟るからな。これは学校給食で、過去に経験済みだった。危険なこと、この上ない。
「なぜピンクなのでしょうか」
じいやが不思議そうに呟く。味は普通のマヨネーズだ。卵も別に黄身が赤いわけじゃなく、普通に透明の白身と黄色い黄身だった。油はやや緑がかった透明でオリーブオイルっぽい感じだし、酢は柔らかなオレンジ系の美しい液体だ。混ぜたらピンクになる要素がないよな?
「味は平気」
この世界の食材の色は、もう気にしないことにした。奇妙な科学変化したような色も、慣れれば食える。ピンクのマヨネーズを味見するときは、死ぬかもしれないと思ったけど。サラダの紫レタスとよく合うし。
「色が可愛い」
「そうだね」
リアムが気に入ったならそれでいい。あのカミサマの放り込んだ世界がまともだと思う方が間違ってるし、もしかしたら日本が間違ってるのかもしれないと疑う今日この頃。
ちなみにオレのテーブルには小鍋にカレーが用意されている。甘口予定のトマト入り、黒林檎と青蜂蜜が作り出す奇跡の激甘デザート、トミ婆さんの辛口だ。リアムは迷った末に辛口から行った。勇者だな。
甘口になると思われる青いトマト入りカレーをよそう。大丈夫、考え方の方向性は正しいと思う。じいやもそう言った。同じく甘口予定トマトカレーを注いだじいやと視線を合わせ、頷き合う。せーので口に入れた。
「ぐっ」
「ぶはっ! げほっ、がは……」
堪えたじいやに対し、オレはダメだった。転げ回りたいほどの痛みに涙が滲む。なんだこの激辛! トマト入れて辛いっておかしいだろ。間違えて唐辛子を入れた? いや、この世界で唐辛子は黄色、オレがカットした青いトマトと色が違う。混乱したオレは、水を作り出したコップに口をつける。
『あ……』
何か言いた気に眉を寄せたブラウ。なあ、ブラウ、知ってるか? 辛い口に水を入れると……さらに痛みが広がるんだぜ。オレはいま知った!!
「今日は新作! まずはピンクのマヨネーズが掛かった野菜を平らげること。その後、ご飯の上にカレーを掛けて食べることを許可する。以上、いただきます」
「「「「いただきます」」」」
慣れた傭兵達の唱和があり、目の前に置かれたマヨ和えサラダを掻っ込む。彼らの前にカレーは置かれていない。そう、匂いだけ嗅ぎながら野菜を食べるのだ。普段からサラダの消費が少ないから、こういった駆け引きは必要だった。あれだ、親が食後のデザートを餌に苦手なピーマンを食べさせる的な感じ。ちなみにオレはピーマン平気だったぞ。
「食ったぁ! カレーだ」
一抜けはジャックだった。カレーの味を知るジャック班の動きが早い。ノア、サシャ、ライアンの様子に、慌てたジークムンドが続いた。聖獣達は両方並べて出したが、特に問題なく食べている……いや、1匹を除いて問題ない。
「ブラウ、食い方汚い」
『僕のご飯だもん、僕の自由だ!』
ピンクのマヨネーズ和えサラダの上にご飯を乗せ、カレーを掛けた品のない猫まんま……あ、合ってる。猫だからこれで正しかったんだ。オレが悪かった。頷いて納得することにした。
今日の給仕係は女中さん達だ。カレーの匂いに釣られて、彼女らの分を確保することを条件に、カレーを公平に注ぐ係を頼んだ。傭兵に頼むと偏りそうだし、カレーの恨みは末代まで祟るからな。これは学校給食で、過去に経験済みだった。危険なこと、この上ない。
「なぜピンクなのでしょうか」
じいやが不思議そうに呟く。味は普通のマヨネーズだ。卵も別に黄身が赤いわけじゃなく、普通に透明の白身と黄色い黄身だった。油はやや緑がかった透明でオリーブオイルっぽい感じだし、酢は柔らかなオレンジ系の美しい液体だ。混ぜたらピンクになる要素がないよな?
「味は平気」
この世界の食材の色は、もう気にしないことにした。奇妙な科学変化したような色も、慣れれば食える。ピンクのマヨネーズを味見するときは、死ぬかもしれないと思ったけど。サラダの紫レタスとよく合うし。
「色が可愛い」
「そうだね」
リアムが気に入ったならそれでいい。あのカミサマの放り込んだ世界がまともだと思う方が間違ってるし、もしかしたら日本が間違ってるのかもしれないと疑う今日この頃。
ちなみにオレのテーブルには小鍋にカレーが用意されている。甘口予定のトマト入り、黒林檎と青蜂蜜が作り出す奇跡の激甘デザート、トミ婆さんの辛口だ。リアムは迷った末に辛口から行った。勇者だな。
甘口になると思われる青いトマト入りカレーをよそう。大丈夫、考え方の方向性は正しいと思う。じいやもそう言った。同じく甘口予定トマトカレーを注いだじいやと視線を合わせ、頷き合う。せーので口に入れた。
「ぐっ」
「ぶはっ! げほっ、がは……」
堪えたじいやに対し、オレはダメだった。転げ回りたいほどの痛みに涙が滲む。なんだこの激辛! トマト入れて辛いっておかしいだろ。間違えて唐辛子を入れた? いや、この世界で唐辛子は黄色、オレがカットした青いトマトと色が違う。混乱したオレは、水を作り出したコップに口をつける。
『あ……』
何か言いた気に眉を寄せたブラウ。なあ、ブラウ、知ってるか? 辛い口に水を入れると……さらに痛みが広がるんだぜ。オレはいま知った!!
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