【完結】絶対神の愛し子 ~色違いで生まれた幼子は愛を知る~

綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢

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20.お風呂に一緒に入って明日も一緒

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 メリクはにゃーにお魚を買っていた。お皿に載せて差し出したら、うにゃんと鳴いて食べている。すごくお腹空いたのかな。撫でながら僕も床に座った。

「イルは優しいな」

「優しいの?」

 知らない言葉を繰り返せば、メリクが教えてくれる。優しいのは、相手のことを思って行動できることだって。僕がにゃーを撫でるために床に座ったのも、ご飯を食べるにゃーを見守るのも「優しい」に入るみたい。

 ちゃんと覚えておこう。今日はお外でご飯を食べて、知らない人に撫でてもらった。あと抱っこもされた。外の人はお屋敷の人と違って、いきなり叩いたり蹴ったりしない。胸がぎゅっとなる叫び声もない。

 お外でメリクと一緒にいると、皆が優しいの。きっとメリクがいい人だからだね。食べ終わったにゃーが、手で顔を洗う。抱っこしようとしたら、先にメリクに抱っこされちゃった。

「一緒にお風呂入るか」

 お風呂は大きなお鍋みたいな風呂桶に体を入れる。言われて気づいたけど、僕は今まで一人で入ってたね。最初にメリクがお風呂してくれた時も、その次も。風呂桶の外で手を伸ばして洗っていた。

「一緒でいいの?」

「ああ、イルが嫌じゃなければ一緒に入ろう」

「うん」

 嫌じゃないよ。メリクも嫌じゃないのかな。もしかして、僕が臭くなくなったから、一緒に入るのかも!

「それはない。臭くても汚れてても、一緒に入りたいぞ」

「そうなの?」

 僕、言葉にした? メリクは僕が言わなくても返事をくれる。僕もメリクに同じことが出来たらいいのに。時々気持ちがわかる気がするだけなの。

 抱っこされたまま、お風呂に向かった。お湯を溜めている間に、体を洗う。泡の出る石を擦って、布でゴシゴシした。メリクも同じように洗うから、少しだけ洗うのを手伝った。僕を洗った布でごめんね。背中の方は届かなくて、足を手伝う。

「助かった、ありがとう」

 お礼を言われたから、メリクは嬉しかったのかな。にこにこする僕にお湯をかけて、泡を消す。床に空いてる穴にクルクル回って、泡が入っていくの。座り込んで眺めていると、抱っこされた。

 一緒にお湯に入って、僕はメリクのお膝に座った。いつもより高くて肩が出るよ。頭の毛も洗ってもらって、ふわふわの布で包まれてお部屋へ戻った。光が寄ってきて、濡れた髪を乾かしてくれる。

 光は痛いのも消せるし、温かくしたり、濡れたのを消して乾かしてくれたり。いつも僕に優しいの。優しいってこうやって使う言葉だよね?

 振り返った先でメリクが頷くから、嬉しくなって「優しくてありがとう」とお礼を言った。光はいっぱい光って、僕に触れる。

「明日は何をしたい?」

「わかんない」

「お買い物も外食もしたから……そうだな、森へ遊びに行こうか」

 森は遊びに行くところなの? 遊びって、何をするんだろう。わくわくする。痛いことをしないメリクが楽しそうに言うから、僕は大きく頷いた。

 明日は森で遊ぶ。約束だって。だから明日もメリクといられるんだよね。にゃーもお留守番じゃなくて、一緒に行こうね。
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