22 / 105
22.イルは大切な宝物だ
しおりを挟む
「内緒だぞ」
くすっと笑ったメリクが、僕の上に光の粉を振った。きらきらして、しゅんと消える。
「ほら、綺麗になっただろ」
言われて服を見たら、汚れがなくなってた。今の光が消したのかな。頷くメリクにもう一回とお願いした。口の周りを洗うにゃーに光の粉がかかる。綺麗になった?
うにゃー、不満そうな声を出すから綺麗じゃない? 自分で綺麗にしたかったのかも。撫でたらご機嫌になったにゃーは、僕のお膝にぴたりと張り付いて眠ったの。可愛いね。にゃーは子どもの大きさだから、可愛いでもいいんだよね。
「これは秘密なんだ。知られたら、悪い人に追いかけられるぞ」
「おいかけて、たたく?」
「かもな」
怖いね、悪い人は近づかないでほしい。メリクは僕を守るから平気と言ったけど、叩かれると痛いんだよ。我慢できなくて泣いちゃうこともあるの。だから、慣れてる僕が叩かれてあげるね。痛いのは嫌いだけど、メリクが痛いよりいいから。
「悲しいことを考えるな。イルは大切な宝物だ。絶対に守るさ。二度と叩かせたりしない」
僕は宝物? じゃあ、忘れていったりしないでね。ずっと一緒がいいんだ。メリクがいると周りが優しくて、美味しくて、温かいんだもん。
ご飯を食べて眠くなった僕は、メリクに寄りかかって眠った。触ってると安心できるの。時々水の音がして、夜色の髪を風が撫でる。寒くなくて、痛くなくて、メリクもにゃーもいるから。ゆっくり眠った。
目を開けると、まだお外は明るい。水を見に行きたいので、メリクと一緒に覗き込んだ。魚かな、何か光る長細いのがいる。
「魚みたいだ。捕まえてやろうか?」
「ううん、だめなの」
お魚は家族といるんだよ。だって中にいっぱいいるもん。
「そうか、イルは優しいな」
頭を撫でるメリクは、僕と同じ色の髪をしている。それに目の色もそっくりだった。前にお屋敷の人が言ってたよ。家族は同じ色だって。
「ん? よく気づいたな。同じ色だから、俺とイルは家族になれる」
「僕でいい?」
嫌じゃない? 僕は悪い子なんだって聞いた。家族と同じ色じゃないから、ダメな子なの。それでも同じ色なら、メリクは平気なのかな。僕を嫌いにならない?
「絶対に嫌いにならない。約束してもいいぞ」
約束は大事で、必ず守らないといけないの。そんな大切な約束をしてくれるなら。僕も約束しよう。
「メリクと僕、やくそく」
「ああ、イルも約束してくれるんだな。とっても嬉しい」
たくさん話せない僕をメリクは笑ったりしない。新しいことをたくさん教えてくれるし、僕に笑った顔を向ける。
「うん、だいすき」
だからこの言葉を使っていいんだよね。笑って伝えたら、メリクも大好きと返した。
大きな水に足を入れたり、冷たくてびっくりしたり、また木の陰で休んだりした。お日様の色が濃くなるまで色々したけど、これが遊ぶなの? 楽しいから、また遊ぼうね。
メリクに抱っこされて、にゃーも一緒に。お部屋に帰ったのは眠っててよく覚えてない。目が覚めたらメリクにぎゅっとされて、ベッドの中だった。
くすっと笑ったメリクが、僕の上に光の粉を振った。きらきらして、しゅんと消える。
「ほら、綺麗になっただろ」
言われて服を見たら、汚れがなくなってた。今の光が消したのかな。頷くメリクにもう一回とお願いした。口の周りを洗うにゃーに光の粉がかかる。綺麗になった?
うにゃー、不満そうな声を出すから綺麗じゃない? 自分で綺麗にしたかったのかも。撫でたらご機嫌になったにゃーは、僕のお膝にぴたりと張り付いて眠ったの。可愛いね。にゃーは子どもの大きさだから、可愛いでもいいんだよね。
「これは秘密なんだ。知られたら、悪い人に追いかけられるぞ」
「おいかけて、たたく?」
「かもな」
怖いね、悪い人は近づかないでほしい。メリクは僕を守るから平気と言ったけど、叩かれると痛いんだよ。我慢できなくて泣いちゃうこともあるの。だから、慣れてる僕が叩かれてあげるね。痛いのは嫌いだけど、メリクが痛いよりいいから。
「悲しいことを考えるな。イルは大切な宝物だ。絶対に守るさ。二度と叩かせたりしない」
僕は宝物? じゃあ、忘れていったりしないでね。ずっと一緒がいいんだ。メリクがいると周りが優しくて、美味しくて、温かいんだもん。
ご飯を食べて眠くなった僕は、メリクに寄りかかって眠った。触ってると安心できるの。時々水の音がして、夜色の髪を風が撫でる。寒くなくて、痛くなくて、メリクもにゃーもいるから。ゆっくり眠った。
目を開けると、まだお外は明るい。水を見に行きたいので、メリクと一緒に覗き込んだ。魚かな、何か光る長細いのがいる。
「魚みたいだ。捕まえてやろうか?」
「ううん、だめなの」
お魚は家族といるんだよ。だって中にいっぱいいるもん。
「そうか、イルは優しいな」
頭を撫でるメリクは、僕と同じ色の髪をしている。それに目の色もそっくりだった。前にお屋敷の人が言ってたよ。家族は同じ色だって。
「ん? よく気づいたな。同じ色だから、俺とイルは家族になれる」
「僕でいい?」
嫌じゃない? 僕は悪い子なんだって聞いた。家族と同じ色じゃないから、ダメな子なの。それでも同じ色なら、メリクは平気なのかな。僕を嫌いにならない?
「絶対に嫌いにならない。約束してもいいぞ」
約束は大事で、必ず守らないといけないの。そんな大切な約束をしてくれるなら。僕も約束しよう。
「メリクと僕、やくそく」
「ああ、イルも約束してくれるんだな。とっても嬉しい」
たくさん話せない僕をメリクは笑ったりしない。新しいことをたくさん教えてくれるし、僕に笑った顔を向ける。
「うん、だいすき」
だからこの言葉を使っていいんだよね。笑って伝えたら、メリクも大好きと返した。
大きな水に足を入れたり、冷たくてびっくりしたり、また木の陰で休んだりした。お日様の色が濃くなるまで色々したけど、これが遊ぶなの? 楽しいから、また遊ぼうね。
メリクに抱っこされて、にゃーも一緒に。お部屋に帰ったのは眠っててよく覚えてない。目が覚めたらメリクにぎゅっとされて、ベッドの中だった。
81
あなたにおすすめの小説
美人同僚のおまけとして異世界召喚された私、無能扱いされ王城から追い出される。私の才能を見出してくれた辺境伯様と一緒に田舎でのんびりスローライ
さら
恋愛
美人な同僚の“おまけ”として異世界に召喚された私。けれど、無能だと笑われ王城から追い出されてしまう――。
絶望していた私を拾ってくれたのは、冷徹と噂される辺境伯様でした。
荒れ果てた村で彼の隣に立ちながら、料理を作り、子供たちに針仕事を教え、少しずつ居場所を見つけていく私。
優しい言葉をかけてくれる領民たち、そして、時折見せる辺境伯様の微笑みに、胸がときめいていく……。
華やかな王都で「無能」と追放された女が、辺境で自分の価値を見つけ、誰よりも大切に愛される――。
我が家に子犬がやって来た!
もも野はち助
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。
アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。
だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。
この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。
※全102話で完結済。
★『小説家になろう』でも読めます★
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi(がっち)
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
無魔力の令嬢、婚約者に裏切られた瞬間、契約竜が激怒して王宮を吹き飛ばしたんですが……
タマ マコト
ファンタジー
王宮の祝賀会で、無魔力と蔑まれてきた伯爵令嬢エリーナは、王太子アレクシオンから突然「婚約破棄」を宣告される。侍女上がりの聖女セレスが“新たな妃”として選ばれ、貴族たちの嘲笑がエリーナを包む。絶望に胸が沈んだ瞬間、彼女の奥底で眠っていた“竜との契約”が目を覚まし、空から白銀竜アークヴァンが降臨。彼はエリーナの涙に激怒し、王宮を半壊させるほどの力で彼女を守る。王国は震え、エリーナは自分が竜の真の主であるという運命に巻き込まれていく。
田舎娘、追放後に開いた小さな薬草店が国家レベルで大騒ぎになるほど大繁盛
タマ マコト
ファンタジー
【大好評につき21〜40話執筆決定!!】
田舎娘ミントは、王都の名門ローズ家で地味な使用人薬師として働いていたが、令嬢ローズマリーの嫉妬により濡れ衣を着せられ、理不尽に追放されてしまう。雨の中ひとり王都を去ったミントは、亡き祖母が残した田舎の小屋に戻り、そこで薬草店を開くことを決意。森で倒れていた謎の青年サフランを救ったことで、彼女の薬の“異常な効き目”が静かに広まりはじめ、村の小さな店《グリーンノート》へ、変化の風が吹き込み始める――。
【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。
BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。
辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん??
私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?
治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~
大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」
唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。
そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。
「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」
「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」
一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。
これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。
※小説家になろう様でも連載しております。
2021/02/12日、完結しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる