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63.初めて見る虹を探検したの
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「うわぁ!」
広がる景色は初めて見る物ばかりで、僕は大興奮だった。胸はどきどきするし、顔もぽかぽかする。それでメリクはいつもより優しく笑う気がした。旅行ってすごいな。
きらきらした光の帯は、虹だった。初めて見たし、初めて上を歩いたよ。赤、オレンジ、黄色、緑、青、紫……それから白っぽい部分がある。色と色の間も綺麗なんだ。座って触ると、すべすべしていた。
「イル、実は虹の根元に宝物があるんだ」
「たからもの!」
「一緒に探しに行こうか」
「うん」
虹を滑っていく。メリクが用意した小さなお舟に乗ったら、あっという間に下へ向かって動き出した。すごいね、コテツより速いかも。しゅっと風の音がするの。真下へ滑るのに、僕が落ちないんだよ。お腹の辺りがヒュンとして、楽しかった。
「きゃああぁ!」
両手を上に向けて、虹の下まで滑った。僕を後ろから支えるメリクの手が温かくて、振り返ってお礼を言う。
「どういたしまして。さあ、宝物を探すぞ」
メリクと一緒に、虹が刺さった地面を探す。精霊がひらひらと飛んで、一箇所に集まった。そこは普通の地面だけど、精霊は僕を呼ぶ。とことこ近づいて、その前にしゃがみ込んだ。
「ん? 掘ってみようか」
「うん」
渡された小さなスプーンみたいのを、土に刺す。メリクが上手で、刺して揺らすと土がバラバラになった。それを載せて、横へ積んでいく。多分、僕にも出来る。掘って横に積んで、また掘った。すると、何かが当たる。
「スコップをどけてごらん」
スプーンじゃなくて、スコップ? 形が似ているから、名前も似ているのかな。土を除けるメリクが、中から箱を引っ張り出した。
「何が入っているかな? イルはどう思う」
「えっと……ひかるもの」
精霊みたいにピカピカして、キラキラ綺麗な物がいい。期待しながら、メリクが開けてくれるのを待つけど……なかなか開けようとしなかった。スコップを横に置いて、箱を僕の前へ下ろす。
「イル、一緒に開けよう。手伝ってくれ」
「うん!」
僕できる! お手伝いは好きだよ。立ち上がってスカートの汚れを払い、箱に手を触れた。メリクも隣で箱の蓋を持ち上げる。すぐに箱は開いて、光がいっぱい!
お日様の光できらきらするのは、何だろう。手を入れたら、光る石だった。硬くてでも綺麗。ひとつ持ち上げて手のひらに置いたら、赤い色が手の上で踊ってるみたい。
「綺麗な石でよかったな」
「うれしいね」
メリクの収納の穴に入れて、持って帰ることにした。お留守番のにゃーに見せたいし、コテツにも教えてあげよう。あと、ルミエルと一緒に見たい。喜んでくれるといいな。
虹の探検は終わりにして、また小さいお舟に乗った。海じゃないのに、お空を浮いている。きょろきょろする僕の目に、大きな水の柱が見えた。
「あれ、なぁに?」
「ああ、滝だな。近くで見てみようか」
水が立っているんじゃなくて、上から落ちている。すごく高いところから、ずっと流れてくるのに驚いた。たくさんのお水はどこから来るのかな。
近くに行くと冷たい小さい雨が飛んできて、涼しくなる。寒すぎない涼しい感じを楽しんだら、また舟で飛んだ。
次は何があるんだろう。わくわくしながら、メリクのお膝から外を眺めた。
広がる景色は初めて見る物ばかりで、僕は大興奮だった。胸はどきどきするし、顔もぽかぽかする。それでメリクはいつもより優しく笑う気がした。旅行ってすごいな。
きらきらした光の帯は、虹だった。初めて見たし、初めて上を歩いたよ。赤、オレンジ、黄色、緑、青、紫……それから白っぽい部分がある。色と色の間も綺麗なんだ。座って触ると、すべすべしていた。
「イル、実は虹の根元に宝物があるんだ」
「たからもの!」
「一緒に探しに行こうか」
「うん」
虹を滑っていく。メリクが用意した小さなお舟に乗ったら、あっという間に下へ向かって動き出した。すごいね、コテツより速いかも。しゅっと風の音がするの。真下へ滑るのに、僕が落ちないんだよ。お腹の辺りがヒュンとして、楽しかった。
「きゃああぁ!」
両手を上に向けて、虹の下まで滑った。僕を後ろから支えるメリクの手が温かくて、振り返ってお礼を言う。
「どういたしまして。さあ、宝物を探すぞ」
メリクと一緒に、虹が刺さった地面を探す。精霊がひらひらと飛んで、一箇所に集まった。そこは普通の地面だけど、精霊は僕を呼ぶ。とことこ近づいて、その前にしゃがみ込んだ。
「ん? 掘ってみようか」
「うん」
渡された小さなスプーンみたいのを、土に刺す。メリクが上手で、刺して揺らすと土がバラバラになった。それを載せて、横へ積んでいく。多分、僕にも出来る。掘って横に積んで、また掘った。すると、何かが当たる。
「スコップをどけてごらん」
スプーンじゃなくて、スコップ? 形が似ているから、名前も似ているのかな。土を除けるメリクが、中から箱を引っ張り出した。
「何が入っているかな? イルはどう思う」
「えっと……ひかるもの」
精霊みたいにピカピカして、キラキラ綺麗な物がいい。期待しながら、メリクが開けてくれるのを待つけど……なかなか開けようとしなかった。スコップを横に置いて、箱を僕の前へ下ろす。
「イル、一緒に開けよう。手伝ってくれ」
「うん!」
僕できる! お手伝いは好きだよ。立ち上がってスカートの汚れを払い、箱に手を触れた。メリクも隣で箱の蓋を持ち上げる。すぐに箱は開いて、光がいっぱい!
お日様の光できらきらするのは、何だろう。手を入れたら、光る石だった。硬くてでも綺麗。ひとつ持ち上げて手のひらに置いたら、赤い色が手の上で踊ってるみたい。
「綺麗な石でよかったな」
「うれしいね」
メリクの収納の穴に入れて、持って帰ることにした。お留守番のにゃーに見せたいし、コテツにも教えてあげよう。あと、ルミエルと一緒に見たい。喜んでくれるといいな。
虹の探検は終わりにして、また小さいお舟に乗った。海じゃないのに、お空を浮いている。きょろきょろする僕の目に、大きな水の柱が見えた。
「あれ、なぁに?」
「ああ、滝だな。近くで見てみようか」
水が立っているんじゃなくて、上から落ちている。すごく高いところから、ずっと流れてくるのに驚いた。たくさんのお水はどこから来るのかな。
近くに行くと冷たい小さい雨が飛んできて、涼しくなる。寒すぎない涼しい感じを楽しんだら、また舟で飛んだ。
次は何があるんだろう。わくわくしながら、メリクのお膝から外を眺めた。
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