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101.成長しなくていい(絶対神SIDE)
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変革が起きて五年後。イルはまだ成長しない。三歳になるまでは間違いなく成長していたのに、止まっていると錯覚するほど時間の流れがゆっくりになった。
「メリク、抱っこして」
流暢になった言葉が成長と時間の流れを物語る。一年前に俺が管理する世界へ移動した。イルが好きな果物の木が生える世界だ。動物も豊富で、一番豊かだった。
人族は入れていないが、精霊族は設定した。近々、獣人を増やそうか迷っている。
「今日はシアラが来る日だよね」
にこにこと確認するイルは、七歳になったのに腕にすっぽり収まる幼子のままだ。外見上は三歳に過ぎない。いっそ、このままでもいいな。そう思い始めた俺に、イルはこてりと首を傾げた。
「日付の数え方、間違えた?」
「いや、正しいぞ。そろそろ来るだろう」
シアラだけでなく、全員が顔を合わせる。賑やかなのが好きで、イルはワクワクしていた。少しばかり、癪だが。俺はイルと二人で物足りなさは感じないのに。
「お久しぶりです」
相変わらず三毛猫姿で現れるシアラは、眷属に迎えた虎のコテツを伴っていた。彼が管理する世界で、コテツは聖獣という位置付けだ。精霊を守る役割らしい。発想が面白いので、すぐに他の神々に真似された。
「遅れちゃった?」
ルミエルが飛び込む。彼女も成長していない。神と愛し子を同じに考えてはいけないが、イルが成長するまで自分も合わせると決めたらしい。先に成長するとイルが寂しがると笑った。
「わりぃ、俺が最後……じゃなかった」
ほっとした声をあげるゼルクが、大袈裟に胸を撫で下ろす。最後だからと罰があるわけでもあるまい。そう笑ったら「待たせたらボスは文句言うだろ」と返された。正直、心当たりはある。
シュハザは無言で現れ、イルに近づいて微笑んだ。その腕に抱くのは、赤子だ。生まれたばかりの愛し子を連れてきたのだろう。つい数ヶ月前に、愛し子が生まれたと大喜びで報告があった。
「赤ちゃんだ!」
イルはすぐに赤子に興味を示した。起きて指を動かす赤子は、シュハザにそっくりの色を纏っていた。銀色の髪に青い目……愛し子は対になる神と同じ色を纏う。間違いなかった。
「イル様、この子と仲良くしてくださいね」
「お名前はあるの?」
無邪気に尋ねるイルが伸ばした手に、小さな指が触れる。きゅっと掴まれて、イルは擽ったいと頬を緩めた。
「名前はロレイと言います」
「ロレイ、可愛いね。女の子だ」
イルは直感で言い当てた。対になる神とは、性別は逆になる。サフィにはまだ現れていないが、女装ではなく女神に変われば愛し子は男児になるだろう。
愛し子を得ると、神の性別は固定される。それ以降は変更ができなかった。俺はなんら不自由なかったが、サフィはどうするのか。この場にいない配下を思い浮かべた。
「ちょ! 私の愛し子が生まれそうなの。今日は欠席するわ。イルちゃん、またね」
ひらりと手を振って、彼女は上半身だけ送り込んで捲し立てた。そのまますっと消えてしまう。きょとんとした顔のイルは、ぐるりと周囲を見回して俺に目を合わせた。
「サフィ、赤ちゃん出来たの?」
「ん゛ん! ちょっと違うな。シュハザのロレイみたいに、愛し子が見つかったようだ」
まだ生まれていないようだが、時間の問題だろう。羨ましそうにゼルクが呟いた。
「俺も早く愛し子欲しいぜ」
「私も」
ルミエルも声をあげ、シアラはコテツと顔を見合わせたが、何も言わなかった。相変わらず、立ち回りの上手い奴だ。
「メリク、抱っこして」
流暢になった言葉が成長と時間の流れを物語る。一年前に俺が管理する世界へ移動した。イルが好きな果物の木が生える世界だ。動物も豊富で、一番豊かだった。
人族は入れていないが、精霊族は設定した。近々、獣人を増やそうか迷っている。
「今日はシアラが来る日だよね」
にこにこと確認するイルは、七歳になったのに腕にすっぽり収まる幼子のままだ。外見上は三歳に過ぎない。いっそ、このままでもいいな。そう思い始めた俺に、イルはこてりと首を傾げた。
「日付の数え方、間違えた?」
「いや、正しいぞ。そろそろ来るだろう」
シアラだけでなく、全員が顔を合わせる。賑やかなのが好きで、イルはワクワクしていた。少しばかり、癪だが。俺はイルと二人で物足りなさは感じないのに。
「お久しぶりです」
相変わらず三毛猫姿で現れるシアラは、眷属に迎えた虎のコテツを伴っていた。彼が管理する世界で、コテツは聖獣という位置付けだ。精霊を守る役割らしい。発想が面白いので、すぐに他の神々に真似された。
「遅れちゃった?」
ルミエルが飛び込む。彼女も成長していない。神と愛し子を同じに考えてはいけないが、イルが成長するまで自分も合わせると決めたらしい。先に成長するとイルが寂しがると笑った。
「わりぃ、俺が最後……じゃなかった」
ほっとした声をあげるゼルクが、大袈裟に胸を撫で下ろす。最後だからと罰があるわけでもあるまい。そう笑ったら「待たせたらボスは文句言うだろ」と返された。正直、心当たりはある。
シュハザは無言で現れ、イルに近づいて微笑んだ。その腕に抱くのは、赤子だ。生まれたばかりの愛し子を連れてきたのだろう。つい数ヶ月前に、愛し子が生まれたと大喜びで報告があった。
「赤ちゃんだ!」
イルはすぐに赤子に興味を示した。起きて指を動かす赤子は、シュハザにそっくりの色を纏っていた。銀色の髪に青い目……愛し子は対になる神と同じ色を纏う。間違いなかった。
「イル様、この子と仲良くしてくださいね」
「お名前はあるの?」
無邪気に尋ねるイルが伸ばした手に、小さな指が触れる。きゅっと掴まれて、イルは擽ったいと頬を緩めた。
「名前はロレイと言います」
「ロレイ、可愛いね。女の子だ」
イルは直感で言い当てた。対になる神とは、性別は逆になる。サフィにはまだ現れていないが、女装ではなく女神に変われば愛し子は男児になるだろう。
愛し子を得ると、神の性別は固定される。それ以降は変更ができなかった。俺はなんら不自由なかったが、サフィはどうするのか。この場にいない配下を思い浮かべた。
「ちょ! 私の愛し子が生まれそうなの。今日は欠席するわ。イルちゃん、またね」
ひらりと手を振って、彼女は上半身だけ送り込んで捲し立てた。そのまますっと消えてしまう。きょとんとした顔のイルは、ぐるりと周囲を見回して俺に目を合わせた。
「サフィ、赤ちゃん出来たの?」
「ん゛ん! ちょっと違うな。シュハザのロレイみたいに、愛し子が見つかったようだ」
まだ生まれていないようだが、時間の問題だろう。羨ましそうにゼルクが呟いた。
「俺も早く愛し子欲しいぜ」
「私も」
ルミエルも声をあげ、シアラはコテツと顔を見合わせたが、何も言わなかった。相変わらず、立ち回りの上手い奴だ。
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